ラーメンのない人生なんて…

第13回 世界に羽ばたけ! 日本のラーメン

2009.11.16 MON

ラーメンのない人生なんて…


写真提供/佐々木晶 こちらが、佐々木さんが太鼓判を押す『心ラーメン』の「ワンタンメン」。「店主は丼のデザインも手がけているようです。これまで2回訪れていますが、確実に進化していますね。オススメです!」

本格派のお店も急増中!世界の日本式ラーメン事情とは?



ラーメン好きならチェックしたでしょうか!? 今春公開された映画『ラーメンガール』は、アメリカンギャルが日本でラーメン職人を目指して奮闘するというストーリーでした。そういえば、東京にはラーメンに魅せられて来日し、お店まで開いてしまったニューヨーカー、アイバン・オーキンさんもいらっしゃいますよね。

しかし、海外のラーメン事情はメディアで紹介されることも少ないわけで。今回はラーメン評論家の佐々木晶さんにご登場いただきましょう。佐々木さんは国立天文台教授にして第7回ラーメン王選手権(テレビチャンピオン)覇者! 海外出張のかたわら、15カ国でラーメンを食べ歩いてきたそうです。

「中華系ではない、日本式のラーメンを食べたのは、韓国、台湾、プエルトリコ、フランス、オーストリアなど11カ国です。アメリカはもちろん、ヨーロッパでも本格的なラーメン店は増えてきていますよ。大きな違いといえば、麺がのびにくいように柔らかめに茹でてあるお店が目立つぐらいでしょうか。日本人に比べて、外国の方はラーメンをゆっくりと食べますからね。最近はクオリティの高い店も増えてきていますよ」

なかには、日本の繁盛店に負けず劣らず、ハイクオリティな一杯を提供する職人もいるようです。
『きわみラーメン』の主力メニュー「醤油碧(あお)。ハワイカイで栽培されている水菜を用いるなど、ハワイと日本の融合を目指したメニューだ
「印象に残っているのは、ベルリンの『心らーめん』。日本でラーメンにハマったドイツ人が帰国後に開いたという店です。醤油、塩、豚骨ラーメンを出しており、自家製麺に猪肉チャーシューを用いるなど、細部までいい仕事をしたラーメンを出していました」(佐々木晶さん)

では、「海外でもウケるラーメン」とは一体!? ハワイ・ホノルルで『きわみラーメン』を営業している佐藤安義さんにたずねてみました。

「醤油・カツオ節などは日本から取り寄せ、『日本のラーメン』を提供するように心がけています。ホノルルは日本人観光客も多いですが、アメリカ本土から来店するお客さんが増えてきました。箸も上手に使われますし、ラーメン経験値の高い方が多い。ニューヨークやロサンゼルス、サンフランシスコでも醤油ラーメンが人気で、『NO MSG』(化学調味料不使用)や『有機栽培』といったキーワードが受けているようです」

なるほど。和食が「ヘルシーさ」で欧米を席巻したように、化学調味料不使用のラーメンも欧米人に受けているわけですね。メイド・イン・ジャパンはラーメンでもまだまだ伸びしろがあると見た!
ニューヨークはマンハッタンの学生街、イースト・ヴィレッジに出店した『IPPUDO NY』。「塩度調整や味の丸みを微妙にチューニングしていますが、ホールスタッフはほぼ100%アメリカ人。『いらっしゃいませ』『ありがとうございます』の挨拶をはじめ、日本流を徹底しています」(一風堂代表・河原成美さん)

NYでも大ブレイク中!?ラーメンが「Ramen」になる日



突然ですが、ニューヨークでラーメンが大ブレイク中って知ってました? 約1.5km四方にレストラン、雑貨屋などがひしめく人気エリア「イースト・ヴィレッジ」には6店ものラーメン店がひしめくというから、こりゃちょっとした激戦区ですよ! 

2008年3月には、本格派豚骨ラーメンの雄『博多 一風堂』が『IPPUDO NY』としてオープン。NYタイムス、ミシュラン、ザガットといった媒体に取り上げられ、現在でも1日最大900人以上の客を集めているというから驚き。さらに、ニューヨークには『せたが屋』『一蘭』など、ラーメン好きにはおなじみの有名ブランドが続々進出を果たしています。いつの間にか、ヤンキースの松井秀喜選手もびっくりのブレイクなんですね~、我らがラーメンって! フリークは海外の動向もウォッチしなきゃいけない時代ですな。

「アメリカにもラーメンフリークのような存在はいるんですよ。カリフォルニアのラーメンを調べていたら、現地のラーメン店ランキングをWeb上にアップしているアメリカ人を見つけました。ラーメン食べ歩きの感想をブログで書いているラーメンブロガーもいますし」(海外のラーメン事情に詳しいラーメン評論家・佐々木晶さん)

世界に広げようラーメンの輪ッ!(古いよ) 日本の国民食・ラーメンは欧米人とも相性がいいんですね。
写真提供/佐々木晶 海外でも二郎系ラーメンは迫力満点ッ! このド迫力盛りは日本勢に勝るとも劣らない。シンガポールの『麺屋しんちゃん』の「醤油豚骨新二郎」
「しかし、真の意味でラーメンが世界食になるためには、材料の工夫が必須。イスラム圏には豚を使った日本式ラーメンは進出しにくいでしょう。また、海外の知人で、ラーメンに興味はあるが、ベジタリアンなのであきらめた人もいましたから。ただ、ラーメンは日本の食文化の代表です。世界にラーメン文化を広める意味で、日本の強豪店の海外進出は大歓迎ですよ!」(佐々木さん)

では、ここで海外に進出したラーメン店のエース格、『博多 一風堂』代表・河原成美さんに、大いなる野望とビジョンを聞いてみましょう!

「NY店は世界展開の第一歩です。今年12月にはアジアの拠点としてシンガポール店をオープンし、来年はニューヨークに2号店、シンガポール2号店、そしてヨーロッパ拠点の構築も計画しています。僕は、世界には10億人以上の日本食マーケットがあると考えていますが、日本人のスピリットを表現しているレストランは本当に少ないのが現状です。僕らは、DNAに刷り込まれている日本人のスピリットを世界中に広げていきますよ!」

10億人が日本のラーメンを待っている! 寿司が「Sushi」として世界に浸透していったように、ラーメンが「Ramen」と呼ばれるようになる日は、すぐそこまで来ているのかもしれません! 今回は海外ラーメン事情をレポートしてみました。

思った以上に日本式のラーメンが浸透しつつある情勢にビックリ!
世界標準になった近未来では、「Ramen, Tsukemen, me, Ikemen !」なんて
一発ギャグが海外で通用しているかもしれません。

さて、様々な角度からラーメンを取り上げてきた本連載も、いよいよ次号で最終回!

大トリは、ラーメン界の最終兵器「二郎」をフィーチャーしてみたいと思います。
アナタの二郎体験談、食破歴など、ぜひぜひ投稿でお寄せください。

いや~、ラーメンってホンットにいいものですね~。
では、また!

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