ビジネスパーソンインタビュー

【水原希子×婦人科検診】実は20代から増えている“婦人科特有のがん”、どう予防する?

日本の婦人科検診受診率は40%以下

【水原希子×婦人科検診】実は20代から増えている“婦人科特有のがん”、どう予防する?

新R25編集部

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2019/01/11

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記事提供:Medical DOC

女性なら誰しも婦人科特有のがんは気になるものですが、検診方法すら知らない方が多いのも現状です。

検診では何をするのか、はたして予防ができるのか? 今回は女性読者必見のスペシャル版、産婦人科医の稲葉可奈子先生と女優・モデルの水原希子さんの対談形式で気になる子宮頸がんについて掘り下げていきます。

【稲葉可奈子(いなば・かなこ)】医師・医学博士・日本産婦人科専門医。予防医療普及協会 顧問。2008年京都大学医学部卒業、京都大学医学部附属病院での初期研修ののち、産婦人科へ進路を決め、東京大学医学部附属病院、三井記念病院を経て、東京大学大学院にて医学博士号を取得。現在、関東中央病院産婦人科に勤務

【水原希子(みずはら・きこ)】28歳。モデル、女優。アメリカ合衆国生まれ、兵庫県神戸市育ち。2018年10月より個人事務所『OFFICE KIKO』で芸能活動を行っている

婦人科検診について

稲葉先生

子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部にできるがんのことです。

子宮の入口近くの細胞をブラシでこすってとり、顕微鏡で詳しく見るのが子宮頸がん検診です。

希子さんは今、検診帰りとのことですが、受けてみた感想はどうでしたか?

水原さん

今回で3回目の検診だったのですが、本当にあっという間でした

診察台に乗って、サッと細胞をとってもらって終わり。「あれ? これで終わり?」っていう感じであっという間に終わりました。

稲葉先生

怖がってる女の子とかも多いと思うんですけど、友だちの反応ってどうですか?

水原さん

やっぱり周りでも検診受けてない人いますね。怖いというより、面倒くさがってしまうのと、検診を受けることの大切さにおいての知識がまだ足りないようにも感じます。

自分も若い時はそうでしたが、1回目は周りの大人の方から言われて東京に出てきたばかりの頃に受けてみました。

今は会社を起業して社内がみんな女性なので、毎年検診を受けるようみんなに勧めています。

稲葉先生

素晴らしい! なんて社員想いな(笑)。

自分で行こうと思うと億劫でしょうし、人間ドックのオプションだと『まぁいいか』となりがちですし、たとえば会社の検診の中にはじめから組み込まれていれば良いのにと思うんですよね。

水原さん

そうなんです! 今日もフォトグラファーの友だちを誘って一緒に受けたんです。

若いモデルの子とかにも、恋愛相談されるたびに「行ったほうがいいよ!」と、すごく口うるさく言っています(笑)。

自分自身に後悔がないように検診を定期的に受けることがすごく大切だと思ってます。

稲葉先生

希子さんみたいな病気の予防に対して意識の高い若い方はとっても珍しいんですよ。

日本の婦人科検診受診率は、40%以下ですからね。子宮頸がんになる人や、残念ながら亡くなってしまう人が年々増えています。

実は検診でがんになる前に見つけられるのに、本当にもったいないです…

水原さん

それだけ!? 信じられないです!

ネットで調べたことあるんですが、30代後半から、なりやすいんですよね?

稲葉先生

20代から子宮頸がんになるひとが増えているんですよ。

私は20歳になったら検診に行ってもらいたいと思っています。結婚や妊娠する前にがんで子宮をとらないといけなくなるケースとか、とても胸が痛みます。

水原さん

女性としてとても辛いことですね…

自分自身のためにはもちろんですが、大切な家族や友人、 好きな人や愛する人とずっと一緒に人生を共に歩んでいくためにも、乳がん検診と合わせて、婦人科検診に行って欲しいです。

予防の観点から考える乳がん・子宮がんについて

稲葉先生

海外の先進国では受診率80%超えなんていうところもありますが、日本の受診率は、病気への危機意識と比例しているのかなと思います。

海外は医療費が高いところが多いので、風邪をひいただけでも病院へ行くと家計を圧迫しかねないんですね。

日本では病院で診てもらうだけなら、死活問題になることはほとんどありません。具合が悪くなったら病院に行けばいいという考え方が主流で、病気にならないようにしようという意識が低いんです。できる限り予防したいし、こまめに検診に行かないとヤバイな、とはあまり考えないのが日本人かも。

医療費の面だけではなく、病院の数も多いですし、環境に恵まれていますよね。恵まれてることによって検診に行く率が低くなるというのは、皮肉ですよね。

水原さん

確かに、考え方が違いますね。社会的な呼びかけも少ないのかもしれないですね。

検診以外にも予防方法はあるんですか?

稲葉先生

質の良い睡眠をとり、バランス良く食事をして規則正しい生活習慣を行うことが一番ですが、子宮頸がんの予防に特化したHPVワクチンというものがあります。

接種することにより、子宮頸がんの7割を予防できます

水原さん

HPVワクチン、知ってます。海外では街に大きな看板が出てる国もありました。

稲葉先生

海外ではとてもメジャーなんですよね。

ヒトパピローマウイルス(HPV)というのが、子宮頸がんの主な原因となるんですが、海外ではワクチンを打つことでウイルス感染を予防しようという意識が高いんです。

HPVは性交渉で誰しもが感染しうる、ごくありふれたウイルスで、180種類くらいあります。そのうち16型、18型ががん化する率が特に高いんですが、そのウイルス感染をワクチンで予防することができるという点で、とても大きな意味があります。

水原さん

性交渉で感染するということは、男性が打つ意味もあるということですか?

稲葉先生

そのとおりです。男性にも接種してもらうことが大事だと思います。

「防げる病気」だからこそ、良い生活習慣はもちろん、定期検診でまず自分のカラダを知る。そして予防ワクチンもあるので、それらも活用してしっかり予防してほしいですね。

希子さんは婦人科検診をお友だちにも仕事仲間にも勧めていると仰っていましたが、予防医療を重要だと思ってくださってるんですね?

水原さん

病気にならないように生活習慣を良くしていっても、必ず病気を防げるわけじゃないので…。病気になったときに1日でも早く気がつくことで、カラダを守るっていうのは、とても大事ですね。

定期的な検診を受けることで病気を早期発見し、早期治療を心がけることもとても大切だと思いました。私もこれからは半年に一回は婦人科検診を受けようと思ってます。

20代から子宮頸がんになる人もいると聞いて、私も28歳で完全にその層に入ってくるので、すごい危機感を感じました。今日検診に行って本当によかったです。

水原希子さんが受けた婦人科検診とは?

一般的に乳がん検診と子宮がん検診をセットにした検査コースをまとめて婦人科検診といいます。婦人科検診では乳がん、子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)、卵巣がん、子宮筋腫・子宮内膜症などの各リスクを調べます。

乳がんによる死亡者の99%は女性であり、子宮がん・卵巣がんは女性特有のがんです。そのため、健診施設や検査コースによっては、女性の医師や検査技師が対応にあたります。女性だけが受診できる「レディースデー」や、女性専用のエリア・フロアがある場合もあります。

痛くない、怖くない。あっという間の婦人科検診

乳がん検診(乳腺エコー)

乳房に超音波をあて、視触診で発見したしこりの性状を観察したり、乳腺の状態を調べる検査です。手で触れただけでは判断しづらいしこりの発見も可能です。痛みもなく、5~10分程度で終わります。

子宮頸がん検診

やわらかいヘラや、ブラシなどで、子宮の入り口をそっとこすり、細胞を採取します。ほんの1、2分で終わり、痛みはほとんどありません。これで検査は終了です。その後、顕微鏡検査で正常な細胞かどうかを確認します。

産婦人科医による診察

月経の周期や生理通の有無など、検診を進める上で必要となる情報をうかがいます。カラダの気になる症状や検診の内容について心配なことがあったら、あわせて相談を。

「Medical DOC」編集部より

今回受けていただいた婦人科検診は、約30分という短い時間で受診することができます。受診後、1週間ほどで結果が郵送されますので、再検査になった場合は速やかに再来院しましょう。

結果に異状がなかった場合でも、毎年健診を受けることが早期発見、早期治療に繋がります。まだ受けたことがない方は是非一度受診して自分のカラダを知ってみてはいかがでしょうか?

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