「VR=ゲーム」のイメージが強いけど…
バーチャル内覧、手術のシミュレーション… “エンタメ以外”にも広がるVRの可能性
新R25編集部
すでに体験したことがある人も多いかもしれない「VR」だが、話題になるのは昨年発売された『PlayStation VR』や、VRを導入したアミューズメント施設などが中心。多くの読者にとっては、まだまだ「VR=エンタメ」なイメージが強いはず。
しかし、実はぼくらの知らないうちにVR技術でどんどんビジネスの現場が変わってきているらしいのだ。どんな分野に、どんな用途で使われているのだろう?
360°の4K映像でハワイを堪能。H.I.Sは店舗で「バーチャル旅行」を提供
まずは観光分野から。旅行代理店のH.I.S.の新宿営業所「H.I.S. Hawaii」では、VRで360°のハワイの景色を4K実写映像とCDを上回る高音質のハイレゾ音源で体感できる。ワイキキビーチ、ダイビング、ショッピング、ホテルから見る夕日まで、パンフレットからは伝わりきらないハワイの魅力を臨場感たっぷりに味わえるのだ!
「バーチャル内覧」で効率的にお部屋探し! 新築物件のシミュレーションも可能
不動産業界でもVRの活用が進んでおり、最近では現地に行かなくても物件の内覧をすることができるサービスが増えている。部屋の日当たりまで確認可能で、遠くに住んでいたり、一度に多くの物件を内覧したい人にとってはかなり便利!
画像は「アップシードレジデンシャル バーチャル内覧」のスクリーンショット
また、最近では施工前の新築物件のCGモデルをVRで体感することができるサービスも。壁や床の模様替えをしたり家具を置いたり、細かなシミュレーションにも対応している。
このように、消費者向けには“失敗したくない”というニーズが強い高単価商材を中心にVRの活用が進んでいるようだ。
“失敗できない”フライトや手術のシミュレーションにも活用。研修コストを抑える効果も
企業向けの研修にもVRは導入されている。代表的なのは、航空機のフライトや、医療分野、特に難易度の高い脳外科や心臓外科手術のシュミレーションでの活用だ。
アメリカの『Osso VR』は、研修医向けの外科手術トレーニング用のシュミレーションプログラムを開発。手術器具の使い方から手術の手順まで、手術室にいなくても学ぶことができる。トレーニング用の医療器具は高価なことも多いうえに失敗も許されないが、VRならばローコストで失敗を恐れず何回もトライすることができる。
スピーチ恐怖症や高所恐怖症を克服。メンタルヘルスの分野でも効果が立証されている
また、VRをメンタルヘルス関連の治療に利用する事例もある。たとえば、スピーチ恐怖症やあがり症の人向けに作られたアプリ『Public Speaking VR』では、会場の種類を選んでスピーチの練習することができる。
『Public Speaking VR』使用イメージ
また、スペインの新興企業サイウスは、高所恐怖症の人のためのアプリを開発。このアプリでは、ヘッドセットを装着した高所恐怖症の人に、高層ビル内のエレベーターでの昇降を体験させることができる。エレベーターを高く上昇させ続けたり、床を透明にしたりして難易度を上げたりと、VRならではの柔軟な治療が可能。
臨床心理学を専門とするオックスフォード大学のダニエル・フリーマン教授も、「非常に明確なのは、VRが不安障害に対して有効だということです」「優秀なセラピストとの面談と同じくらい効果があります」(WIRED「VRがメンタルヘルス関連の治療に有効か:英研究結果」より)とコメント。今後も恐怖症や依存症といったメンタルヘルス領域での活用が進みそうだ。
戦争の現場を疑似体験。「VRジャーナリズム」で世界のニュースが身近に
最後に紹介するのは「VRジャーナリズム」。戦争など、日本にいれば到底経験し得ない出来事をリアルに体感できたり、まるで自分が報道現場にいるかのような感覚を味わえる。軽薄な感情しか抱かなかった海外のニュースも、身近な話題に変えてくれそうだ。
ニューヨーク・タイムズ、CNN、ウォール・ストリート・ジャーナル、USAトゥデイなどのアメリカの大手メディアは、すでに報道にVRを活用。
また、日本でもNHKが「NHK VR」を立ち上げ、“報道を届ける側”と“受け取る側”の感覚のギャップをなくしていく試みを開始している。
エンタメ領域だけでなく、着々とビジネスの常識を変えつつあるVR。きっとまたすぐにボクたちの想像を上回る進化を遂げるに違いない!
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