YouTuberに続くブーム到来…?
1投稿10万円は当たり前!? なぜ企業は「インスタグラマー」にそこまでお金を払うの?
新R25編集部
“インスタ映え”という言葉が日常的に使われるほど若者の習慣になっているInstagram。
近年では、そんな人気に乗じて「インスタグラマー」なる職業も登場しているようだ。彼女たちは一体どのような人たちで、どのように仕事を請け、いくら稼いでいるのだろうか?
若者向けのマーケティング事業を展開している株式会社CA Young Labの社員で、自身も総フォロワー2.5万人のインスタグラマー社員である砂川星来(すながわせーら)さんに話を聞いた。
インスタグラマーの収入源は企業からの広告料。案件はダイレクトメッセージやプロダクション経由で紹介
「インスタグラマーの収入源は、主に広告料です。クライアントと提携し、自分のインスタで商品を紹介する対価としてお金を受け取っています」(砂川さん、以下同)
実際のPR投稿のイメージ。ハッシュタグのなかに『#PR』と入っている(画像はEmiri Ishikawaさん提供)
職業としては、モデル、スタイリスト、ショップ店員、ネイリスト、デザイナー、フォトグラファーなどが中心。ファッション・クリエイティブ関連の仕事をしている女性が多いものの、オシャレ感度が高い一般のOLやママも少なくない。
そんなインスタグラマーに、企業側はどのようにアプローチを?
「方法は大きく分けて2つあります。ひとつは、Instagramのダイレクトメッセージから。あとは、インスタグラマーが登録しているプロダクション経由。プロダクションにくる大量の案件からPRしたいものを選んで投稿します」
インスタグラマーを束ねたプロダクションまであるとは! YouTuberに続き、インスタグラマーはSNS全盛時代の新たな職業として成立しつつあるようだ。
報酬は1フォロワーあたり1〜1.5円が相場!月1本の案件だけでサラリーマン並みに稼ぐ人も
彼女たちにPR依頼が多い商材は、化粧品やファッションアイテム、サプリメントなどが中心。写真映えし、女性にとって実用性が高いものが多いようだ。
その中からどの案件を選ぶかの基準になるのは、商品の内容もさることながら、やはり“報酬面”が大きいとのこと。ぶっちゃけ、1投稿あたりのギャランティは…?
「相場は、1フォロワーあたり1〜1.5円。一枚写真を投稿するだけで、1万人のフォロワーがいたら1万円、10万人のフォロワーがいたら10万円の報酬をもらえます。ただし、この金額はあくまでも相場。人気の度合いによっては、月に1本、企業案件を投稿するだけでサラリーマン並みの収入が得られる人もいます」
砂川さんの知っているインスタグラマーは、フォロワーが10万人以上で、家賃15万円のところに住んでいるとか。もともとOLだったが、今はInstagramだけで生計を立てているそう。これは、かなり夢のある話!
インスタの反応率はFacebookの10倍!? フォロワー数1万人程度のインスタグラマーは特に費用対効果が高い
しかし、1回の投稿で1〜1.5円/1フォロワーというのはかなり高い気がする。企業はなぜそこまでしてインスタグラマーにお金を払うのだろうか?
DIGIDAYの記事で紹介されている「L2」のリサーチデータによると、Instagramのエンゲージメント率(投稿を見たユーザーのアクション率)はFacebookの約10倍、Twitterの約30倍と主要SNSのなかでも突出して高い。いま一番“生きている”SNSだといえるだろう。
また、文字で伝えると広告はまわりくどくて冗長な表現になりがちだが、Instagramなら画像ひとつで直感的かつ最短距離でユーザーに訴求できる。“表現”の面でもPR効果は高そうだ。
さらに、インフルエンサーマッチングプラットフォーム「SPIRIT」の調査によると、Instagramのインフルエンサーのなかでは、特に8,000~30,000フォロワーをもつ“マイクロインフルエンサー”の「いいね率」が高いこともわかっている。タレントのように数十万、数百万のフォロワーを抱えると、逆に反応率は落ちてしまうよう。フォロワー数に応じて報酬を払うことを考えれば、インスタグラマーはもっとも費用対効果の高い存在だといえそうだ。
話を聞いていて、ちょっとうらやましくなってしまったインスタグラマー。ちなみに、男性でもチャレンジできるものなのだろうか?
「なかなか厳しいかもしれませんね…。Instagramは、女性がファッション誌を読んでいる感覚で使っていますから。もし男性でフォロワーを増やすなら、見た目がユニセックスだったり、美容知識が豊富だったり、写真の加工センスあったりするなど、女性にも訴求できる“オシャレ感”が求められます」
ですよね…。ただ、今後も間違いなく新しいトレンド生み出していくであろうInstagram。流行のウラで生まれるビジネスには引き続き注目していきたい!
〈取材・文=三崎りの〉
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