球界の宝がついに今オフ渡米!だけど…

年俸6000万円未満!? メジャー挑戦する大谷が“格安契約”しか結んでもらえない理由

  • 芸能・エンタメ
  • 2017.10.12
  • by 新R25編集部

R25世代の星・大谷翔平(北海道日本ハム)が、来シーズンからメジャーリーグに挑戦! 最多勝やMVPまで獲得し、もはや日本に敵はいないといっても過言ではないスーパースターだけに、とっても楽しみだ。

ところがこの移籍、移籍金が低い、かなり不利な契約になるという。一体なぜなんだ!?

プロ5年目の大谷は、球団が選手に値段を付けて“入札”を募集する「ポスティングシステム」で移籍

大谷は、「ポスティング」という制度を利用して移籍する。日本球界では、1軍に9年在籍すれば、選手個人が自由にどの海外球団とも移籍交渉できる「海外FA制度」があるが、大谷はまだプロ入り5年目なので、所属する北海道日本ハムのOKをもらって、海外球団から“入札”(=ポスティング)されるという形になる。

ポスティングの場合は移籍すれば日本球団に“譲渡金”が入るが、その上限はルールによって2000万ドル(約22億4700万円/10月11日現在。以下同)と決められている。選手の所属球団は金額を決め、メジャー球団がその値段を「払います」となれば、それぞれの球団と選手が交渉できるという流れだ。

25歳未満の選手の「獲得に使っていい金額」は、1チームあたり年間6億円までというルールができた

これにややこしいルールがからんでくる。2016年12月に決められた、メジャーリーグの「労使協定」だ。

要するに「若い海外選手を獲得するときに使っていい金額の制限」。契約金や年俸など含めて、1チーム年間475万~575万ドル(約5億3400万~6億4700万円)までしか使ってはいけない!というルールができたのだ。

これまで、ルールが適用される選手年齢は「23歳未満」だったが、12月の改正で「25歳未満」に引き上げられた。23歳の大谷はちょうどこれに引っかかることに…。

海外選手獲得は7月2日からおこなわれているため、すでに中南米などから選手を獲得しているチームも多い。つまり、それを差し引くとすでに大谷に回せる金額はかなり少なくなっているというワケ。

gettyimages
2015年にポスティング移籍したマエケン(前田健太)獲得の際には、ドジャースからカープへ、譲渡金として2000万ドル(約24億円/当時)が支払われた。

年俸6000万円以下の「マイナー契約」からスタート。トレードやケガで空き枠が出ないとメジャーに上がれない?

さらに、「25歳ルール」のもとでは必ず「マイナー契約」からスタートしなければならない。

メジャーリーグ関連のニュースを見ていると、よくこの「マイナー or メジャー契約」という言葉を聞く…。これは何なのか?

「メジャー契約」とは、ざっくりいえば、選手を「メジャー(1軍)の試合で起用する」という契約のこと。1チームでこの契約ができるのは40人。そしてメジャーのベンチに入れるのは25人…。ということは、「マイナー契約」の選手は、いくら実力があってもメジャーの試合にはほぼ出られないということになってしまうのだ。

大谷がメジャーの試合に出場できるかどうかは、契約した球団の状況によるためなんともいえない。が、基本的にはメジャー契約を結んでいる選手がトレードされたりケガをしたりして、枠が空くのを待つしかないだろう。年俸は最高でも6000万円未満と見られている。

いずれにしても、大谷レベルの選手が「マイナー契約」というのは、過去にメジャー入りした日本人選手を見ても超異例だ。

出典

YUTAKA/アフロスポーツ

大谷の今季の年俸は2億7000万円(推定)だが、マイナー契約では6000万円未満におさえられてしまう可能性が高い。

規制ができたウラ側には、“最強の労働組合”と呼ばれるメジャー選手会の存在が?

しかし、なぜ「25歳ルール」のようなものがあるのだろうか…?

理由のひとつは、2015年にアメリカとキューバの国交が正常化されたことで、キューバ人選手を獲得したがるメジャー球団が続出したこと。

「一定の規制を設けなければ、契約金が高騰し、資金力に乏しい球団は海外の有力選手の獲得競争に参戦できない状況に陥る。その結果、戦力均衡が保てなくなる」(産経ニュース「MLBの新労使協定 『損』をする大谷翔平、『得』をする日本球界」)ということで、メジャー球団間でルールが必要になった。

出典

YUTAKA/アフロスポーツ

逸材が多いキューバ球界!

また、選手側からしても「海外選手が球団と大型契約を結ぶことで、すでに所属している選手は年俸が抑えられ、メジャー契約ができる『40人枠』から漏れる可能性も出てくる。マイナーからメジャーにはい上がってきた選手にとっては、決して歓迎できる状況ではない」(同上)ということのようだ。

メジャーリーグの選手会は“世界最強の労働組合”と呼ばれていて、強い交渉力を持っている。過去にも実に5回ものストライキをおこなっているのだ(日本は1回だけ)! そんな選手会が、自分たちの“労働環境”を守ろうと、球団側やコミッショナー(最高経営責任者)と交渉をつづけて制定されたのが「25歳ルール」…。

出典

ロイター/アフロ

写真は2011年。年金の支払いをめぐる交渉を終えた選手会とリーグ側の代表

なんだかスッキリしないところはあるが、こんな悪条件で渡米する大谷のチャレンジ精神はきっとホンモノ。数々の常識をくつがえしてきた彼なら、きっと困難を乗り越えてメジャーの舞台で活躍してくれるに違いない!

〈取材・文=梵将大〉

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