ビジネスパーソンインタビュー
エンタメに開眼したキッカケは親だった
自分の人生は自分で決めることが大事。父・大川隆法と決別した宏洋に聞く「親子観」
新R25編集部
R25世代にとって、身近すぎて深く考えるきっかけがなかったり、つい面倒に感じてしまったりするのが「親」というもの。
一方で、偉大な親を持った人にとっては、その存在が大きすぎて、彼らにしかわからない思いや経験が多そうです。子どものころから親を意識せざるを得なかった著名人に、「親」について語っていただきたい…!
今回登場いただくのは、有名すぎる宗教家・大川隆法氏の息子として「父を信仰していない」「無関係」発言で昨年、世間をザワつかせた大川宏洋(ひろし)さん! 果たしてどんなお話が聞けるのでしょうか…?
※本記事の内容につきましては、文末に記載いたしました幸福の科学グループ側の見解もあわせてご参照ください。
【宏洋(ひろし)】1989年生まれ。映画プロデュース、脚本、タレントマネジメントをおこなう宏洋企画室の代表取締役を務めるかたわら俳優業もこなす。現在ではYouTuberとしても活動の幅を広げている
編集部・N
昨年末に出演された『真夜中の事件簿』(フジテレビ系列の報道エンタテインメント番組)観ました。
ご両親のことやご自身の恋愛事情までかなりぶっちゃけていましたね。
宏洋さん
みなさん、聞きたいことも多いと思うので、ウソなくすべてぶっちゃけました。
編集部・N
有名な宗教家のご子息ということで、番組MCの小籔(千豊)さんでなくとも「何から聞いていいのかわからへん」かんじなのですが、本日はズバリ「親」をテーマにお話をうかがいます。
「なんでも聞いてください!」
「親は『先生』と呼べ」厳しい教育を受けた子ども時代
編集部・N
子どものころは“後継者”として英才教育を受けてこられたそうですね。どんな教育を受けてたんでしょうか?
宏洋さん
親と直接話すことが許されていなくて、秘書の人が教育係であり身のまわりの世話をしてくれていました。
編集部・N
親と話せない…!
それもすごいですし、秘書がお世話をしてくれるというのもかなり特殊ですね。
宏洋さん
そうですね。しかもうちは5人兄弟だったので、それぞれにひとりずつ担当の秘書がいました。
学業の面も見てもらっていたので、担当の子どもの成績が下がると秘書がクビになるとか、普通にありましたね。
編集部・N
外資系企業並みの厳しさ…
宏洋さん
そうですね。僕らの教育に関して、親はかなりビジネスライクなシステムを導入していたようです。
いきなりシビアなエピソードを淡々と語る宏洋さん
編集部・N
ほかにも厳しい面がありましたか?
宏洋さん
親のことは「お父さん」ではなく「先生」と呼ばなくてはなりませんでした。
本人としては、歌舞伎など伝統芸能の世襲制と同じように「親である前に師匠」というようなスタンスをとりたかったのではないかと思います。
編集部・N
分かりやすいたとえ。
宏洋さん
でも、やはり伝統芸能とはちょっと違って、そもそもの思考に共感できなければ、世襲も何もないですからね。
僕の場合は、あの人(大川隆法氏)の考え方にひとつも共感できるものがなかったので、いまこうして独立しているんですけど。
編集部・N
(親のことを「あの人」と…)
部屋にも監視カメラが…完全監視体制から逃れた10代後半
宏洋さん
ほかにも驚かれるのが、「部屋に監視カメラがついてた」こと。
ちゃんと勉強してるのか常に監視されている状態でした(笑)。
編集部・N
ひえ〜!
宏洋さん
玄関にも監視カメラがついていたので、登下校の時間までしっかり監視されていました。
編集部・N
そんなに監視されてる状況でちょっとでもサボろうものなら…
宏洋さん
「なにやってんだ宏洋っ!」って天の声がスピーカーから降ってくるわけです。その直後、母親が登場して怒りにくるという感じで。
宏洋さん
父も母も東大卒だったので、子どもたちに求めるレベルも高かったんです。だから過剰に厳しかったんでしょうね。
編集部・N
そのように厳しく育てられていながら、宏洋さんは高校時代に青山学院高等部へ転校したり、大学卒業後は一般企業に就職したり、自由な選択をされたんですね?
宏洋さん
それは僕が強行突破しただけですね。父は「君の考えは理解できない」と呆然としていました。
「君の考えは理解できない」このポーズは…?
編集部・N
親の理解や周囲の目は関係なく、自分がこうだと決めたことは強行する性格なんですね。
宏洋さん
昔っから全ツッパ(麻雀用語。相手がリーチをかけていたり、大きな手であったりする状況でも降りないこと)な性格なんです(笑)。
YouTuberとして活動する宏洋さんは、公式チャンネルタイトルにも「ゼンツッパ」を採用
宏洋さん
10代後半で高校を早稲田大学高等学院から青山学院高等部へ転校し、その時点で実家を追い出されて一人暮らしを強いられました。家賃と光熱水費+生活費5万円だけ支給され、あとは放置状態。
そこからは、僕の交友関係に口出しされることもなく、生活面は苦しくなったぶん、思考や行動に自由を得たかんじです。
エンタメに開眼したキッカケは、“親から与えられた”仕事だった
編集部・N
そこから成人し、一時は一般企業に勤めた宏洋さんは現在、映画製作、俳優、YouTuberとしてエンタメの世界に活路を見出しています。そのきっかけを教えてください。
宏洋さん
まだ10代のとき、親に『仏陀再誕』というアニメ映画の脚本を任されたことがきっかけになっているのは間違いありません。
そこで映画づくりの面白さに目覚めたんです。
宏洋さん
ただ、だからと言って扱っているテーマに賛同していたわけではありません。
むしろテーマとしては「どうなんだろう?」と疑問でしかなかったわけですから。
編集部・N
テーマはさておき、映画製作者や俳優として表現する楽しさの気づきを与えてくれたのは親だったと。
宏洋さん
皮肉ですけどそうなりますね。
でも、しつこいようですけど、いまの僕が表現したいものは親が表現したいテーマはまったく相容れないですから、そこは理解してもらえるまで主張しつづけたいです。
編集部・N
いずれにしても文才や想像力がないと脚本なんて書けないから、宏洋さんにはそれが備わっていたんですね。
宏洋さん
なんせ制限されまくり、監視されまくりの子ども時代を送ってきたので、妄想力だけは相当鍛えられてきましたから(笑)。
親との決別に、後悔も歩み寄りも「まったくない」
編集部・N
天職の道を進む現在の宏洋さんをみて、さすがにそろそろ理解してくださってるのでは?
宏洋さん
それはないでしょう。あくまで自分の後継者として子どもをコントロールしておきたかった人ですから。
編集部・N
そんな親子の距離が今後、縮まっていく可能性は…
宏洋さん
ないですね。
編集部・N
(即答!)宏洋さんが年齢を重ねることで、歩み寄っていくことは…
宏洋さん
まったくないですね。
ないですよ。何も。
清々しいまでに「まったくないですね」を連発
編集部・N
しつこいようですが、親に対してなにか思いはありませんか?
宏洋さん
社会や人様に迷惑をかけないようにしてほしい。ただそれだけです。
自身も人の親だからこそ…それでも親のことを尊敬できる点は?
編集部・N
それでも親のことを、大人になったからこそ尊敬できる点はありますか?
宏洋さん
ちゃんとお金を稼いでいたところです。家族を飢えさせることなく、5人の子どもに過剰なまでの教育を受けさせるくらいまでの収入を得てきたわけですから。
僕自身も子どもを持ったことで、その大変さは理解しているつもりです。
実は宏洋さんには離婚歴があり、お子さんが1人いる
編集部・N
自分は厳しい教育環境で育ったものの、それは結果的にいまにつながっている…という思いはあるんですね?
宏洋さん
それはありますよね。僕の体験は極端ですが、教育のおかげで身に付いたものも多いですし。
最後に「親とはどう付き合うべきか」と聞いてみた
編集部・N
特殊な親子関係にある宏洋さんだからこその経験値からでもいいですし、理想論でもいいです。20代のうちは親とどう関わっていくのがベストだと思いますか?
宏洋さん
仲良くするに越したことはありませんよね。
結婚や子育てを夫婦だけでやっていくのは大変で、そこには両家の親の存在や協力が非常にありがたいものになってきます。
宏洋さん
ただ、どうしても仲良くできない場合や親のほうが子どもの人生を妨げる場合もある。
「この親に一生付き合っていたら自分の人生がダメになってしまう」と感じるようであれば、迷いなく切り捨てることです。
編集部・N
切り捨てる。
宏洋さん
なにをもって親が妨げになるかは個々人によるので、一般化はできません。
でも、親と子の人生は明らかに別物なので、まずは自分の人生をどうしたいか、最終的にはどう自立していくのかを、自分で決めることが大事だと思うんです。
そのうえで、これからの自分の人生に対して親はどう関わってくるのか、寄り添っていくのか切り離すのかを冷静に判断することは、悪いことではないと僕は思います。
親が有名すぎる宗教家という特殊な環境で育った宏洋さんは、親と決別することで自分のやりたいことができる人生を歩んでいます。
とにかく「特殊」とばかり思っていましたが、「親に縛られず、自分の人生を生きるべき」というシンプルな考えは、R25世代にも参考になるものだったのではないでしょうか。
2019年は新作映画づくりが本格始動したり、初のミュージカル出演が決まっていたりと、エンタメ業界での仕事に目を輝かせる宏洋さん。自身の足で歩く彼の挑戦に注目しましょう。
〈取材・文=新R25編集部/写真=福田啄也(@fkd1111)〉
※本記事の内容につきましては、下記リンク先の幸福の科学グループ側の見解もあわせてご参照ください。
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