ビジネスパーソンインタビュー
「YouTubeで有名になろうとしたら失敗した」水溜りボンド・カンタが提唱する普通力の正体

むしろ「普通」が成功する。

「YouTubeで有名になろうとしたら失敗した」水溜りボンド・カンタが提唱する普通力の正体

新R25編集部

連載

私のターニングスキル

Sponsored by 株式会社div

2020/08/03

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新しいスキルを身につけたとき、人生が思いもしていなかった方向に進んだり、大きく前進したりすることがあります。

“人生を変える”エンジニア養成スクール「テックキャンプ」と新R25のコラボでお届けする連載「私のターニングスキル」では、テックキャンプを運営する株式会社div 代表取締役・真子就有さんが、さまざまなジャンルで活躍するチャレンジャーに、「人生を変えるターニングポイントとなったスキル(=ターニングスキル)」を伺っていきます。

第3回に登場するのは、大学在学中からYouTubeへの動画投稿をスタートさせ、現在のチャンネル登録者数は434万人!「水溜りボンド」として活躍するカンタさんです

【カンタ】動画クリエイター。「水溜りボンド」として、相方のトミーとともに、ドッキリ、実験、検証、都市伝説、料理など、2015 年の活動開始以来、1日も欠かさず毎日動画投稿。視聴者とのコミュニケーションを大事にし、自然体でつくりあげていくスタイルが人気となり、434万登録を誇る人気動画クリエイターとなっている

毎日欠かさず動画投稿を行いながら、個人名義でミュージックビデオ制作も行うなど、クリエイターとしてもマルチに活躍するカンタさん。

プログラミングにも興味があるとのことで、今回はテックキャンプをオンラインで体験いただいてからの取材となりました。

親しみやすい雰囲気が人気の「水溜りボンド」の動画。カンタさんのターニングスキルもまた、彼の柔らかな人柄を表した言葉でした

カンタさんの人生を変えたターニングスキルとは?

真子さん

さっそくですがカンタさんの「ターニングスキル」についてお伺いしたいです。

これまでの人生を振り返って、自身のターニングポイントとなったスキルや考え方をこちらの色紙に書いていただけますか?

カンタさん

この連載、これまで本田(圭佑)さんやひろゆきさんなど、わりと強めの方が登場されてますよね。僕で大丈夫かな(笑)。

今日の撮影現場はスタッフもいつもよりリラックスしている気が…

カンタさん

よし! できました。

真子さん

では、色紙を見せていただけますか?

「普通力」

真子さん

普通力…!

人それぞれ“普通”という言葉の受け取り方が違うと思うんですが…カンタさんにとっての「普通力」ってどんなイメージですか?

カンタさん

自分の価値観がブレないようにすることです。

収入が増えると身の振り方や考え方が変わることもあると思うんですけど、僕、YouTubeの登録者が400万人を越えても、始めた当初と価値観が変わってないんですよ

真子さん

それはかなり珍しい…

そんなふうに常に変わらない自分でいることが「普通力」なんですかね?

カンタさん

そうですね。

このインタビューを打診されたとき、「自分が秀でてることってなんだろう」って考えたんですけど、全然ないんですよ(笑)。

でも、「普通でいる力」だけは自分の強みとしてお話しできるんじゃないかと思って選びました。

“普通力”に気がついたきっかけは、自分にとって父の声が大切だと実感したこと

カンタさん

僕が、普通力が自分の強みだと気がついたのは、親父の存在がきっかけなんです。

去年幕張メッセで7000人規模の単独ライブをやらせてもらったときに、親父を会場に誘っていて、初めて自分の仕事してる姿を見せようとしたんですよ

真子さん

7000人ってすごいですね。それはお父さんも喜びそうだ…

カンタさん

ただ実は、父は僕がYouTubeで動画を投稿してることに対して、「仕事じゃない、趣味だ」ってずっと反対していたんです。

真子さん

じゃあ、当日の反応は…?

カンタさん

ライブ当日、僕が「今日は父が来てます!」と紹介した瞬間に、客席の親父にライトが当たって…

父の顔を見たら、本当にうれしそうでした

カンタさん

7000人ものお客さんが集まってくれたことには、もちろん感動しました。

でも、僕が一番うれしかったのは、「親父にその空間を見せられたこと」だったんですよ

結局、有名になったり収入が増えたりするより、「親父が自分を認めてくれること」が一番うれしいし、原動力になるって気付いたんです。

真子さん

7000人のお客さんを目の前にしても、その感覚は変わらなかったんですね。

カンタさん

そうですね。同時に改めて、自分が大切にしている人の意見がただの1になっていないことに安心しました

多分、僕が普通に会社員だったとしても、昇格するより親父に「頑張ってるな」って褒められる方がうれしいと思うんですよね。

「もっと有名になりたい」と考えたら、動画編集が楽しくなくなった

真子さん

ちなみにカンタさんは、普通力を見失って失敗した経験ってありますか?

カンタさん

ありますよ。

YouTubeの登録者数が増え始めたころ、もっと有名になりたいと思って、再生回数を稼ぐことを目的にして動画をつくっていた時期があったんですけど、そこを目的にしたら再生回数が伸びませんでした。

結果、編集も楽しくなくなっちゃったんですよね

真子さん

それは、どうしてでしょう?

カンタさん

自分だったらあまりやらないようなことも企画して、作品に自分の信念がなかったんです。自分ではない、視聴者さんの「普通」に合わせすぎてしまったからだと思います。

そこで、「何のために投稿してるんだっけ?」と考えてしまって。

真子さん

YouTubeって再生回数や登録者数が数字としてわかりやすく表れるぶん、視聴者に合わせた企画をつくってしまうこと、ありますよね。

カンタさん

そうなんですよ。「自分らしさ」を保つのって、実はすごく難しい。

ある程度の成果を出すと、「高い服を着なきゃ」「見た目に気をつけなきゃ」って自意識も芽生えてくるじゃないですか。会社に勤めてる人なら、「絶対ミスしないようにしよう」とか。

カンタさん

でも今の僕は、髪はボサボサのまま、ちょっと汚い部屋でカメラに映ります。それがリアルな自分の姿なので(笑)。

そのくらい「普通」な人のほうが、視聴者に共感してもらえたり、逆に勇気を与えたりすることもできるんじゃないかと思うんです。

真子さん

ちなみに僕は、髪もしっかりセットしないとYouTubeには出られないタイプですね…

カンタさん

マコさんはそれでいいと思います(笑)。

普通力を身につけようとするマコさん

MV、写真、プログラミング…新しいチャレンジを通じて自分の「普通」を知っていく

真子さん

カンタさんは、YouTubeのほかにもMVや写真など幅広い分野でチャレンジされていますよね。

今回この取材を打診した時も「プログラミングをやってみたい」ということで実際に受講いただきました。

カンタさん

そうなんです。僕のなかで新しいチャレンジをすることは、自分が何を大切にしているのか価値観を深掘りして、自分の「普通」を知っていく作業なんです

真子さん

どういうことでしょう?

カンタさん

数字の見えるYouTubeではなく、「本当に自由な環境に置かれたときに、自分は何を残すんだろう」という欲求を知るためのチャレンジなんですよね。

真子さん

なるほど。その発想は面白いですね。

真子さん

僕もよく、「制約条件が一切なくなった環境で、自分はどんなことをするのか」と考えるんです。これ、簡単なようで結構答えを出すのが難しいんですよね。

カンタさん

わかります。たとえば、自分がどうしてこの服や家具を選んだのかって、意外と言語化できなかったりするじゃないですか。

特に、SNSを通じていろんな情報がレコメンドされる時代だからこそ、自分の欲求に気がつきにくくなってる気もするんですよね。だからこそ、自分自身を深掘って自分を理解するために、YouTube以外の新しいことにチャレンジしていきたいなと。

真子さん

ちなみに今回、新たなチャレンジの一つとしてプログラミングも体験していただきましたが、実際に学ばれていかがでしたか?

※カンタさんには取材前、1時間オンラインでテックキャンプのプログラミング学習を体験してもらいました

カンタさん

とても楽しかったです。YouTubeでは検索にヒットさせるためにタグを埋め込んでるんですけど、表からはどんなタグがついてるのか見えないんですよ。

ほかの動画クリエイターがどんなタグをつけているのか、自分でHTMLを見て研究していたこともあったんですが、これってプログラミングだったんだと(笑)

真子さん

自分がよく見るホームページや、使っているサービスの裏側を知ることができるのもプログラミングを学ぶ楽しさの一つですよね。

カンタさん

あと、途中でわからない点をオンラインで質問したときに答えてくれたお兄さんがすごく優しかったです(笑)。

テックキャンプではわからない点は、ビデオ通話でプロの講師に質問し放題です

カンタさん

オンラインでいつでも教えてもらえるので、“わからないから”と後回しせずに進められるのがよかったですね。

スキルを得ることの醍醐味は“人生に応用がきくようになる”こと

カンタさん

動画編集って一見難しそうにみえるんですが、勉強さえすれば誰でも7、80点くらいの動画は撮れるようになるんですよね。

今回プログラミングを体験して、このまま一度70点くらいまで頑張れば、あとはどんどん楽しくなるのかなと思えました

真子さん

すばらしいコメントをありがとうございます(笑)。

まさに、プログラミングって“やり切れるか”どうかでしか差がつかないですし、スキル的には難しいものではないと思ってるんです。

カンタさん

本当に、とりあえず飛び込むのって大事ですよね。

カンタさん

僕、ミュージックビデオに挑戦したとき、動画編集をやっていたこともあって、正直すぐできるだろうと思ってたんです。

だけど実際は、撮影に必要な知識が動画編集とは全然違ったので、「こういう感じで撮りたい」というニュアンスが、カメラマンさんにまったく伝わらなくて…初回の撮影ではかなり落ち込みました。

真子さん

これからプログラミングを学ぶ人も、カンタさんのように知識差のある環境に置かれることがあると思うんですけど、どう乗り越えたんですか?

カンタさん

わからないことはわからないって素直に言って、教えてもらいました。「全部知ってるぜ」っていうスタンスだと、ボロが出たときに恥ずかしいので(笑)。

カンタさん

あとは、自分も撮影に関する知識を勉強しましたね。

カメラマンさんと直で話すことによって生まれるものがあるし、自分がカメラのことを知らないまま指示するのって、相手からすると気持ちよくないじゃないですか。

真子さん

たしかに、知識差ってコミュニケーションロスになりますよね。

カンタさん

そういう意味では、スキルを得ることによって応用がきくようになったり、より本質的に物事を捉えられるようになったりした気がします

プログラミングって、今後何をするにも必要なスキルですし、プロフェッショナルとコミュニケーションを取るためにも迷っている人はまず飛び込むべきだと思います。

僕もこれから出す動画で、IT社長と対談する機会があったら、「プログラミングかじったことがあって~」ってドヤ顔で話してるかもしれません(笑)。

数字やまわりの評価だけでなく、自分のなかの欲求や価値観に向き合う方法を見つけることでバランスをとりながら生きていく。カンタさんが教えてくれた「普通力」とは、自分をねぎらい幸せに生きるための力なのかもしれません。

読者の皆さんも、明日からは、今より少し自分の欲求に素直に生きてみてはどうでしょう?

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〈取材・文=宮内麻希(@haribo1126)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉

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