「未成年女優」にも変化が…

大手の取り組みは本気!「5年ルール」制定でAVはどう変わる!? 関係者に聞いた

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出演強要」などが問題視され、さまざまなルールができたというAV業界。法的にホワイトになるのはいいイメージだけど、具体的にどう変わっているの? ボクらがお世話になっている(?)AVの最新事情に迫った!

“出演強要”が社会問題化。「作品の使用期限は5年まで」などのルールが制定された

出典

Rodrigo Reyes Marin/アフロ

2015年に行われた、「アダルトエキスポ」の様子
2016年に、人権団体「ヒューマンライツ・ナウ」が被害者の存在を報告し、「出演強要」が広く問題視されるようになった。

これを受けて第三者機関「AV業界改革推進有識者委員会」ができ、今年10月に「出演強要」を防ぐためのルールを発表

・作品に5年の使用期限を設ける(それを過ぎて配信や販売をする場合は、契約の延長が必要
・出演女優に(AV出演であることがわかりやすい共通のフォーマットで)同意書をとる
・発売した作品を再編集した別の作品を売る場合には、2次使用料を女優に支払う
出演料を明示する

などが明文化されたのだ。

大手の取り組みは本気!「契約の説明」「契約書記入」シーンなどはすべて録画し、ギャラもオープンに

画像は「ソフト・オン・デマンド ch - DMM.R18」のスクリーンショット
とはいえ、(イメージ的にですけど)一筋縄ではいかなそうな業界…。実際この辺のルールはどうやって守っていくの? AVスカウトの現場で活躍するSさんに話を聞いてみた。

「業界全体がかなり大きな変革期ですね。例えば、AV女優を抱えているプロダクションは何百社もあるんですが、『出演強要をするような、変なプロダクションを排除しよう』ということで、大手10何社かで組合ができた。皆さんよく知っているSODプレステージなど大手の制作会社は、その組合に入っているプロダクションの女の子しか使わないようにしよう、という動きもあるぐらいです」

なかなか気合いが入った動き…。では前述の「契約書」とかのルールは、現場でも徹底されてるんでしょうか?

「かなりガッチリやっています。いま、大手のプロダクションは、『契約内容を女の子に説明しているところ』、そして『実際に契約書を書いているところ』、どちらも映像に撮って残しておくようになりました。また、『総ギャラの開示』もやっています。これは、制作会社が作品作りにかける総コストを見せ、そのうちどれぐらいが女の子に入り、どれぐらいをプロダクションが取るのか、配分を開示するということです。要するに『ダマしてるんじゃないよ』ということを示しているんですね」

Sさんいわく、「女の子のための業界になろう」という動きはかなり強いとのこと。これは本気と言っていいのかも?

作品や女優はどう変わっていく? フェアな契約をもとにした「フリー女優」が増えるという見方も

出典

Rodrigo Reyes Marin/アフロ

さて、気になるのはボクら男子、つまり一般ユーザーにどのような影響があるのかということ…。たとえば、「作品の使用期限は5年」とあるが、気に入っていたAVでも、発売から5年経つと姿を消してしまう

「店頭やアダルトサイトからは当然姿を消しますね。弁護士側の主張では、『出演するときにOKしたとしても、その後もずっと動画を見られる状態にしつづけておくのは、若い人の未来をつぶしかねない。出演時だけの同意を取り上げて“意思を尊重している”とはいえない』ということなんです」

作られる作品の内容にも影響するものなのでしょうか?

「内容自体はそこまで変わらないと思いますよ。ただ、ひとついえば未成年の女の子の出演が以前より減る流れはあります。もともと、18、19歳の女の子のAV出演は親の同意が必要という法律があったんですが、そこはグレーゾーンで、なんとなくOKということで未成年のコを出演させることも多かった。これに弁護士団体が“明文化された親の同意がなきゃダメだ”と。だから現在は必ず『同意書』をとるようにしています」

そして、Sさんは女優側にも変化が起きると予想する。

「たとえば、制作会社を通さない“ライブ配信”とか、本人が素性を出して個人として活動していくことが増えると思います。“フリーのAV女優”が増えるといえるかもしれません。今アメリカだと、マネージャーもつかず自分で現場に行って、ギャラも自分で交渉する…という女優さんもいるんですよ」

これは、ギャラのオープン化や、フェアな契約があってこそできること。人気女優さんたちが正当に評価されるなら文句はないですな。

とりあえず今夜は、ストリーミングで見ていたお気に入りの購入済み動画を、ダウンロードする作業に没頭します!

〈取材・文=新R25編集部〉