本当の“インプット”はここが違った
優秀な学生は“定型文”を気にしない。サイバーエージェント採用戦略本部長が教える、情報収集の「7つの習慣」
新R25編集部
そろそろ就活シーズンが到来します。
情報があふれ、人の意見も多種多様。“答え”がないなか、どうしたら「後悔しない会社選び」ができるのか悩む就活生も多いのではないでしょうか。
そこで新R25では先日、就活生の必携メディア・日経電子版とのコラボイベント「会社選びで後悔しないために!答えのない就活を考える―日経電子版×新R25LIVE」を開催(イベントの模様はこちらからご覧いただけます)。
本記事では、イベントにもご登壇いただいた、サイバーエージェント 採用戦略本部 本部長の石田裕子さんに取材を実施。
イベント内でも盛り上がったテーマ「就活生の情報収集術」について、サイバーエージェントの採用を担う立場からアドバイスをいただいたところ…
数多くの新卒を見てきた人事をうならせる“優秀な学生像”が、浮き彫りになりました。
〈聞き手=石川みく(新R25編集部)〉
【石田裕子(いしだ・ゆうこ)】2004年にサイバーエージェントに新卒入社し、広告事業部門で活躍。2つの子会社で社長を経験したのち、2016年より執行役員、2020年より専務執行役員を務める。現在、人事管轄採用戦略本部長も兼任
サイバーエージェント人事が語る、情報収集の「ウソ」と「ホント」を見抜く方法
石川
今日のテーマは「就活生の情報収集」ということで…まずは石田さんが思う、情報収集の鉄則を教えていただけますか?
石田さん
今は情報があふれすぎてるから、“収集”自体は誰でも簡単にできちゃうんですよね。
なので差がつくのは、収集した情報をどう“活用”するか。そのポイントを私なりにまとめたのが、この「7つの習慣」です。
石田さん流 情報収集の「7つの習慣」
①情報収集先は
必要以上に増やさず
、目的に合わせて手段を選択する
②決算発表資料などの
ファクト
に目を通す
③自分の目で見たものを「正」とし、
ウソの情報に惑わされない
。自分の価値観で判断する
④情報は「
多面的かつ客観的
」に見る
⑤情報を隠そうとする会社は、
何かが怪しい
と疑ってかかる
⑥自分が一番知りたい情報は、
直接企業の社員に聞く
⑦企業の雰囲気や風土は、
自分の肌で感じ取る
石川
7つも! 特に大事な項目について、具体的に教えてもらえますか?
石田さん
まず、②の「ファクトに目を通す」ことは欠かせません。
いろんな情報に惑わされがちな時代だからこそ、“正しい情報”と“ウソの情報”を見極めることがすごく大切になりますが…
誰もが認める“正しい情報”はファクトしかないんです。
「たとえば、オフィシャルに発表されているデータやIR情報、決算資料などですね」
石川
逆に、③に出てくる“ウソの情報”というのは…?
石田さん
いわゆる、匿名の口コミサイトやオープンチャットとかですね。
信じ込んでしまう人も少なくないんですが…不特定多数の人がいる場での無責任な発言や、根拠のない情報が混ざっていることも多いんですよ。
筆者も入社前は「サイバーエージェント 評判」でググっては怯えてました…(新R25はサイバーエージェントの子会社が運営しています)
石田さん
ただ、ネットに出回ってる口コミは“すべてウソとは限らない”ところが難しいんですよね。生々しいリアルな情報が載っていることもあるので。
だから口コミなどの情報は完全に排除するんじゃなくて、多面的に見ることが必要です。それが④ですね。
石川
多面的、というと…?
石田さん
たとえば「女性の働きやすさ」という項目があったとしたら、その項目に対する複数人の口コミを見る。
働いていた時期・部署・立場の違う人たちの意見を比較すれば、情報の解像度が上がりますよね。
石川
なるほど。1人の否定的な意見を鵜呑みにするのがよくないのか…
石田さん
そこから⑥につながるんですが…真偽を知りたい情報があるなら、自分で直接社員に聞いてしまうのが一番いいと思います。
石田さん
どうしても悪い評判が気になるなら、その会社を辞めた人に会って「どこが気に入らなかったのか」を聞いてもいい。
真偽がわからない情報に惑わされるくらいなら、自分の足で稼いだ情報を信じるほうがいいと思います。
石川
たしかに今、OB訪問とかインターンとか、先輩たちに会える機会もどんどん増えてますもんね。
そういうときに、有益な体験談やアドバイスを引き出すにはどんな質問をしたらいいんでしょうか?
石田さん
「もし過去に戻れるとすれば、何をしますか?」って聞いてみると面白いですよ。私も学生さんに面接でよく聞く質問なんですけど。
「もし先輩が今から就活生に戻れるとしたらどうしますか?」とか。
石川
ほう…!?
石田さん
こういう聞き方をすると、単にその人が経験したことだけじゃなくて、「ここがよくなかった」「改善するとしたらこうできた」っていう就活の学びまで掘り下げられる。
その人が失敗から得た学びを追体験できるので、すばやくリアリティのある情報を得られます。
キラー質問だ…取材でも使っちゃお
石田さんも面接で実感。本当の「インプット」はここが違う
石川
面接を受けにくる就活生を見てて、「もったいないなぁ」と思うことってありますか?
石田さん
「インプットしっぱなし」の学生さんはちょっともったいないかもですね。
たぶん面接の直前に情報を詰めこんで、頑張って暗記したものをそのまま読んでるんだろうな、っていう感じの…
石川
あぁ…やりがちですね…
石田さん
本来インプットって、アウトプットのためにあるべきなんですよ。
情報を入れっぱなしにするのではなくて、自分がどう解釈したのか、どこに共感したのか、自分なりの言葉でアウトプットする。
それができてはじめて「インプット」に価値が生まれるんですよね。
石田さん
逆に、自分の言葉で意見を話してくれる学生さんを見ると、本当にレベルが高いなと思いますね。
たまにいるんですよ。そういう…テレビのコメンテーターみたいな学生さんが。
石川
コメンテーター! じゃあ…人事の方に“デキる就活生”だと思われたいなら、「私はこう思います」みたいな言い回しを活用するといいんでしょうか?
石田さん
うーん…というか…
本当にデキる学生さんって、そういう“定型文”を超えてくるんですよね。
ウッ…愚問だったっぽい
石田さん
本当に優秀な方って、「これを言っておくと受かりそう」みたいな損得勘定がないんです。
「自分はこう思うんです」「もし間違っていたら教えてください、勉強したいので!」って真っ直ぐに面接に臨んでくれる。
面接って、飾ってもしょうがないんですよ。「いいこと言ってやろう」とか思わなくていいんです。
「飾っちゃう気持ちもわかるんですけどね〜」
石田さん
私たちも、みなさんがどんな人で、何を考えているか知りたいだけなんですよ。能力の高さだけを見てるわけじゃないですから。
内定をもらうことがゴールではないので、多少拙くても自分の言葉でありのままを話していただけたほうが嬉しいんです。
今ならおトクな割引も。「日経電子版」が就活生に欠かせない理由とは?
石川
石田さんがおっしゃる「自分の言葉で意見を言う」力を鍛えるためには、どんなことをすればいいんでしょうか?
石田さん
やっぱり、アウトプット前提のインプットを繰り返すことが一番だと思います。
私も最近、「日経COMEMO」という取り組みに参加させていただいているんですけど…すごく勉強になっていて。
石田さん
「日経COMEMO」は、日経新聞に掲載されたニュースを引用しながら、自分の意見をnoteで発信するっていうプロジェクトなんですけど。
自分の考えをまとめられるのはもちろんですし、アウトプットするために足りない情報を意識的に取りに行く習慣もできるから、多方面から同じ情報を見る訓練にもなります。
石川
へぇ〜、 面白そう…!
石田さん
就活生のみなさんも、「新聞を読め!」ってよく言われると思うんですけど…
ただ読むだけじゃなくて、一言でもいいから自分の意見を書いてみるのがおすすめです。
石川
石田さんは今も日経をご覧になる機会は多いんですか?
石田さん
もちろん! 学生のころは紙面を、今は日経電子版を購読してます。
日経をはじめて手に取ったときは、なんだか大人の階段を登った気にさせてもらいました。コーヒー飲んだとき、ビール飲んだとき、日経読んだとき…みたいな!(笑)
わかります…大人の“三種の神器”ですね
石川
もう十分ご存じだとは思うんですが、改めて説明すると…
日経電子版は、日本経済新聞社のニュースサービスで、アプリはニールセンの調査で利用者数No.1に輝きました。
日本経済新聞の朝刊夕刊や、電子版のオリジナル記事が毎日1000記事配信されているので、質の高い情報を幅広く仕入れることができます。
石川
さらに、スタートアップから地方の有力企業まで、4000社以上の企業情報が見放題。
業界や企業名を登録しておくと、その関連情報が自動で保存される「Myニュース」という機能もあるので、必要な情報を効率よく取捨選択できます。
石川
もし石田さんが就活生なら、日経電子版をどう活用したいですか?
石田さん
とにかくスキマ時間に読みまくると思います…今もやってるんですけど(笑)。
電車のなかで志望企業や業界の情報をインプットする…みたいなクセをつけると、就活の効率がどんどん上がっていくと思うんですよね。
スキマ時間の活用は、社会人になってもすごく活きるスキルですよ。生産性を上げるためには、スキマ時間を駆使するのが一番なので。
スキマ時間を鬼のように活用している石田さん。以前のインタビューでは「階段をのぼってる間にレスを10件返す」とおっしゃってました…レベチ
石川
さらに今、日経電子版では、多くの就活生にとって非常にうれしい「U23割」というキャンペーンも実施しています。
石川
2月18日までの間に登録すれば、23歳以下なら1カ月無料で、さらにその後も6カ月間ずっと半額になるんです。就活期間中ずっとおトクに使えるのは嬉しいですよね。
月額4277円(税込)が2138円(税込)になるので、フル活用すれば1万2000円以上もお得になります。
石田さん
おお、いいですね! 日経って、就活情報が解禁される前(※解禁は2022年3月)の今こそ役立つと思うんです。
石田さん
日経電子版ではいろんな情報が網羅されてるので、今の時期はあまり絞りすぎずに全体感を見てみるのがおすすめです。
そのうち「つい読んじゃう記事」の傾向が、自分でも見えてくるはず。「スタートアップの記事ばっかり見ちゃう」なら新規事業や起業に興味があるのかもしれない…とか。
石川
なるほど、それが今後の就活のヒントになるんですね。
石田さん
そうなんです。ぼんやりしていた“興味関心の行く先”を、日経が教えてくれるというか。
少し余裕がある今の時期こそ、日経を読みはじめる一番いいタイミングだと思いますよ。
石川
ずいぶん前から、“就活と言えば日経”というイメージが根付いてますよね。
石田さんから見て、日経がこんなにも長く支持されているのはどうしてだと思いますか?
石田さん
情報の信頼性ももちろんですが、なにより「みんなが目にしている情報」という、“共通言語”としての価値があるからだと思います。
経営者の方や私たち人事も、みんな日経を読んでますからね。
「サイバーエージェントの役員会でも、ニュースに目を通す時間が毎週あるんですよ!」
石田さん
世の中の動向に目を向けることは、社会人にとっては“当たり前”のスキルです。
目の前の業務だけやっていればいいって考え方の人は、それ相応の成果しか出せなくなってしまいますから。
“ビジネスパーソンの共通言語”を使いこなすという意味でも、日経電子版は長く役に立つと思いますよ!
人事も、経営者も、みんなが読んでる“日経”。
面接で「メタバースってどう思う?」などと難しめなお題を振られたときも、日経電子版で読んだ知識が役立つはず。なんとなく読んだ記事が、人事との“思わぬ共通言語”になるかもしれません…!
就活生のみなさん。ぜひ今の時期から、日経電子版を活用してみてはいかがでしょう?
〈取材・文=石川みく(@newfang298)/編集=サノトモキ(@mlby_sns)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉
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