「インフルエンザソムリエ」なる人も登場

今年のインフルエンザ予防接種、痛かった気がするけど… 医師に仮説をぶつけてみた

ライフスタイルby 新R25編集部
読者のみなさん、今年もインフルエンザの予防接種は終わりましたか? なんか、今年は妙に痛かったような…と思っていたら、ネット上にも同じような感想の書き込みが多数! Twitter上には「インフルエンザソムリエ」なる人も登場し、

針の刺し口は軽やかで刺されたことすら感じない羽根のようなまろやかさだが、薬剤注入の段階で鋭く変化し今までで一番痛い

2017年物はここ数年で最悪の出来栄え

なんて、まるでボージョレ・ヌーヴォーを評価するようなユニークな投稿も話題になっている。

今年の痛さには何か理由があるんじゃ…ということで、『医者のたまご、世界を転がる』(ポプラ社)の著者である中島侑子医師に話を聞いてみた!

年ごとに痛さが変わる可能性は?→「ないと思います」

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今年の注射は痛かった気がしたんですが、年ごとに痛さが変わるということはあるんでしょうか?

ないと思います。まわりの医師たち数人にも確認しましたが、全員『ないと思う』とのことでした

え…。でも年ごとに薬の内容(ワクチン株)は変わっているんですよね

「そうですが、それによって痛みが変わる、つまり『痛いワクチンがある』ということは考えにくいです。私は今年もすでに数百人に予防接種の注射を打っていますが、まったく同じ部位に同じように、同じタイミングで同じワクチンを打っても『痛い』と言う人もいれば『え、本当に打ったの?』となる人もいます。つまり、人によって、タイミングによって感じ方はかなり違うということです」

うーむ…ネット上でも「今年は痛かった」という声を多く見たはずなんだけど、ただの勘違いだったのか…。いや、まだ可能性があるはずだ!

薬のアルカリ度、注射を打つ深さ…ネット上のウワサの真偽やいかに!?

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薬のpHによって痛みに差が出るはず!」というツイートがあったのですが、これは?

「たしかに体内のpHと大きく異なる薬を注射した場合、異物感による痛みを感じることはあります。ただ、年ごとのインフルエンザワクチンでpHが大幅に変わることはありえません

そうですか…。じゃあ、「皮下注射か筋肉注射かによって痛みが違う」という説は? 深く打つ筋肉注射は痛みを感じやすいとのことだけど…。

「インフルエンザワクチンは基本的に皮下注射で打つものです。筋肉注射とは、子どものお尻にブスッとするような注射ですね」

ですよね…。先生、ほかに何か可能性は考えられないでしょうか!?

「なんとも言えないところですが、精神的にナイーブになっていると敏感に痛みを感じ取るということはあるかと思います。『赤ちゃんに注射するとき、あやして笑わせているすきに打つ』というレベルの話ですが」

なるほど、今年はみんな精神的にナイーブだった! なんてあるわけないか…。

薬の温度が低くて体温とかけ離れていると、「異物感」で痛みを感じるかも?

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最後にもうひとつだけ気になる情報が。「薬の温度」によって痛みを感じることがあるとか…?

「ああ、それはあるかもしれませんね…! 『体への異物感』の話で、体温とあまりに離れた温度のワクチンだと、痛みにつながる可能性はあります」

ワクチンは通常冷蔵庫で冷やされた状態で保管される。注射前に10分ほど室温におくのだが、それが十分でないと、痛みを感じてしまうということらしい。

かすかな望み(?)は、「ワクチンが冷えすぎていた説」か。いや、「今年だけ冷えてた」なんてまずないだろうな…。もしくは、痛みを感じた人は順番的にワクチンが冷えている状態だったのか。

しかしこのウワサ、なぜここまで広まったんでしょうか?

「インフルエンザソムリエの言い方が面白いし、時期的にもネタになるのがウケて、ネットで拡散しただけかと思います…。医師はそもそも、このウワサ自体を知らない人が多いですよ

話題の「インフルエンザソムリエ」のテイスティングは、否定されてしまった。「痛い、痛くない」ぐらいなら単なる世間話で済むけど、医療・健康に関する情報だけに、人のウワサには簡単に惑わされないようにしよう…。

〈取材・文=天野俊吉(新R25編集部)〉

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