ビジネスパーソンインタビュー

「僕に“監督”は似合わない」BIGBOSS・新庄剛志が意識するリーダーのあり方

新庄剛志著『スリルライフ』より

「僕に“監督”は似合わない」BIGBOSS・新庄剛志が意識するリーダーのあり方

新R25編集部

2022/03/02

X
FacebookLINE

この記事をシェア

リンクのコピー

現役引退後13年間野球界から離れ、2022年北海道日本ハムファイターズの監督に就任したことが記憶に新しい新庄剛志さん

そんな新庄さんが自身を徹底的に掘り下げた監督就任後初の書籍、『スリルライフ』が発売されました。

「意外と丁寧、意外と礼儀正しいと言われませんか?」「なぜ整形をやり続けるんですか?」「新庄剛志は天才ですか?」…といった、人として、そしてリーダーとしての新庄さんの思考と素顔をたっぷり知れる内容です。

今回は、世間が注目する「新庄流リーダー論」の裏側にある思いをピックアップしてご紹介します。

Q.なぜ「監督」ではなく、「BIGBOSS」?

監督という「きちんとした人」というイメージが似合わないから

そんなふうに思ったので、何か違う呼び方がないかと思ったときに、バリ島でまわりの人から呼ばれていた「BIGBOSS」という言葉が浮かんだんです。

まわりの人に相談したらみんなおもしろいと言って、BIGBOSSの肩書で名刺まで作ることになった。

僕としては、ここまでこの言葉がみんなに“刺さる”とは思っていませんでした。

ただ僕が伝えたかったのは、今までみんなが思い描いてきたようなプロ野球の監督とは違うことをやるよということ。

その気持ちをBIGBOSSという呼び名や、監督就任記者会見の衣装で表現したつもりです。

ただ来年になったら、また違う呼び名を考えているかもしれません。

グレートボス」とか、「スーパーボス」とか。

毎年呼び名が変わる監督もおもしろいと思いませんか?

Q.仮装などのパフォーマンスもどんどんやっていく?

自分が目立つようなパフォーマンスは考えていません

シーズンが始まったらやっぱり主役はプレーする選手。

新庄っておもしろいなということは、野球の作戦面で見せられればと思っています。

僕が現役のときにやっていたようなパフォーマンスは、結構準備するのに時間や手間がかかるんです。

それよりももっと簡単なのが、選手たちが試合で感情を爆発させることだと思っています。

うれしければどんどんガッツポーズをすればいいし、悔しければ思い切り吠えればいい。

最近は、ガッツポーズをするのは対戦相手に失礼だという風潮がありますが、相手に向けたものや侮蔑する気持ちがないガッツポーズなら、僕は問題ないと思っています。

選手たちにはどんどん感情を爆発させてもらって、ファンの方にもそれを共有してもらうことで、選手とファンが一体になり、大きな力を生み出す

それはどんなパフォーマンスよりもチームを盛り上げていくと思っています。

もしそのガッツポーズで相手チームからクレームがあるようなら僕が謝ります

選手たちにはそんなことを気にせず、感情のままにプレーしてほしいと思っています。

Q.若い選手たちを指揮するうえで気をつけていることは?

とにかく褒める

まだそれぞれの選手の性格がわからないので、まずは褒める。

褒められてうれしくない人はいないでしょ。

「すごいね」「君がナンバー1だよ」とか言って、“その気”になってもらう。

ただ、少し厳しい言い方をしなければ伸びない選手もいるだろうし、あえて声をかけないことで奮起する選手もいると思います。

そのあたりは、キャンプ、シーズンを通して、把握していきたいと思っています。

Q.コーチ陣にはどんなことを求めますか?

選手に対して「教える」のではなく「手伝う」という気持ち

選手がしてほしいことを率先してやってあげる。

選手がアドバイスを求めてきたら、自分なりにアドバイスをする。

選手に対しては、そういう姿勢でいいと思います。

僕が求めることは、選手の調子、特にメンタルの部分をしっかり把握してほしいということ。

僕が選手起用を考えるときにいちばん気になるのがその選手が今どういうメンタルにあるかということになる気がします。

だからコーチには、いちばんそばで選手を見て、彼らが今どういう状態でどういうことを考え、何に悩んでいるかをつかんでいてほしいですね。

Q.「理想の監督像」はありますか?

勝つとか優勝するとか、それだけを目指さない監督

それよりも野球というスポーツを通して、世の中を明るくしたり、元気にしたりということを第一に考えています。

僕は12球団のひとつ、北海道日本ハムファイターズの監督にすぎませんが、頭のなかではプロ野球と社会の接点というかつながりをどう作っていくかということをすごく考えています。

具体的にはこれからですが、たとえばエンタメ、地域社会、ビジネス、教育などの世界ともっとつながりを作って、プロ野球の外からもどんどん盛り上げていけるようになったらいいなと。

これまでもそういう取り組みはありましたが、もっとこちらから働きかけて、少しでもプロ野球に関心を持ってもらえるようになっていければと思っています。

そのために何より大切なのが、ファイターズが魅力あるチームになること

これまで野球を見たことがなかった人たちにも、おもしろい、楽しいと思ってもらえる野球をするチームを作ることが、自分の最初の仕事だと思っています。

テレビでは語られない、新庄剛志の素顔が詰まった監督就任後初の書籍

新庄さんの“スリル”のひとつである「監督への挑戦」を語った『スリルライフ』は、「ワクワクした人生を送りたい」と感じている人におすすめしたい一冊。

「BIGBOSS新庄剛志のストーリーは、今始まったばかり。ひとりでも多くの人

が、このストーリーに参加し、僕と一緒にスリルを味わってもらえたらうれしい」と述べているとおり、読むことでスリルを追体験できるはずです。

ビジネスパーソンインタビュー

またスゴいことを始めた前澤さんに「スケールの大きい人になる方法」を聞いたら、重たい宿題を出されてしまいました

またスゴいことを始めた前澤さんに「スケールの大きい人になる方法」を聞いたら、重たい宿題を出されてしまいました

新R25編集部

【不満も希望もないから燃えられない…】“悟っちゃってる”Z世代の悩みに共感する箕輪厚介さんが「幸せになる3つの方法」を伝授してくれた

【不満も希望もないから燃えられない…】“悟っちゃってる”Z世代の悩みに共感する箕輪厚介さんが「幸せになる3つの方法」を伝授してくれた

新R25編集部

「実家のお店がなくなるのは悲しい… 家業を継ぐか迷ってます」実家のスーパーを全国区にした大山皓生さんに相談したら、感動的なアドバイスをいただきました

「実家のお店がなくなるのは悲しい… 家業を継ぐか迷ってます」実家のスーパーを全国区にした大山皓生さんに相談したら、感動的なアドバイスをいただきました

新R25編集部

「俯瞰するって、むしろ大人ではない」“エンタメ鑑賞タスク化してる問題”に佐渡島庸平が一石

「俯瞰するって、むしろ大人ではない」“エンタメ鑑賞タスク化してる問題”に佐渡島庸平が一石

新R25編集部

社内にたった一人で“違和感”を口にできるか?「BPaaS」推進するkubell桐谷豪が語るコミットの本質

社内にたった一人で“違和感”を口にできるか?「BPaaS」推進するkubell桐谷豪が語るコミットの本質

新R25編集部

【仕事なくなる?そんなにすごい?】“AIがずっとしっくりこない”悩みへのけんすうさんの回答が超ハラオチ

【仕事なくなる?そんなにすごい?】“AIがずっとしっくりこない”悩みへのけんすうさんの回答が超ハラオチ

新R25編集部