

澤田智洋著『わたしの言葉から世界はよくなる コピーライター式ホメ出しの技術』より
日本初の総理大臣は“褒めの天才”が輩出した。部下を活躍させる3つの「ホメ出し」術
新R25編集部
「ホメるのが苦手」「どうホメてよいかわからない」「セクハラにならないか心配」など、ホメることが難しいと感じる瞬間はありませんか?
そんなとき、コピーライター・澤田智洋(さわだ・ともひろ)さんが実践する思考法「ホメ出し」で、悩みを解決できるかもしれません。
澤田さんの著書『わたしの言葉から世界はよくなる コピーライター式ホメ出しの技術』から、部下を「ホメ出し」して育てるノウハウの一部を抜粋してお届けします。
この記事はこんな人におすすめ(読了目安:5分)
・部下のホメ方に悩む上司
・活躍する人材を育てたいリーダー

部下は「ダメ出し」ではなく「ホメ出し」で伸ばす
「ホメ出し」とは、意図的に、相手に祝いの言葉を贈るという概念です。
企業では上司が部下の働き方にダメ出しをし、OB訪問では社会人が学生にダメ出しをしています。
「ホメ出し」は、「ダメ出し」のそれとは真逆なのです。
相手の粗探しをしたり、否定的・批判的な言葉を投げつけたりするのではなく、徹底的に相手の魅力を観察し、発見し、そして言葉にする。
ダメ出しから、ホメ出しへ。
適切なホメ言葉は、相手にいい未来をプレゼントし、風通しのいい人間関係につながり、なにより社会にいい空気をつくります。

吉田松陰はホメ出しの天才だった
私が天才だと思う人物がいます。
吉田松陰です。
言わずと知れた長州藩の思想家で、明治維新に進んでいく日本の中でもがき続けた歴史的人物。
「諸君、狂いたまえ」というワイルドな発言や、黒船で密航しようとした奇行など、エキセントリックな人として記憶している人も多いかもしれません。
でも、吉田松陰のすごさは、その激しさだけではありません。
江戸末期に吉田松陰は、かの有名な松下村塾をつくります。
教育期間はわずか1年ですが、高杉晋作、伊藤博文、山県有朋など、明治維新で活躍めざましい若者たちを輩出したのです。
どうしてこんな短期間で、傑出した人物たちが巣立っていったのでしょうか?
それは、「ホメ出し」が効いていたからだと私は想像します。
実は吉田松陰は、松下村塾から巣立っていく塾生たちに、必ず手紙のようなものを送っていました。
松蔭との出会いのエピソードから始まり、本人の性格や長所を指摘し、生き延びるための術があり、決別の言葉で締める。
これは、冷静に分析した相手のよさを手紙で贈るホメ出しなんです。
読んでみるとびっくりするのですが、驚くほど細かい点を突いているんです。
その弟子に贈った言葉には、それぞれ何度も推敲した跡があったそうです。
つまり、この手紙でどう相手をホメ出しするかが、塾生たち、ひいては日本の運命を左右するのだと理解していたのでしょう。
ああ、私も吉田松陰先生に、ホメてもらいたかった。

部下をホメ出すコツ① 相手の中に「道」を見出す
ホメ言葉には多様なパターンがあるのですが、その中の一つが、リーダーシップのあるホメ言葉です。
では、どうやったら、この言葉を意識的に贈ることができるでしょうか?
ポイントになるのが、相手の中に「道」を見出すということです。
剣道、花道、柔道、などに代表される「道」のことです。
ある結果に向かって進むとき、人は、その人らしいプロセスを踏みます。
それが「道」というものです。
リーダーシップのあるホメ言葉とは、「道」に光を当て、成長を促すものなのです。
例えば子どもがサッカーでシュートを決めたときに「結果」にだけ注目してしまうと、「いいシュートだったね!」とホメることになります。
もちろんそれもいいですが、そこで満足して、成長が止まってしまう場合があります。
できれば、なぜそのシュートにいたったのか、にスポットライトを当てるべきなのです。
「自分のプレイ動画を繰り返し見て研究した」など、そこには何らかの「道」が必ずあります。
その流儀を、ホメ出しするのです。
「自分の動画を何度も見て、傾向と改善点を見出していたね。なかなかできることじゃないよ。すごいね」。
そうすると、ホメ出しされた相手は、その道をさらに極めようとするでしょう。
相手に道を示すから、リーダーシップのあるホメ言葉なのです。
リーダーシップのある言葉を相手に贈るためには、誰もがまず「ホメ道」を極める必要があるのです。

部下をホメ出すコツ② ポジ転
つづいて「ポジ転」。
これは、マイナスを反転させて、ポジティブに伝えるという表現法です。
口下手なのは聞き上手、落ち着きがないのは行動的、仕事に時間がかかるのは丁寧にやっているから。
など、すべてのマイナスはポジティブ転換することができます。
いくつかポジ転系のコピーを見てみましょう。
わたしの言葉から世界はよくなる コピーライター式ホメ出しの技術青春がないのも、青春だ。(MATCH)
間食も仕事の内。(SOYJOY)
ここでポイントなのが、「ポジ転は見方次第」ということです。
人の価値観は、ある意味では人が勝手に決めています。
だからこそ、あなたも、価値観を上書きしていいのです。
この「ポジ転」は、相手が自分のことに悩んでいて、その思いを吐露してきたときが出番です。
相手が自分に非があると思っている、弱気になっている、自信を失っている。
そんなときに是非、ポジ転系ホメ出しをプレゼントしてください。
そのホメが、相手の人生を支えることがあります。
今たまたまネガティブだと思われている要素も、どんどんポジ転すべきなのです。

部下をホメ出すコツ③ 締め切りドリブンで考える
ちなみに、人の行動を促す大切な要素があります。
それは「締め切り」です。
ふだん私はクリエイターとして広告やスポーツなどをつくっているのですが、締め切りがなければ永遠にソファに寝転がってプリングルスを食べているでしょう。
だからこそ誰かにホメ出しする際にも、自分の中で締め切りを設定するとよいのです。
3人の部下たちと30分打ち合わせをするときに、「この30分で必ずそれぞれに1回はホメ出しする」と自分のアジェンダに入れてしまう。
シーンは何でもよいのですが、とにかく自分で自分に締め切りを課す。
それが、相手を魅力的に捉える「惚れレンズ」を装着することにつながり、結果として観察魔に変身することができるのです。
広告コピーに学ぶ「ホメ出し」のテクニック
「ダメ出しから、ホメ出しへ」
「ホメ出しすることにより、前向きなドミノ倒しの連鎖がはじまる」
同書では、広告キャッチコピーからホメ出しの技術をわかりやすく紐解いていきます。
明日からホメたくなる技が存分に詰まった一冊です!

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