世の中を動かす企画にある「2つの要素」とは?
「Z世代は紙ストローで飲む…」も疑え。箕輪厚介がビジパに教える“世のトレンドの捉え方”
新R25編集部
広報、マーケティング、編集者・ライター…。世の中に何かを打ち出す企画を考える仕事をしているものの、イマイチ結果を出せていない…と悩む人は多いのではないでしょうか。
誰でもSNS経由で“バズ”を生み出せる時代に、プロたる「メディア人」は何を企画し、何をつくればよいのか?
ヒット書籍を連発する編集者の箕輪厚介さんをお招きし、徹底的に語ってもらっています。
〈聞き手=天野俊吉(新R25副編集長)〉
天野
今日は「メディア人のバイブル 世界は動かせる」というタイトルで。
箕輪さん
おおっ、すご。
天野
今日はドバイ帰りで?
箕輪さん
はい、なんか真面目なやつだって聞いたんでシラフで。お願いします。
「流行ってるんだ、そういう時代なんだ」という人はコンテンツに携わるレベルにはない
天野
まず箕輪さんに聞きたいのが、「世の中を動かす企画にはどういう要素があると思いますか?」っていうことなんですが…
箕輪さん
「普遍的な人間の興味」と「今この瞬間の時代の波」。その両方をとらえていることじゃないですかね。
箕輪さん
この前Twitterでバズってたマンガがあったんだけど…
飲み会でそれまで散々盛り上がってても、じゃあバイバイってなった瞬間、帰り道同じ方向になるの嫌だから、用があるフリして「俺こっちだわ」って別の道行くみたいな話があって。
天野
あるな~(笑)。
箕輪さん
「自分だけっぽい経験」って、多くの人が「あ、わかる」って思うのよ。
でもそれが、「ペルソナは、渋谷に住んでる二十何歳の会社員で…」とかやると、急に解像度浅いものになっちゃうんですよ。
天野
はい。
箕輪さん
広告代理店が「Z世代はコーヒーを紙ストローで飲むんです」みたいなこと言うけど、実際にそんな人どこにもいなかったみたいな。
天野
(笑)。
それって、箕輪さんが自分の感情をかなり言語化されている印象も受けてて…
箕輪さん
まさにそうで、自分を掘るっていうのが企画に一番解像度高く近づけるの。自分のことを徹底的に言語化するのが大事で。
だから「飲み会が嫌い」とかじゃなくて、どういう飲み会が嫌いなのか。
天野
ああ~…
箕輪さん
たとえば俺だったら、飲み会は好きだけど6人以上になると嫌い。
それは多分会話のレベルが浅くなって、つまんないやつが会の中心になっちゃったり、愛想笑いとかしてるのもくだらないなあと思うから。
その究極がパーティーだからパーティーも嫌い。パーティーにいる“港区女子”みたいな、大して面白いと思ってないのに「面白~い」って言ってる人が嫌い。
…とか、無限に掘っていけるじゃん。
箕輪さん
そこで、「パーティーってみんな実はさみしいんじゃないか」って気付いたときに、企画のコアが定まってくる。
天野
「自分もそう思ってた!」っていう人が現れそうです。
箕輪さん
ウルトラ(ULTRA JAPAN)が流行ってるって聞いたとき何を考えるか?
そこで「ウルトラの本を作ろう」じゃなくて。
「VIPです」とか書いてるSNSを見てムカついてる人めちゃめちゃいるだろうなとか。一応行ってカラダ動かしてるけど、帰りたいって思ってるやつ絶対いるんだろうなって(笑)。
天野
(笑)。
箕輪さん
「流行ってるんだ、そういう時代なんだ」って人はコンテンツに携わるレベルにはない。
一人ひとりの心を手に取るように理解する習慣をつけないと、すごい粗いレベルでしか企画が考えつかないんだよね。
箕輪さんが手掛けたあのヒット作のコンセプトは?
天野
もう少し具体的に、企画のタネっていうのはどこから見つけるんですか?
箕輪さん
ガーシーさんの本(『死なばもろとも』)で言うと、YouTubeで彼の配信を見てて興味あるなって思って…
居酒屋で隣の席の人とかも話してる。みんなが注目してるコレはどういうことなんだろう?ってどんどん興味が出てきて。
天野
それは自分を掘るっていうよりも社会を掘る?
箕輪さん
世の中で話題になっていることに対する、自分なりの仮説を掘ってみるっていうこと。
僕が考えたのは…
コロナがあり不景気になったタイミングで、ひろゆきさんみたいな「努力って無理ゲーですよね」っていう主張がウケたじゃないですか。
天野
(ひろゆきさんブームにもそういう文脈があったのか…)
箕輪さん
でももっと世の中が混沌としてきて、成田(悠輔)さんの「独立国をつくろう」とか「老人よ切腹せよ」みたいな、ある種革命的なことを言うのがウケるようになった。
それって世の中が自暴自棄になって、1回リセットしたいってことなのかな?と企画の一番コアになる部分がぼんやり見えてくるわけです。
箕輪さん
つまり、「白の成田と黒のガーシー」現象なんじゃないかって考えたんですよ。
もうマジメにやってもしょうがない、世の中をぐちゃぐちゃにしてほしいという熱量が高まっている。
テロ行為に共感するっていう、映画の『ジョーカー』みたいな状況が生まれている。
天野
それはどういう感情なんですかね?
箕輪さん
調子に乗ってるやつ、人生楽しんでるように見えるやつがムカつくっていうリアルすぎる感情だよね。
港区で遊んでる“有名起業家の人たち”の「世間への上から目線」って、まあ鼻につくよねと思うのよ。
天野
鼻につく…正直わかりますね…
箕輪さん
そこで、いいか悪いかは別にして、ガーシーさんのやっている“暴露”という行為に「俺を生み出したのはこの国の不満や」っていうキャッチコピーをつけて本にしたら、世の中の今をとらえたものになるんじゃないか…
こうやって、個人的な興味や世の中に対する仮説を企画にしていくんです。
天野
だからそういうキャッチコピーなのか…ぴったりハマってますね。
箕輪さん
キングコングの西野さんとか、けんすうさんとかは、暴露ネタやワイドショーの不倫ネタに対して「気にする理由がわからない」とか言うんだけどさ、俺はわかるでしょって思うのよ。
人間って、どこまでいってもそっちが本当じゃん。
だから、そういう「普遍的な人間の興味」に紐づいてる企画が一番強いと思ってる。
天野
箕輪さんが手掛けた最大のベストセラーは『メモの魔力』だと思うんですが、メモ魔にもそういうコンセプトがあるんですか?
箕輪さん
『メモの魔力』のコンセプトには「裏と表」があって…
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記事での公開はここまで…!
「世界は動かせる。結果を出しつづけるメディア人になるためのバイブル」では、表面的ではなく、本当に人の心を動かす「メディア人」になるために必要な考え方を箕輪厚介さんに解説いただいています。
結果を出しつづけるヒットメーカーの“思考のキモ”をインストールし、あなたもメディア人として羽ばたいてみませんか?
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