GACKT著『GACKTの勝ち方』より

思考の積み重ねでボクは“優雅”になれた。自分を形成する「人生の方程式」を教えよう

仕事
アーティスト、実業家、俳優…と、マルチな活躍をみせるGACKTさん

メディアでは「超一流芸能人」とも呼ばれていますが、その実態は謎に包まれています。なかには、「なぜGACKTはそんなにお金があるのか?」と疑問に思う人も多いでしょう。

その答えは、GACKTさんが上梓した書籍『GACKTの勝ち方』に記されています。

同書は、GACKTさんにとって初のビジネス本。お金の稼ぎ方はもちろん、自己ブランディングメンタルリセットの方法など、GACKTさんが人生を通して学んだことを教えてくれています。

2019年でソロデビュー20周年を迎えたGACKTさんの人生哲学をとくとご覧あれ 。

メンタルリセット

何年か前にボクが格付け番組で発したこの言葉。

その後、言葉が一人歩きし、ちょっとしたブームとなった。

経営者、個人事業主、会社員。ビジネスをするすべての人たちにとって、メンタルリセットを行うことはとても重要。

だがボクがあの言葉に込めた想いとは違う、誤解された意味が広まっている気がする。

望まない結果、不測の事態など、人生において気が滅入るような状況は、何の前触れもなく発生する。

経営者なら尚更のことだが、その都度、悩んだり、落ち込んだりして足踏みをしてしまうのはとても効率が悪い。

そこで重要なのが、メンタルをリセットし、前進すること

ボクは如何なることでも悩まないと決めている。

【悩む】という行為は停滞、もしくは後退の状況。

そのような状況からは一秒でも早く抜け出さなければならない。

ただ、世間が考えるようなメンタルリセットは、うまくいかなかった理由を何かのせいにして、「ドンマイ、気にするな」と傷を舐め合うような行為だ。

自分の努力不足や判断ミスで生じた望まない結果に対しては、ドンマイもクソもない。ダサいにもほどがある。

ボクのメンタルリセットはそうではない。そもそも前提が違う。

【ベストの選択と努力】が為されていることが大前提。その上で、【起こってしまった不測の事態は気にしない】というのがボクのメンタルリセットだ。

【確固たる美学】が自分にあるか

ベストな選択さえし続け行動し続けること、その結果として 【勝ち】が積み重なる。

ボクにとって、メンタルリセットとは、ビジネスであれ私生活であれ、自分がとった選択や行動が間違っていなかったことを改めて確認し、それでも起きてしまった不測の結果に引っ張られないように、気持ちを元のレールにさっと戻すこと。

シンプルに言えば、ただの確認作業。3秒あればできる。

重要なのは、全ての勝負に至る過程において、自分が選択を間違えないようにすることと、努力を怠らないこと

そうすればいつでもメンタルリセットができる。

では、どうやったら選択を間違えないようにできるのか?

それは、【確固たる美学】が自分にあるかどうか

自分の中に答えがある。自分の中のブレない美学に照らし合わせれば、自ずと何を選べばいいかが見えてくる。

ボクはありとあらゆる選択に対し、【GACKTとしての美学】に基づいた正解を選ぶ。

【ツラい方を選ぶ】や【怠らない】もその一例だ。

ビジネスにおいて選択に迫られることは多々ある。どちらの方がシンドイか、ツラいかなど、肌感で一目瞭然だ。

悩む時間も必要としない。

シンドイ方を選び挑戦し、それが実現するまで死ぬほど努力をし尽くし、その上で失敗したのであれば、笑って言えばいい。

これ無理ゲーじゃないの!?(笑)

そして諦めず再チャレンジ。

メンタルリセットとは、自分が自分にまっすぐ向き合い努力していることを確認し、その上で、思わぬ結果になる時に笑い飛ばすこと。

そんな時は笑顔で大きく叫べ。【メンタルリセット~~~~!!!!】と。

「優雅になろう」とシフトチェンジ

過去に日本に住んでいたときは、一切休みをとらなかった。仕事に繋がることしかしなかった。

ずっと動き続けていた。プライベートでも、遊ぶことは殆どなかった。それ故、精神をリチャージできる環境やタイミングもなかった。

ある時そんな自分に気付く。

意識的にリチャージできるタイミングと場所を作ろうと決めた。スキー場を買って山にこもった時期でもある。昼はテーマを決めて滑り続ける。

だが、滑り終わって食事をした後、また気がつけば仕事をしている。

とにかく働き詰めだった。

自分を振り返って見た。それがダメだとは思わなかった。

だが、稀有な経験は沢山あっても思い出がない。

イケてない

この言葉が一番当てはまる。ダメなんじゃない。イケてないだけ。

いつからか仕事のために仕事をするようになっていた。若い頃はそれでもいい。

ただどこかでシフトチェンジしなければ一生大切なことを見失う

で、決めた。『よし、優雅になろう』と(笑)。

完全に仕事のペースを変えるために海外に住むことを決め、すぐに移住の準備をした。

初めはGACKT が思いつきやノリで言ってるだけだと思ってた者も少なくない。

あまりにもその移住の段取りを取るスピードが速かったため、周囲にはボクがとうとうおかしくなってしまったと思う者まで出てきた。

行動がすべて

さて、海外移住のことは次の本で詳しく書くとして、海外に住み始めた頃の話を少しだけ。

当時、好きだった女性がボクの家で昼間に本を読んでいた。その横顔は美しく、『優雅だなぁ…』と見惚れていた。

そして、その姿を真似ようとボクも少し離れた場所で本を読み始めてみた。

だが、しばらくしてハッと気付くと手に握った携帯を見ている。自分がいつ携帯を持ったのかもわからない。携帯を離れた場所において触らないようにしようとした。

が、気がつけば携帯の傍に立ってまた携帯をいじってる。ゾッとした。

自分の人生がここまで携帯ごときに縛られているのかと。

考えてみると、若い頃に川辺で目の前に広がるちょっとした景色をぼんやり眺めながら、頭の中に湧いてくるイメージや発想を追うような時間が完全に無くなっていた。

ただカネがあるだけの忙しい生活ではなく、一見無駄かもしれない時間を受け入れる心の余裕がないとダメになると実感した。

それからは、携帯から離れ、ただお茶をする時間を作り、景色を眺め流れる風を感じる時間を作った。

ただ景色を眺め、何気ない情緒を感じゆったりとした時間を愉しむことを【バカンス】という意識の切り替えで出来る人はいる。

だが、それが日常で続くと「やることがない」「やりたいこともない」「暇すぎて死にそう」 とボヤく人が多い。

これは本末転倒。

やることがない】【やりたいことがない】のではなく、それらを見つけつくる意識がそもそもない。

これは、結局のところ与えられることが当たり前になっている、【己の怠慢の成れの果て】とも言える。

やることなどいくらでもある。自身の成長のために勉強するのもいいだろう。

何かを身につけるために時間を費やすことは、幾つになっても自身の成長を感じるための大切なファクター。

与えられたことだけをやるのではなく、自分の意志で自らそれを探し取り組んでいくこと。

これもまた 【創造力】を鍛えていくためには必要不可欠な行動であり、これが出来なければ己の人生を設計することもできない。

「人生の方程式」は覚えておいたほうがいい

人生とは、今この一瞬の発想力・想像力・創造力の積み重ねである。

わかりやすく説明する。

日常を振り返ってみればいい。常にルーティーンが存在しているはず。

毎日、異なる時間に起き、異なる時間に食べ、異なるものに乗り、異なる場所に行き、異なる人と会い、異なる仕事をし、異なる話をし、異なる場所で寝る人など皆無に等しい。

そのサイクルの長短はあれどすべての人には【ルーティン】が存在する。

人生はそのルーティンの集合体と考え、仮に人の一生を80年とした場合。

その80年という一生は (1年)× (80回)のルーティンとも言える。

そして1年は (1日)× (365回)となる。

1日は (1時間)× (24回)となり、1時間は (1分)× (60回)の、1分は、(1秒)× (60回)のルーティンというわけだ。

この説明を聞くと誰もが「そんなことは言われなくてもわかってる」 となるだろう。

この説明において大切なことは何か? つまりこれは、(この瞬間の発想・思考・行動)= (人生)になるということだ。

今、この瞬間に 「あー、ダルいなぁ。あー、面倒くさい」と思う人は、この発想・思考の積み重ねで形成される人生となるということ。

これを 【人生の方程式】と呼ぶ。

人は瞬間瞬間の思考の積み重ねによってその人生が形成される。この言葉を聞いてもピンとこない人が多いが、先の説明で理解ができるだろう。

今、この瞬間に、ネガティブな言葉が出る人、ネガティブな発想が浮かぶ人、ネガティブな行動を取る人の人生はこれらのネガティブの積み重ねで形成された人生となる。

だからこそ、人を一瞬で見ればその人の人生がわかるというのは、その人の瞬間瞬間で行うすべての行為が、その人の人生を表しているからだ。

故に、「できない」と口癖で言う人は、「できない」という思考、そこから出てくる行動の積み重ねにより、その人の人生がどうなるかもまた想像に容易い。

だからこそ、【言葉には言霊が宿る】という表現も一見わかりづらいが、言葉に発すればそのように人生が形成させるという、昔の人が感覚的に理解し残した言葉だ。

【優雅】もまた同じ。【優雅】になるためには、その発想と行動が必要。

人生とはこの瞬間の発想・思考が集積したもの

そして人生を彩るためには、誰かに与えられることに慣れず、自ら創造し組み立てていくことを意識しなければならない。

そのためには、時間を贅沢に、また有意義に使えるようになることも自身の人生を彩るためには必要なことと言える。

4年目ぐらいから気がつけば自然と声に出るようになった。『キレイな景色だなぁ』と。

これが優雅の第一歩。外国人は、一緒に海を眺めたりすると、当たり前のように言う。

「こんなにキレイな海を見られる。幸せだな」

わかっていたはずなのにできてなかった、いや、結局わかっていなかった。言葉を口から出す大切さを。

ボクも含めて、今の多くの世界中の人たちがどんどん携帯の中に入っていっている。

【リアルな世界】が目の前にあるのにもかかわらず、その世界を自分の目で見ようとせず携帯の画面の中の 【与えられた世界】に満足している。

これでは想像・創造のチャンネルが閉じていく。これは老化ではなく、習慣と行動でそうなっていく。

与えられたものでしか形成されない人生と、自ら想像・創造で形成する人生。どちらを選ぶのもオマエの自由だ。

今は、人との話もできるだけフラットに聞くよう心がけている。いろいろな物事を受け入れられるように。

若い子と話をしているときにも、『面白いな』と前のめりで聞く。気になることは書き留めあとで調べる。その時は話に集中する。

携帯に縛られ、豊かな感覚をキャッチするチャンネルを自ら閉じてしまうのは自らの発想を放棄することと同義。

まずは携帯を置いて、暫くその存在を忘れ、オマエの心の扉を開けてみろ。そしてチャンネルを解放する。

その先に、優雅な世界が見えてくる。

「GACKTとして生きる覚悟」を学んで、自分の人生を考えてみよう

GACKTの勝ち方

GACKTの勝ち方

「あぁオレもGACKTになってみたい」と言う人に、ボクはこう答える。

GACKTやるって、マジで大変だけど。覚悟ある?

出典https://www.amazon.co.jp

誰よりも自分に厳しく、ハードワークかつストイックで気の抜けない日々を過ごしてきたからこそ、GACKTさんは今の生き方に至っています。

その覚悟に触れることで、自分自身を高く保とうと気づかされる一冊です。