ビジネスパーソンインタビュー
ただモーレツに働くだけじゃダメ?
3年目までの若手時代はどう過ごすべき? ビジネス賢人たちの「働き方アドバイス」
新R25編集部
若者が社会に飛び出す季節。毎年この時期になると巻き起こるのが、「若手社員の働き方」についての論争だ。
時代の流れとともに働き方に対する価値観も変わっているように思えるが、社会人3年目までの「若手時代」は、一体どのように過ごすべきなのだろうか?
今回は、ビジネス賢人たちに以下3つの質問を投げかけてみた!
「若手時代はこう働くべき」
入社3年目ぐらいの“若手時代”はどんな働き方をすべきなのか?
「若手時代、仕事以外にこれをすべき」
仕事以外にも有意義なことはある?
「私の若手時代」
自分が若手のころは、どのように過ごしていたのか?
前田裕二(SHOWROOM代表)「偏愛→没頭→熱狂がキーワード」
【前田裕二(まえだ・ゆうじ)】早稲田大学政治経済学部卒業。UBS証券などを経て2013年に株式会社ディー・エヌ・エー入社。ライブ配信プラットフォーム「SHOWROOM(ショールーム)」を立ち上げ、現在はSHOWROOM株式会社の代表取締役社長を務める
✔︎ 前田裕二の「若手時代はこう働くべき」
前田裕二
偏愛→没頭→熱狂、がキーワードです。働いても疲れを感じないほどに偏って好きな仕事を見つけて(偏愛)、四六時中他のことが見えなくなる位にそれだけを考えて(没頭)、日々吠えるように熱く激しく働けたら(熱狂)、とても幸せだと思います。
イメージ的には、小さい頃に好きなゲームを買ってもらって、気づいたら一日中やっていたりとか、テレビ画面だけ消して、また朝起きてテレビをつけてすぐにゲームを始める感じです。
✔︎ 前田裕二の「若手時代、仕事以外にこれをすべき」
前田裕二
「あいつマジで変わってるよな」と人から言われるレベルで、極端に好きなことを見つける。
✔︎ 前田裕二の「私の若手時代」
前田裕二
朝5時に誰より早く会社に行き、1番最後に電気を消して帰るような、今の時代とは逆行するような働き方をしていました(笑)!
人の3倍の速度で成長して、1日でも早く「先輩の脅威」になろう、1つでも多くの仕事を勝ち取ろう、と躍起になっていました。今思うとやたら死にもの狂いで必要以上に必死な、見苦しい若手ですね…。よくボスから、「それじゃ燃え尽きるよ」と注意されていた記憶があります。
でも、偏愛と没頭、熱狂がベースにあったので、自分自身大きなストレスを感じることなく、大きな成長を手にすることができたとは思います。
箕輪厚介「学生ノリの仲間との関係を断絶する」
【箕輪厚介(みのわ・こうすけ)】2010年双葉社に入社し、『ネオヒルズジャパン』与沢翼 創刊。2015年7月に幻冬舎に入社し、堀江貴文『多動力』、与沢翼『ネオヒルズジャパン』、藤井健太郎『悪意とこだわりの演出術』の3冊でアマゾン総合ランキング1位を獲得
✔︎ 箕輪厚介の「若手時代はこう働くべき」
箕輪厚介
「これって意味なくね?」っていう目線を忘れないようにする。
僕は研修で「マナー研修という名の茶番劇」という日報を出したら激ギレされました。
ただ、やるべきことをやる、数字を出すというのをした上でやること。
✔︎ 箕輪厚介の「若手時代、仕事以外にこれをすべき」
箕輪厚介
結婚とか海外修行。
大学時代の友達と学生ノリで過ごす時間が長いといつまでたっても頭角を現わせないから、そういう仲間との関係を断絶し、自分の人生を歩くきっかけが必要。
✔︎ 箕輪厚介の「私の若手時代」
箕輪厚介
仕事ができすぎたのか暇だった。
毎日夕方には酒を飲みに行っていた。恋愛くらいしかやることがないから、1年目で結婚して子供を授かった。
藤井大輔(R25創刊編集長)「趣味を仕事に混ぜ込むことを真剣に考える」
【藤井大輔(ふじい・だいすけ)】大阪大経済学部を卒業後、リクルート入社。『ゼクシィ』『ダ・ヴィンチ』などの雑誌編集に携わったのち、フリーマガジン『R25』を創刊。2005年4月~2008年3月まで編集長を務める。現在は富山で介護事業に携わる
✔︎ 藤井大輔の「若手時代はこう働くべき」
藤井大輔
“仕事の振り返りの習慣を身につける”ことでしょうか。
1日の終わりに5分だけでも、今日の出来事を振り返ってみて、「なぜうまくいった/いかなかったのか」「明日以降に活かせることはないか」など簡単にメモっておくことをお薦めします。モチベーションの維持にも役立ちます。
✔︎ 藤井大輔の「若手時代、仕事以外にこれをすべき」
藤井大輔
社内の懇親会や歓送迎会などの幹事ですかね。
いろんなオーダーに対処できる能力が身に付きます。まぁ、これも仕事の範疇かもしれませんが。
✔︎ 藤井大輔の「私の若手時代」
藤井大輔
結婚情報誌『ゼクシィ』の編集者だったのですが、特集企画に「自分の趣味をいかに混ぜ込ませるか」を真剣にやってました。
そこからヒット企画も生まれたりしました。リクルートの社風だからこそ、やらせてもらえたのだと思います。
はあちゅう「目の前の仕事は、3年後に時代遅れになる」
撮影=長谷英史
【伊藤春香(はあちゅう)】ブロガー・作家。「ネット時代の新たな作家」をスローガンに読者と直接つながって言葉を届ける未来の作家の形を摸索中。著作に『半径5メートルの野望』『「自分」を仕事にする生き方』などがある。noteの月額課金制マガジン「月刊はあちゅう」も好評
✔︎ はあちゅうの「若手時代はこう働くべき」
はあちゅう
3年目ともなると仕事に慣れて手の抜きどころもわかってしまうのですが、目の前の仕事は3年後、確実に時代遅れになるので、普段の仕事と並行で3年後のための種まきを始めてください。
✔︎ はあちゅうの「若手時代、仕事以外にこれをすべき」
はあちゅう
よく寝る。
遊びも仕事も欲張りたい時期ですが、若いうちに無理すると30代で心か体のどちらかがダメになります。
✔︎ はあちゅうの「私の若手時代」
はあちゅう
入社から2年7カ月で大企業からベンチャー企業に転職し、業界も慣習も環境も何もかが変わったので、3年目にして新入社員に戻ったような感覚でがむしゃらに働いていました。
同時に「作家になる」という自分の夢に向かって、週末作家として執筆活動を始めていました。
#はあちゅうサロン - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
応援してくれる人が常にいる環境の中で、自分の強みを見つけ、磨き、まずは小さなコミュニティの中でスターになる。そこから、どんどん外へ出て行き、
4月1日にスタートした「はあちゅうサロン」。随時入会者募集中
佐野恭平(MTRL編集長)「上司を説得する力、後輩を使う力を身につける」
【佐野恭平(さの・きょうへい)】株式会社MTRL代表取締役。16歳からモデル活動を始め、雑誌や広告などで活躍後、一般企業に就職。働きながら大学院で経営学の知識を学ぶ。2015年5月にWebメディア『MTRL(マテリアル)』をローンチ
✔︎ 佐野恭平の「若手時代はこう働くべき」
佐野恭平
上司を説得する力と後輩を上手く使う力を身につけると自分の仕事がスムーズに進行できると思います。
あと、(転職するにしろしないにしろ、将来に向けての自分の価値を高めるために)自分の実績を作っていく時期かなと思うので、そういう仕事の中心メンバーになっていくといいのでは。
✔︎ 佐野恭平の「若手時代、仕事以外にこれをすべき」
佐野恭平
早く帰ってクラブかナイトプールにでも行くといいと思います。
業種によりますが、好きなことや楽しいことに全力に。ミーハーでないと、インプットが枯渇するし仕事にも生きないから。あと、自分は会社員時代、当たり前に行使すべき権利が見えなくなってた時期があったので、プライベートも充実させていいんだよって伝えたいです。
✔︎ 佐野恭平の「私の若手時代」
佐野恭平
不真面目系会社員だったので、朝まで飲んでは隙をみて道玄坂のモスバーガーで仮眠してました。
今、そんな自分を見かけたら殴り倒して小一時間説教したい…。
佐野恭平(@kyohei_sano)さん | Twitter
佐野恭平 (@kyohei_sano)さんの最新ツイート MTRL(マテリアル)という月間300万PVのメンズファッションWEBメディアを運
鈴木涼美「仕事は入れ込んでやらないとあまり面白くない」
【鈴木涼美(すずき・すずみ)】慶應義塾大学、東京大学大学院卒。AV女優、日経新聞記者を経て作家として活動。著書に『おじさんメモリアル』(扶桑社)、『オンナの値段 鈴木涼美のオンナの現代資本主義論』(講談社)など
✔︎ 鈴木涼美の「若手時代はこう働くべき」
鈴木涼美
ブラック企業に搾取されない、いいように使われない、ということも重要ではありますが、仕事というのは入れ込んでやらないとあまり面白くありません。特に、この仕事の面白みや醍醐味がわかってくる3年目くらいまでは、学生時代の友人づきあいや恋愛はある程度諦めて、仕事人間になってみるのがオススメです。
運良く、新入社員というのは若いわけですから、多少無理して寝不足でも身体が急に壊れることはあまりないし、数日家に帰れずお風呂や洗顔が不十分でも肌が一気に衰えるなんていうこともありません。泊まり込んで仕事をしていると、最初のうちは辛くても、だんだん眠さを通り越してハイになってきたり、全然仲が良いタイプでなかった同期や先輩と、謎な連帯感が生まれたりして、実は楽しくなってくるものです。
私も新聞記者時代は、選挙前や災害後など、特別忙しい頃は、牛丼とカップラーメンを交互に食べつつ、泊まり込みで仕事をして、その後の打ち上げで嫌いだった先輩と超仲良くなったこともあります。そうやって若い頃に多少経験した無理が、自分の壁を打ち破り、将来的に仕事に対する自信に繋がります。入れ込み過ぎずに、無理せずにそれなりに器用に仕事をしてしまうと、あのハイな気分は味わえないでしょう。
✔︎鈴木涼美の「若手時代、仕事以外にこれをすべき」
鈴木涼美
基本的には3年間くらいは会社の空気を吸い、その文化と構造を一旦自分の中に完全にインストールして、会社人として仕事に邁進してみるのがいいと思いますが(じゃないと、会社で働くということの醍醐味と問題を短期間で把握しづらい)、それでももちろん24時間365日仕事しているわけではないのですから、他に何をすべきか考えるのは悪いことではありません。
そこで自分磨きやら教養を身につけるとかスキルアップとか、役に立ちそうなことをしようなんて思うと、大抵何の役にも立たず、ストレスだけたまり、大変つまらないことになりますから、そういうことはお勧めしません。空いた時間にはとりあえず気持ちのいいことをして、アホくさい会社のルールや価値観をインストールするストレスを和らげ、会社の外の常識や価値観でちゃんと息継ぎをしないと、3年間の擬似会社人間が、30年間のモノホン会社人間になってしまいます。
学生になくて社会人にあるもの、といえば「まとまった、しかも安定して入ってくるお金」と「フライデーナイトのありがたみ」なので、クラブ遊びか時計や服などの買い物をすすめます。
✔︎鈴木涼美の「私の若手時代」
鈴木涼美
学生時代に付き合っていた遊び人の証券マンと同棲していて、社会人10年目の彼はすでに息の抜き方、サボり方、うまいことやる方法を取得していたのでそれを真似してサボって息を抜いてうまくやっていました。彼と喧嘩して鍵を取り上げられ、漫画喫茶で寝泊まりして会社に行っていたこともあります。
楽しかったですが、せっかく会社に入ったんだから、最初くらいしっかり入れ込んで一所懸命働けばよかった、と後悔しています。
金泉俊輔(NewsPicks編集長)「恋愛をこじらせていると、成長が鈍化する」
【金泉俊輔(かないずみ・しゅんすけ)】『NewsPicks』編集長。立教大学経済学部卒業後、扶桑社に入社。『週刊SPA!』『日刊SPA!』編集長を務める。2018年4月、株式会社ニューズピックスに移籍し、現職
✔︎ 金泉俊輔の「若手時代はこう働くべき」
金泉俊輔
理想は仕事と遊びの境目がなくなること。ただし、寝る間は惜しんでください(笑)。
✔︎ 金泉俊輔の「若手時代、仕事以外にこれをすべき」
金泉俊輔
まだ恋愛をこじらせている人は、早期解決をオススメします。
アラサー過ぎても恋愛≒結婚をこじらせていると、成長が著しく鈍化します。
✔︎ 金泉俊輔の「私の若手時代」
金泉俊輔
希望じゃない営業職だったので、隠れて雑誌ライターの副業をしてました。
ルールを破るのもときには必要かも。
まさに今“若手時代”の真っ只中にいる人たちに、それぞれのアドバイスはどのように響いただろうか。ひとつでもヒントになる考え方があれば、ぜひ実践してみてほしい!
〈構成・文=天野俊吉(新R25編集部)〉
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