なんか今日は雰囲気が違いますね。

相談“風”だったんですか。やめてくださいよ！

えっ!? それは大変。

杏香さん。よろしくお願いしまーす！

ほう。どういうことですか？

えっ!? それってただの優しさで？

たぶん、基本的には女性からの相談ですよね。

あーーなるほど。

へぇーー！

歌詞つきの映像があるので、ちょっと見ていただけますか？

あ、すごいちゃんとしてる。

これ、歌詞を自分たちで考えてるってことですか？

なるほど。ダンスに力を入れているのはもちろん、こうやってファンの方への“愛”を大切にした楽曲づくりをしているというのが1つ目の“アイ”ということですね。

よろしくお願いしまーす！

気合（笑）。

マクドナルドの「スマイル0円」みたいな？

全員に!?

へえーーー！ すご！

実際にこんな感じでプレゼントしてるみたいです。

うわ、ホントだ。

…ただ、写真の撮り方があざといっ！

確実に自分の一番いい顔を撮ってますね（笑）。

それにこだわり抜くのも気合が必要ですから（笑）。

アイデア。なるほど！

具体的になにをしたんですか？

へえーー、素晴らしい。

このあたりの工夫はまさに「DX時代のアイドル」という感じですね。

そのライブの様子も映像があるんですけど…

なんか、いまさらこんなこと言うのもアレですけど。

…アイドルって、かわいいっすね（笑）。

ここからは西野さんのコンサルパートということで、プロデューサーの根岸さんに来ていただきました。

まずは根岸さんに、このプロジェクトを始めた経緯を改めて聞きたいんですけど…

へーーー！ アントニオみたいな。

早い段階からアイドルを目指していたから、みんなダンスの下地があるんですね。

ただ、結成からまだ1年も経っていない状況で「3月までに月額500円のサポーター会員を1000人集められなければ解散」という厳しいルールを課しているということで…

今、会員数はどれぐらいなんでしたっけ？

現時点の勢いとしてはどうなんですか？ 伸びているのか、ちょっと伸び悩んでるのか。

大変ですね、アイドルのプロデュースって。

ちなみに、これまではどんな手を打ったんですか？

100万再生ってすごいっすね！

…ただ、動画が再生されることと有料会員が増えることはイコールじゃないですもんね。

そうですね。

最近のカバーってむちゃくちゃクオリティ高いですもんね。それらと勝負しないといけないっていう。

今回の相談は、「どうやって有料会員を増やせばいいのか」っていう話ですよね。

ちゃぶ台をひっくり返すようで申し訳ないんですけど、大元の問題に立ち返ったときに、そもそもなんで1000人集めたいのかっていうと、制作予算や活動予算を確保するためじゃないですか。

それでいうと、たとえば月額1万円のプランがあって、それに入ってくれる人が少しでもいたらもっとラクになると思うんですけど、そっちを考えたことってあるんですか？

でも、受け皿がないとそういう人は出てこなくないですか？見つかりようがないですよね。

だから、まずVIP向けの商品を用意するっていうのはむっちゃ重要かもしれないです。

深いこと考えすぎずに、まずは用意してみろと。

そうです。しかも、「月1万円出すよ」っていう人ほどリターンいらないんですよ。

ホームページに名前を載せるくらいで十分喜んでくれたりするんで。

そういう人は見返りがほしいというより、むしろ「お金を払いたい」って思ってるんですかね？

500円じゃ払い足りないというか、「もっとお金を払って応援したい」という気持ちなのかな…

まさに！ それ絶対そうで。

僕、以前蜷川実花さんの映画を観たときに、攻めた作品をマスに投げたチャレンジ精神に拍手を送りたいと思ったんですけど、映画館で1800円しか払えないのがもどかしかったですもん。

もし1800円のチケットの横に10万円のチケットがあったら、絶対そっち買ってました。

それがスタッフさんのお昼代とか、次の製作費とかになったら嬉しいんで。

だから、今この記事を見ている人のなかにも、このプロジェクトに感銘を受けて、Give&Giveに月1万円出すよって人、たぶん数人はいると思いますよ。

たしかに。もしくは既存のサポータークラブの会員さんのなかにもそういう人がいるかもしれないですよね。

絶対いると思いますよ。

お金を出したい人がいるのに、サービス提供者がその受け皿を用意してないっていうのはもったいないですよね。

なので、まずは自分たちがやりたいことの手段として、「サポータークラブの会員を1000人集めるという目標がホントに正しいのか？」を検討していただいたほうがいいかもしれないです。

ただ、それでも「どうしても1000人達成したい」ってなったときに何をするかって話ですよね。

なんですか？

へーーー！ どんな感じなんですか？

すごい。かわいい（笑）。

たしかに、Give&Giveのメッセージとプペルのメッセージって重なるところがありますよね。

要は、プペルに乗っかりつつ、一緒に盛り上げたいみたいなことですよね。

西野さん、このアイデアどう思いますか？

うーん……

すごい嬉しい提案なんですけど、僕はこの曲を『えんとつ町のプペル』のファンが聴くとはちょっと思えないんですよね。

いくら「メッセージが一緒ですよ」って言われても、まったく聴きなじみのない曲なので。

これ、ちょっと痛いところを突いちゃいそうな気がするんですけど…

今もらった提案って、“上手くやろうとしてる”っていうのが透けて見えていて。プペルに乗っかって一気にバーって広がったらいいよねっていう。

そういうのは、お客さんに全部バレますね。

ちなみに、あと何日あるんですか？ 3月までって。

あと120〜130日くらいですね。

なるほど。だったらシンプルに、1日7〜8人口説けばいいって話ですよね。

僕、集客の相談を受けたらいつも「スナックに行け」って言ってるんです。

僕ってネットにだいぶ強いほうだと思うんですけど、それでも「マジで人に会ったほうがいいよ」って。

なんでスナックがいいんですか？

横に座って話せるので。

あと、みんな酔ってるので気が大きくなってるという（笑）。

なるほど（笑）。でも、大物政治家だって投票してもらうためにコツコツ有権者に会いつづけてますもんね。

結局、ファンをつくるならそのほうが効率がいいってことなんですかね？

そう！絶対効率がいい！

ただ、みんなマジでやんないんですよ。直接話しかけて断られたり、盛り上がらなかったりしたらダメージがでかいんで。

結局、こう言ってもやるのは100人中1人くらいです。

単純だけど、心理的ハードルが高いのは間違いないですね。

でも、それこそ僕のマネージャーの田村なんて、僕のサロンの飲み会とかで参加者を完全に自分のファンにしてますからね（笑）。

みんなその場で「タムココサロン」（田村さんが主宰するオンラインサロン「田村Pのココだけの話」）の会員になってるんですよ。

飲み会1回やったら、マジで10人くらい入ってますね。

ええ？ すごくないですか？

だから、やっぱり会うのが最強なんですよ。

ちなみに、Give&Giveがやる場合、どうやって人と会うのがいいんですかね？

「サポータークラブに入ってくれたら会います」ってSNSとかで告知すればいいんじゃないですか？

もちろん女の子なんで、そこはマネージャーさんとかがちゃんとついてあげる前提で。

なるほど。さっきの「愛0円」のメッセージカードをその場で書いて、手渡しするとかもよさそうですね。

あ、それいいじゃないですか。

「今日渋谷のハチ公周辺に何時から何時までいます。ファンクラブに入ってくださった方にはメッセージカードを直接プレゼントします」みたいなツイートを近くで見かけたら、僕もちょっと行きたいですもん。

たしかに、YouTubeとかSNSで見てるだけだとフォローするくらいで終わっちゃいますけど、会って話せるとなると一気に距離が縮まりますよね。

僕も昔、独演会のチケット2000枚を手売りしたんですけど、そのときは1日10枚を売るのがノルマだったんですよ。

もう、朝から晩までとにかくチケットを売ることだけを考えてて。

居場所をずっとTwitterで公開して、買ってくれるっていう人がいたら会いに行って。

自分が夜飲みに行くときもいつもチケットが入ったカバンをぶら下げてて、隣の席のおっちゃんに声かけられたら、「実はこんなイベントがあってね…」ってその場で売ったりしてましたね。

昔の西野さんのドブ板営業を見てて思ったんですけど、結果的にSNS上でも活動が広がってましたよね。

まさに。

待ち合わせ場所に行ったら誰もいないとか、ドタキャンされることもあったんですけど、それも全部晒してました。

そうすると、どんどん応援してくれる人が増えてきて。

それは絶対来ます。僕も1回チケットの売上が伸びなくなったことがあって。

ただ、その苦しい状況もSNSで共有してたんで、会った人がもう1回来てくれたんですよ。

「もう1枚買わせてください。私の友だちを誘います！」みたいな（笑）。

一度会って、そのあとの活動も追ってると、「西野さんを助けなきゃ。なんとかしなきゃ」って思うんでしょうね（笑）。

ただのお客さんじゃなくて、仲間が増えていくというか。

最終的には日比谷公会堂に2000人が集まるわけですけど、もう開演前からお客さんが泣いてましたからね。

「客席が埋まってる！」って。

完全にこっち（運営）側の気持ちになってますね（笑）。

それってやっぱ、めんどくさいことをやっていて、それがちゃんと伝わってたっていうのがでかいと思っていて。

だから、“上手くやらない”ほうがいいんです。

なるほどなぁ… でも、西野さんが1人で2000枚売ったことを考えると、みんなで頑張ったらできそうですね。

いや、ホントそうですよ！ 本気でやったら絶対いけます。

ぜひ泥臭く頑張ってください！

はい。まず、西野さんからアドバイスをいただいたあとに、実際にフェスの会場で自分たちの単独ライブのチケットの手売りをしてみたんです。

はい。ただ、1時間で1枚しか売れなくて…

このままやっていて本当に成果が出るのかという不安や、情けない姿をファンの方に見せてしまうことへの申し訳なさを感じながら、これをやり切った西野さんの根気強さは本当にすごいなと思いました。

同時に、今後は限られた予算のなかでできる活動に大きく方向転換していこうと話し合いを重ねていたんですが、全員が納得する道を見つけることができずに、Give&Giveとしては一旦活動を休止することになってしまいました。

佳奈はアイドルとは違う夢を追いかけることを決めたんですけど、私たちはまだやり切れなかった後悔や、アイドルを諦められない気持ちがあって…

はい。Give&Giveのサポータークラブは2月で終了になるんですが、私たちはそれぞれ個人でファンコミュニティをつくって泥臭く活動して、いつかまた感動的なステージに立てるアイドルグループとして活動するチャンスを掴みたいと思っています。

私は、Twitterで初めてリプをくれた方全員に動画で返信をしていきたいです。

ファンコミュニティはファンの方から意見やリクエストをもらいながら、自分がアイドルになるという夢をみんなで追いかけられる場所にしたいと思っています。

また、ファンの方にも夢や目標を共有してもらって、お互いで支え合っていきたいです。

私は、元々インスタのストーリーでやっていたファンの方のお悩み相談を毎日続けていきたいと思っています。

また、Give&Giveの活動の最後に一度だけリアルライブができたんですけど、そこでファンの方同士が仲良くなっているのがすごい嬉しくて。

私のファンコミュニティは、そんな家族のようにあたたかいみんなの居場所にしていきたいです。