ビジネスパーソンインタビュー

PDCAを回している奴はチャンスを逃す。スティーブ・ジョブズのように"点"を乱打せよ

堀江貴文著『将来の夢なんか、いま叶えろ。』より

PDCAを回している奴はチャンスを逃す。スティーブ・ジョブズのように"点"を乱打せよ

新R25編集部

2020/10/29

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“将来の夢”なんて言っていないで、今叶えればいいじゃん

起業家・堀江貴文さんは、よく「将来ではなく今やれ」と言います。

しかし、なかなか行動に移せない人は多いはず。

それは無意識のうちに世間の常識に染まりきって、自分に見えない枷をはめてしまっているのが原因なのかもしれません。

堀江さんは、今年9月に上梓した『将来の夢なんか、いま叶えろ。』(実務教育出版)のなかで、多くの人が陥っている固定概念を捨てるよう語りかけます。

私たちが陥っている固定概念とは? そして克服するためにはどうすればいいのか?

同書から一部を抜粋、再構成してお届けします。

PDCAを回していないか?

数字での評価を重視している人は、かなりの割合で目標・計画に縛られている

起業を考えた場合、「お金を貯め、同時進行で技術を学び、1年半後には起業。3年後には社員10人にして、5年後にはオフィスを移転、10年後は上場…」という具合に、細かい段階を踏みたがる。

ビジネスでたびたび説かれる「計画(Plan)→ 実行(Do)→ 評価(Check)→ 改善(Action)」というPDCAの考え方の悪影響だ。

何をするにもまず計画=プランから始めるというのが思考のクセになっていて、迅速な行動を妨げてしまっている。

目標とか計画とか、順序立てて踏んでいく必要なんてない。

やりたいことにゼロ歩でアクセスできるなら、それがベストのはずだ

僕は、計画なんて立てない。目標も持たない。いまやること、最短でできることを常に考え、最速で動きだすと決めている。

もしいま、信頼する人から「1時間後に知的生命体のいる恒星系へロケットを飛ばしますが、堀江さん、乗りたいですか?」と聞かれれば、僕は躊躇せずに「乗ります!」と答え、着の身着のまま発射場に向かう。

戦略的に段階を踏んでマーケットを押さえていくような計画性は、実践では役に立たない。どうせスタートしたら、計画どおりになんか進まないのだ。

PDCA原理主義の人たちが後づけで考えた、ハリボテの成功法則にだまされてはいけない。

「計画を立てることで、リスクを減らすことができる」なんて幻想だ。そんなことを考えている時間がもったいないではないか。

緻密な計画などなくていい。やりたいことを秒で行動に移せる人間が強いのだ。動き出しが早い人間に成功の機会は集まってくる。

スピーディな行動を実現するための知識をインプットしていれば、もはや人生で恐れるものはない。

桃太郎のおばあさんの「ありえない行動」を見習え

みんなが知っている「桃太郎」の話をしよう。

子どものときに親から聞かされて、よく覚えているのは主人公の桃太郎だろう。

だが、本当に注目すべきは、おばあさんだ。

川に洗濯に行ったおばあさんは、上流から「ドンブラコ」と流れてきた巨大な桃を、迷いなく拾いあげた。そして家に持ち帰り、何が入っているのだろう? と、包丁でパカンと真っ二つに割ってみた。すると、可愛らしい桃太郎が誕生した。

昔話のオブラートに包まれてはいるが、おばあさんの行動は完全にぶっ飛んでいる

抱えきれないほどの巨大な桃を素手で拾ってくるだけでなく、家まで持ち帰って包丁で切るなんて、変わり者すぎる。

普通だったら、そんな得体の知れない巨大桃が流れてきたら、ビビって見送ってしまうだろう。仮に拾ったとしても、常人なら包丁を入れるほどの勇気は持てないはずだ。

そうなのだ、おばあさんの「ありえない行動」が、桃太郎の大冒険の始まりとなり、不朽の名作を後世に残したのだ。

ドンブラコと流れてきた桃は、僕の場合はインターネットだった。その桃をビビらずに両手でつかみ、味わい尽くした。

だからこそ、僕はビジネスの世界で早く結果を出せたのだ。

成功したいなら、川上から流れてくる桃は、怖がらずに拾え!

「異常行動」を起こせばいいのだ。みんな、桃太郎のおばあさんになろう!と伝え

たい。

人生の「点」を思いきり打ちまくれ

行動力の大切さを説くとき、多くのビジネスマンが心に留めている言葉がある。

2005年、スティーブ・ジョブズはスタンフォード大学の卒業式で、卒業生たちに向けて演説を行った。そのなかでジョブズは、「Connect the dots」の考え方を述べた。

後に日本でも広まる、「点をつなぐ」思考の原点となる言葉だ。

演説の一部を引用する。

You can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking forward backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.

将来の夢なんか、いま叶えろ。

わかりやすい英語なので、中学卒業程度の英語力でも理解できるだろう。簡単に訳すと、次のような日本語になる。

「未来をあらかじめ予測して、点と点をつなぎ合わせることはできない。可能なのは、後からつなぎ合わせることだけだ。つまり私たちは、いまやっていることが、今後の人生のどこかでつながり、自然に実を結ぶことを信じ(て行動しつづけ)るしかない

僕がこれまで本書で述べてきた、君たちに行動を促す理由が集約されているメッセージだ。

ジョブズの経歴をたどっていくと、彼がいかに多くの「」を打ちまくってきたかが、よくわかる。

大学時代からスピリチュアルに傾倒し、ゲーム会社に飛びこみで入社、友人だったスティーブ・ウォズニアックらと3人でアップルを創業、事業拡大、ピクサー設立、NeXT買収、Maciontosh・iPhoneの発明…輝かしい経歴の一方、多くの人間関係の確執を抱え、プロジェクトの失敗で大損害も出した。

裏切りにも遭ったし、一時は会社も追われた。

それでも彼は立ち止まることをせず、無心に、ひたすらに行動しつづけた。やりたいことにあふれ、落ちこんでいる時間は、1日たりともなかった。

思い描く理想的な世界が、自分の手で、テクノロジーの力を借りて実現していく、「いま」という瞬間の連続に、興奮しまくっていたのだ。

ジョブズの足跡は、人類の文明史に刻まれた無数の「点」だ。

きっと彼は、世界最高の経営者になりたかったわけではないだろうし、お金持ちになりたかったわけでもない。iPhoneの発明に、満足もしていなかっただろう。

ただ「点」を乱打することに、夢中だった

その点が後で勝手に、何らかの意思に則ったかのようにつながって、イノベーティブな成果を生みだす、想定の範囲外の現象が、楽しくてならなかったのだと思う。

56年の短い生涯だったが、彼ほど「点」の数を多く残した人は、ほかにいないだろう。僕もたくさん事業を手がけているから、よくわかる。

思惑通りに物事が進むのもいいけれど、好きなように撒き散らしていた「点」が、まさか! というタイミングでつながり、意外な利益を持ってきてくれる瞬間は、ほかの何物にも代えられない快感だ

誰かではなく自分自身を驚かせる未来のために、たくさんの「点」を打とう

動いて動いて、大人に呆れられるくらい、行動しまくろう。

リスクを恐れて「点」の数を抑えているようでは、将来は窮屈になる。

多くの「点」は、やがて迎える未来の「いま」を描く、太い「線」になる

人生を変える線画をどのようにつくりだすかは、君の行動次第だ。

夢なんていますぐ叶う

堀江さんは同書のなかで、次のようにつづっています。

頭と体がヘトヘトになるまで、没頭しろ。

没頭の力があれば、夢なんていますぐ叶う。

将来の夢なんか、いま叶えろ。

動いた人から夢を叶えていく。これはどんな時世にあっても、変わらぬ真理。

「将来」ではなく、「今」この瞬間の行動から変えていきましょう。

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