エリック・バーカー著『残酷すぎる成功法則』より

「努力すれば出世する」は大ハズレ。残酷な統計からわかった5つの最強対人ルール

仕事・ビジネスby 新R25編集部

世の中に流通している本の量は数知れず。

その多くはもちろんビジネスパーソンの学びになるものですが、どの本が自分のためになるのか、選ぶことすら難しいですよね…。

そこで新R25では、ビジネスの最前線で活躍する先輩たちに「20代がいいキャリアを積むために読むべき本」というのをピックアップしてもらいました。

それがこの連載「20代の課題図書」。

第2回の推薦者は、起業家のけんすうさん

Twitterで本をオススメすると、その販売数が伸びるとも言われるけんすうさんが選んだのは、エリック・バーカーさんの『残酷すぎる成功法則』。

経験則だけで語られがちな「成功法則」を、科学的なエビデンスをもって解き明かした全米ベストセラー本です。

「親切な人が成功する」「好きな人と結婚すれば幸せ」「名刺を配れば人脈ができる」

これらの一般常識は、本当に正しいのでしょうか。

同書から抜粋した3記事を通して、けんすうさんも絶賛する「真の成功法則」を見ていきましょう!

残酷すぎる成功法則

残酷すぎる成功法則

人びとを対象に成功をもたらす要素は何かと尋ねれば、「努力」という回答が一位になる。

ところが研究によると、それは大外れだという。

実のところ職場では、実力より見かけがものを言うようだ

スタンフォード大学ビジネススクールのジェフリー・フェファーによると、ボスの自分に対する評価を管理するほうが、仕事での頑張りよりはるかに重要だという。

お世辞は強力で、「たとえ見え透いていても」効果を発揮するとの調査結果もある。

フェファーは、この世界がフェアだという考えは捨てるべきだとし、次のように言い切る。

「仕事を順調に維持している者、仕事を失った者の双方を調査した結果、次の教訓が得られた。上司を機嫌よくさせておければ、実際の仕事ぶりはあまり重要ではない。また逆に上司の機嫌を損ねたら、どんなに仕事で業績をあげても事態は好転しない」

フェアプレーの精神で長時間頑張って働けば報われると思っている人には、胃に障るような結果ではないか。

しかも、出世するのはゴマすりだけではない──いわゆる嫌なヤツもだ。

『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌によると、同調性(人と仲良くつき合っていくことを重んじる性格)の低い人間のほうが、同調性が高い人間より年収が約1万ドル多いことが明らかになった。

ちなみに財政面の信用度(クレジット・スコア)も同調性が低い人間のほうが高い。

悲しいことに、人間には、親切は弱さの表れだと勘違いする傾向があるようだ

私たちが人を評価するとき、その80%は「温かさ」と「有能さ」という2つの評価軸によって判断するのだという。

ハーバード・ビジネススクールのテレサ・アマビールによる研究『優秀だが非情』によると、人は「温かさ」と「有能さ」は逆の相関関係にあると認識している。

つまり、誰かが親切すぎると、その人物はきっと能力が低いのだと推測する傾向があるのだ。

現に、嫌なヤツのほうが、第三者には力があるように見えたりする。

また、規則を破る者のほうが、従順な者より権力があるようにも見える。

しかも、これは単なる認識の問題ではない。

嫌なヤツは実際、親切な人より仕事ができる場合がある

企業のCEOは、サイコパスの頻度が高い職業だが、調査によると、これらのネガティブな特性はむしろ、リーダーになる可能性を高める。

私たちは、最後には善人が勝つと教えられてきた。ディズニー映画の結末のように。

しかし悲しいかな、多くの研究結果によれば、そうではないようだ。

与える人と奪う人

ペンシルバニア大学ウォートン・スクール教授のアダム・グラントは、「成功」という尺度で見たとき、最下位のほうにいるのはどんなタイプの人なのかを解析した。

するとじつに多くの「ギバー(受けとる以上に、人に与えようとするタイプ)」がいることがわかった。

技術者、医学生、営業担当者、いずれの調査でも、ギバーたちは、締め切りに遅れる、低い点数を取る、売り上げが伸びないなど、捗々(はかばか)しい結果を残せずにいた。

倫理的なビジネスや、利他的な行動は成功につながるかというテーマで研究を重ねてきたグラントにとって、この結果は人一倍こたえるものだった。

もしグラントがここで分析を終えていれば、まさに悲惨な日になっただろう。

しかしそうはならなかった

インタビューの際に、彼は私に次のように語ってくれた。

それから、「ギバー」が敗者のほうにいるなら、最も成功している勝者には誰がいるのだろうと、スペクトラムの反対の端を見てみました。

すると心底驚いたことに、トップのほうにいるのもまた「ギバー」たちだったのです

いつも他者を助けることを優先している人びとは、敗者ばかりでなく、勝者のほうにも多く登場していました。

出典 『残酷すぎる成功法則』

マッチャー(与えることと、受けとることのバランスを取ろうとするタイプ)」と、「テイカー(与えるより多くを受けとろうとするタイプ)」は中間に位置するという。

ギバーは成功に最も近い位置と最も遠い位置の双方にいた。

また同じ研究によると、目立った業績をあげているエンジニア、最優秀の成績を取っている学生、利益の大半をもたらしている営業担当者はいずれもギバーだった。

これらのことは、あなたも直感的に納得できるだろう。

私たちは皆、無理をしてまで他者を助けて自分の要求を満たせなくなったり、テイカーにつけ込まれ、食い物にされたりする殉教者がいることを知っている。

しかしその一方で、頼りになるので誰からも愛され、皆から感謝されるので、ゆくゆくは成功する者がいることもよく知っている。

しかも、ギバーが得意とするのは最高益を達成し、トップの成績を取ることばかりではない。

彼らはまた、裕福になることにも秀でているようだ

社会学者、アーサー・ブルックスが慈善事業への寄付と所得の関係を統計学的に調べたところ、ある世帯が1ドル寄付するごとに、寄付をしなかった世帯(宗教、人種、子どもの数、居住区、教育レベル等、他の条件で等しい)に比べ、所得が3.75ドル上昇することがわかった。

寄付した額と、その年の所得の上昇に明らかな関係があることが実証されたのだ。

あなたは困惑して頭を掻いてしまうだろうか?

つい先ほどまで、嫌なヤツはうまくいくことを見てきたのに矛盾するではないかと。

たしかに、平均すると嫌なヤツはうまくやる。

しかし、頂点のほうに位置するのはギバーたちなのだ

5つの最強対人ルール

ここで、道義的なやり方で(しかしお人好しで終わらずに)成功する方法について考えよう。

対人ルール①いい人の多い環境に身を置く

1000人の被験者をその幼少期から死亡まで追跡調査した「ターマン調査」は、私たちがどのような人間になるかは、周りの人びとによって決定されるという結論に達した。

周囲の人が利他的に振る舞うのを見ると、人はいっそう利他的に行動するようになるという。

そして周りに互恵主義の人びとがいれば、私たちはいっそう安心してギバーになり、テイカーの犠牲になることを恐れずに、トップクラスのギバーたちが手にする成功の恩恵を分かち合うことができる。

もし、あなたが今、悪い環境に身を置いているなら、ほかのいい人たちと円陣を組もう。

それから上司も重要だ

上司は、どの会社に勤めるかよりはるかに、あなたの成功や幸不幸を左右することが調査で示されている。

次の就職面接では、できれば誰があなたの直属の上司になるのかを確認し、その人と話をさせてもらい、人物像を調べておくといい。

対人ルール②まずはギバーになる

ギバーたちは、まず自分から相手に協力するので、成果においてマッチャーに勝る。

このことは、数多くの調査で実証されている。

影響力の分析で知られるロバート・チャルディーニは、最初に手を差し伸べることこそ、互恵主義を育む鍵であり、ひいては説得や相手に好かれることのベースになると言う。

ハーバード大学ビジネススクールで交渉論を講義するディーパック・マルホトラによれば、交渉でまず重要なのは「したたかになること」でも、「本気度を示すこと」でもないという。

同氏が学生に一番に勧めるのは、「相手から好かれること」だ。

なにも会う人ごとに20ドル札を配って歩けという意味ではない。

好意は、ささやかな行為で示せる。

つい忘れがちだが、ときにはちょっとしたこと(30秒でメールの紹介状を送る)が誰かにとって莫大な成果(新しい仕事)をもたらす。

新しい知人にすぐに何かをしてあげると、その知人はほかのギバーにあなたがギバーであることを話し、結果、あなたはマッチャーから思わぬ援けを得るかもしれない。

新参者には進んで贈り物をしよう。

対人ルール③やられたらやり返す

一般的に、他者を信頼するほうがうまくいく。

しかし、毎回協調していたら、つけ込まれ、搾取されてしまう

迷惑なことをされても何一つ抵抗しなければ、なめられるのは人間社会の常だ。

だから完璧な聖人になる必要はない。

職場のテイカーを罰する最も効果的な方法は、昔ながらの噂話だ。

そのテイカーに用心するように周囲に伝えれば、気が晴れるだけでなく、実害も減るだろう。

対人ルール④懸命に働き、そのことを周囲に知ってもらう

嫌なヤツと一線を引きながらも、見習えることは何か?

調査によれば、彼らは押しが強い。自己宣伝を厭わない。

交渉にも長けている。自分がやっていることを抜かりなく人に見せる。

これらは嫌なヤツにならずとも取りいれられる。

彼らのように利益を得るのは難しくても、自己を開示することで何らかの恩恵を得られる──しかも自分の品格を保ちながら。

とにかく自分のことを周囲に知ってもらおう

まず、上司から好かれる必要がある。

非情な世の中だからではなく、それが人情というものだ。

どんなに身を粉にして働いても、上司の目に届かなければ報われない。

マーケティングなしで売れるすぐれた商品があるだろうか?

毎週金曜に、その週の成果をまとめたものをメールで上司に送る

目新しくもないが、取り組んでいることを手っ取り早く知ってもらうには良い方法だ。

上司は部下がしていることを把握していると思っても、彼らは忙しく、それぞれの問題で手いっぱいだ。

メールの提出を評価し、次第にあなたのことを良い情報(もちろんメールにあった)と結びつけて思い出すようになるだろう。

やがて昇給を交渉する(または履歴書を書き直す)際には、メールの内容が即、あなたがいかに優秀な従業員かをアピールするうえでのリマインダーになるはずだ。

対人ルール⑤長期的視点で考え、相手にも長期的視点で考えさせる

忘れないでほしい。

短期的には利己的な行いが利益をあげるが、最終的には良心的な行いが勝利をおさめる

だから、可能なかぎり、長期的なスパンで事を行おう

契約にはより多くの段階を盛り込み、将来にわたって関われるやり方で関係を結ぶのだ。

一回かぎりの関係であればあるほど、人はあなたからより多くの報奨を引きだそうとする。

関わりが多ければ多いほど、共通の友人が多ければ多いほど、また遭遇する可能性が高ければ高いほど、他者にとってあなたを丁重に扱う必要が増す。

中世の王が子女たちを他国の王室と縁組させたのも同じ理由からだ。

家族となり、いずれ共通の孫を持つのだから、仲良くしようではないか、と。

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