堀江貴文著『99%の人が気づいていないお金の正体』より
ホリエモン「月収が低いと嘆く人は、思考を怠っている。『お前が悪い』と思ってしまう」
新R25編集部
「お金という『ただの紙切れ』、つまりフィクションに翻弄され四苦八苦している人たちを、申し訳ないが僕は『ドM』だと考える」
堀江貴文さんが新著『99%の人が気づいていないお金の正体』のまえがきに記した言葉です。
資本主義社会で生きている限り、お金のことを意識しないほうが難しいと思うのですが、それに縛られない新しい考えを堀江さんは持っています。
新R25では、堀江さんがお金の常識を「ぶっ壊す」つもりで上梓した同書より3記事を抜粋。今回は、「お金に関する常識」についてお届けします。
「手取り14万円の日本終わってる」という思考が「終わってる」
東京で働いているのに月給が手取り14万円しかないという人が、ツイッターで「日本終わってる」と嘆いていた。
「日本が終わってるんじゃなくてお前が終わってるんだよ」とリプを飛ばしたら、たちまち大炎上した。
ここで「お前が終わってる」という突き放したツイートの裏にこめられた、僕の真意を説明しよう。
第一に、安い給料に不満があるのなら、サッサと転職するか、今すぐ副業を始めればいい。本業とは別に月10万円稼ぐのは簡単だ。
クラウドワークスで動画編集の仕事を請け負えば、1回4万円の収入になる。
動画編集のスキルはYouTubeで身につけられるし、Mac Proのような高価な機材をもっていなくたっていい。作業の大半はスマートフォンでできるからだ。
ウェブページ作成でも、1ページ1万5000円の仕事はザラにある。安月給の仕事を辞めてフリーランスになっても、在宅ワークだけで今と同じ金額を稼ぎ出せる。
それなのに、不満だらけの仕事を辞める勇気も行動力もない。
YouTubeやネットメディアで情報が民主化されフルオープンになっているというのに、思考を怠って、そこらじゅうに宝の山が転がっている事実をググろうともしない。
そんな「お前が悪い」と僕は思うのだ。
第二に、「手取り14万円」というのはそんなにも不幸なことなのだろうか? 僕に言わせてもらえば、今の時代、月に10万円もあれば楽しく暮らしていける。
文句を言いながら無理して東京で暮らすのはやめて、田舎へ引っ越して家賃を極小に抑えればいい。家賃1万〜2万円のアパートなんて、田舎にはいくらでもある。
コンビニはどこにでもあるし、本や食料品や酒、生活必需品に至るまで、クリック一つでアマゾンが届けてくれる。
日本全国、どこへ行ってもユニバーサルサービスが完備されている。ほとんどの場所で4Gの高速通信がつながるし、スマートフォンさえあればネットフリックスやアマゾンプライム・ビデオで映画やドラマを楽しめる。
LINEを使えば、海外で暮らす友達と何時間喋ったって通話料はタダだ。
田舎に引っ越したところで、生活は大して変わらない。
だいたい、家賃も物価も高すぎる東京は「めちゃくちゃコスパが悪い」のだ。
お金革命や仕事革命を生んだアイフォンという名のイノベーション
技術革新は人々の働き方を一変させる。
なんといっても、現代の革命的な発明品はスマートフォンだ。電話機能にiモードを搭載したドコモは惜しいところまで到達していたが、スティーブ・ジョブズに先を越された。
携帯電話やポケベルに比べて、iPhoneは恐ろしいまでに使い勝手がよかった。そればかりではない。
ジョブズは誰もが直感的に、なんとなく操作できるようにアイフォンを設計し、ペラ1枚のトリセツすらつけなかった。
乳幼児が適当にいじっても、YouTubeの動画にアクセスできるようにしたのだ。
もはやノートパソコンなんていらなくなり、いつでもどこでも、地球の反対側にいたって仕事ができるようになった。
僕は毎月のように新刊を出版し、長大な有料メールマガジンを毎週発信しているわけだが、書き仕事はすべてiPhoneで完結している。
技術革新の産物であるネットやスマートフォンなどの道具は、人間に無限の可能性を与える、「希望の光」になりうるのだ。
ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉症スペクトラム障害)といわれる人は、集団の中で他人と同じように動くのがとても苦手だ。
その代わり、自分が興味をもったことには異常なまでの集中力と粘り強さを発揮できるという人も少なくない。
ちなみに僕は、地方でのんびりグランピングしていたのはいいが、途中で退屈してしまい、SNSで呼びかけて急きょ初対面の人と会うなんてこともある。
頭の中でひらめきがピカッと光るとじっとしていられない性分なのである。
ADHD上等、ASD上等、「多動力」上等だ。
かつては「社会不適合者」などとネガティブにとらえられていた人たちが、技術革新によって活躍の場を広げ、いわゆる「まともな人」たちをアッと驚かせる。
この「手のひらサイズのパソコン」は仕事のやり方に革命をもたらし、これ1台で宇宙にロケットを飛ばす費用さえ稼ぎ出せるようになった。
仕事革命、お金革命が起きたのだ。
ポジティブな感情でみんながつながるシェアリング・エコノミー
子どもたちが憧れる職業というのは時代を映す鏡だ。
小学生に人気があるのは、男子だと野球選手やサッカー選手、プロゲーマー、女子だとパティシエや医師、看護師などらしい。
今、これらの職業と並んで支持率が高いのが、「ユーチューバー」。かく言う僕も、2009年から動画配信に挑戦しており、実はユーチューバー歴10年だ。
13年からは大学教授やイノベーターをはじめ、インフルエンサーと呼ばれる人気者をゲストに呼ぶトーク番組「ホリエモンチャンネル」を続けてきた。
しかし、19年9月に1人語りのスタイルで時事ネタをバサバサ斬りまくる動画配信を始めたところ、これが大ブレイクした。
「手取り14万? お前が終わってんだよ」のツイート炎上事件やヤフーのZOZO買収騒動、青汁王子について語った動画はとくに人気が高く、再生回数は200万回を超えた。
ちなみに僕の場合、動画が1回再生されるごとに、0.5円くらいの収入になる。
この数字に動画の再生回数を掛け算してみてもらえば、だいたいどれくらいのお金が入ってくるのか見当がつくと思う。
親や教師は、ユーチューバーやゲーマーに偏見をもっている。
「そんな不安定な、遊びみたいな仕事で生活していけるわけがない。バカげた夢をもたず就職しろ」と子どもを鋳型にはめこもうとする。
だがAIや機械が多くの仕事を簡略化するこれからの時代に、「普通の人」が他人から言われたとおりに仕事をこなしているだけでは、いつかその仕事はなくなってしまう。
ほかの誰とでも取り替えがきくから、彼らの仕事は陳腐化する一方なのだ。
では、イノベーションと熱狂をビジネスに昇華できる人は、「普通の人」とどこが違うのか?
それは、周りの空気を読まず、自分のやりたいことをトコトン突き詰める。
変人と言われようがオタクと蔑さげすまれようが、一つのことに徹底的にハマりきる。そして何十、何百という次なる課題に熱中し続ける。
こういう人が、YouTubeのような分野でオンリーワンとして抜きん出る時代なのである。
YouTubeでは、「この動画、面白いじゃん」と思ったらSNSでリンクを拡散し、友達に「見てごらんよ」と勧める。
「いいね!」という感情をみんなとシェアするとさらにたくさんの共感が集まり、ネットワークのようにつながって大きなうねりを生む。
ユーチューバーはその見返りとして、広告効果に基づく収入を得ることができる。
このようなグローバルな現象を「ポジティブな感情を共有するシェアリング・エコノミー」と読み解けば、石頭の親も教師もユーチューバーという職業への偏見を改めるはずだ。
今は月10万円も稼げれば楽しく暮らしていける時代だ。
何百万円もの学費がかかる専門学校を卒業する必要なんてない。資格をとる必要もない。
仕事はいくらでも転がっているのだから、わざとレールから脱輪して外の世界をのぞいてみればいい。
幸せのかたちに正解なんてあるはずがない。だからこそ「自分はどんな生き方をしたいのか」、真剣に考えてみてほしい。
大切なのは「自分にとっての豊かさ」とはなんなのか、それを一人ひとりが模索することなのだ。
損をしたくなければ、正しい知識を身に付けろ
堀江さんが、簡潔明瞭に語るお金の真実。
ここでは比較的読みやすくまとめていますが、『99%の人が気づいていないお金の正体』では貯金や保険の歴史的背景から論を展開し、その本質について丁寧に解説されています。
どこか下世話に聞こえるも、しかし一生涯かかわる「お金」。
その付き合い方を、私たちはいつも考えていく必要がありそうです。
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