ビジネスパーソンインタビュー
八木仁平著『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』より
自己啓発本は、読めば読むほど自信を失う。“自分の長所”に気づくヒントは「クセ」
新R25編集部
「やりたいことで生きていきたい」「好きなことを仕事にしたい」
そう願う人々に向け、株式会社Meee代表取締役の八木仁平さんが『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』(KADOKAWA)を上梓されました。
世界に「夢中で生きる人」を増やすために「自己理解」を広める活動をされている八木さんは、確信を込めて次のように語っています。
「伝えたいのは、さっさと自己理解で『やりたいこと』探しを終わらせてください」
やりたいことで生きるために、私たちはどうすればいいのでしょうか。その答えがきっとここにあります。
今回はその中から、代わりのいない存在になる方法についてお届けします。
「自己啓発本」を読めば読むほど自信を失うワケ
「どうすれば成功できるのか?」と考えて、自己啓発本を読み漁る人がいますが、それは逆効果です。
むしろ自己啓発本を読めば読むほど、自信を失ってしまいます。
なぜでしょうか。
それは、「著者の長所の使い方」を学んでしまっているからです。
自己啓発本には「俺はこうやったら上手くいったぜ!」という成功例が、それが唯一の正解のように書かれています。
けれど、それはその著者にとっての長所の使い方であって、あなたに当てはまるとは限りませんし、アドバイスを真に受けて行動しても、それがあなたの適性に合っていなければ意味がありません。
やればやるほど「著者の言う通りに実践しても結果が出ないなんて、僕はどうしようもなくダメなんだ…」と、どんどん自信を失ってしまうだけです。
僕自身、大学時代に「とにかく人脈を広げろ」と書かれている本を読んで、ヒッチハイクを100回やってみるという目標を立てました。
けれど、それは自分にとっては苦痛でしかありませんでした。初対面の人と話すのが本当に苦手だからです。やればやるほど「全然仲良くなれない…」と自信を失うばかりでした。
結果的に100回ヒッチハイクをして得られたのは「自分には初対面の人と毎日話すことは向いていない」という学びでした。
当時の僕は、自分が魚であることに気づかずに空を飛ぶ練習をしてしまっているような状態でした。そして「どれだけ練習しても飛べない、自分はダメなんだ」と自信を失っていました。
空を飛ぶ鳥に憧れる前に「自分はどんな才能を持っているんだろう?」と考えてみなければならなかったのです。
自分の向いていないことを理解できたのは収穫ですが、その時間で自分の長所を使って前進した方がよっぽど有益です。
あなたは海を泳ぐ魚でしょうか? それとも空を飛ぶ鳥でしょうか?
少数の人を大事にして結果を出す人もいれば、人脈を駆使して結果を出す人もいます。
「本当に大事にできる仲間を持て」も「広く人脈を作れ」も、どちらもたしかに正解なのです。
そこで大事なのは、「誰かの長所の使い方を真似る」ことではなく、「自分だけが使える勝ちパターン」を手に入れることです。
そして自分だけの取扱説明書を作ってください。
それが手に入れば自分の苦手なことをやって「なんかやる気が出ない」という日がなくなり、人生ゲームの攻略難易度は一気に下がります。
その取扱説明書は自己啓発本をいくら読んでも見つかりません。
自分のこれまでの経験のなかにしか眠っていないからです。
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』〈POINT〉
×自己啓発本を読めば、成功する方法が分かる
○自分の成功法則は、自分のなかにしかない
あなたは才能を活かす方法を知らないだけ
もし、あなたが今「自分には短所しかない」と思っているとしたら、それはチャンスです。
「得意なこと」とはすなわち「才能」です。
それは最初のうちはただの「クセ」でしかありません。クセなので、良いも悪いもないのです。
その「クセ」をどう認識するかで、「長所」にも「短所」にもなります。
例えば、「物事に慎重に取り組む」というのは1つの才能です。ミスのない作業を求められる仕事をすればそれは、長所になります。
しかし、スピード感を求められる仕事をすれば、それは短所になります。
自分の得意なこと(才能)がどうすれば長所として発揮されるのかを理解していなければいけません。
過去の僕も短所にばかり注目していました。
しかし、短所をなくそうとする努力は苦しく、その先には「自分は努力しても変われない」という自己否定しかありませんでした。
短所をなくそうとするのではなく、視点を変えてみましょう。
僕の例をとってみましょう。
「人と長時間一緒にいると消耗して疲れる」という、一見すると短所にしか見えない部分を別の視点から見た場合、どんな長所になるでしょうか?
苦手を克服する努力には意味がない
僕の場合は「1人で物事に没頭できる」という長所に変わりました。
ブログをコツコツ書き、本を出版することができたのも、「1人で物事に没頭できる」という長所があったからです。
ずっと「1人で過ごすのが好き」という“才能”を否定して、しんどくても人の輪の中でニコニコしている自分を選択して生きてきた場合、今の僕は無個性でつまらない人間になっていたでしょう。
僕が今こうして生活ができているのは、自分の才能を長所と捉えることができたからです。
努力は必ず報われるというのは嘘です。
なぜなら、努力は努力でも「苦手を克服する努力」は意味がないからです。
むしろ自分の苦手なことばかりに着目せざるを得なくなるので、自己否定が加速していくだけです。
どんな「得意なこと」も、見方次第で長所にも短所にもなります。ですので、人それぞれ持っている才能に優劣はありません。
大事なのは、自分の持っている「得意なこと」を理解して、上手く活用できるようになることです。
考え方を根本的に変えましょう。「自分を変える努力」は今後一切必要ありません、「自分を活かす努力」を始めましょう。
あなたには、才能が足りないのではありません。持っている才能の使い方を知らないだけです。
ここで、あなたの短所を一瞬で長所に変えてしまう簡単な方法を伝えておきます。
それは「~だからできない」という言い訳を「~だからこそできる」に言い換える方法です。
例えば「人見知りだから、新しい友達がなかなかできない」と考えていたとします。
この「〜だから」を「〜だからこそ」に言い換えてみましょう。
そうすると「人見知りだからこそ、大事な人とじっくり向き合うことができる」や「人見知りだからこそ、一人でじっくり考える時間を取ることができる」と一瞬で長所に言い換えられます。
自分を変える努力はおしまいにして、自分を活かす努力を始めましょう。
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』〈POINT〉
×自分を変える努力
○自分を活かす努力
「長所」を尖らせて代わりのいない存在になる
あなたの長所は、使えば使うほど伸びていきます。
苦手なことを克服するよりもずっと伸びます。
あなたは苦手なことの克服に時間を使い、自信を失ってしまっていないでしょうか?
経営学者のピーター・ドラッカーは「強みだけが成果を生む。弱みは、たかだか頭痛を生むくらいのものである。しかも弱みをなくしたからといって何も生まれはしない。強みを生かすことにエネルギーを費やさなくてはならない」と言っています。
凹んでいる部分を埋めることに時間を割かないでください。その先には無個性な円形になってしまうだけです。
もともと尖っている先端を、もっともっと尖らせることに時間を使いましょう。
その尖りがあなたらしさです。そして、それは仕事で成果を生むものです。
突き抜けた長所があれば「ハロー効果」が働きます。
ハロー効果とは、「1つの点で優れている人を見ると、他の点も素晴らしいに違いない」と想像する効果のことです。
顔が整っている人を見ると、なぜかそれだけで「仕事もできそうだ」と感じることはありませんか? それがハロー効果です。
1つ突き抜けた強みを持っていれば周りから優秀な人だと判断されます。できないことがあっても、それは減点にはなりません。
そして短所を使うよりも長所を使った方が、仕事もずっと充実します。
あなたはまだ自分の短所を埋めて、無個性になる道を選びますか?
それとも、今日から自分の長所を尖らせて、代わりのいない存在になる道を選びますか?
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』〈POINT〉
短所を克服すれば、「人並みの成果と退屈な仕事」が手に入る。
長所を伸ばせば、「圧倒的な成果と充実した仕事」が手に入る。
「やりたいこと探し」に必要な要素を分解する一冊
「自由に生きたい」「好きなことがしたい」「お金が欲しい」「楽しく生きたい」
そういった欲望を要素分解し、本当の「自分に必要なもの」を見極めることが、自己理解のひとつの醍醐味です。
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』で、あなたのなかの思い込みを取り払い、もう一度、自分自身と向き合ってみてはいかがでしょうか。
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