ビジネスパーソンインタビュー
堀江貴文著『最大化の超習慣「堀江式」完全無欠の仕事術』より
アイデアの極意は、脱オリジナリティ。フェイスブックも先人の知恵をハックして流行させた
新R25編集部
和牛の専門レストランやサプライヤー事業のほか、学校運営やロケットエンジンの開発事業と、仕事と遊びをかろやかに結びつけてきた実業家の堀江貴文さん。
そんな堀江さんが50歳の節目を意識して書いたという新著『最大化の超習慣「堀江式」完全無欠の仕事術』が発売されました。みなさんがすでに持ち合わせている才能やセンスを、最大限に発揮するための“習慣のお作法”を学べる一冊です。
同書のなかから、堀江さんがたどり着いた「パフォーマンスを最大化する習慣術」をピックアップしてご紹介します。
ただのスクリーンショットが約3億円に。アイデアで生きられる世界
いまNFT(非代替性トークン)が注目されている。
2021年3月、ツイッター社の元CEOであるジャック・ドーシーが、むかしの自分の初ツイートをNFTとしてオークションサイトに出品したところ、291万ドル(約3億円)で落札された。
とうぜん世界に驚きが走った。
ジャック・ドーシーが出品したそれは、言ってしまえばただのスクリーンショットである。
ただのスクショにそんな値がつくなんて、1年前にはだれも想像できなかったはずだ。
いまやNFTによって、ドット絵などのアート、ビデオゲームのアイテム、音楽や動画のデータなど、だれでもなんでもデジタル空間で自由に売り買いできるようになった。
まあ、ニューノーマルとかNFTとかはどうでもいい。そこは重要ではない。
ぼくがいま伝えたいのはこういうことだ。
ちょっとしたアイデアさえあれば、あなたは自由に生きていける。
パソコン1台、いやスマホ1台あれば、そのアイデアは即座に社会実践できる。
たとえばNFTがそうであるように、アイデアそのものがダイレクトにお金になりさえもする。
そんな風通しのいい世界にあなたは生きている。
その身近な事実を事実として再認識してほしいのである。
オリジナリティあるアイデアにこだわる時間は無駄
あなたにとってこれぞ!というアイデアはどうすればひねり出せるのだろうか。
そもそもアイデアをつかむノウハウなんてあるのか。
ある。
アイデアをつかむには明確なコツがある。
それはなにか?
オリジナリティを追わない、ということだ。それが第一義だ。
アイデアというとひとは、斬新なものを、奇抜なものを、いままでになかったものを、と考えがちである。
しかし、斬新である必要もなければ、独創的である必要もない。
というか、そんなのは無理だ。
あなたは天才ではない。ぼくも天才ではない。
もしあなたがまったく新しいアイデアを思いついたとする。
でもそれは錯覚と無知の産物にすぎない。
あなたが思いつく程度のアイデアはもう過去に、あるいはいま世界のどこかでだれかが思いついている。
だからオリジナリティを追っても意味はない。
オリジナリティにこだわって、うんうん唸る時間は無駄だ。
大事なのはオリジナリティではなく実現可能性なのだ。
あなたのまわりをよくよく見渡してほしい。
あなた好みの、すでに成功しているモデルがあるはずだ。
それをまず真似するのである。
もちろん真似するためにはアンテナを高く張る意識づけ、習慣づけが最低限必要なのは言うまでもない。
真似し、学び、実行し、失敗し、チューニングしてリトライする。
その試行錯誤のプロセスで、いやでもあなたのカラーが出てくる。
そのカラーがいわば、あなたならではのアイデアだ。
あなたがあなたらしく生きて働くための、プラグマティックなアイデアなのである。
完コピも立派なアイデア
あるアイデアがどんなに新しいものに見えたとしても、ゼロから生まれたわけではない。
文学や科学の領域でもそうだと思う。
アイデアとは思考だ。
そして思考は言語である。
言語化されてはじめてアイデアは具体的な輪郭を得る。
ならば言語とはなんだろう?
言語とは先人が積み上げてきた体系である。
だからたとえそれがどんなに斬新な言説であったとしてもレファレンス(参照)はある。
ネタ元はある。
要するに、過去の体系を切り貼りして、パッチワークのように再構築した別アングルの体系にすぎないのだ。
ことビジネスの場面ではなおさらだ。
ビジネスにおけるアイデアとは、実現可能性だ。
オリジナリティという幻想にとらわれると迷走する。
だからあなたが追うのはオリジナリティなんかではなくだれかの背中だ。
あなた好みの分野で、あなた好みの活躍を見せる、そのだれかの手法をトレースする。
なんなら完コピでもいい。
完コピなんてアイデアとは呼ばない?
そうだろうか。
あなたは数あるビジネスの手法からそれを選択した。
選択しようと意志した。
その意志をアイデアと呼ばずしてなんと呼ぶのだろう。
アイデアはあくまで手段であって目的ではない。
ならば手ごろであるに越したことはないはずだ。
物真似は恥ずかしいという思い込み、無知は捨てるべきだろう。
フェイスブックが流行った理由は、先人のアイデアをハックできたから
ビジネスなんて、ありもののバージョンアップ、ないしは掛け合わせでしかない。
たとえばフェイスブックの成功は、そのことを示すわかりやすい事例である。
ご存じのとおり、マーク・ザッカーバーグ率いるフェイスブックはSNSの世界で断トツのトップシェアを誇る。
だがフェイスブックの前にもSNSはたくさんあった(フェイスブックは2006年に一般サービス開始)。
グーグルによる「Orkut(オーカット)」というサービスがすでにあったし、日本では「GREE(グリー)」や「mixi(ミクシィ)」が先んじて開設されていた。
それらに比べ、フェイスブックはかなりの後発なのだ。
そのフェイスブックの最大の発明と言われるのが、ユーザーの実名登録システムと、「いいね!」機能である。
だがこの実名登録システム、もとを辿ればザッカーバーグが大学生時代、同じ大学に在籍していたウィンクルボス兄弟が考案したものである。
「いいね!」もそうだ。ネタ元はある。
従来からあったブログのコメント機能がそれだ。
「いいね!」はそのコメント機能の変形といえる。
また、そもそも「いいね!」に類似したマーキング機能は他の多くのSNSですでに搭載されていた。
ミクシィの「足あと」もそのひとつである。
フェイスブックがよそから真似たアイデアはそれだけではない。
きりがないのでもう触れないが、実名登録システムや「いいね!」のほかにもたくさんある。
だからじつはフェイスブックに技術的な目覚ましさはほとんどない。
そのかわり他社のアイデア、サービスを徹底的にトレースした。真似しまくった。
その度合い、スピード感が尋常でないのだ。
そうやって先人のアイデアに次々と乗っかり、シンプルに機能を積み上げた結果、今日のフェイスブックの隆盛がある。
2021年10月、フェイスブック社は「メタ」と社名変更し、ユーザーがアバター(仮想の分身)を使って交流できるデジタル仮想空間、すなわちメタバースの構築に本格的に乗り出すことを表明した。
いまメタバースには大手IT企業がこぞって進出している。
あらたな未来構築に向けて野心をたぎらせるザッカーバーグは、きっとそこでもよそのアイデアをハックしていくはずだ。
アイデアは、その辺に転がっているからこそ価値がある
ぼくは世間からイノベーターと評されることがある。
良くも悪くも新しいことをする人物だと思われているらしい。
でも、ちっとも新しいわけじゃないんだけど?というのがぼくの本音だ。
ゼロから、オリジナルから立ち上げたビジネスはひとつもない。
先行する、ありもののアイデアをぼくなりにマイナーチェンジしているだけだ。
宇宙事業にしても、国内ベンチャーとしては物珍しかったかもしれないが、グローバルで見ればぼくたちよりも早く、巨大資本を備えた企業が市場をつくっていた。
なにもザッカーバーグばりにパクれ、ハックしろ、とあなたを焚きつけるつもりはない。
そうではなく、あなたのためのアイデアはその辺に転がっているからこそ価値があるのだとわかってほしい。
貪欲で、図太くあろう。
50歳、100年時代の折り返しを迎える堀江貴文の集大成
堀江さんの集大成である『最大化の超習慣「堀江式」完全無欠の仕事術』は、迷い、惑い、試行錯誤を繰り返す人におすすめ。
本のなかで「これまで多くの本を出してきたが、ぼくのメソッドをここまではっきり、踏み込んで述べるのは初めてだ」と述べているとおり、堀江さんの働き方の哲学をあらゆる視点から探ることができます。
読むことで、きっと迷いを解消するヒントを得られるはずです。
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