岩田松雄著『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』より

カリスマ性なんて上辺の要素。元スターバックスCEOが語る、支持されるリーダーになる方法

仕事
リーダーや社長になるのは特別な人たちだけで、自分には無理だと思っていませんか?

多くの人が描くリーダー像とは、一歩前に出てチームを引っ張っていくカリスマ的な人物のはず。

しかし、ザ・ボディショップの社長やスターバックスコーヒージャパンのCEOを務めた岩田松雄さんは著書『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』で自分のことを「ごく普通のおじさん」と話しています。

ではなぜ、ごく普通のおじさんがトップ経営者になれたのか。

自分の持っている力で“周りに推されるリーダー”になる方法を同書より抜粋してお届けします。

まわりの人から推されて、私は社長になった

おかげさまで、講演をしてほしい、というご依頼をいただくことがあります。

面白いな、と思うのは、会場に入ると、ときどきびっくりした表情を見せる人に出会うことです。

講演の主催者が作成した、講演者である私の資料を読むと、こんなふうに書かれています。

四三歳で初めて上場会社の社長になり、四七歳で「ザ・ボディショップ」の社長に、さらに五一歳で「スターバックスコーヒージャパン」のCEOに就任…。

さぞやすごい人が来るのではないか、カリスマ的な雰囲気を持っている人がやってくるのではないか、と期待しておられたのではないかと思います。

ところが、目の前に現れたのは、ごく「普通のおじさん」。

実際のところ、私はごく「普通のおじさん」なのです。

イメージしていたリーダー像とずいぶん違う、と思われても仕方がないと思っています。

世の中には、リーダーになるために生まれてきたような人もいますが、私はまったくそうではありません。

学校時代を考えても、社会に出てからも、リーダータイプとしてまわりから見られていたわけではなかったと思います。

しかし、そんな私が、まわりの人たちに推されるまま、気がついたらとうとう社長にまでなっていたのです。

まず「リーダーシップ」のイメージを変えなさい

私が強調しておきたいのは、リーダーシップのイメージを変えてほしい、ということです。

リーダーシップといえば、多くの人がイメージするのが、オレについてこい、というカリスマ的な力で、グイグイ人を引っ張っていく、というものではないでしょうか。

強いリーダー
一歩前に出るリーダーでなければいけない、と。

実際、一国のリーダーにしても、企業のリーダーにしても、そうしたカリスマ的な輝きでリーダーシップを発揮する人もたしかにいます。

しかし、それだけがリーダーシップでは決してない、ということです。

私が大好きな書籍に、ジェームズ・C・コリンズの名著『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』(日経BP社)があります。

優れた企業の本当の強さの秘密
とは何か、を検証した本ですが、ここでもリーダーシップについても言及されています。

たしかに、多くの人々がイメージする、カリスマ的な力によるリーダーシップも登場しますが、それは「第四水準」という書き方がされています。

ところが、その上のリーダーシップとして「第五水準」というリーダーシップがあるというのです。

カリスマ性の有無はまったく関係がない。

むしろ、謙虚さを持っている。

何かがうまくいったとしたら、「それは運が良かったからだ」「部下が頑張ってくれたからだ」と受け止める


逆に、うまくいかなかったときには、「すべて自分の責任だ」と捉える

そうした謙虚な姿勢を持ち、人格的にも優れたリーダーを『ビジョナリーカンパニー2』では、「第五水準」のリーダーと定義していました。

私自身、カリスマ型のリーダーにはおそらくなれない。

ならばタイプの違う「第四水準」を目指しても仕方がない。

もし自分が組織の中でリーダーシップを発揮しなければいけなくなるとすれば、この「第五水準」を目指せばいいのだ、と。

何より、それは自分がぜひ目指したいと思ったリーダー像でした。

人を動かすより、まず自分を動かせ

では、「第五水準」のリーダーシップには何が必要になってくるのか、おわかりでしょうか。

私は、まず何よりも持っていなければいけないマインドがあると考えています。

それが、月並みに聞こえるかもしれませんが、「努力をすれば、必ず報われる」と自分を信じる強い気持ちです。

私は大学でも野球部に入って、上級生が少ないこともあり、早くから外野手として試合に出ることができました。

ところが、私は早々に右膝の半月板を損傷してしまうのです。

手術して一年ほどリハビリを強いられました。

復帰にあたって、私はひとつの決意をしていました

幼い頃からずっと野球が大好きだった私が、何より憧れていたのはピッチャーでした。

実は高校時代もピッチャーをやってみたかった。

しかし、同級生のピッチャーが絶対的エースとしていたので、私は早々にあきらめざるを得なかったのでした。

大学でケガから復帰するとき、どうせゼロから始めるなら、自分の夢であったピッチャーを目指そう、と思いました。

そして、ピッチャーを目指したい、と宣言したのです。

まわりからは反対されました。

近畿リーグ一部というそれなりのレベルのチームでしたし、ピッチャー経験も私にはない。

他のポジションなら試合に出られるのに、何もわざわざピッチャーなんて、やる必要はないじゃないか、と。

実際その通りでした。

まったくの鳴かず飛ばず。

たまに練習試合で投げさせてもらうけれど、やっぱり抑えられない。

ただ、あきらめず練習だけは黙々とやっていました。

夏場の1000本ダッシュや、練習が終わってから必ず五キロ走っていました。

新チームではキャプテンから新人監督を頼まれもしました


新人たちを指導しながら人一倍練習を続けました。

そんな姿を、認めてくれたのだと思います。

チームメイトが、三年生の秋の最終戦に岩田を投げさせてやってくれ、と試合当日に監督に進言してくれたのです。

うれしかった。

私は相手打線を二点に抑えて完投し、勝ち投手になることができたのです。

大きな成功体験でした


地道にコツコツ頑張っていると、誰かが見てくれている

どこかで花開く、という思いが私の中に確実にインプットされたのでした。

コツコツとした地道な努力がどうしてできるのか。

それは、頑張ればきっといつかその努力が実を結ぶと信じられるからです

それを信じることができれば、努力をコツコツ続けられるのです。

リーダーといえば、ともすれば、人を使い、人を動かすことをイメージしてしまう人も少なくないと思います。

しかし私は、人を動かす前に、自分自身を動かす必要があると思っています。

人を治める前にまず、自分を修める必要があるのです。

自分を修めることもできないのに、人を治められるはずがありません。

私自身、完璧にできてきたのか、と問われたらまったく自信はないのですが、それでも自分を修めようという意識を常に持っていました。

自分を修めることが、「第五水準」のリーダーには、まずは問われてくる
のだと思います。

我こそがリーダーだ、などと思わなくていいし、示さなくてもいいのです。

自分で自分を修めようと努力し、自分でコツコツ頑張って自分を高めていくと、まわりから推されてリーダーになっていくのです

部下は、上司の人間性を見ている

部下は上司をよく見ています

そして見ているのは、仕事ぶりばかりではありません。

その人間性こそ、しっかり見ていると私は思います。

カリスマ性があるとかないとか、リーダーシップがあるとかないとか、そういうことは上辺だけのこと
だと私は思います。

日産自動車で強く印象に残った上司がいました。

私は入社三年目、販売応援で一年半、販売会社で車の飛び込みセールスを行う仕事をしていました。

その販売会社の社長は、日産自動車本社から出向されていたのですが、「オレはこの販売会社に骨を埋める」とおっしゃっていました。

多くの人が日産自動車本社での出世を目指し、出向しても早く本社に戻りたがる中で、この発言に覚悟を感じました。

でも、それだけに販売会社の人間にはうれしい言葉だったはずです。

かっこよく、素敵な人だ
、と私も思いました。

やっぱりこういう人格者は、まわりがしっかり見ているのでしょう。

後にこの人は本社に呼び戻されて販売トップの常務になられました。

ところが、突然電話がかかってきて、「ちょっと来てくれ」と言われ、何かと思ったら、「これがよくわからないから、意見を聞きたい」と言われたりする。

日産自動車の営業のトップです。

それだけのポジションになっても、偉ぶるところはまるでなく、セールス時代と同じような感覚で私に声をかけてくださっていたのでした

まわりに推されるリーダーとは

「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方

「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方

同書では、岩田さんの経験を基に、周りに推されるリーダーになるノウハウが具体的に紹介されています。

常に強調されているのは、リーダーシップとは生まれつきのものなどでは決してないということ
我こそがリーダーだ、などと思わなくていいし、示さなくてもいいのです。

自分で自分を修めようと努力し、自分でコツコツ頑張って自分を高めていくと、まわりから推されてリーダーになっていくのです。

出典 「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方

「ついていきたい」と思われるリーダーになる第一歩として、まず、同書を参考に自分ができることから努力してみるのはどうでしょうか。
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