本田直之・松尾大著『人生を変えるサウナ術』より
大事な接待こそ、サウナを活用せよ。ヤフー社長も実践する“サウナコミュニケーション”とは?
新R25編集部
大切な取引先やビジネスパートナーとのコミュニケーションを図りたいと思う場合、人気のお店でちょっとリッチなお酒と食事を楽しむ“会食”をセッティングします。
ところが、今、エグゼクティブ層の間では、誰かと仲良くなりたいときはサウナに誘う“サウナコミュニケーション”がひそかに人気なのだとか。
「大事なやり取りをサウナでするのは…」と当然思うのですが、実はロシアの大統領だったエリツィン氏がサウナ外交を盛んに行っていたり、サウナ好きの経営者・ヤフーの川邊社長も、コミュニケーション空間としてのサウナを重要視していたりするようです。
何故サウナでコミュニケーションを図るのか?
気になるその理由が、レバレッジコンサルティング代表取締役社長・本田直之さんと、サウナブームを先導してきた“ととのえ親方”こと松尾大さんの書籍『人生を変えるサウナ術』に書かれているので、同書から一部を抜粋し、サウナ空間を活用して、相手の本質を探るコミュニケーション法について探ります。
いきなり親密なコミュニケーションが可能! なサウナ空間
人間の通常のコミュニケーションでは、まず相手の容姿や身なりから、目の前にいる人がどういう人なのかを無意識のうちに想像し、瞬時に判断している。
高級そうな衣服に身を包んでいれば「お金持ちで社会的にしっかりしていそうな人」という印象を持つし、逆にボロボロの身なりをしていたら「お金がないだけではなく何かヤバい、ちょっと危ない人なのかな?」という印象を持って自然と距離を取るかもしれない。
従って我々が、相手からそうした悪い印象を持たれないために、きちんとした衣服を着て身だしなみを整えたり、好きな異性にアピールするために少しばかり見栄を張るのは、ごくごく自然なことだろう。
しかしサウナの中ではそういうわけにはいかない。
例えば、普段はかなり高級な衣服を身にまとっている社長の男性だって、一度サウナに入ってしまえば、すっぽんぽんのおじさんだ。いくら取り繕おうとしたって仕方が無い。
このようにしてサウナの中では、物理的にも文脈的にも自分を守っていた衣服という鎧が取り払われ、先入観や偏見を持たずにまっすぐ相手と向き合えるようになる。
サウナ室内では誰もが平等で、いきなり親密なコミュニケーションをとることが可能になる。
こうした感覚を知っている身からすると、サウナでのビジネスミーティングは究極の時短(時間短縮)になる。
普通だったら何度も取引先の元に足を運んで相手の真意を徐々に探るところが、たった1回のサウナミーティングで相手の本音の一番近いところにたどり着ける、ということがあるからだ。
だから僕らは「初めて会う相手とまずサウナで出会う」ということも多い。
サウナで裸の状態で出会って、サウナから出て服を着たときにもう一度会うと、「ああ、こういう感じの人だったの!?」と全く印象が変わって面白かったりもする。
ロシア元大統領・エリツィン氏も盛んに「サウナ外交」を行っていた
日本ではこれまで、腹を割って話す場としては酒の席が重宝されてきた。
僕らも楽しく酒を飲むのは好きだし、仲良くなりたいなと想う人を誘うことはもちろんある。そして盛り上がってとても楽しいこともある。
しかし、誰かに寄り添いたいとき、仲良くなりたいときが必ずしも盛り上がりたいときとは限らない。
落ち込んでいる仲間を勇気づけたい、励ましたい、などというときの酒は、しんみりしたりやけくそになったりで、その瞬間はまだいいとしても、翌日もバッチリ体に酒が残り、つらい思いをすることもある。
その点、サウナは健康的で、後に残るのは爽快感だけだ。
サウナに入って隣に座り、どちらからともなく思いついた話をしていると、それだけで心の距離は一足飛びにゼロになる。
同じサウナで同じサウナストーブを見つめ、じゅーっと音をたてるロウリュの音に隣でじっと耳を傾ければ、一気に親しくなれるのだ。
ちなみに、ビジネスにおけるコミュニケーション空間としてサウナを積極的に活用したのが、ロシアという国だ。
評論家の佐藤優氏の著書『知の教室教養は最強の武器である』(文藝春秋)によれば、ロシアの大統領だったエリツィン氏は大のサウナ好きで、サウナ外交を盛んに行っていたという。
ロシアでは、真の信頼を得ると互いのプライベートサウナに呼ばれる。
ウォッカで酔って一緒にサウナに入り、そこに置いてある白樺の枝で互いの身体を叩き合って親交を深めるサウナに共に入るということは「丸腰の私はあなたを攻撃しません、あなたも私を攻撃しませんよね」という“和平条約”を結ぶことであり、裸と裸の対等な関係で強い絆をつくることであるのだ。
フィンランドでもビジネスの接待やミーティングの場所としてもサウナが利用されてきた。
オフィスのみならず国会議事堂や世界各国のフィンランド大使館にもサウナがあり、サウナで賓客がもてなされる(もちろん東京・南麻布にあるフィンランド大使館にもサウナがあり、イベントの際には一般来訪者に解放されることもある)。
また、重要な決断をするミーティングがサウナ室内で行われたり「ちょっと議論が煮詰まってきたな」という場面の気分転換としてサウナが利用されることもある。
相手の本質が見えるサウナで、ビジネスにおける人間関係の見極めを
自宅にプライベートサウナをつくるほどサウナ好きなヤフーの川邊社長も次のように仰っていた。
「裸と裸で付き合うビジネスパートナーというのは、やっぱり少し特別ですね」
もちろん、グローバル化や多様化を極めるこの時代において、当然、異性のビジネスパートナーもいるだろうし、リラックスするためのサウナを、政治的な空間として利用したくないという人もいるだろう。
ただ、事実としてサウナにはそうした作用があるらしいのだ。
サウナ室内では、相手の本質が見える感じがする。名刺交換もせずに裸の、何も他の情報のない状態で相手と対峙していると、その人のタイプや自分と気が合うかどうか、というのがおのずとわかってくるのである。
フィンランドの人は日本人のように社交的ではない、どちらかというとシャイで内気な国民性であるけれども、サウナという空間が初めて他人と積極的に会話するための空間として機能しており、人の心を開かせる何かがサウナにはある。改めてそう感じた。
経営をしていると、この先もこの取引先と付き合っていくべきなのだろうか、あるいは新しく取引を始めるべきかといった人間関係に関する決断も多く、またそれが後々にとってかなり重要な決定になるケースも多いだろう。
食事での接待というのも良いけれど、そういった見極めの際にもサウナを利用してみてはいかがだろうか。
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「サウナ」=「プライベートな空間」と思っていた人にとっては、サウナがビジネスの場でのコミュニケーションに積極的に活用されているという話は、意外だったかもしれません。
しかしプライベートな、リラックスした空間だからこそ、実は、相手の本質を探る絶好の機会となるようなのです。
もし取引先との関係やビジネスパートナーとのコミュニケーションに迷ったり行きづまったりしたら、勇気を出してサウナに誘ってみるのもひとつの手。思わぬ本音が聞き出せて、今よりぐんと親密になれるかもしれません。
このように『人生を変えるサウナ術』では、「サウナ」をあらゆる角度から考察しています。
今回のように、ビジネスマンに刺さる内容となっておりますので、ぜひ一度手に取ってみてください!
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