ビジネスパーソンインタビュー
銀行業界を変えるスピード&テクノロジー
「銀行? いいえ、ベンチャーです」業界の歴史を塗り替える、GMOあおぞらネット銀行の成長環境
新R25編集部
まだまだ2022年も始まったばかり。
今年こそと心機一転を図る時期ではありますが…「今の仕事には、何かが物足りない…」「この会社に居つづけていいんだっけ…」という“キャリア迷子”になることってないでしょうか。
実際、毎年1月になると「転職」と検索する人がたくさん増えるそう。
そこで新R25では、「もっと納得できるキャリアを描ける会社があるのでは…」と迷う読者に対し、若手ビジネスパーソンを求めている急成長中の企業をご紹介。
その企業に入社した若手が身につけられるスキルを“○○力”と名付け、その企業の魅力をお届けする連載「ウチで身につく『○○力』」を始めました。
今回ご紹介するのは、GMOあおぞらネット銀行株式会社。
あおぞら銀行とGMOインターネットグループに属する同社は、業界の中でも後発の銀行として生まれ、現在は銀行業界を変えるチャレンジャーバンクとして急成長しているのだそう。
ただ、「銀行」と聞くと、「年功序列」「社内政治」「階級主義」といったようなお堅そうな印象も(ドラマのせいですかね…?)。
そんなイメージを持ちながら、同社執行役員の細田暁貴さんに突撃しました。
〈聞き手:福田啄也(新R25編集部)〉
【細田暁貴(ほそだ・あき)】GMOあおぞらネット銀行株式会社 執行役員 コーポレートコミュニケーショングループ長
銀行業界の異端児でなければ意味がない。インターネット企業が運営する新しい銀行の形
福田
銀行…正直、お堅そうなイメージがあって、しっかり魅力を伝えられるか不安です。
細田さん
大丈夫です。
弊社は、銀行業界でも相当異端な存在なので。
銀行界の異端児とな
細田さん
弊社は銀行業界のなかでも後発組。これまでの銀行サービスとまったく同じことをやっていても、弊社の価値はない。
だからこそ、インターネット企業らしい “発想”と“技術力”で「銀行業界のスタンダードを塗り替える」というビジョンを強く持っています。
福田
“技術力で銀行の常識を変える”…
具体的に、技術力によってどんな変化を生み出そうとしているのでしょうか?
細田さん
たとえば、「サービス改善のスピード」を変えたい。
ほかの多くの銀行の場合、システム開発は基本的に開発会社に依頼しています。そうすると、サービスを何か改修しようとするたびにコストと時間がかかる。
一方で弊社は自社でサービスの企画・開発をおこなっているので、お客様の要望を受けてすぐに関係者が集まって対応に入ることができるんです。
福田
なるほど。たしかにイメージしている銀行のスピード感とは少し違いますね。
細田さん
ユーザーの方々は、“インターネットサービスのスピード感”に慣れています。
サービスの改善が日夜おこなわれている世界に慣れている方々に対して、銀行も当然「改善の速いサービス」ほど有利になる。
キャッシュレス化が浸透してきた今こそ、技術力が競争優位性になると思っています。
銀行ではなくベンチャー。圧倒的なスピードでアップデートされる環境とは
福田
インターネット企業が運営するからこその強さはわかりました。
ただ、金融業界未経験の方が働こうと思ったら、やはりハードルを感じてしまうのですが…
細田さん
金融知識はどうにかなります!
私たちが求めている人材はむしろ、業界の慣習にしばられない“他業界からの転職者”です。
なんなら、じつは私も金融業界未経験からこの企業の立ち上げに関わったので(笑)。
そうなんですか!?
細田さん
銀行は国の認可が必要な業種なので、どうしても守らないといけないルールはあります。
でもそれだと、どうしても「銀行だからできなくても仕方ないよね」という考えになりがち。
だからこそ、「ここが使いづらい」というユーザー感覚を持ち、柔軟性のある自由な発想ができる人材が必要なんです。
福田
なるほど…求める人物像が見えてきました。
金融の知識ではなく、「ベンチャー的思考」を持っている人こそがぴったりなのか。
細田さん
私たちの毎日は、本当にベンチャー企業のようなスピード感だと思います。
たとえば昨年の10月、業界全体で他行宛ての振込手数料の値下げがあって。
それまで弊社が「振込手数料最安値」と謳っていたのですが…ある銀行さんが「明日から手数料を〇〇円に下げるらしい」という情報が朝刊に載っていたんです。私たちよりもさらに安い手数料で設定すると。
福田
おお…
細田さん
その時点での私達は「業界最安値を貫く」と決めていたので、その日の昼に経営陣を集めて会議をしました。
当然値下げをするためにはシステム変更が必要なのですが…システム責任者に間に合うか聞いたら「今日の23時50分までに決めてくれたら、翌日からに間に合います」と。
日曜劇場に出てきそうなかっこよさ…!
細田さん
さすがに23時50分はないですが、その会議の場で翌日からの手数料値下げを決議し、翌日0時から新しい手数料でお客様へ提供開始できました。
いまのところ、業界最安値となっています。
福田
朝に情報をキャッチして、昼に決議、そしてシステム変更…
ベンチャー企業のなかでもトップクラスのスピード感だと思います。
細田さん
多くの銀行さんだと、手数料を決定したあと、開発会社に依頼して、そこから改修となりますので、最短でも1カ月くらいはかかるんじゃないかなと思います。
GMOあおぞらネット銀行は、いいアイデアをすぐに実行する気概ある人と体制が整っている。
弊社に入社していただければ、「ビジネスパーソンとしてのスピードと実行力、柔軟な発想力」は格段に伸びると確信しています。
失敗しても兆しをつくれば称える。経営陣との距離も近い空気感
福田
ちょっと嫌な質問かもしれませんが、「スピード感の速さ」ゆえに失敗してしまうことはないんですか…?
思ったことは聞かないと納得できない性分でして…
細田さん
基本的には、検証もしっかりおこなっているのでほとんどありませんが…
たとえ失敗しても、「リカバリーのスピード」も速いです。そこまで含めての「スピード力」なので。
福田
説得力がありますね…
細田さん
そして弊社は、失敗を「失敗」ではなく「チャレンジ」として評価する文化・仕組みを用意しています。
たとえば、「虎穴んば賞」。
虎穴って、あの…?
細田さん
これは「虎穴に入らずんば虎児を得ず(大きな成果を得るためには、身の危険を冒すことも必要だというたとえ)」から由来しているのですが…
失敗してしまっても、大きなチャンスや兆しをつくったメンバーに与えられる賞です。
福田
失敗しても表彰されることがあるんですね…! 過去にはどんな方が受賞を?
細田さん
具体的な内容は公表していないのですが…たとえば弊社がまだ未開拓のお客様にアプローチするためにアクションを行ったものの、費用に対して思うような結果が出なかった事例がありました。
でも、彼が積極的にアクションをしてくれたことで、その業界のニーズや課題感を発見でき、新たな商品を生み出すことができた。
みんなが諦めていた新しい市場にあえて挑戦したことで、大きなチャンスをつくったんです。
「意味ある失敗はどんどん評価する」。前のめりに仕事できそうな制度だな…
福田
ほかにも、スピードを速めるための制度はあるのでしょうか?
細田さん
いろんなところにチャンスがありますが、たとえば「会長・社長と直接会話をする機会」が週1以上であります。
営業だと、各案件がどういう進捗なのかを確認する場があって、その際に役員陣に相談することも多いんです。
福田
週1で社長に直接…!? 役員陣との距離がすごく近いんですね…
細田さん
あまりないですよね。
普通は課長や部長を通してコミュニケーションを取っていると思いますが、それだとスピード感が鈍るし、無駄が生まれます。
なので、現場の担当者も同席OKとしている会議が随所にあるんです。
会長や社長から直接フィードバックを受けることで、現場目線から経営目線まで引き上げられる。
こうした、“最速”を実現する環境づくりを徹底していることも、弊社の強みのひとつです。
あらゆるサービスに銀行機能を提供。技術力をもってユーザーの金融体験を変える
福田
ここまでで、GMOあおぞらネット銀行が「銀行」という皮を被ったベンチャー企業だということがめちゃくちゃ伝わってきました。
ちなみに、御社が2022年にチャレンジしたいことを伺えますか?
細田さん
私たちは創業4年目を迎えた昨年の7月に、“3つの柱”でトップを狙う意思決定をしました。
それが「1.スモール&スタートアップ企業向け銀行No.1」、「2.組込型金融サービスNo.1」、「3.テックファーストな銀行No.1」。
福田
3つの柱…もう少し具体的に教えてもらえますか?
細田さん
まず1つ目は、「今まさに挑戦をしているスモール企業、スタートアップ企業にもっとも支持される銀行になること」。
実は、事業開始当時は個人と法人の両方のお客様にサービスを提供していたのですが、圧倒的に法人のお客様からの評価が高かった。
なので、まずは法人でNo.1を獲得しようと。
そのなかでも弊社の強みを発揮できるのは、スピードを求めるスタートアップ企業。
まさに今挑戦している起業家の方々をご支援するサービスを通じて、もっとも支持される銀行を目指そうと決めました。
細田さん
そして「組込型金融No.1」。
「組込型金融」とは、一言で言うと「世の中にあるサービスに銀行機能を組み込むこと」です。
福田
…? 新しすぎて全然わからないんですが…
細田さん
わかりやすいのが、フードデリバリーサービスです。
ユーザーが料理を注文したとき、事前にクレジットカードなどの設定を済ませておくと支払いは完了していますよね。そして、お店側にも報酬が支払われている。
銀行ではないフードデリバリーサービスで、ユーザー間で金銭のやり取りができるのは、彼らが他社から提供される決済機能や銀行機能をサービスに組み込んでいるからなんです。
福田
なるほど…アプリのなかで決済が完了するのって、そういう機能があったからなんですね。
つまり、御社が掲げる「組込型金融サービスNo.1」とは、あらゆるサービスでGMOあおぞらネット銀行の機能がパーツとして使えるようになっているということだと。
細田さん
そうです。うちはお客様にとっての「黒子」として、サービスに銀行機能という付加価値を提供する。
そして、この目標を圧倒的な技術力で実現するため、自らがエンジニア集団として「テックファーストな銀行No.1」になる。
この3つが、今もっとも注力したいことになります。
福田
なるほど…「組込型金融」は初めて聞きましたが、成長の大きなカギになりそうですね。
細田さん
あらゆるサービスと銀行を結びつけて、お客様サービスを通じてエンドユーザーの金融体験を大きく変えたいんですよね。
ほかの銀行にはない“技術の力”で、「銀行のあり方」を改革していく。
GMOあおぞらネット銀行は、一緒に銀行業界の歴史を変えてくれる人を求めています!
インタビュー終わりに「この会社で一番面白みあるのはどこなんでしょうか?」と聞くと、「新しいものをつくって、社会を変えていくこと」と笑顔で答えた細田さん。
今まさに業界のゲームチェンジをしている企業に飛び込むことは、自分のキャリアの可能性を広げる大きなチャンスになるはず。
「銀行業務なんてわからないかも…」と思わず、ぜひ挑戦してみてください!
〈取材・文=福田啄也(@fkd1111)/編集=サノトモキ(@mlby_sns)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉
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