勝間和代『勝間式超コントロール思考』より
タクシー料金はなぜ高く感じるのか? その答えが“あなたの収入を増やす”ヒントになる
新R25編集部
平成から令和へと変わった2019年。
この1年を振り返ってみると、「人生を変えるような転機があった」「成長した実感がある」「なんとなく過ごしてしまった…」など、さまざまな思いがあるはず。
年末年始は、多くのビジネスパーソンにとってしばしの休暇になります。
そこで、新R25では年末年始にかけて、これまでの自分の働き方を振り返ったり、心機一転してスタートダッシュをきったりできるような書籍をピックアップする特集を考えました。
その名も「2020年 ジブン改革」。
今回ご紹介する書籍は、勝間和代さんの『勝間式超コントロール思考』。
マッキンゼーなど錚々たる企業での勤務を経て、現在は経済評論家として活躍している勝間さん。経済と効率化のスペシャリストとして、発売するビジネス本の多くはベストセラーを記録しています。
勝間さんが提案する「超コントロール思考」とは、「時間やお金を効率的に使いながら、自分のイメージ通りに物事を進める方法」のこと。
「超コントロール思考」を身につけることで、日々のストレスや悩みから解放されると言います。
仕事やプライベートが充実し、より人生が楽しくなる思考とは、一体どんなものなのか?2記事にわたってご紹介します!
お金の不安をなくすために、チェックしたいこと5つ
お金のコントロール方法で最も大事なことは何かというと、これは仕事のコントロールとも同じで「収入の7割から8割で生活する習慣を持つ」ということなのです。
つまり、2割から3割の余裕率が必要、ということです。
具体的には、世帯の収入が「月々50万円ある場合には 40万円以内で暮らす」「30万円の場合には24万円以内で暮らす」ということです。
なぜわたしたちがお金について不安になるかというと、自分がその状況をコントロールできている自信がないからです。
手取りを全て使ってしまったり、5%から10%しか投資ができていなかったりすると、投資部分について元本の変動のリスクを受け止められません。
そのため、中長期的には増えるけれども、短期的には損をする可能性がある株式や不動産投資信託などの金融商品を買うことができなくなってしまいます。
もちろん収入が少ないから支出割合が多いという言い訳をすることもできるでしょう。しかし、例えば下記のようなことができていれば、必要以上に生活にお金がかかることはありません。
①手取りの20~25%の予算に費用が抑えられた住居である
②お酒、たばこ、ギャンブルなど、依存性があり、自分のお金のコントロールを失ってしまいかねない物事に手を出さない
③楽しみのための外食はするが、自分の栄養を満たすための外食はせずに、栄養バランスの良い食材で自炊をする
④同価格でより高い品質の物を買う手段を模索することを常に習慣化し、衝動買いをしない
⑤全ての支出についてクレジットカードの明細なども含めて記録に目を通している
結局、どんなにお金があっても、あるいはどんなにお金を稼いでいるとしても、それが自分でコントロールできていないのであれば、浪費になってしまいます。
すると「将来、資産が減るのではないか」とか「収入が減ってしまったらどうしよう」というような不安が消えることはありません。
ところが、普段の生活の中で、自分がどのぐらいのお金を何に使っているかということについて管理ができており、かつ常に手取りの8割かそれ以下で生活が成り立っていれば、お金に対する不安はなくなります。
収入を増やしたければ自分の「付加価値」を知ろう
「収入を増やしたい」と考えている人は多いと思いますが、収入が増える構造というのは、わたしたちの能力ではなく、実は需給(需要と供給)のバランスで決まっています。
例えば、自分しか提供できないものに対して、多数の人が欲しがってくれれば収入が増えますし、すごくいいものであっても少数の人にしか届けられないとなると、なかなか価格が上がらないので収入も増えません。
一般的な書籍の値段は1000円前後、高くても2500円前後と、価格がさほど高くないのはなぜかというと、何万人も購入者がいることを前提とした価格付けになっているからです。
対して、タクシーのサービスが一般的になぜ高く感じるかというと、タクシードライバーが一度にサービスを提供できるのが、1人から最大4人まで、という少人数だからです。
一度にサービスを供給できる対象が多いほど、対価は低く抑えられるわけです。
そのため、今現在、自分がもらっているお金も自分が支払うお金も、その使われたお金の原価構成はどのような状態で、自分が受ける付加価値は何かということについて考えることができると、余計な働きもなくなり、無駄遣いが少なくなります。
収入を増やそうと思ったときにも、むやみやたらと労働を増やすのではなく、需給バランスから考えて、自分が提供する製品やサービスがなるべく多くの人に喜ばれるような仕組みがあるところで働くことを考えた方が、収入アップの可能性がずっと高くなります。
特に、最近はさまざまなIT系企業の収益力が高くなっていますが、その理由はとても簡単で、同じ人間が労力をかけたとき、そのサービスの行き届く先が広くなるからです。
わたしたちが普段の生活の中で当たり前のように受け取り、使っているお金について、
①どのような仕組みで自分はお金を稼げているのか
②どのようなものにお金を払おうとしているのか
という中身について関心を持つと、もっともっとお金のコントロールがしやすくなります。
自分の毎日の働き方が、所属している企業においてどのような付加価値につながっているかを理解し、その付加価値と関係なく自分の能力が使われている場合には収入が増えにくい、という構造に気付く必要があります。
わたしたちは、どうしても現状を良しとしてその現状の中で最適化を目指してしまいがちです。
しかし、現状そのものが、本当に自分のスキルややりたいことに対して最適かどうか、そして今現在、自分がやっている仕事がどのような付加価値を生んでいて、その付加価値のうちどこの部分が自分に対価として分配されているかということについて理解をしないと、なかなか収入は増えません。
また、厳しい話をしてしまいますが、企業がつくり上げた付加価値の中で、大して付加価値を生んでいない人にも労働対価が払われているとしたら、当然、それは価値を生み出している人から生み出していない人に対して、価値が流れていることになります。
これがまさしく、多くの大企業で活躍している人の給料がなかなか増えないということについて不満が出る仕組みです。
対して、なぜ先進の外資系企業の給料が一般的に高いかということについてよく質問を受けますが、それは大変シンプルな理由によるものです。
外資系では働きの悪い人には退職金を渡して退職してもらうという仕組みが成り立っているためです。
短期的には給料に見合う働きをしない人がいたとしても、中長期的にはそういう人たちがいなくなる仕組みになっています。
もし企業に勤めるあなたがお金をよりコントロールしたいと思っているのであれば
①自分の収入がどのような仕組みで成り立っており、付加価値の構造から見て将来その収入は増えるのか
②自分が働いた価値に見合う給料を受け取ることができているか
この2点を常に確認する必要があります。
「自分らしく生きる」ために。身につけたい思考が満載の一冊
『勝間式超コントロール思考』では、仕事の話だけではなく、人間関係や健康、娯楽などをコントロールする方法にも触れられています。
コントロール思考を身につけることで、ビジネスマンとしてよりステップアップできるはず。
同書を読んで、新年のスタートダッシュを切りましょう!
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