与沢翼著『お金の真理』より

タワマンの上層階に賃貸で住む人はカモ。与沢翼が考える「3年で300万円をつくる方法」

お金
お金を稼いで自由に生きたい」「豊かな生活が送りたい

そう願う人々に向けて、実業家で投資家の与沢翼さんは『お金の真理』(宝島社)を上梓しました。

お金持ちになるために何をすべきか。逆に、やってはいけないことは何なのか。

同書には、与沢さんのお金や人生に関する「本音」が語られています。

今回はその中から、人生で断捨離すべき無駄なことについてお届けします。

軍資金を持て

お金を持つために、必ずやらなければいけないことの一つが貯金です。

私が言っている「貯金しなさい」は、貯金そのもので成功できるというのではなく、「軍資金」をつくりましょう、という意味です。

夢も希望もない現実を変えるための初動エネルギーとなる「まとまった」お金です。

軍資金は、将来の収入を最大化するためのお金です。

訪れるチャンス、来るべき好機が来たときに、蓄えたそのお金を資本としてどかんと投入するのです。

軍資金がない人はいつまでたっても人生を変えることができません。

そして、ほとんどの人は軍資金を常日頃から用意していないのです。

だから、多くの人は5年、10年、20年とたっても同じような人生を歩んでいます

軍資金を用意しないことは、お金持ちになれないどころか、人生を変えるための前提となる資格を剝奪されている状態です。

軍資金がないとは、すなわち「人生の死」を意味しているといえます。

あなたの可処分所得(純利益)が年100万円と仮定すると、3年間で300万円を貯金できるはずです。

まずはこの300万円を軍資金として準備し始めてください。

軍資金づくりのための期間としては当面は3年程度とするのがいいでしょう。

その理由は、期間が長くなるほど継続が難しくなるからです。

仮に可処分所得がさらに大きい人は軍資金額を上方修正してください。

いずれにしても、この軍資金はこれから始まる物語の第1ページとなります。

3年で300万円をつくる手段①「不用品を全部売り払う」

軍資金を最短最速でつくろうと思った場合、意識を根本的に変える必要があります。

まず自分の部屋にある不用品をメルカリなどで全部売り払うのです。

極端な話、売って得られる回収額は1円でもかまいません。

ここで売り払う目的は、そのお金を生活費の足しにすることではなく、それまで自分がいかに無駄なものを買ってきたかということをまざまざと知るためです。

実は貧乏な人ほどよく無駄なものを買う傾向があります

たとえば、不用品がたくさんあると、家にある衣類や日用品、食料など、必需品の全量を的確に把握できなくなり、同じ品物を購入する買い物のロスが生じやすいのです。

一方、不用品がないと、ストックがひと目でわかるため、買いすぎを減らすことができます。

お金持ちほど無駄なものは買いません。

逆に言うと、お金持ちになるにはミニマルな生活を心がける必要があります

この点、私が不動産をたくさん買ったのは、すべてのお金を変動性のさらに高い株や仮想通貨に一時期に集中して入れ込み、資産の大部分を一瞬で失うような事態を避けるためにすぎません。

現実にコロナショックを目の当たりにして、不動産や債券、保険、ファンド、外貨などに分散していたのは正解となりました。

不動産という現物資産への投資は私にとってはすでに軍資金の「投入」に相当しているため、この次のフェーズの話です。

ミニマルな生活をしようと言ったことは軍資金「づくり」の段階の話であって、意味合いが異なりますので混同しないようにしてください。

現在の私自身の話で言うと、生活上は無駄なものをいっさい買いません。

ものだけではなくサービスも同じです。

スマホアプリの月額課金、ネットフリックスやアマゾンプライムの利用料金、ニコニコチャンネルの有料会員など、軍資金づくりのフェーズでは基本的には切るべきです。

「これから頑張って人生を変えたい」と思っている人が楽しいコンテンツなどを閲覧している暇などはないからです。

楽しいことは成功したあとでいくらでもできます。

3年で300万円をつくる手段②「より安い物件へと引っ越し」

さらに、次の契約更新のタイミングで、住む部屋もより安い物件へと引っ越すべきでしょう。

実は、タワマン高層階に賃貸で住んでいるような人に本当のお金持ちは多くないものです。

なぜなら、経済をつくっているのは家賃を取っている所有者側だからです。

この点がわからず、タワマンの上層階に賃貸で住んで「自分は特別だ」と思っているような人は、資本主義のカモにされているだけです。

事実、私がそうでした。

今の考えからすれば、私はむしろ、最上階ではなく3階などに住んでいる人のほうがお金持ちになる可能性が高いと思います。

それは見栄のためにお金を使っていないという証拠だからです。

極端なことを言うと、あなたが精神を健全な状態に維持できるかぎり、3年で300万円の軍資金を貯金するためには4畳半のアパートでもいいのです。

家賃のかからない実家があればそこは楽園です。

私は十代の頃に少年鑑別所に収容されたことがありました。

一日1時間もテレビを見させてもらえて運動や読書もできた。

だから、そんな環境ですら幸せを感じることができました。

人によってどの程度の住環境で心の平穏が保てるかは違うのでしょうが、住めば都です。

自分には住めないと思うようなグレードダウンでも慣れてしまえば意外にも快適に暮らすことができるものなのです。

今、東京都心部には「3畳ワンルーム」のアパートが増えています。

居住スペースがわずか3畳分程度しかない狭小物件で、都心の超人気エリアでも家賃7万円程度という安さもあって、お金のない若者に人気になっているそうです。

7万円というのはけっして安くはないと思いますが、立地がよい以上、活動が優位になると考えられるのであれば、こういう激狭アパートに住むのも選択肢のひとつです。

短期的な欲求はぐっとこらえたうえで、長期的には確実にそれを手にしていこうとする戦略が大切です。

贅沢なものはすべて切るのが立ち上がりのフェーズとなります。

コストカットには聖域もないし限界もありません。やれるかぎりすべてをやります。

3年で300万円をつくる手段③「友人知人との接触ポイントを断ち切る」

300万円を貯めていく過程で障害のひとつとなるのは人間関係です。

なぜかと言えば、多くの人とつながっていると飲み会、冠婚葬祭、イベントといった付き合いが発生するからです。

結婚式などに呼ばれて出席すると、相当の出費になります。

そこで、人としてどうなのかと思われるかもしれませんが、私は「出席しない」ということが大事だと考えます。

それが気まずいなら、友人知人との接触ポイントをあらかじめ断ち切っておく方法があります。

SNSやLINEで人とつながっているから付き合いごとが生じ、既読無視問題など、空気を読めないと批判を受けるのです。

つながるのはかぎられた10人や20人だけでも十分すぎます。

LINEなどを交換しないことを徹底すれば、時間とお金を奪われる問題は解決できます。

LINEを交換するごとにお金持ちへの道は遠ざかっていると思うぐらいがちょうどいいです。

これも損切りのひとつです。

なお、現状の私はというと、LINEなど1週間に1通するかどうかといった程度です。それも妻とするだけ。

同居しているのでLINEする必要がないというのもありますし、妻以外とそもそもLINEをしないというのもあります。

やりすぎだと思うかもしれませんが、私にとってはちょうどいいです。快適ですし、ストレスがありません。

あなたにも経験がないでしょうか。

こちらには用がないのに相手の用を依頼される煩わしさ

相手の気分で感情的な連絡をしてこられて、いちいち反応してあげなければいけない面倒くささ

相手から連絡してきたくせに自分の期待に沿う回答が得られないと既読無視にしてくる自己中な人

時間の無駄というだけでなく、単純にストレスが溜まります。

これを回避するだけで自分の物事によく集中できるようになります。

やってみるとわかりますが、いかに無駄なコミュニケーションに時間を使っていたのかと痛感するはずです。私は徹底的にブロックしています。

この方法は、おしゃべりが好きな人には向きませんが、私の本心で言えば、針の穴に糸を通すほど難しいはずの成功を目指す人が、おしゃべりに気を取られているようでは、その道は遠い気がしています

何かを得るためには好きなものを捨てることはベーシックセオリーであり、そういう断捨離には徹底的に慣れておくことが必要です。

不要不急の欲望は今から捨ててください

将来その欲をすべて叶えてやろうと思って頑張ればいいのです。

ただし、不思議と結果が出る頃には、もうそんな過去の欲望のことなど忘れてしまっているものなのですが。

お金と真剣に付き合っていますか

お金の真理

お金の真理

同書の中で、どの話からもありありと伝わってくることがあります。

それは「本当のお金持ちは、お金に敬虔である」ということ。

豪快に大盤振る舞いをしているように見えていても、実は冷静にお金の価値を見極め、自分の性格や傾向をよく知ろうと努力しています。

与沢さんの本音を余さず語った『お金の真理』。

人間とお金の本当の関係を再度問い直させられるような一冊です。