ビジネスパーソンインタビュー
「自分が挑戦することで、誰かの背中を押したい」
ジョーブログのジョーと振り返る“挑戦”の軌跡。北朝鮮潜入のエピソードやお金事情も公開
新R25編集部
AbemaTVで放送され話題となった『亀田興毅に勝ったら1000万円』という企画で一躍注目を集めたYouTuber、ジョーブログのジョーさん。
彼が投稿する動画は特徴的で、
『ケニアのスラム街でバイトしたら生活がとんでもなかった』
『物乞いをするホームレスにお金を渡そうとしたら予想外の結末に…』
『北朝鮮に行って北朝鮮の人にミサイル、拉致問題について聞いた結果…』
など、チャンネル名にもなっている「クレイジー・チャレンジャー」という言葉がぴったり。
今回の「新R25プロフ」では、そんなジョーさんのことがざっくりわかるように、北朝鮮への旅行やアフリカ横断など危険なチャレンジを続ける理由、さらにはリアルな年収やクラウドファンディングでの炎上などについて、本人に直接話を聞きました。
ジョーさんのプロフィール・経歴
名前:ジョー
性別:男性
生年月日:1991年9月17日
年齢:27歳(2018年12月時点)
職業:YouTuber
出身地:大阪府
血液型:B型
身長:166㎝
体重:約60kg
YouTubeのチャンネル名:ジョーブログ【CRAZY CHALLENGER】
チャンネル開設日:2014年6月13日
チャンネル登録者数 :137万人
総視聴回数:399,738,029回
投稿動画数:392本の動画
(すべて2018年12月時点)
経歴:
2010年高校在学中に、沖縄へボクシング修行に
2011年 8月ママチャリでの日本一周旅行をスタート
2011年資金なしのホームレス状態から資金を募り、大阪でシェアハウスとBARを立ち上げ
2013年アメリカ無一文横断達成。その後、自伝本を個人出版。
2014年 6月Youtubeチャンネル ジョーブログ【CRAZY CHALLENGER】を開設
2016年10月南米縦断を達成
2018年8月クラウドファンディングで資金を募り、アフリカ縦断を達成
2018年10月「インフルエンサーが集まるお店」クラウドファンディング開始
西成でホームレス生活も経験したジョーがYouTuberとして人気になるまで
YouTuberとしてクレイジーな生活が目立つジョーさんですが、YouTuberになる前からその片鱗はあったよう。
進学校で受験勉強に励むも、大学へは行かず沖縄にボクシング修行へ行ったり、路上で応援金を募ってBARを開店したり。
YouTubeチャンネル「ジョーブログ」の開設当初から、スタイルは一貫して「自分の好きなことだけをリアルに発信する」こと。“ブログ”という名前にこだわったのも、動画を「人生を表現する場所」にしたかったから。
だからこそ、当時では特に珍しい「アメリカ0円旅行」という突飛な企画からYouTuber活動をスタート。しかし、再生回数は思うように伸びなかったそう。
人気になった転機は、やがてジョーさんの代名詞となる「西成ホームレス生活」シリーズや「ホームレスのえべっさん」シリーズでした。
ジョーさん
「西成ホームレス生活」を始めたのは、単に金銭的な理由。
「アメリカ0円旅行」から帰ってきてお金がなかったから、「西成でホームレスやればいいやん」と思いつきで始めたんです。この頃から徐々に再生数が増えてきました。
でもYouTube始めて2年くらいは、ほぼホームレスみたいなもんで、家賃も2万円くらいのとこに住んでましたし、自費出版した本を路上で売ってなんとか生きてました。
宮内
「生ゴミ弁当」の動画なんかを見ると、リアルだなと思いつつ、「本当は裏でバイトなどの収入源があったのでは?」なんて勘ぐってしまったんですが…
こちらがその「生ゴミ弁当」の動画
ジョーさん
いや、「バイトは絶対しない」って決めてました。
本気でYouTuberとして食っていこうと思ったら、バイトなんてコスパが悪すぎる。5時間働いて5000円の給料なら、その間に1本でも動画をつくったほうが将来の投資になります。
「一度やるって決めたんだから、とことんやったる」と思って、まず最初は牛丼一杯分を広告収入で稼ぐことを目標にしてましたね。
ただ、自分的には結構現実的な目標だと思ってたんですけど、実際はそんなに甘くなかったんです。
ジョーさん
YouTubeを始める前は「おもろいのあげれば再生されるだろ」くらいにしか思ってなかったんですけど、タイトルの付け方とか、細かい編集の仕方、そういう微妙な差で再生回数が大きく変わるんです。
だから、ひたすら有名YouTuberの動画を見て、ジョーブログならどう活かせるか研究してましたね。
ご飯は普通に美味しかった!? ジョーが北朝鮮に行った理由
ジョーブログが人を惹きつける秘密は、なんといっても「自分たちが知らないリアルな情報に出会える」こと。
たとえば、北朝鮮へ旅行に行った企画。私たちも「北朝鮮」という国名は知ってますが、「北朝鮮では犬の肉を食べる」「食べ物の味が日本食とすごく似ている」などの事実は、知らない人が多いのではないでしょうか。
なかなか見られない実態を、自らの体験として伝えてくれるから、つい再生ボタンを押してしまうのです。
ジョーさん
動画には映せませんでしたが、日本でいうキャバクラのような場所にも連れていってもらって、楽しかったですね。
ただ、電波もつながらないし、動画がどこまで撮れるのかもわからないところが多くて不安でした。
ちなみに旅費は30万円くらいで、渡航前には「何があっても全て自己責任」ということに了承する書類にサインをしなくちゃいけなかったり…北朝鮮に行くのはめっちゃ面倒です(笑)。
宮内
そこまでして北朝鮮へ行こうと思ったのは、なぜなんでしょう?
ジョーさん
“リアル”を確かめたいっていう欲求ですかね。
これまで行ったところでも、ネットでは「危険だ」と言われていても、気をつけさえすれば楽しかったり、ご飯が美味しかったりしたんですよ。単に好奇心が満たされるだけじゃなくて、旅行としても満足できました。
自分の目と肌で触れてみないと、そういう現実ってわからないじゃないですか。それを知りたい欲求がほかの人より強いんだと思います。
クラウドファンディングで資金を集め、アフリカ縦断も達成
ジョーさんはクラウドファンディングで資金を募り、その資金を元に2018年5月にアフリカ縦断をスタートしました。
ジョーブログときっても切り離せないのがこの「旅企画」。代表作に「アメリカ無一文横断」や「南米縦断」などがあります。
宮内
危険な挑戦も多いかと思いますが、そのなかでも特に「これはやばかった」というエピソードはありますか?
ジョーさん
南米縦断の時の、アマゾン川のイカダ下りですね。これまでも危険な挑戦をしてきたつもりだったんですけど、このときばかりは本気で死ぬと思いました。
ジョーさん
前からくる巨大な船に、イカダが吸い込まれていくんですよ。ゴミ収集車みたいに。
だからみんなで川に飛び込んでそこから「アユーダ! アユーダ!」(スペイン語で「助けて」の意味)って叫び続けて。
宮内
実は私、この動画でジョーさんを知ったんですけど、あまりにも危なすぎて、「さすがにウソだろ…」と思ってました(笑)。
ジョーさん
YouTube上でも「やらせじゃないの?」というコメントをもらいましたが、ガチですよ!(笑)
宮内
そんなに危ない目に遭っているのに、「旅動画」企画を続けているのはなぜですか?
ジョーさん
僕が挑戦している姿を見せたいからですね。
ジョーさん
アフリカ縦断企画も、「有名になったから守りに入ってるんじゃないか」って思ってる視聴者さんをいい意味で裏切りたくてやりました。
YouTuberとしてそこそこ有名になれたタイミングで、「まだこんなことやるの!?」っていう挑戦を見せれば、見てくれている人を勇気づけられるじゃないですか。
自分が挑戦することこそが、見てくれる人への本質的な応援だと思ってるんです。
YouTubeを飛び出しAbemaTVでボクシングに挑戦。見事プロテストにも合格
ジョーさんの挑戦はYouTuberという枠を飛び越え、ボクシングに移ります。
2017年には、AbemaTVで放送された『亀田興毅に勝ったら1000万円』に出演。2ラウンド終盤にダウンし、ボロボロになりながらも起き上がるなど、必死に食らいつく姿に多くの人が釘付けになりました。
この企画が大反響を呼び、のちにAbemaTVで『亀田×ジョープロボクサーへの道』も放送。亀田興毅選手の指導のもと、3か月間の猛特訓を経てプロテストに挑戦しました。
1度は不合格となったものの、2度目の挑戦で見事合格。プロデビュー戦でも勝利を収めています。
宮内
この番組をきっかけにジョーさんを知った、という方も多そうですよね。
ジョーさん
放送日だけでチャンネル登録数が約10万人増えました(笑)。
宮内
きっとジョーさんが本気で戦ったからこそ、応援する人も増えたんだと思います。
ジョーさん
「挑戦しようぜ」ってみんなに言ってるのに、自分が何もしないのはダサいじゃないですか。見てくれる人に「頑張れ」って言うために、まずは自分が頑張ろうと。
宮内
何に挑戦するかって、どうやって選んでるんですか?
ジョーさん
多くの人がやったことがないこと。要は新しさがあるかどうかを大事にしてます。
あとは、迷ったら少数派を選ぶ。そのほうが自分の個性を出せますからね。
年商は3000万円以上。お金は一体何に使ってるの?
AbemaTVで放送された『給与明細』では、月収について「だいたい300万くらいです」と公表。
番組内では貯金額についても触れ、ふたつの通帳に印字されてある金額も公開していました(「普通に貯金している」と語る通帳のほうには725万円、経費用に使う通帳には188万円の貯金が)。
宮内
27歳にしてこの金額…。夢がありますね。
ジョーさん
でも、事務所兼自宅の家賃20万円も払わなくちゃいけないし、税金で結構もっていかれて手元にはあまり残りません。
人に会ったり勉強や情報収集するためにかなりお金使いますし、自分で事務所やってる分、細かなところでお金が沢山かかります。
あのときはYouTubeやってただけなので貯金もありましたが、今は全て経費にしてます。
宮内
月によって収入は結構変わるんですか?
ジョーさん
そうですね。再生回数での収入に大きな変動はないんですが、イベントとか物販によって変化する感じです。
平均すると月商はだいたい300万円。多くて500万円ぐらいですね。
宮内
そんなはっきり言っちゃっていいんですか?
こういう公表って、一般的にはタブーな気がするんですが…
ジョーさん
いや、さっきも言いましたけど、誰もやってないからおもしろいんじゃないですか。
お金の話をこんな開けっぴろげにするなんて、YouTuber界でも完全にブルーオーシャンですよね。
ジョーさん
ちなみに僕、物欲がまったくないので、私生活でのお金の使い方はホームレスしてた頃と変わりません。服とかも友達にもらう事がほとんどで古着ですし。
ただ、自分にとって新しくて面白いことのために使うのであれば、どこまでも惜しまなくなりました。
最近だと、アフリカ縦断をしてる時に「マサイ族に14万円のルブタンをあげたらどうなるか」って企画にお金を使って。
宮内
あ、これ面白かったです(笑)。
ジョーさん
貯金ばかりしていると、どうしても守りに入っちゃうので面白いことができなくなるんですよ。
過激な発信から炎上することも。本人はどう思ってる?
過激な行動と相まってか、ジョーさんは炎上することもしばしば。
援助交際をしている男性に注意しようとした動画(※現在は削除済み)は、女性を使って男性から金銭をゆすり取る「美人局(つつもたせ)」にあたるのでは、と炎上。
その後、自らの行為が犯罪なのかを、警察に聞きに行った動画をアップしています。
また、最近では「インフルエンサーに会えるお店」の開業資金2000万円を募るクラウドファンディングを実施。これに対しても批判的なコメントが集まりました。
宮内
ネット上では「内装にこんな金額がかかるのか?」「内訳をはっきりしてほしい」という声もあがっていますが…
ジョーさん
内装業者さんと契約する前の概算の見積もりを公に出すわけにはいきまんが、打ち合わせの段階で2000万円を遥かに超える2600万円という金額でした。
さらに契約金で600万円支払っているのに加え、物件はすでに引き渡されているので家賃は11月から払ってます。 合計で3000万円以上かかるので目標金額に達成しても、残りの金額は経費から出します。
だからクラウドファンディングで集めている2000万円がムダに多いなんてことは絶対ありません(笑)。
宮内
「炎上商法」という言葉がありますが、実際のところ、こういった炎上がジョーさん自身のメリットになったりするのでしょうか?
ジョーさん
議論がおこること自体はメリットがあると思っています。今回のクラウドファンディングも、炎上きっかけで興味を持ってくれた人が多かったので。
宮内
結構キツイ言葉を投げかけられたりすることもあると思うのですが、心が折れたりしないものなのでしょうか。
ジョーさん
はじめの頃はキツかったですね。
昨日まで「ジョー最高!」とコメントをくれていた人が、翌日に「死ね!」と言っていたことがあって。たった1本の動画で印象が切り替わっちゃったんですよ。
でも、もう慣れましたね。炎上してしまったら感情的にならず、きちんと事実を説明するようにしています。
ジョーさん
あとは自分のなかに“芯”があれば炎上しても怖くないです。
宮内
“芯”ですか。
ジョーさん
なにを伝えたかったのか、なにを実現したいのかの“想い”の部分です。
でもそれって伝わりやすい人もいれば、そうでない人もいる。炎上したときにいつも動画を投稿しているのは、見てくれる人みんなにちゃんと想いを届けたいからですね。
動画でみていた破天荒な印象とは違い、とても丁寧に取材に応じてくれたジョーさん。
ジョーブログの動画が再生されるのは「企画のインパクト」が1番の理由だと思っていましたが、取材を通して感じた魅力は「ジョーさん自身が挑戦し続けている」こと。彼のブレない想いがある限り、これからも応援する人は増えつづけると思います。
次の、“クレイジーチャレンジ”も楽しみにしています!
〈取材・文=宮内麻希(@haribo1126)/ 撮影=中山駿(@nk_shun)〉
ジョーさんは現在クラウドファンディングに挑戦中。気になった方は要チェック!
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