鴨頭嘉人YouTubeチャンネルより

「相手に関心を持つ」の一歩先へ。“人を変えさせる”コミュニケーション技術

仕事
部下や後輩の愚痴を聞いて、「いやいや、そんな考え方じゃダメだよ」と、注意したくなったことがあるビジネスパーソンは多いでしょう。

素直に聞き入れてもらうのは難しいとわかっていても、相手の今後を思うと、そのまま放っておくわけにはいかないですよね…。
 
日本マクドナルドで“伝説の店長”と呼ばれ、自身の講演を発信している“炎の講演家”・鴨頭嘉人さんも、他人のせいにしている人を見るとつい「お前、そんな考え方じゃ不幸になるよ」と、思ってしまうと言います。

しかし、それをそのまま相手に伝えてはいけないのだそう。

鴨頭さんが自身のYouTubeチャンネルで語っていた「相手を変えたくなったときに使えるコミュニケーション術」をご紹介します

「相手の関心に関心を持つ」と自分の捉え方が変わる

たとえば「うちの会社には教育制度がないから成長できない」と嘆いている部下がいたとします。

僕は他人のせいにしている子を見るとつい、「お前、そんな考え方じゃ不幸になるよ」と思ってしまうのですが、これをそのまま伝えてはいけません。

アドラー心理学に基づいたコーチングを行う平本あきおさんは「相手に関心を持つのではなく、相手の関心に関心を持つべきだ」と語っていました。

この場合は「成長したい」「教えてほしい」というのが、相手の関心ごとです。

相手に関心を持つと「人のせいにしていては不幸になるぞ」と、問題のように見えますが、相手の関心ごとへ目を向けると「『教育を受けたい、成長したい』と思っているなんて、めちゃくちゃいい子じゃないか!」と、捉えることができますよね。

相手に関心を持つと相手を変えたくなるけれど、「相手の関心に関心を持とう」と意識すると、自分の中で捉え方の転換が起こるんです。

100%自分が勝つ戦いを挑んでも、悪いことしか起こらない

「うちの会社には教育制度がないから成長できない」と嘆いている部下は、あなたに悩みを相談しているのかもしれないし、不満をぶつけているのかもしれません。

そういうときにはまず、相手の関心に関心を持って聞きましょう。

すると、かける言葉も変わってきます。

「そうか、君はすごく成長したいんだね。素晴らしい心がけだね。うちの会社にとってもすごくいいことだから本当にうれしいよ。でも、うちの会社には研修所があるわけじゃない。そのことは会社説明会で聞いたから、知っているとは思う」といった具合です。

これなら、戦いになりません。

逆に「会社説明会で『研修所はない』って言っただろう。了解済みで入ったんだよな」と言うと、戦いになりますよね。

戦いになれば、負けるのは必ず部下です。

最初から勝負がついているような戦いはしないほうがいいですよ。

部下が成長できなくなるか、部下のモチベーションが下がるか、部下が不満をもっと大きく募らせるかで、悪いことしか起こりません。

100%自分が勝つとわかっている戦いを挑むのは意味がない。いじめや虐待と一緒です。

愛情をうまく伝えるのに必要な技術

私はできるだけ休みが多くて、できるだけ労働時間が短くて、できるだけお給料が高くて、バーゲンの日は早く帰れるのが理想です」と主張する部下に対して、これを実践するとどうでしょう。

「君はバーゲンが好きなんだ。いつもお洒落だもんね。じゃあ、収入を上げながらバーゲンの日に残業しないで済むようになるためには、どうすればいいかな?」と、声をかけることになりますよね。

これなら、「私自身が仕事の生産性を上げないとダメですね!」と、思ってもらえるかもしれません。

要は、順番が大事なのです。

先に相手の関心ごとを聞いてニーズを満たしておかないと、こちらの伝えたいことは受け取ってもらえません。

もちろん、「お前そのままじゃ不幸になるぞ」と、注意したくなる気持ちはわかりますよ。

では、この気持ちの根本にあるものは何でしょうか。ですよね。

私たちは愛があるから、何とかしてあげたくて、相手を説得したり変えようとしたりするんです。

愛がなければ、わざわざ言いません。

でも、愛情を「怒り」や「相手を変えたいと思う気持ち」のまま言葉にしてしまうと、本来求めていたようなコミュニケーションが取れなかったり、2人が本当に辿り着きたかった場所に着地できなかったりすることが多いです。

そうならないために、「相手に関心を持つのではなく、相手の関心に関心を持つ」技術が必要なのだと思います。
出典Youtube

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