ボクたちが嬉しいのは当然だけど…

厚労省も就業規則のテンプレを“副業OK”に。副業解禁による企業のメリットを考える

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2017年に入って、ソフトバンクやDeNAといった大企業が副業を解禁。

なんだか“副業ブーム”到来の予感もしてきたが、ここにきて政府も「副業解禁」の後押しをしようという動きを見せている。労働時間や健康管理の指針を見直し、ガイドラインを発表するという。

副業禁止の企業が約8割。国が定める“就業規則の雛形”が副業推進にブレーキをかけていた!?

とはいえ、リクルートキャリアが2017年1月に実施した意識調査によると、副業を容認・推進している企業は全体のわずか22.9%、禁止が77.2%となっている。なぜ日本では副業が広まらないのだろう?
出典

写真:アフロ

その一因となっている可能性があるのが、厚生労働省の発表する「モデル就業規則」だ。

常時10人以上の雇用者を抱える企業は、労働基準法に則って就業規則をつくらなければならないが、経験がないのにいきなりつくるのはなかなか難しいのが現実。モデル就業規則とは、そんな企業のために用意された就業規則の「雛形」だ。

実は、この雛形に「副業禁止」を意味する以下のような一文がある。

許可なく他の会社等の業務に従事しないこと
多くの経営者がこれを参考にした結果、副業禁止の企業が増えていった可能性もある。

そこで厚生労働省は、この記述の見直しを決定。現在の副業禁止を意味する部分を削除し、「労働者は勤務時間外において他の会社等の業務に従事することができる」という規定を新設する。

政府としては、少子高齢化による労働力人口の減少(50年後には4割も減るという見立ても!)などに対処する狙いもあるようだ。

エース級の人材は引き合いも多い。“副業OK”にしないと人材が流出してしまうリスクが高まる

一方で、「副業すると本業がおろそかになる」なんて意見も根強い。副業解禁は労働者にとっては喜ばしいことだけど、企業側にも何かメリットがあるのだろうか?

経営コンサルタントの金子欽致氏は、『THE 21オンライン』の記事でこう語っている。

「優秀な人材であればあるほど、各種プロジェクトからの誘いや会社を通さない形で仕事を依頼されるケースもまた多くなりますが、副業規定の制限があると当然、彼らも動きにくくなります。その結果、『副業がNGなら会社を辞めようかな』と、より魅力的で自由度の高い会社に引き抜かれてしまうということが起こります」

確かに、自分のスキルを存分に発揮できないなら、今の時代、転職や独立を考えるのは当然。副業を解禁することで、企業としてはエース級の人材に気持ちよく働いてもらうウィンウィンの関係を築けるのだ。

多様な働き方を推進するサイボウズ株式会社では、本業/副業の区別なくふたつの会社に所属する“複業家”という働き方をする社員も生まれていて、解禁の効果が実感できているという。
(画像はサイボウズ株式会社 青野慶久氏 プレゼン資料のスクリーンショット)

本業では携われない仕事にチャレンジした社員が、副業で得たスキルや人脈を本業へ還元してくれる

副業を解禁すれば、社員が本業では得られないスキルを獲得することにもつながる。

たとえば、営業や商品企画を担当している社員が副業でイラスト制作やWebデザインを経験し、そこで得たスキルを本業の資料作成に活かす…などといった相互作用が期待できる。副業で得た人脈を社内の仕事に活かせるケースもありそうだ。

このように畑違いの仕事や業界から得られる発見は、社員の視野を広げ、新たなスキルとアイデアをもたらす。マーケットの多様化がささやかれている昨今、社員も多様化していくのは会社にとってもメリットがあるはず。

副業文化が広まれば、他社の優秀な社員に業務をアウトソーシングできるようになる

自社の変化ばかりに目を向けがちだが、他社が「副業OK」になることの恩恵も大きい

優秀で高給な他社の社員に声をかけても、副業としての依頼ならフルタイムの給与は不要。採用活動には大きなコストやマンパワーがかかるが、副業文化が広まれば、必要なスキルをもった人材に業務を細分化してアウトソーシングしやすくなる。人材不足の問題も解消に向かいそうだ。
(画像は「クラウドワークス」公式ホームページのスクリーンショット)
副業が当たり前の文化になると、優秀なビジネスパーソンは会社の垣根を越えてボーダーレスに活躍のフィールドを選べるようになる。

そんなオープンな社会においては、個人だけでなく、会社側も“副業を活かす”考えをもった組織が生き残っていきそうだ。

〈文=佐藤宇紘〉

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