水曜ムチャ振り実験室

第5回 インスタント麺は、自作できるか?

2009.11.11 WED

水曜ムチャ振り実験室


普通のラーメン用の生麺を茹でて、高温の油で一気に揚げる。これでインスタントラーメンができるのか。かなり不安ですが、試してみるしかありません

とりあえず乾燥がキモ?インスタント麺に挑戦!



一人暮らしの友、いや親友! 数分で美味しいラーメンが出来上がるインスタントラーメンは、日本が世界に誇る発明品。今回は、普段は気軽に食べているインスタントラーメンを一から作ってみるという無謀なチャレンジを敢行することになりました。つたない知識で作るので、過大な期待はご遠慮ください。と、いきなりフォローを入れたところで、始めてみましょう。

インスタントラーメンは、お湯で戻して作るので、どう乾燥させるかが重要。麺を油で揚げて乾燥させる「油揚げ麺」が主流です。てんぷらの技法にヒントを得て開発されたそうですが、さすがに詳細な製造方法はメーカーサイトにも載ってません。高温で揚げるという情報だけを頼りに、手探りでトライ。まず、スーパーで売っているラーメン用の生麺をベースにすることに決定。すでに間違っているかもしれませんが、構わず進めます。高温ということですから油の温度は180度くらいでしょうか。油がはねると危ないと思ったので、茹で上げた麺をクッキングペーパーでしっかり水切りしてから揚げてみました。ジュンジュワ~ッと激しい勢いで揚がり始めましたよ! インスタントラーメンの麺はこんがりしてないので、サッと揚げる感じではないかと予想。2分ほど揚げてみました。う~む、ちょっと揚げすぎたかもしれん。しかし、サクサクとした感じで水っぽさはなくなりました。とりあえず「油揚げ麺」の完成です。

さて、次は「ノンフライ麺」。「油揚げ麺」とはまた違った独特の食感があって、好きです。製法はというと熱風をあてて乾燥させるようですね。最初は、レンジでチンすれば、それっぽくなるんじゃないかと安易に考えていたのですが、却下。ドライヤーの出番です。果たして、どんだけドライヤーをあてなければいけないのか。めんどくさいですが、挑戦してみます。一度茹でて湯切りした麺にドライヤーをあてること30分。表面がそれっぽい感じに乾燥してきました。これはいける! あとはひたすらドライヤーをあて続けるだけです。さすがに手持ちはつらいので、ドライヤーを固定して様子を見ながら全面にあてていきます。2時間ほどで、いい感じに仕上がりました。まだ中心部は完全に乾燥しきってないような気もしますが、よしとしましょう。それにしても、ドライヤーで2時間。1200Wのものなので、消費電力量は2.4kWh。まったく地球に優しくありません。ともあれ「ノンフライ麺」の完成です。

※今回の調理手順は、あくまで記事のための実験手順です。危険なのでマネしないでください。
左上がドライヤーで2時間かけて乾燥させたノンフライ麺。右上が油揚げ麺。左下がかやくで、右下が粉末スープ。完成まで6時間近くかかりました
かやくは、ネギ(みじん切り)、チャーシュー(市販の焼き豚をスライス)、メンマ(市販品)の三種の神器をチョイス。これは食品用脱水シートを使ってみることにしました。半透明のシートで、これに食材をぴちっと包み込むと、浸透圧の力でうまみを残したまま余分な水分がとれるという優れモノ。とりあえず素材を包んで24時間置いてみましたが水気は多少とれたものの乾燥までにはいたりませんでした。あくまで余分な水分をとるというもので、今回の用途とは使い道が違っていたようです。ここで、再びドライヤーの登場。これまた2時間かけて乾燥させました。カッチカチです。ビバ、ドライヤー。

最後にスープですが、基本的に乾燥素材を使って作成することにしました。少しづつ調整と失敗を繰り返しながら、レシピを導き出してみましょう。インスタントラーメンのスープの原材料をみると、かなりいろいろなものが使われているようです。スタンダードといえる袋麺を参考にしたのですが、チキンエキス、魚介エキス、香辛料、しょうゆ、香料などなどいろんなものが入ってるんですねえ。

で、調整した結果が、これです。最終的に水500ccで薄めるとして、鶏がらスープ粉末小さじ2杯、ホタテエキス粉末小さじ半分、塩少々、かつおだし粉末少々、胡椒少々。しょうゆのみ、普通の液体のものを小さじ1杯最後に入れることにしました。

さて、これで素材は完成。いよいよ実食です。
さて、まずは油揚げ麺から実食に入ります。かなり油っぽい感じに仕上がってますが、大丈夫でしょうか。いただきまーす

自作インスタント麺は美味しく作れたか?



麺からスープまで、自前でこだわりのラーメンを作る! という気合の入ったラーメンマニアは結構いらっしゃるかもしれませんが、わざわざインスタントラーメンを自作するという方は、それほどいないと思います。それでも「迷わず作れよ、作ればわかるさ」ということで、知り得た知識と勘を頼りに自作のインスタントラーメンを作ってみました。味はまったくわかりません。なにしろ、まだ食べてないので。とりあえず迷わず食ってみることにします。

まずは、ラーメンどんぶりを用意。お湯で温めます。ラーメンはフーフーいいながら食べるのがうまい。これは基本ですね。油揚げ麺バージョンと、ノンフライ麺バージョンを作りましたが、まずはインスタントラーメンの王道、油揚げ麺方式で作ったラーメンを食してみたいと思います。

自作の粉末スープを入れ、どんぶりに熱湯を注ぎます。しょうゆは、粉末しょうゆを使いたかったのですが、入手が難しかったので普通のしょうゆで代用しました。そこに油揚げ麺とかやくを投入し、ふたをすること3分。何かふたをとるのが怖いです。さて開けてみます。むう。箸を入れてみた感じ、まだ具も麺も戻ってないようです。もう3分待ってみます。

それでは、実食! うむ、具はしっかりしていますぞ。さて、肝心の麺ですがま、まずくはない。いや、これはこれでうまいといえないこともないですやん!

説明しよう。けしてクオリティは高くはない(当たり前)。しかし、これはどこか懐かしい。小学生のころ駄菓子屋で食べた、50円くらいの名もしれぬスナック麺のような味。もちろん、その50円スナック麺よりも洗練されてないチープな味なのですが、悪くはありません。サクサクした、ラーメンらしからぬ食感も、逆にいい感じ。スープも油揚げ麺の油が溶けこんでコクを感じる。いや、うすっぺらいコクですが。もちろん、麺にはコシもなにもないですよ。ぼっそぼそです。でも、どこか郷愁を感じる味なんですな。正直、食べられないくらいまずいと思っていたので安心しました。
思いがけない味に、そこそこ満足した油揚げ麺に比べて、ノンフライ麺はだまになりやすく、麺としての魅力がまったく感じられません
さて、次はノンフライ麺。じつは、最初はこちらが本命でした。見た目も、いかにも市販品のノンフライ麺だし、油で揚げてないのでそれほど味の変化はないはずと踏んだのです。さて、どんぶりに粉末スープとノンフライ麺、かやくを投入、お湯を注ぎます。まずは3分待ちましょう。さて、どうだ!

麺が全然戻ってません。箸でほぐそうとしても、あまりほぐれない。固まってます。もう3分ふたをしましょう。3分後、麺はやや戻ってきましたが、ほぐれにくいのが致命的。コシもなく、ぼそぼそです。乾燥させて玉にした麺の中心部がひっついてしまい、だまになってほぐれず、ヒジョーに食べにくいのです。

とここまで食べてきて思いました。茹で上げた後、乾燥作業に入る前に、ほぐれやすいよう油を塗るべきだったのでは? ノンフライという言葉に引っ張られて、油を使っちゃいけないと無意識に思っていたようです。そうすれば、ここまで麺がほぐれないことはないかも。早速、作り直してみましたが、多少の改善はみられるもののやはり食べづらい。それに、油揚げ麺のような面白みがありません。

というわけで、自作するなら油揚げ麺がオススメです。ただし、かなり人を選ぶ味だとは思います。ひょっとしたらズバリまずい、という人がほとんどかも。ご興味のある方だけ、お試しください。とりあえず、インスタントラーメンらしきものは作れましたが、市販の製品とはまったくの別物です。知識も技術も設備も貧弱極まりない素人実験ですので、そのあたりはご容赦のほどを。 実験が終了した後、市販のインスタントラーメンを食べてみました。
やっぱり、ウマいなー! 日本が生み出した文化の極みですよ。
企業が優秀な人材と資本を投入して、何十年も研究を続けてきたものですから当然といえば当然かもしれませんが、自分で作ってみてそのスゴさをあらためて実感した次第です。

インスタントラーメンは、スタンダードな商品も時代ごとに味を少しずつ変えていたりもしますし、有名ラーメン店とのコラボ商品も当たり前になりました。メーカーさんの努力には頭が下がりますね。

個人の自作レベルで、市販のインスタントラーメンを超えるのはまず無理だと思いますが、「お前の作ったものよりは、美味しく作れるぜ!」という方は、ぜひレシピを教えてくださいませ。

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