片づけも夫婦関係も“ときめき”を重視しよう

こんまり夫婦が「片づけで夫婦関係も円満になる!」と豪語する深いワケ

ライフスタイル
リモートワークが当たり前になった今、共働きだった夫婦の時間が増えています。

夫婦の時間が増えたことは喜ばしいことではありますが、一方で関係が悪化し「コロナ離婚」という言葉も新しく出てくるようなりました…。

私福田は昨年結婚したばかり。このコロナ禍で関係が悪化することは絶対に避けたい…!と思っています。

そこで、今回はある夫婦に相談させていただきました。

世界40ヵ国以上で出版され、累計1200万部を超える世界的なベストセラーになった『人生がときめく片づけの魔法』の著者である“こんまり”さんこと近藤麻理恵さんと川原卓巳さん夫婦です。

表に出ている部分を見ると、こんまりさんがタレントのように華々しく活躍されていますが、その裏では卓巳さんがプロデューサー兼マネジャーとして活動しており、夫婦でありながらビジネスパートナーだという2人。

まさに現代的なパートナーシップを学ぶのにぴったりではないでしょうか!

夫婦円満の秘訣を聞くと、やはり「片づけ」が関係していました…!

〈聞き手=福田啄也(新R25編集部)〉
左が“こんまり”こと近藤麻理恵さん、右が川原卓巳さん

「片づけ」で夫婦関係もよくなる…!?

福田

福田

お2人は夫婦でありながら、こんまりさんというタレントを川原さんがマネジメントするビジネスパートナーでもあります。

夫婦でビジネスをしていると、衝突のタイミングが増えると思ってしまうのですが、2人はどうやって円満な関係をつくっているのか、教えてください…!
今回は、新婚・福田の超個人的な企画です
川原さん

川原さん

福田さん、「こんまりメソッド」って知ってますか?
福田

福田

もちろんです。片づけのときに、「ときめくかどうかの基準で残すモノを決める」というやつですよね。
川原さん

川原さん

そう。自分が“ときめくかどうか”で片づけをすると、必ず「自分が大事にしていること」が見つかるんです。

たとえばあるIT企業に勤めていた女性が、ときめきにしたがって片づけをしたとき、残った本棚には、社会福祉関係の本がズラリと並んでいました。

それがきっかけで彼女は、「子どもを産んだ女性でも、安心して働ける社会をつくりたい」という自分の価値観に気づいて、会社を辞めて起業したそうなんです。
福田

福田

「自分が本当にときめくことはなんなのか?」が初めてわかったのか…
川原さん

川原さん

そうです。

そしてこの「ときめきに基づく片づけ」は、よい夫婦関係を築くのにもバツグンに効果を発揮するんです!
福田

福田

ええ…!
ここぞと言わんばかりに「片づけ」の話を入れてきた
福田

福田

それはどういうことでしょう? 

家がきれいだと相手の機嫌がよくなる…?
川原さん

川原さん

違います。

「ときめきに基づく片づけ」とは、自分の価値観をはっきりさせること。

価値観がクリアになると、意思決定の基準に自信を持てる

そうすると、パートナーに対して「自分はこういうときにときめくから、こういう2人でいたい」とちゃんと言語化して言えるようになるんですよ。
こんまりさん

こんまりさん

片づけでは「捨てる」という経験をたくさんします。

実はモノを捨てることって怖いことなんですよね。

捨てることで「過去の自分の選択が今の自分とは合わなくなったと認めることになる」ので。

でも、恐れに向き合う経験をたくさんすることで、自分の価値観がしっかりと培われていきます。

日頃からたくさん自分と向き合って感性を磨くことで、夫婦関係においても「お互いが心地よくいるために何をするべきか」が明確になるんですよ。
福田

福田

おお…なんか納得感があります。
川原さん

川原さん

夫婦それぞれが「何にときめくのか」を自覚しているからこそ、ときにはお互いに歩み合うこともできて、心地よい関係性をつくれる…

「片づけ」はまさに、夫婦円満の基礎と言えると思います!
力強いお言葉
福田

福田

夫婦生活で何がときめくのか…それをちゃんと自覚できてなかったかもしれません。

ましてや言語化とかは考えてなかったです。
こんまりさん

こんまりさん

夫婦間の心地よさって絶対に、自分の心のなかではわかっているはずなんです。それをうまく言語化できないだけで。

「片づけ」を通して、ぜひ2人の価値観を擦り合わせてみてください。
さすが世界で支持されているお方のメソッド…

人にはいろいろな人格がある。そのなかで重視するのは「妻という人格」がときめくもの

川原さん

川原さん

あとは、夫婦で役割を徹底して決めていることが大事なのかな。

たとえば僕たち夫婦の場合、ビジネスや会社運営については僕、片づけという領域だと妻の麻理恵さんが決議します。

判断するときに、どっちの意思を尊重するかは早めに決めておいたほうがいいですね。
福田

福田

こんまりさんは経営やビジネスについて、川原さんの方針に口出すことはないと。
こんまりさん

こんまりさん

まったくないですね。卓巳さんの経営の関する視点は、私よりも圧倒的に信頼できると思っているので。

卓巳さんの経営とかマネジメント視点って本当にすごいんです!
トーン高めでアピールしてきた
福田

福田

え〜、でも、こんまりさんが「やっぱりこっちのほうがいいと思う!」みたいな意思を伝えることもありますよね?
こんまりさん

こんまりさん

もちろんあります。

私の場合は「これはいやだ」とか「心地よくない」みたいに感情ベースの判断になるんですけど、それに対して「これは〜という意味がある。麻理恵さんがやりたい方向性につながりそうだよ」みたいに説明してくれるんです。
川原さん

川原さん

麻理恵さんには、3つの人格があるんですよね。

妻としての人格、ビジネスパートナーとしての人格、タレントとしての人格

そのなかでもっとも重視するのが、妻としての人格です。ビジネス面での彼女の人格よりも、プライベートの人格を優先します。

これはどんな人と仕事をするときにも共通する大事なことだと思いますね。
福田

福田

なるほど。いち人間としての価値観を最優先すべきだと。
川原さん

川原さん

そうです。

相手のパーソナリティを認めて尊重したうえで決定しないと、絶対に心の底から納得はできないと思っていて。

だから僕は「妻は何にときめくのか」ということが決まってから、ビジネスやタレント活動の方向性を決めるようにしています。
福田

福田

いろんな人格があるうちの「妻人格」がときめくことを考えてあげる…

これまた納得です。
妻としてときめくことを意識する…メモっとこ

ケンカの仲直りも「ときめき」を重視

福田

福田

とはいえ、2人はケンカすることはないんですか?
川原さん

川原さん

もちろんありますよ。

ただ、僕たちはケンカ→仲直りのループがすごく速いと思っていて。最長で1日くらい。
福田

福田

最長で1日! すごいな…仲直りするコツみたいなものがあるんですか?
こんまりさん

こんまりさん

片づけと一緒です。

「ときめかないで一緒にいる時間」を過ごしてしまうのはもったいない、と考えること。
福田

福田

ここでもときめき…
こんまりさん

こんまりさん

「ときめかない時間」を速く捨てるために、感情をしぼり尽くして相手に向き合うんです。

私も、もともとは相手に何でも言えるタイプじゃなかったんですよね。
福田

福田

どんなきっかけがあって変わったんですか?
こんまりさん

こんまりさん

産後でホルモンバランスがとにかく乱れているときに、仕事がパンパンに入れられていてフラストレーションが爆発したんです。

講演開始の直前に「今日は絶対に講演に出たくない。卓巳さん出て」みたいな。
こんまりさんってゴネるんだ
福田

福田

そのときはどうしたんですか?
川原さん

川原さん

とにかく反論しないで、溜まっているものを聞きました。

「ふざけんなよ」と言って解決する問題でもないので、とにかく「何か言いたそう」と思ったことをとにかく話させて…最後まで話しきったら、ケロッとやる気になってくれました。
こんまりさん

こんまりさん

そういう機会が何度もあったからこそ、今では「疲れた」「今日は家事したくない」「ここが納得できない」などをはっきり言うようにしています。

本当の自分を見せたら嫌われちゃうんじゃないか」っていう恐れは、夫婦間においてはなるべく早い段階で手放したほうがいいと思うんです。
川原さん

川原さん

僕のなかでも、「心地よくない時間を長引かせない」という意識があって。

ケンカしたとき、長引かせたくないからどっちかが「じゃあそれでいい…」みたいに折れるタイミングがあるじゃないですか。絶対納得していないのに。

そういうモヤモヤを残すことのほうがリスクだと思うんです。ウヤムヤにするのは一時的には楽なんですけど、それは避ける。

男性は苦手な人が多いかもしれませんけどね(笑)。
めっちゃうなずいてしまった

最後にちょっとのろけられました

こんまりさん

こんまりさん

あとは、相手に対してときめきいたことをちゃんと言葉にすることですね。

たとえば…「インタビューでいいこと言っている卓巳さん、かっこいいな」とか。
ん?
こんまりさん

こんまりさん

あとは夫婦のタイプにもよりますが、日頃から「好き」って何回も言うのもオススメですね。

私は1日10回くらいは言います
最後の最後に何を聞かされているんだ…
川原さん

川原さん

いや、お互いに「ときめき」を感じるかってことが一番大事なことですよ!

もし麻理恵さんが僕にときめかなくなったら、夫婦生活を続けるべきじゃないと思ってますしね。

そういう日がこないように、常にときめきはちゃんと言葉にして相手に伝えたほうがいいです。
こんまりさん

こんまりさん

いや、今もめちゃくちゃときめいてますよ!

だから安心してください!
福田

福田

あの…僕を挟んでいちゃつかないでください…!
夫婦円満のコツはお互いのときめきを重視すること

“ときめき”と聞くとちょっと照れくさいけど、相手がどんな状態なら心地いいのか、ということを把握するのはできていなかったなと反省しました。

せっかく自宅にいる時間がたくさんあるので、夫婦で「片づけ」から始めてみようと思います。

〈取材・文=福田啄也(@fkd1111)〉

※「こんまり」はKonMari Media, Incの登録商標です。