ビジネスパーソンインタビュー
冨山 真由著『シャキッ!つい怠ける自分を「科学的に」動かす方法』より
朝「よし!始めよう」と声に出すだけで、仕事スイッチが入る科学的な理由
新R25編集部
リモートワークにより家で仕事をすることになったことで、やる気が出なかったり、オンオフの切り替えができなかったりしていませんか?
日本では数少ない行動科学コンサルタントの冨山真由さんによると、人の行動に着目した分析から生まれた「行動科学マネジメント」によって、在宅ワークでも上手に時間管理・自己管理ができるようになるのだそう。
冨山さんの著書『シャキッ!つい怠ける自分を「科学的に」動かす方法』から、「在宅ワークでも生産性を落とすことなく、効率的に仕事をする方法」を一部抜粋します。
シャキッと在宅ワークできる朝の過ごし方① 起床時間を一定にする
在宅でのリモートワーク。
“通勤して定時までに出社”というルーティーンの行動がなくなったことで、起床の時間が日によってまちまち、という人も多いようです。
その結果、仕事のパフォーマンスが落ちたり、生活のリズムそのものが乱れやがて体調にまで影響が及んでしまうことも。
「毎日同じ時間に起きる」ことは、仕事の面でも健康の面でも、とても大切なことです。
日々の予定がどうであろうと、まずは「毎日、同じ時間に目覚ましをセットして起床」してみましょう。
当たり前のことと思われるかもしれませんが、これが1日のタイムマネジメントの第1歩。
「出社時間が定められている」ということで、ある意味、他人に管理されていた「1日の始まり」=「起床時間」を、自分自身で管理するわけです。
ルーティーンを繰り返し、生活のリズムを崩さない!
そのためには「意志」の力に頼らずに、“目覚ましを定時にセット”という簡単な行動で、体に目覚めのリズムを刻み込んでしまいましょう。
シャキッと在宅ワークできる朝の過ごし方② 太陽光を浴びる
気持ち良く目覚めて、快適な気分で1日のスタートを切るには、「太陽の光」を浴びることがお勧めです。
人は太陽光を浴びることで、脳内の神経伝達物質であるセロトニンが分泌されます。
セロトニンは脳を活発に働かせ、ストレスにも効果があることで知られているものです。
「朝は太陽の光とともに目覚める」ということが、その日1日の仕事のパフォーマンス、ひいては健康な心身づくりに効果絶大なんですね。
やり方は簡単。
朝、起きる時間(目覚ましをセットした時間)に、部屋に太陽の光が入っているようにすればいいだけです。
遮光カーテンを使っている人は、レース内側にレースのカーテンを取り付け、就寝の際に遮光カーテンを少しだけ開けておく。
それだけでいいのです。
また、別に外が晴天でなくてもかまいません。
曇りの日や雨の日でも、外の“光の具合”を体で受けることができればOKです。
自分の脳が「さあ、朝だ!」と認識することで、1日を活動的に過ごす準備が整います。
ちなみにPCやスマホが発する光(ブルーライト)は、日光の紫外線と同じようなものです。
この光を見ているときは、体も活動モードに。
だから、夜寝る前にスマホを見ていると、良質な睡眠が取れないんですね。
寝る前のスマホはNG、にしましょう。
シャキッと在宅ワークできる朝の過ごし方③ 仕事の服に着替える
リモートワークでは、朝起きて、そのままの格好で仕事に取りかかることももちろん可能でしょう。
でも、それでは「仕事モードへの切り替え」=「仕事のスイッチを入れること」が難しいものです。
「さあ、仕事開始だ!」
とスイッチを入れるために、ルーティーン、習慣の力を利用しましょう。
まずは仕事用の服を決めておきます。
出勤時と同じものである必要はありませんが「仕事のときはこの服」というものを用意しましょう。
そして、毎日それに着替える!
まず身なりを整えます。
男性であれば髭をそり、女性であればメイクをします。
これまでの通勤生活で染みついた「出かける際の身支度で仕事モードに切り替わる」というリズムを無くさないようにしましょう。
1カ月ほどこのルーティーンを続けて、それが習慣化されてしまえば、何も難しいことではありせん。
自宅勤務でも「朝の身支度」を欠かさないようにしましょう。
シャキッと在宅ワークできる朝の過ごし方④ 「よし!始めよう」と声に出す
自宅で仕事を始めるとき...。
「なんだかやる気が出ないなあ」なんてこともあるはず。
そんな際に「さあ、やる気を出そう!」と思っても、そんな“意志頼み”では、なかなかうまくはいかないものです。
でも、だからといって「ああ〜、自分は意志が弱いんだなあ」とか「このだらしない性格がダメなんだな〜」とか「やる気が出ないってことは、今の仕事、向いてないんじゃないかな...」なんて落ち込む必要はありませんからね!
「仕事モードへのスイッチを入れる」=「やる気を出す」ためには、ちゃんと「そのための行動」=「具体的なやり方」があるんです。
その一つの方法は...「“仕事の開始”を声に出すこと」。
これだけです。
「さあ、仕事開始―!」
「はい、始めます!」
「よし、やるよ!」
そんな簡単な言葉でOK。
ポイントは「実際に声に出して言う」ということです。
心の中で思うだけでは、効果はありません。
要するに、「仕事を始めますよ」という言葉を、自分の声(音)として自分の耳から聴かせて、脳に「仕事開始」ということを認識させるわけです。
これは行動科学でいう「言語プロンプト」という、自身の行動を強化する手法。
たとえば出社などをしていれば「おはようございます!」なんて元気に声を出して挨拶をすれば、自然と自分も仕事開始のモードになるはずです。
でも周りに人がいない、一人きりの状況では、挨拶の必要もないですよね。
だから、「自分で自分に声をかける」。
自分で自分の脳に指令を与えるわけです。
さあ、あなたの声で、あなた自身の背中を押してあげましょう。
シャキッと在宅ワークできる朝の過ごし方⑤ 「TO DOリスト」をつくる
朝、その日1日にやることを目で「見て」から行動しましょう。
「やることの見える化」=「TO DOリスト」づくりを仕事のスタートにするのです。
もちろんこれは業務開始前に行ってもかまいません。
要は、1日の行動を行き当たりばったりのものにせず、自分の計画に従ったものにするための作業です。
TO DOリストは、細かいもの、きっちりまとめられたものでなくてもかまいません。
大事なのは、このTO DOリストづくりを「仕事始めの作業」としてルーティーン化させるということ。
ダラダラと行わず、5分以内で終わらせるというルールにしましょう。
私がお勧めするTO DOリストのつくり方は、次のようなものです。
シャキッ!つい怠ける自分を「科学的に」動かす方法・その日に行う予定のDO(業務)を期限が近いものから順番に書き出す
・書き出したDOを◯(必ずその日のうちに行うもの)と、×(その日のうちではなくても大丈夫なもの)に分ける
たったこれだけです。
「その日にやること」を頭の中で考えているだけでは、人はどうしても「やれそうなこと」を優先してしまいます。
たとえそれがその日のうちにやらなくてもいいことであったとしても、です。
だから、まずは期限が近いものから順番に書き出し、今日中に「やること」を絞り込みます。
シャキッ!つい怠ける自分を「科学的に」動かす方法
TO DOリストでその日にやることが決まったら、今度はそれらを1日のスケジュールに落とし込みます(この作業は3分程度で)。
スケジュール帳、PC、スマートフォンのスケジュールアプリ等、書くものは何でもかまいません。
まず1日を「午前」「午後前半」「午後後半」と3分割し、その日のDOを割り振ります。
これで「いつ、何をやるか?」を明確にします。
「人(上司などの管理者)に何も言われない」環境では、どの仕事を、どの順番で行うかを決めるのはもちろん自分。
効率よく仕事をするために、毎朝始業時のTO DOリストづくりとスケジュール決定を続け、習慣にしてしまいましょう。
科学的に有効な行動習慣を知って、シャキッ!と在宅ワークしよう
同書では、在宅ワークがはかどる「時間やストレスのセルフマネジメント」から、仕事を円滑にすすめるための「職場コミュニケーション」まで、科学に基づいた行動習慣が紹介されています。
「自宅だとついだらけてしまう...」「集中力が切れやすい」「リモートでもしっかり成果を出したい」という方でも、行動を少し変えるだけでシャキッ!と在宅ワークにのぞめるはずです。
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