ビジネスパーソンインタビュー
実はパラパラブームも再燃中!
ギャルサーの幹部になれずに号泣!? 21歳の『egg』編集長から「ギャル魂」を教わった
新R25編集部
2000年代には一世を風靡した伝説のギャル雑誌『egg(エッグ)』。
雑誌文化の衰退を受けて、2013年に休刊しましたが、今年の3月にWebメディアとして復活したのはご存じでしょうか?
その編集長に就任したのは、なんと21歳の女の子。一体どんな子なんだ!? と気になったのでインタビューを申し込んでみました。
〈聞き手:福田啄也(新R25編集部)〉
【赤荻瞳(あかおぎ・ひとみ)】21歳、埼玉県出身。株式会社エムアールエー代表取締役社長で、『egg』編集長を務めている
福田
今日はよろしくお願いいたします!正直『egg』の編集長と聞いて、もっと髪がモリモリで、蝶みたいなツケマが付いているかと思っていました。
赤荻さん
偏見がやばいですね…。福田さんから見て、ギャルってどんな存在ですか?
福田
服装が派手で、「ヤバい」「ウケる」が口癖なイメージです。
赤荻さん
そういう偏見のあるイメージを取っぱらわないとだめですね!
そもそもギャルというのは、「ギャル魂」を持っている女の子のことです。
福田
(頭の悪そうなワードが出てきたな…)ギャル魂?
赤荻さん
仲間を大事にする、おしゃれが好き、常に最先端でありたい、という3つの気持ちです。
これがないと、たとえギャルファッションだとしてもギャルとは言えません。
福田
その気持ちがあれば、誰でもギャルになれるんですか?
赤荻さん
そうなります。
ちなみにギャルは流行に敏感で、すぐに取り入れますよ。いわば、アーリーアダプターです。
「子どものころからギャルに憧れてた」eggを愛読する小学生時代
福田
『egg』が復活したのにも驚きですが、その編集長が21歳の女の子というのも驚きました。
年齢的には、2000年代の『egg』全盛期を知らないんじゃないですか? ギャルブームというのも結構前ですよね?
赤荻さん
私は子どものころからギャルに憧れてて、小学校の高学年のころから『egg』は読んでました。
福田
早すぎません?
赤荻さん
ウチ、小学生の時からギャルファッションだったんですよ。
10人くらいの友達と『egg』を回し読みしたり、髪を巻いたりしてて、PTAからは「ギャル軍団」って呼ばれてましたね(笑)。
福田
その集団は目立ちそうですね…。ご両親から何も言われなかったんですか?
赤荻さん
何も言われなかったです。むしろお母さんがオシャレ好きで、その影響をモロに受けたと思います。
みんなと同じようなファッションはしたくないなって昔から思ってたんですよ。
福田
なんて尖った小学生なんだ。
幹部になるために作文を書く!? 「ギャルサー」の知られざる活動の実態とは
福田
今回は赤荻さんがなぜ『egg』編集長になったのかという話をメインに伺いたいのですが、まずは経歴を教えてください。
高校時代は、もちろんギャルだったんですよね?
赤荻さん
そうですね。地元は埼玉なんですけど、ほぼ毎日渋谷に通ってました。
福田
学校には行ってなかったんですか?
赤荻さん
渋谷でずっとギャルサー活動ばかりやってて、高1で辞めちゃったんですよ。
福田
破天荒すぎる…。ちなみに「ギャルサー」ってよく聞きますけど、具体的に何してるんですか?
赤荻さん
メインの活動は「イベント運営」。毎年、夏と冬に50くらいのギャルサーで主催する大きなイベントがあるんですけど、その運営や企画がメインですね。
モデルさんを呼んでファッションショーをやったり、ステージでパラパラを踊ったりと、イケてる流行を取り入れたギャルの文化祭をみんなで作るんです!
どちらも1000人くらい集まるイベントなので、半年くらいかけて準備します。毎日、集客と企画をどうするか考えてましたね。
福田
1000人規模のイベントってスゴイですね。認識を改めました…
赤荻さん
そして、ノリが熱血なんです!
特にイベント運営の幹部は、いろんなギャルサーの中から選ばれるんですけど、そのオーディションでは「私が幹部になったら」っていう作文を書くんです。
幹部選考で選ばれなかったら泣いちゃう子もいますよ。
作文…!? もはやちょっとこわい
ギャルサー時代の人脈があるから転職も容易。「センター街にいるやつはだいたい知り合い」
赤荻さん
ギャルサーは、18歳のときに引退したんです。
その後は、赤坂にある会社に就職したんですけど、「渋谷で働きたいな」って思って、半年くらいで渋谷のイベント会社に転職しました。
福田
やっぱり渋谷に戻るのか。転職も早いですね…
赤荻さん
ギャルサー時代に培った人脈のおかげで、仕事を紹介してもらえたんですよ。
転職の時なんか、リクルートスーツでセンター街を歩いてたらギャルサーの先輩に会って、「渋谷で働きたいならウチの会社に来い!」って言われて入社することになったんです。
福田
うらやましすぎる。ギャルサー活動を通して、人脈も作っていたと。
赤荻さん
渋谷のセンター街にいるやつはだいたい知り合いです。
最高の名言を決めてドヤ顔
『egg』編集長就任。経験はないけど「周りに頼ればなんとかなる」
福田
そのギャルサーつながりで転職したイベント会社で、『egg』を復活させようという話を聞いたんですね。
どうして赤荻さんが編集長に?
赤荻さん
「『egg』の編集長が決まってないなら私にやらせてください!」ってすぐに立候補したんです(笑)。
福田
いや、すごい有名媒体ですけど、そんな簡単に編集長になれるものです?編集の経験とかはあったんですか?
赤荻さん
昔から読んでいた『egg』が復活するだけでもテンションが上がるのに、それに関われるチャンスがあったんですよ?
すぐに社長に「やりたい!」っていう熱意をぶつけたら承諾してもらえました。
編集経験はないけど、周りに頼ればなんとかなるかなと思って。
福田
勢いがすごい…。普通に考えたら大変な決断だと思うんですが、なぜそんな選択ができたんですか?
赤荻さん
できる/できないよりも、やりたいか/やりたくないかだけ考えて生きてますね。
自分の意志で決めた選択は後悔しないって決めています。悩むことはあっても、「この選択をしなければよかった」と思うことはありません。
カッコイイ…
パラパラも再注目! ギャル文化の復興が進んでいた
福田
『egg』が復活して3カ月くらい経ちますが、現状の目標などあるんでしょうか?
赤荻さん
やっぱり昔に比べてギャルのパワーが弱くなっているので、まずは元気にすること!
今は校則が厳しくなったり、目立つ格好をしてるとネットで叩かれたりして、ギャルの女の子があんまり前に出てこられなくなったんですよ。
福田
『egg』が休刊になったのも、それが原因の一つですよね。
赤荻さん
でも、「ギャル魂」を持った女の子は全国にいます。そんな「隠れギャル」たちを活性化させたいなって思います。
各都道府県に『egg』モデルを誕生させたいですね!
ギャルの全国統一をもくろんでいました
赤荻さん
実際、「ギャルの復興」はすすんでいて、パラパラブーム再燃とも言われてるんです。
青山テルマさんの新曲MVもギャルをフィーチャーしたパラパラですし、YouTubeや「Tik Tok」(動画投稿アプリ)にパラパラの動画を上げるコも増えてるんですよ!
福田
ギャル文化が復活してきてるんですね! 全然知らなかったです…
最終的には「インスタを作った人みたいになりたい」。渋谷発のカルチャーを作る!
福田
ほかに、目指している方向性などあれば教えてください。
赤荻さん
うーん、最終的には「Instagram」を作った人みたいになりたいんですよ。
福田
インスタ? どういうことですか?
赤荻さん
渋谷で新しい若者カルチャーを作りたいんです。インスタって今じゃ、若者には欠かせない存在じゃないですか。そういうカルチャーを生み出してみたいと思っています。
福田
…それは渋谷じゃないとダメなんですか?
赤荻さん
私にとって渋谷は特別で、憧れの街でもあり、大事なホームタウンです。そこに、自分が生きていた爪あとを残したいんですよ。
…まだどんな形か決まってないですが(笑)
福田
なるほど。そのカルチャーが生まれるのを楽しみに待っています!
おわりに
取材前は、“21歳のギャル編集長”と聞いて、正直軽く見ていたところはありました。でも、「自分が生きた爪あとを残したい」という言葉を聞いて、自分が仕事をしていてそんなこと考えたことがあるか…と自問自答してしまいました。
インタビュー後に、そのポジティブ思考の源が気になって聞いてみたところ、「ウチのお父さんが関東一のポジティブで、その遺伝のせいか楽しくないって思わないんですよね(笑)」と笑顔で答えてくれた赤荻さん。
21歳らしいあどけなさが残る笑顔を見て、こっちまで彼女のポジティブさが移った気がします。
〈取材・文=福田啄也(@fkd1111)/撮影=森カズシゲ〉
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