「何でもっと早く教えてくれなかったのか」と驚嘆
「PDFの概念が変わりました!」効率化を突き進める木下社長も驚いた「Adobe Acrobat」のスゴい機能
新R25編集部
パソコンで仕事をする人なら一度は触れたことがあるであろう「Adobe Acrobat Reader」。PDFファイルを閲覧するときにお世話になっている人も多いはず。
でも、じつはそれ以外にさまざまな作業を超効率化してくれる「Adobe Acrobat」というスーパーツールもあることをご存じですか?
そんな超効率化できる「Adobe Acrobat」のスゴさを十分に理解してもらえそうなビジネスパーソンをお呼びしました。
【木下勝寿(きのした・かつひさ)】1968年生まれ、兵庫県出身。関西大学卒業後リクルートに入社。33歳のときに、健康美容の分野でeコマース事業を展開する株式会社北の達人コーポレーションを設立。同社代表取締役社長。近著に「時間最短化、成果最大化の法則─1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム」(2022年、ダイヤモンド社)がある。
仕事の効率化といえば、北の達人コーポレーションの木下勝寿社長。
30代で起業し、15年で一部上場した経歴から繰り広げられる効率化へのこだわりはTwitterでも人気です。
そんな木下社長に仕事を効率化するコツを教わりつつ、「Adobe Acrobat」の知られざるスゴい機能をレクチャー。
「もっと効率よく働きたい」と悩めるビジネスパーソンの皆さん、必見の内容となっております!
〈聞き手=成島克俊(新R25編集部)〉
「ピッと思ったら、パッとやる」が、スピードも質も向上できる理由
成島
木下さんは『時間最短化、成果最大化の法則』という本を出されるくらい“効率化”を追求されている経営者だと思っています。
実際の業務のなかで、社員の効率が大きく変わったような取り組みってどんなものがありますか?
木下さん
それで言うと、当社では「あとでじっくり考えるの禁止令」を出しているんです。
会議で「これ、どうなってる?」って聞いたら、「ちょっと後で確認します」っていうことあるでしょ?
あれを必ず「今、確認して」って言うようにしているんです。
「あとで回答します」は会議でよく使っちゃいますね…
木下さん
その場で確認しちゃえば、「これで合ってますか?」「こうしようと思ってますけど、これでよさそうですか」とか対話して、すぐに決断できるでしょ。
下手に「あとでじっくり考えよう」と思ってると、確認に時間がかかるうえに会議の内容も忘れてしまっている可能性が高い。
成島
でも、どうしてもその場で決めきれないものってありませんか?
たとえば「クライアントに確認しないとわかりません」みたいなものとか…
木下さん
そのときはパっと、いつやるかを決めるんですよ。
物事は一度にいくつも発生するのが当然のことだから、絶対、その場でやりきれないことが出てくる。そのときに「じゃあ今すぐ確認を投げて、明日中に結論を出そう」と決める。
効率化を進めるうえで、大事なのは「ピっと思ったら、パっとやる」ことです。
これを僕は「ピッパの法則」と呼んでいます。
成島
「ピッと思ったら、パッとやる」のはめちゃくちゃ大事なんでしょうね…
質はどうあれすぐにアクションできるので、手数も増える気がしますし…
木下さん
いや、効率化することで、質も上がるんです。
なぜかと言うと、「ピッと思ってパっとやっていく」と「タスク管理」という業務がなくなるんですよ。
日常で業務をしていると、どうしても日々10個ぐらいのタスクを抱えてしまう。そうすると、そのタスクに優先順位をつけて…とかいった業務が発生します。まず、それ自体のタスクを減らせます。
また、優先度の高いタスクからこなしていく判断になると思うんですけど、優先度の低いものは質も低くなってしまう気がしませんか?
成島
そうですね…疲れ切ったときに考えるので、あまりいいアウトプットにならない気がします。
木下さん
その点、ピッと思ってパっとやっていくのであれば、情報の鮮度が高い状況で判断ができるので、最適な答えを出せると思っています。
それに、本当にじっくり考えないといけないことって、ほとんどの人が年1回ぐらいしかないでしょ?
「単なる作業」をツール化して、「思考が必要な仕事」に向き合う
成島
「ピッパの法則」には納得しました。
ほかにも、若手が効率化を進めるうえで、うまく効率化できる考え方ってありますか?
木下さん
「単なる作業の部分」と「本当に考えないといけない部分」をちゃんと分けて考えることでしょうね。
この分解をちゃんとできてないと、本当の効率化はできないと思います。
木下さん
僕はもともとセールスだったんですけど、自分で訪問先のリストアップをして、アポイントを取って、商談をおこなっていたんです。
でも、リストアップとアポ取りって、セールスのスキルがなくてもできる。
それに気づいてからは、作業に近い「リストアップ」や「アポ取り」は他人にお願いしたり、自動で作業できるようにシステム化したりして、自分が本当に考えないといけない「商談」の部分に集中するようにしていたんです。
成島
なるほど…!
経営者になった今でもこの作業を行っているんですか?
木下さん
もちろんです。
数字の振り返りや経営判断が必要なときに、自動的に答えが出るように関数を組んだExcelシートを活用しています。
そうすれば、僕がいなくても、このExcelシートに数字を入れるだけで、どうすればいいか判断できますよね。
成島
すごい…具体的にどんなExcelシートなんですか?
木下さん
たとえば、新規集客数の予測。
広告費をいくら使うと新規集客が何人来て、そのうちの何%が単品購入、何%が年間コースに入るのかが過去のデータからわかっているので、広告予算を入れるだけで新規集客人数が予測できます。
あと、売上・利益予測。
普通の企業では経営企画部が何日もかけてつくっているものを、当社ではExcelに数字を入れるだけで3年先までの売上・利益予測を10分ぐらいでつくれます。
Excelに宿るスーパー木下社長
木下さん
ここまでの話を聞いて、わかってしまったかもしれませんが…
僕、ウルトラ面倒くさがりなんですよ。同じことを2回以上考えたくない。
成島
面倒くさいが効率化を突き進めたんですね…
木下さん
そう。1回考えたら、なぜそう考えたのか、なぜそう判断したのかっていうのをちゃんとメモに取っておいて、同じことを2回考えないようにしているんです。
考えたりとか判断したりする頭脳のリソースを残すために、そういうのを全部Excelやシステムを使って仕組み化していったんですね。
PDFが編集できる!? 文書業務の効率化に役立つ「Adobe Acrobat」
成島
面倒くさがりで、ツールを使いこなしている木下さんなら、当然「Adobe Acrobat」もご存じですよね?
木下さん
自分の本の原稿をPDFでチェックするときに使ってますよ。
成島
PDFを見るだけ…?
木下さん
見るだけですね。
成島
それ、もったいないかもしれません。
「Adobe Acrobat」には、木下さんの仕事をもっと効率化できる機能が搭載されているんですよ。
木下さん
え、全然知らない…
成島
ということで、ここからはアドビ株式会社の立川さんをお招きして、効率的に仕事を進めるときに使える「Adobe Acrobat」の機能をプレゼンしていただきます。
「Adobe Acrobat」の知られてない使い方①PDFを編集して資料作成を効率化
立川さん
よろしくお願いします。
木下さんは「Adobe Acrobat」を使ってPDFを閲覧されているそうですが、PDFって変更されないためのフォーマットであるというイメージを持っている方も多いですよね。
木下さん
え、そうじゃないんですか?
立川さん
じつは違うんです。
PDFは、元のレイアウトやフォントをどんなデバイスからでも正しく表示できるのが特徴ではあるのですが、中身を編集したり、ほかのファイル形式にも変換できたりする柔軟なフォーマットなんです。
木下さん
そうなんですね…
PDFは変えられないことに価値があるのかと思っていましたが、全然違うのですね。
立川さん
たとえば、PDFでもらった資料の日付や内容を更新したい場面ってありますよね。
そんなときに「PowerPointの元データを送ってください」っていうのはちょっと気が引けるじゃないですか。
木下さん
僕もよく言います。「PDFの元原稿ください」って。
立川さん
そうですよね。
そういったとき、「Adobe Acrobat」なら直接編集できるので、元データがなくともテキスト編集ができるんですね。
具体的なやり方をお見せすると…「PDFの編集」を選ぶと、テキストなどがアイテム化されています。
立川さん
基本的に画像の差し替えもできますし、テキストも書き換えたり、追加したりすることも可能です。
元データを手配すると時間がかかりますけど、そうした時間を減らせるから効率的に書類作成できるんです。
木下さん
待つ時間を短縮できるんですね。これはありがたい。
何度も「お~!」と言う木下さん
立川さん
また、ドラッグ&ドロップで感覚的にページの削除や追加も簡単にできるんです。
木下さん
全然知らなかった。なんかボタンいっぱいあるなとは思っていましたが…
しかし、なんでみんなPDFは編集ができないって思っちゃってるんでしょう?
立川さん
みなさんがよく使われているのが、無料の「Acrobat Reader」だからかもしれません。このツールは基本的にPDFを閲覧するためにあるんです。
でも、じつはそれとは別に「Acrobat Standard」や「Acrobat Pro」という有料ツールがあって、これらを使うことで編集など様々なことができるようになるんです。
木下さん
僕は有料版を使っているけど、閲覧しかしてないですね。
立川さん
それはもったいないかもしれません…(笑)。
いま紹介したのって全機能のうちのほんの一部なんですよ。
ほう…もっと見せてください
「Adobe Acrobat」の知られてない使い方②リンク共有とコメント機能でフィードバック業務を効率化
立川さん
「Adobe Acrobat」なら、PDFをクラウドにアップできるので、そのリンクをコピーしてチャットで送るだけで相手に共有できるんです。
さらに、共有したPDF上に、ほかのメンバーがコメントを書き込むことができます。
つまり、制作物などをつくるときなどに、関係者のフィードバックをひとつのPDF上にまとめることができるんです。
ブラウザ版からでもコメント可能です
木下さん
すごい!! これ、出版業界に広まってほしいな。
出版業界って、PDFのゲラを複数人が1回1回印刷して、それぞれが手書きでコメント入れたものを編集者に集約して、その編集者が複数人が入れたコメントをまとめて、もう1回送るっていうすごい手間をかけているんですよ。
これって相手側も有料版の「Acrobat」を持ってないとコメント追加できないんですか?
立川さん
いえ。リンクを知っている人は誰でも見られますし、有料版を持っていない人も含めて、全員が1つのファイルにコメントを入れられます。
さらに言えば、「Adobe Acrobat」をインストールしてなくても、ブラウザ上からアクセスできるので、どんな人でも見ることができるんです。
木下さん
これで共有したら、コメントを集約する手間がなくなると。
劇的に業務量が減りますね。多分、100分の1くらいになりますよ。
立川さん
また、原稿をチェックするときには、PDFの比較機能を使うと便利です。
ファイル比較ツールを使うと、2つのファイルの差分を自動的に検出してくれるんです。
木下さん
なるほど。契約書のチェックとかにも使えそうですね。
契約書って意外なところが変わってたりすることもあるから、自分の目でチェックするのが追いつかないこともあるんですよ。
それが自動でできるのはありがたいです。
「Adobe Acrobat」の知られてない使い方③法的にも有効な電子契約ができる
木下さん
ちなみに、電子契約とかはできます?
立川さん
はい、「Adobe Acrobat」を持っていれば、電子契約も使えるんです。
しかも、回数無制限で。
木下さん
そうなんですね!
会社では電子契約サービスを使っているからいいんだけど、プライベートで契約する場合に契約書を何度も郵送するのが面倒だったんですよね。
立川さん
そうですよね。
電子契約の締結にはPDFが使われているのですが、編集から電子契約までPDFに関する作業をすべてカバーできるのが「Adobe Acrobat」なんです。
なんで今まで知らなかったんだ…
木下さん
いや…PDFを見るだけの「Acrobat」だと思っていたのに、こんなにいろいろ機能があるとは…業務フローが劇的に変わる感じがしましたね。
PDFの概念が変わりました!
効率化できるツールを使わないのは、マナーの問題になる時代
成島
横で聞いていて、僕も感動してしまったんですが…「Adobe Acrobat」でもっと仕事を効率化できそうだと思いましたか?
木下さん
もちろんです。むしろ、何でもっと早く教えてくれなかったのかと思ってしまいましたね。
こういうツールを使わず効率化しないまま一生懸命やっているのと、うまく活用して一生懸命やってる人って、同じ一生懸命でもアウトプットが10倍ぐらい違ってくると思います。
成島
10倍も…!
ただ、デジタルネイティブな若手ビジネスパーソンのなかにも、デジタル系のツールを使うことに苦手意識を感じている人はいそうですね。
木下さん
現代ではもうデジタル系のツールを使わないことで、まわりに迷惑をかけることもあると思います。
その人がそのツールを活用しないせいで、紙を出力しなきゃいけなくなったり、契約書の変更点を目視で確認しなきゃいけなくて時間もかかったりとか。
そうなると決して1人の問題ではない。便利で簡単なツールがあるのを知っていながら使わないっていうのは、マナーの問題になっていくかなと思いました。
超効率経営者の木下さんもべた褒めした「Adobe Acrobat」。
直感的な操作で、誰もが簡単に使えて仕事を効率化できる製品でした。
木下さんのような経営手腕は発揮できなくても、「ピッパの法則」と「Adobe Acrobat」を活用した仕事なら今日からでも実践していけそうです。
便利なツールを活用して仕組み化していけば、もっとビジネススキルもアップするかも。あなたも「Adobe Acrobat」を活用してみてはいかがでしょうか?
〈取材=成島克俊(@narishima1993)/文=エディット/編集=福田啄也(@fkd1111)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉
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