ビジネスパーソンインタビュー
避難訓練もまともに行われず?
一般感覚は「またか」程度。韓国の人々はなぜ北朝鮮を恐れないのか? 実情を聞いた
新R25編集部
9月15日、北朝鮮の中距離弾道ミサイルが北海道上空を越え、太平洋に着弾した。北朝鮮のミサイルが日本列島上空を越えたのは5度目。発射前には、米国防長官が「グアムを含む米国領土を攻撃した場合、交戦開始だ」と発言するなど、日本では大きなニュースとなっていた。
日本では大騒ぎだが、一番脅威を感じてもおかしくない隣国・韓国では、どのような感覚で受け止められているのだろうか?
一般感覚は「またか」程度。軍事費に5倍の開きがあり、「北朝鮮に勝ち目はない」とわかっている
話を聞いたのは、ソウル在住の34歳・韓国人男性Iさん(仮名。日本にも留学経験アリ)。彼によれば、こういった北朝鮮の軍事的挑発行為は、「日常生活の延長線」なのだという。
「人命的損害がなければ、日本人が『ああ、また地震か』と思う感じに近いです」
しかし、過去には朝鮮戦争で戦った国であり、現在も“休戦状態”が続いている。なぜ「戦争になってしまう」と恐怖を感じないのだろうか?
「現在の韓国と北朝鮮では経済規模、軍事規模の差が大きすぎるので、まともに戦うと北朝鮮に勝ち目はありません。だからこそ、海に向けた武力示威のミサイル発射などを行っているだけというのが、一般的な感覚だと思います」
調べてみると、両国の国防費は、約4兆4000億円の韓国に比べ、北朝鮮は約9000億円。約5倍の開きがあるのだ(データは2015年時点)。さらに、韓国には駐留米軍もいるため、この開きはより大きくなるともいえる。
北朝鮮軍の戦闘機は老朽化し、パイロットも不足!? 韓国では避難訓練もまともにおこなわれず…
さらに、兵役経験もあるIさんは、「北朝鮮が、韓国の高層ビルなどを爆撃するのに必要な爆破物を積んだ戦闘機を飛ばすのは難しいでしょう」と話す。
ミサイルや核兵器を開発する北朝鮮だが、戦闘機はかなり老朽化したものしかなく、さらにパイロットや燃料も不足しているのだとか…。
『乗りものニュース』の記事「北朝鮮空軍は匙を投げられたのか 加速するミサイル開発の一方で空軍が旧態依然なワケ」によると、
「現代戦闘機といえる能力を持つ機種はせいぜいMiG-23とMiG-29のみであり、両機をあわせても100機に足りません」
「戦闘機パイロットひとり当たり1年間に約200飛行時間、最低でも80飛行時間の訓練を実施する必要があります。しかしそれも燃料不足から、年平均で数飛行時間しか飛べないと推測」
との見解も。
これらの事情から、北朝鮮に対して恐怖感を覚える人はほとんどいないらしい。事実、今年8月には北朝鮮のミサイル問題を受けて、市民レベルの避難訓練をおこなっていたのだが、まともに行われていたのはマスコミが注目する都心の一部のみ。ほとんどの国民に危機意識はなく、日頃の備えもないようだ。
国としてはしっかり対策。地下鉄は「シェルター」になるうえ、有事用のスマホアプリなども配布
とはいえ、韓国政府としてはやはり警戒感をもっており、対策を講じている。韓国の地下鉄や都心のビル街は、シェルターにもなるように極めて頑丈に作られているらしい。
「韓国の地下鉄はかなり深く作られていて、地下60メートル以上の部分もあります(日本一深い地下鉄の駅、大江戸線の六本木駅でも地下約40メートル)。並の爆弾ではそこまで被害を与えることができないので、シェルターとして機能します」
また政府は、地下鉄の駅や政府庁舎の地下など、有事の際に攻撃を回避できる場所を案内するスマートフォンアプリも配布している。
一般の人々の間では危機感が低いとはいえ、国レベルの対策では、“平和ボケ”といわれることもある日本とは、少し事情が違うようだ。
〈取材・文=ブルトン森〉
ビジネスパーソンインタビュー
またスゴいことを始めた前澤さんに「スケールの大きい人になる方法」を聞いたら、重たい宿題を出されてしまいました
新R25編集部
【不満も希望もないから燃えられない…】“悟っちゃってる”Z世代の悩みに共感する箕輪厚介さんが「幸せになる3つの方法」を伝授してくれた
新R25編集部
「実家のお店がなくなるのは悲しい… 家業を継ぐか迷ってます」実家のスーパーを全国区にした大山皓生さんに相談したら、感動的なアドバイスをいただきました
新R25編集部
「俯瞰するって、むしろ大人ではない」“エンタメ鑑賞タスク化してる問題”に佐渡島庸平が一石
新R25編集部
社内にたった一人で“違和感”を口にできるか?「BPaaS」推進するkubell桐谷豪が語るコミットの本質
新R25編集部
【仕事なくなる?そんなにすごい?】“AIがずっとしっくりこない”悩みへのけんすうさんの回答が超ハラオチ
新R25編集部