ビジネスパーソンインタビュー

家計簿は「ポケモンGO」のような体験に。次世代型フィンテックを知っているか

児玉隆洋著『未来のお金の稼ぎ方』より

家計簿は「ポケモンGO」のような体験に。次世代型フィンテックを知っているか

新R25編集部

2022/08/06

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2018年に起業し、現在は4年で2万人が受講するお金のトレーニングスタジオ「ABCash(エービーキャッシュ)」を運営する児玉隆洋(こだま・たかひろ)さん

お金とテクノロジーを熟知した児玉さんが、“ミスター金融教育”として次世代のお金のスキルを伝授する著書『未来のお金の稼ぎ方』(幻冬舎)を上梓しました。

同書のなかで児玉さんは、「Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた『フィンテック』の動きが今後さらに活発になる」と言います。

まだまだ馴染みの薄いフィンテックですが、今後どのように私たちの生活と結びついていくのでしょうか?

次世代型フィンテックの事例と、今後の可能性について一部抜粋してお届けします。

コンタクトレンズで家計が見える「AR(拡張現実)」

今、非常に注目されているテクノロジーがARです。

ARは拡張現実と言われ、現実の世界にデジタルコンテンツをプラスして見せるという技術。

「ポケモンGO」をイメージすると分かりやすいと思います。

ポケモンGOはスマートフォンのカメラ越しにポケモンを登場させ、まるで家の中や道路上にポケモンが現れたかのように見えます。

ちょうどあの感覚です。

このAR技術をいち早く取り入れたのがニュージーランドのウエストパック銀行です。

顧客はARアプリが入ったスマートフォンのカメラをクレジットカードやデビットカードにかざす。

すると、残高や明細、どんな支出が多いかまでを画面に表示。

お金の流れを瞬時に把握できます。

ブラウザを開いていちいちログインしたりせず、知りたいときにすぐ確認できる、利便性の高いサービスです。

DNAが欲する「少しでもラクをしたい」を叶え、一歩進んだ快適な操作性は、まさに次世代のフィンテックといえるでしょう。

ARはアプリだけでなく、スマートグラスコンタクトレンズも開発されています。

これらを身につければパソコンやスマートフォンすら不要に

まるで映画のように空中に浮かぶデジタル情報を、手でササッと操作するようになるのは、もう時間の問題です。

支払いに“新しい価値”が誕生「グリーンフィンテック」

SDGsを進めるフィンテックも世界的なトレンドです。

ユーザーの利用と、環境への支援を連動させるもので、「グリーンフィンテック」と呼ばれます。

たとえば、アメリカの「Aspiration(アスピレーション)」というスタートアップ企業では、ユーザーがカードで支払いをすると植樹が行われるというフィンテックサービスを提供。

ユーザーは自分の買い物で植樹を支援することができ、支払いそのものに新たな価値が生まれています。

あの俳優のレオナルド・ディカプリオも出資するなど、注目を集めています。

これらのサービスも「いいことをしたい」という、人がもともと持っている欲求を刺激している点で共通しています。

日本でもグリーンフィンテックは推進する方向で、東京都はデジタルとグリーンをキーワードとする「『国際金融都市・東京』構想2.0」を掲げています。

今後、グリーンフィンテックはITの中でも成長が期待される分野であることは間違いありません。

絆とお得を両立させる「連帯協力型フィンテック」

グリーンフィンテックもそうですが、「いいことをしたい」というDNAをとらえるサービスは今、かなり増えてきています。

アメリカの住宅用家財保険サービスの「Lemonade(レモネード)」もそのひとつです。

この保険はまず、アプリのユーザビリティが秀逸です。

顧客とのやりとりはすべてAIやチャットボットが行い、保険金の支払いは最短3分。

保険金請求手続きのストレスを徹底的になくしています。

ただ、相手が機械で保険金もすぐ下りるとなると、不正請求が増えるリスクもあります。

そこでLemonadeが作ったのが、連帯協力という仕組みです。

どんな仕組みかというと、まず加入時に複数人のグループを作成。

1年間、誰も保険金を請求しなければ翌年は全員分の保険料がディスカウントされます。

さらに、使わなかった保険料の一部はチャリティ団体に寄付されるのです。

自分のリスクに備えるというだけでなく、寄付という社会貢献もセットで実現できる

これがこのソーシャルインシュアランスの仕組みです。

この新しい保険スタイルはアメリカで急速に広がり、2020年には上場。

ソフトバンクも出資しています。

子どもが自らお金を学ぶ「金融教育フィンテック」

私も注目しているフィンテックに、アメリカ発の「Greenlight(グリーンライト)」があります。

親が管理できる子ども向けのデビットカードで、飛躍的に成長し、スタートアップの中でもごくまれな、評価額23億ドル以上を誇るユニコーン企業となりました。

Greenlightもユーザビリティが秀逸です。

基本的な使い方は、アカウントを登録すると、まずデビットカードが発行されます。

親は子どもにこのデビットカードを持たせてお小遣いをチャージします。

カードはアプリと連携しているので、親は子どものお金の使い方を追跡・管理できる仕組みです。

ポイントは親子でお金の話が自然とでき、子どももお金を主体的に学べることです。

子どもがアプリ内のお手伝いリストからお手伝いを実践したら、親からお金がオンラインで振り込まれる。

自分で貯めたお金をアプリ内から好きな団体に寄付することも可能です。

単利や複利についてもアプリで学べ、実際に用意されている銘柄に少額で投資することもできます。

小さいうちから稼ぐ、使う、増やすといった基本的なパーソナルファイナンスを、すべて実体験で学べるというのが非常に画期的だと思います。

Greenlightは子の幸せを願うというDNA的欲求と、テクノロジーユーザビリティを高いレベルで融合させているので、またたくまにアメリカの家庭に広がっていったのです。

ゲームでお金を稼ぐ「GameFi」

最後に、最近注目を集めているGameFi(ゲームファイ)についてもご紹介しましょう。

フィンテックサービスやアプリの名称ではなく、ゲームとファイナンスを組み合わせた造語で、ゲームをしてお金を稼ぐという新しいカテゴリーです。

具体的にはユーザーはNFTのゲームをプレイすることで、実際に暗号資産を稼ぐことができます。

たとえば、シンガポールのデジタルエンターテイメントアセットというベンチャー企業が運営する「JobTribes(ジョブトライブス)」は、無料で遊ぶことができるカードバトル型ゲームです。

カードごとに強さの違いがあり、手持ち札は対戦相手、自分ともにそれぞれ6枚。

対戦相手を倒したらコインが手に入ります。

そのコインを会社が発行する暗号資産に交換することで、お金が入る仕組みです。

運営側がお金を払っていたら、会社は赤字では? と思われるかもしれませんが、多くの人がゲームに参加し、アイテム購入などの目的でコインが各取引所で購入されるので、それが儲けになるのです。

もちろん、強いカードの販売も行っているので、課金も見込めます。

ユーザーはゲーム内で得た暗号資産を、交換業者を通じてリアルな世界のお金に換えることもできます。

実際、ゲームの世界でお金を稼ぎ、そのお金をリアルの世界の生活費にするプレイヤーも現れています

激動の時代の“ブレないお金のスキル”を知る一冊

テクノロジーの急速な進化により、長く親しんだ紙幣は形を変え、その使い方や稼ぎ方も新しいステージへ進む。

そんなお金の新しい時代に最低限必要なのは、お金の本質を理解し、お金とテクノロジーのメガトレンドを知っておくことだ。

未来のお金の稼ぎ方 お金が増えれば人生は変わる

Web3時代。私たちの働き方だけでなく、お金そのものの形も変わることが予想されます。

同書は、これからくるメガトレンドや、激動の時代でもブレないお金のスキルを教えてくれる一冊です。

マンツーマンのトレーニングでさらにお金に強くなりたい人は、児玉さんの運営する「ABCash」のHPものぞいてみてください。

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