無敵のメンタル術『自分は自分、バカはバカ。』より
幸福度は“価値のついていないモノ”で決まる。お金を使うときは「人生のコスパ」を考えよう
新R25編集部
「僕は、周囲の人たちを基本『見下しモード』でながめています」
2ちゃんねる開設者・ひろゆきさんの新著『自分は自分、バカはバカ。』の一文です。
人間関係に悩む人たちへ向けた「他人に振り回されない無敵のメンタル術」を中心に、ひろゆきさんの考える「これからの社会で生き残る人」や「自分の資産価値をあげる方法」について書かれている同書。
その内容の一部を3記事にわたってお届けします。
お金をたくさん使うことで得られるものには限界値がある
日本人は、メンタルの状態を左右する一大要因として、「人間関係」のほかに「お金」についてもそうだと考える人が多いみたいです。
でも、「幸せ」を感じるか否かに関して、「お金」ってほとんど関係ない、と僕は思うのですよ。
僕自身はたまたま運がよくて、けっこうたくさんお金を手にすることができました。
なので、自分が欲しいモノはだいたい買おうと思えば買えますが、必要がないのであんまりまとまった額のお金を使うことはありません。
お金があったらいろいろとできることは増えます。
お金があったら愛人もいっぱい作れるでしょう。しかし、その愛人も自分も「お金目当てでつき合っているだけ」ということはわかっているから、あんまり満足感は得られません。
いってしまえば、セックス自体の「快楽」なんて自分ひとりだけでやろうが誰か相手がいようが、結局、自分の脳が感じている信号にすぎないわけです。
好きな相手がいる場合だと、「これが愛ということだ」とか何とか、脳が思い込もうとして快楽物質を放出し、僕たちは「幸福」を感じます。
だけど、「この相手はお金で買ったのだ」などと考えた途端、その幸福感はどこかに行ってしまうのですよ。
自動車なんかもそうですね。「1000万円のレクサスです」と言われたら興奮するかもしれませんが、1回試乗してみれば「まあ、だいたいこんな感じだ」ということはわかります。
800万円の車でも1000万円の自動車でも、そんなに大きく違うわけではありません。
こういうのって、お金持ちの人はたいてい実感しているんですけど、「車って、800万円でも、1000万円でも、ぶっちゃけ大した違いなくね?」とか言うとすごく叩かれるので、あまりこういうことを言う人はいないですね。
でも、実際のところ、車以外もだいたいそうなんです。
つまり、お金をたくさん使うことで得られるものには限界値があるのですよ。
僕はお金も持っていなかったときから、「お金持ちになっても、幸福度は大して変わらないだろうな」と想像していました。
自分がお金を持っていないと説得力がないので、そんなことは言いませんでしたけどね。お金のないヤツがひがんでいると、思われるだけですし。
幸福度は「価値のついていないモノ」で決まる
世の中には、価格のついているモノとついていないモノがありますが、お金を使ってできるのは「価格のついているモノ」を買うことだけ。
「価格がついていないモノ」はどうやっても、買うことができません。
幸福度に影響するのは、お金の多寡ではなくて、お金でできることとできないことを、実感としてわかっているかどうかなんじゃないかと思います。
実際いろいろ試してはみましたが、お金で買えるモノで、本当に幸福になることは、意外なほど少ないですよ。
僕がお金を自由に使えてよかったと感じたのは、海外旅行くらいですかね。
東京から大阪に行くにはだいたい往復で2、3万円のコストがかかるんですけど、ちょっと足して5万円出せばベトナムなど東南アジアに行くこともできます。
ネットなどで仕入れた東南アジアの情報と、実際に行ってみて「あ、人間ってこんなに違うんだ」と受ける印象はやっぱり大きく違う。
大阪も日本の中ではかなり特殊で面白い場所ですが、日本と東南アジアの違いは東京と大阪の違いどころではないですし。
お金に余裕があれば、ちょっと上乗せして、これまでにない経験ができるのはメリットですね。
だけど僕は、海外旅行に行くときでもビジネスクラスに乗ったりはしません。ビジネスクラスとエコノミーの違いなんて、せいぜいシートがちょっと広いくらいのものですから。
あなたがすごく太っているならビジネスクラスに余計なお金を払っても割に合うかもしれませんが、ベトナムに行くにしても飛行機に乗っているのは、せいぜい5、6時間くらいでしょう。
ビジネスクラスはエコノミークラスより十数万円は高くなりますが、逆の発想をすると、エコノミークラスで行くなら5、6時間狭いシートに座っているだけで十数万円もらえるということでもあるわけです。
海外旅行で今までになかった経験をするのは「価格のついていないモノ」ですが、「価格のついている」ビジネスクラスで得られる経験なんて、ぜんぜん大したことじゃないですよ。
普段できない体験に投資するメリットはでかい
贅沢してよかった経験をしいてあげるなら、「すきやばし次郎」の3万円ランチくらいでしょうか。
僕は基本的に外食しないですし、おしゃれなレストランや高価な食べ物にも大して興味がありません。コースが3万円くらいのレストランには行ったことがあります(自腹じゃなかったんですけど)。
でも、演出が物珍しかったりするだけで、味として飛び抜けているかといえばべつにそうでもない。
1万円のマンゴーにしても、すごくおいしいですけど、5000円のマンゴーとの違いは皮に傷があるかどうかくらいのもので、これ以外の違いは僕にはよくわかりませんでした。
個人的には高いレストランも食材も、そんなに大した価値を提供できているわけじゃないよなあと思っていたんですね。
しかし、20分で食べ終わる18貫、3万円の寿司コースに客足が絶えないというのは気になりました。
結局のところ、寿司の良し悪しは仕入れるネタで決まるわけですけど、わずかな最高級のネタは言い値で買い取る寿司屋に行くことになります。最高級のネタがそれ以外とどう違うかは、実際に食べてみないとわかりません。
すきやばし次郎のランチを食べてみて、「なるほど、こういうふうに違うのか」と、よく理解できたので、3万円を高いとは感じませんでした。とはいっても、もう一度すきやばし次郎に行くかというと、そういうわけではないですけど。
食事として、3万円はかなり高いほうでしょう。
でも、考えてみれば、ちょっとした居酒屋でも1回行けば、5000円くらいはかかります。そういう居酒屋に6回行ったところで、何か他人に語れるような経験ができるわけではないでしょう。
すきやばし次郎の3万円コースで最高級の寿司とはどういうものかわかりましたから、ほかの店に行ったときに比較できますし、「あの食材がサイコー」といった「食材マウンティング」の議論でもわりと勝てるようになる。
そういう意味で、コスパのいい経験でしたね。「まとまった金額」を投資して、普段しないような体験をすることはおすすめです。
人間は「トクする」ことで幸福を感じられる生き物
今の僕はお金に困っているわけではないのですが、「おトク感」のあるゲームを見つけるのがけっこう好きです。
たとえばコンビニ。
今はもう廃止されてしまいましたが、以前のローソンには「来店ポイント」という制度がありました。
どんなに安い商品でも、レジでPonta カードを見せると1ポイントが加算されていたんですね。それ以外にお買い上げポイントが1ポイントつくので、100円の商品を買ったら2ポイントもらえたわけです。
知り合いとローソンに行ったときにも、ほかの人がPonta カードを出さないときは僕のカードにポイントをためてもらっていました。
モスバーガーにもおトクなサービスがあります。
モスバーガーは注文を受けてから調理を始めるのでけっこう待たされますが、店に行く前に電話で注文することができます。
こうすると待たされずにハンバーガーを食べられるうえ、電話代ということで10円もらえるんですね。実は、ネットで注文しても同じように10 円もらえます。
けちくさいと思いますか?
100円のガムを買って2ポイントついたら利率は2%、500円のバーガーで10円もらえたらやっぱり利率は2%です。
2%の利息が確実につく投資商品なんて、そんなにありませんよね。
「人生のコスパ」ファーストでうまくいく
1カ月に数円、数十円トクしたところで、大した金額にはなりませんし、生活が変わるということもないでしょう。
だけど、誰だって10円、100円拾ったらラッキーだと思うじゃないですか。何だかトクした気分になって、ちょっとうれしい。
自販機の釣り銭受けをあさったり、目を皿のようにして道を歩いたりしなくても、今の世の中には、こんなふうにちょっとしたおトクが得られる仕組みがたくさん用意されています。
面倒な仕事をして10円しかもらえないのならともかく、手間をかけないで10円もらえるのなら、悪い話ではないでしょう。
僕がいいたいのは、それでお金を儲けようということではありません。
人間は、おトクなことがあると幸福を感じるようにできているのですから、うまくこの脳の仕組みを利用していい気分になったほうがいい、ということなのですよ。
楽しくなりたい、幸せになりたい。
そう思ったとき、人はついついお金で解決しようとしがちです。高いモノを買ったり、いいところに住もうとしたり。
でも、お金をかけずに楽しめることを普段から見つけるようにしていたほうが、人生のコスパはずっといいですよ。
まわりに左右されないメンタルが、これからの時代を生きる武器になる
タイトルにもなっている『自分は自分、バカはバカ。』という考え。ひろゆきさんならではの発想だと思いきや、実は僕らにとっても必要な視点でもありました。
まわりに対して、そこまで思い悩む必要なんてないのでは? そんなことを考えさせられる1冊です。
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