メンタリストDaiGo著『超影響力』より

人間は出会って2秒で、好感度を測っている。DaiGoが教える“人を操る”話し方

仕事
「カリスマ」「天才」「インフルエンサー」。

影響力のある人たちには、彼ら特有の才能があるように感じますが…

それに対して「答えはノーです」と唱えるのは、メンタリスト・DaiGoさん

影響力を持つ人が使っているテクニックは、ちょっとした意識で誰でも簡単に学びとれるものなのだそうです。

一体どんなテクニックを使えば影響力を持つ人になれるのか、気になりますよね。

そこで今回は、YouTube登録者数234万人(2021年3月22日現在)、圧倒的影響力と人の心を見透かす力を持つDaiGoさんの著書『超影響力~歴史を変えたインフルエンサーに学ぶ人の動かし方』より、今日から使える「影響力を身につけるテクニック」を抜粋してお届けします。

話し方のテクニック① 真剣に聞いてほしいなら、2秒で好感度を与えよ

・なかなか相手が自分の話を真剣に聞いてくれない

・この話でつかみはOK!と思っていたのに、オーディエンスの反応は冷ややか

・そもそも、こちらの話に興味を持ってもらえない

こうした悩みを持っている人が目の前にいたら、私はすぐにその理由に気づきます。

というのも、人は2秒で目の前の相手の好感度を測っているからです

聞き手は、話し手の見た目、振る舞い、装いなど、表面的な特徴に引っ張られ、話を聞くかどうかを判断するのです。

つまり、あなたが「なかなか相手が自分の話を真剣に聞いてくれない」といった悩みを抱えているなら、その原因は説得力や影響力を発揮するのにふさわしい印象を相手に与えられていないことにあるのです

では、どういう振る舞いを見せれば、「賢そう」「リーダーシップがありそう」「決断力がありそう」「公平そう」といった印象を与えることができるのでしょうか?
・楽しそうな表情であいさつをする

・聞き取りやすい声でゆっくりはっきり話す

・相手の目を見て話す

・背筋を伸ばした姿勢でいる

・メガネをかけている

・相手の話に何度も相槌を打つ

・ジェスチャーを使って説明する

出典 『超影響力』

ここから見えてくるのは、人が相手にポジティブな印象を抱くとき、その指標としているのは、いわゆる「コミュニケーション能力の高さ」だということです。

しかし、逆の見方をすれば、こういった振る舞いを押さえれば、内向的な人でもコミュニケーション能力が高いように演出することが可能なのです。

話し方のテクニック② 聞き手に目を向ければ、頭のよい印象を与えられる

名経営者と呼ばれる人たちのスピーチにおける視線の動かし方を調べた研究があります。

スティーブ・ジョブズ、マーク・ザッカーバーグ、柳井正、孫正義など、彼らトップ経営者はスピーチのうちの90%以上の時間、オーディエンス側を見て話しているのです

すると、実際に目が合っているかどうかは別にして、聞き手は「自分に語りかけている」という印象を受けるだけでなく、彼らの頭のよさを強く意識するのです。

あなたも説得力、影響力を高めたいなら、聞き手の目を見て、オーディエンス側に視線を向けてあいさつをし、話し始めるようにしましょう。

そして、もう一点、深刻な顔で話すよりも楽しげにわかりやすい言葉でゆっくり語りかけるほうが、オーディエンスは好印象を抱くこともわかっています。

賢そうに見せるため、専門用語やカタカナ英語、略語などを使うのは逆効果です。

昭和を代表する政治家である田中角栄は、圧倒的な人心掌握術を持っていました。

その一旦が垣間見えたのが大蔵大臣に就任したとき、学歴エリートの頂点と言っていい大蔵省の官僚を前にしたあいさつにおいてです。
私が田中角栄であります。

皆さんもご存じの通り、高等小学校卒業であります。

皆さんは全国から集まった天下の秀才で、金融、財政の専門家ばかりだ。

かく申す小生は素人ではありますが、トゲの多い門松をたくさんくぐってきており、いささか仕事のコツは知っているつもりであります。

これから一緒に国家のために仕事をしていくことになりますが、お互いが信頼し合うことが大切だと思います。

従って、今日ただ今から、大臣室の扉はいつでも開けておく。

我と思わん者は、今年入省した若手諸君も遠慮なく大臣室に来てください。

そして、何でも言ってほしい。

上司の許可を取る必要はありません。

できることはやる。

できないことはやらない。

しかし、すべての責任はこの田中角栄が背負う。

以上!

出典 『超影響力』

堂々とわかりやすい言葉で自分を印象づける。

賢さを取り繕う必要はありません

話し方のテクニック③ 反対意見を伝えるときは「今のままで満足ですか?」

すばらしい思いつきや絶対の自信は、あなたの視野を狭めてしまうことがあります。

たとえば、こんな瞬間に熱い思いを伝えたものの、周囲の理解が得られなかった経験はないでしょうか?

・企画提案に向け、画期的なアイデアが浮かんだ!

・職場の業務プロセスを一気に改善する方法を思いついた!

・相手の役に立つ商品だから、本気で勧めたい!

話し手本人は、周囲の人にメリットがある提案だからきっと喜ばれるに違いないと思い、 熱く語りかけます。 

ところが、期待していたような反応はなく、聞き手の冷ややかな態度に落ち込む結果に…。

こうした行き違い、話し手の勘違いの原因となっているのは、「社会的証明」です。

あなたにも私にも、経験上、通念上、信じている価値観があり、どのコミュニティにも形成されて長い間継続されてきた「伝統的な考え(=社会的証明)」が存在します。

それは世間一般の価値基準と比べると古かったり、硬直していたり、ズレていたりするかもしれません。

それでも、その人やそのコミュニティにとっては支えとなっている大切な考えなのです。

そこに楔を打ち込むようなメッセージは、たとえそれが正しい意見であったとしても強い反発を受けます。

相手が従っている伝統的な考えを変化させたいときに必要なのは、遠回りです

あなたの画期的なアイデアで聞き手やコミュニティを変えようとするのではなく、相手が自ら考えるヒントを与え、「自己選択」によって変化するように促すのが得策です。

「みんなはこうしていますが、本当にあなたもそうしたいのですか?」

「こんなデータもありますが、それでもあなたは現状に満足ですか?」

「改めて、自分の人生で大事なことは?と考える時間を持ってみませんか?」

ポイントは、問いかけに「今のままで満足ですか?」というメッセージを含ませること。

なぜなら、「今のままで満足ですか?」と聞かれて「満足です」と言い切れる人はほとんどいないからです

話し方のテクニック④ ブラックユーモアで「カタルシス」を与える

今やトップクラスの司会者の位置にいる有吉弘行さんの再ブレイクのきっかけは、先輩芸人や俳優などに忖度せず、失礼ではあるものの、それでいて的確で笑える「あだ名」をつけるラベリングの技と毒舌でした。

なぜ、こうした芸人さんたちが人気を集めるかと言うと、多くの人がブラックユーモアやディスりによってカタルシスを感じるからです

歴史上の偉人たちのスピーチを分析した研究によると、彼らは決して聖人君子ではなく、口汚い言葉も交えたブラックユーモアで笑いを誘い、ライバルをディスってはこき下ろしていたことがわかります。

しかも、それは意図的に行なわれていました。

というのも、スピーチの最初と最後にブラックユーモアとディスりを盛り込むと、オーディエンスがスピーチに耳を傾けるようになり、説得力、影響力が増していくからです

もし、あなたが「チーム内でスピーチをする」「1対1で誰かを説得しなくてはいけない」、「でも、話の内容に自信がない」「語る説の裏づけが弱い」といった状況になったとき、ブラックユーモアとディスりの効果を思い出しましょう。

この作戦を使うとき、注意しなければいけないポイントがあります。

それは、聞き手や聴衆の属するコミュニティをブラックユーモアやディスりの対象にしてはいけない、という点です。

素材として使えるのは、時事ネタやその場にいない人、ライバル会社、ゴシップ、社会制度など、話し手と聞き手の間で共通点のある話題でありながら、直接の攻撃にならないものです。

たとえば、「今日は朝から本当に腹が立って仕方がなかった。あのひどい事件のニュースを見ましたか?」と時事ネタに対する怒りの表明から話を始め、本題について語ったあと、再び「しかし、思い返しても腹が立つ。でも、その怒りをエネルギーに変えてがんばりましょう」といった形で締めます。

すると、間に挟まれていた本題の内容が今ひとつでも、聞き手は熱のこもった話を聞いたような印象を持ってくれるのです。

最初は誰でも影響力ゼロ。DaiGoさんの『超影響力』からテクニックを盗もう

超影響力~歴史を変えたインフルエンサーに学ぶ人の動かし方

超影響力~歴史を変えたインフルエンサーに学ぶ人の動かし方

どちらかと言えば「コミュ障」に近い、内向的な性格だというメンタリストDaiGoさん。

自分の本質的な性格・考え方は変えずに、見せ方や伝え方、表現方法に気を配るだけで、周囲からの評価が変化していくことを実感してきたのだそうです。

そしてさまざまな分野の知識を得る過程で、自分の行動変化から得た効果は、「説得力」と「影響力」によるものだったことに気づきます。

『超影響力』では「説得力と影響力を組み合わせ、人々の行動を促す技術」=「超影響力」として、学術的な研究データから導かれた、誰でも日常的に実践できるテクニックを多数ご紹介。

インフルエンサーを目指す人はもちろん、組織を上手に動かしたい人、よい内定先が欲しい学生まで、必読の1冊です!