ビジネスパーソンインタビュー
堀江貴文著『非常識に生きる』より
ホリエモンが「ビジネスパーソンは“子ども”のままでいるべき」と主張する深いワケ
新R25編集部
「非常識は、誇りある称号だ」
実業家・堀江貴文さんの主張です。
ロケットの打ち上げや和牛ビジネスの海外展開など、やりたいと思ったことを次々と実行できているのは、「素人ができるわけない」「やめた方がいい」という言葉に一切耳を貸さなかったからなんだとか。
周囲の意見に屈することなく生きるにはどうすればいいのか?
堀江さんの著書『非常識に生きる』から、他人に縛られずに自分の人生を歩むための「非常識な生き方」について一部抜粋。
「子供のまま生きること」「所有欲の正体」「人間関係のコツ」について3記事でご紹介します。
自分自身だけは、絶対に捨てるな。
起業して以降、年長のビジネスパーソンたちから何度となく「大人になれよ」と言われてきた。
彼らが言う大人とは、空気を読んで自分の意見を封じ、すすんで思考停止のプロセスに入っていける人のことだ。
僕は、そんな大人になんか、決してなりたくなかった。
2004年頃から起きたライブドア事件がひと区切りついた後、周りから「村上ファンドの村上世彰さんみたいに、世間に詫びを入れていたら、許してもらえたんじゃないか?」と言われた。
反論はしない。
そのとおりだと思う。
親しい人からも「堀江自身が詫びることはないけれど、世間が誤解しているホリエモンのイメージを払拭するために、お詫びしなさい」と言われた。
ややこしい構図ではあるが、裁判での量刑を軽くするには、一番効果的な方法だったかもしれない。
頭では理解できていた。
でも、絶対にやりたくなかった。
悪いことを何もしていないのに、なんで頭を下げなくてはいけないの?
ちっとも罪を理解できないで、形だけ、世間につむじを見せて「謹んでお詫びを申し上げます」なんて、絶対に言いたくなかった。
村上さんはそこを演じられる人なのだ。
状況によって巧みに演じられる、大人だった。
それが彼のスタイルだとしたら、意見はない。
でも、僕には決してできない。
自分に嘘をついて四方丸く収めるのが大人だというなら、自分の信念に従い、抵抗し続けた僕は子どもだったのか?
子どもでいることは、有罪になるような悪だったのか?
ライブドア事件で執行猶予を得るために、外面だけ土下座して内心は笑っているような、自分の「ねつ造」だけは、したくなかった。
前科がつくことになっても、僕が僕自身に嘘をつき、肌感覚で「嫌だ!」ということを許してしまったら、激しく後悔するとわかっていた。
もしあのとき謝っていたら、罪が軽くされて後にビジネスで大儲けしたり、何億円ものお金を再び得たとしても、僕は生涯、後悔から逃れられなかっただろう。
僕は僕であることを、捨てたくなかった。
捨てないで、正解だった。
人生で、決して捨ててはいけないもの。
それは、自分自身だ。
自分自身とは、己の存在意義のようなもの。
生きている意味を支える、心の根幹だ。
目先の体裁やしがらみに屈して捨ててしまわない限り、誰にも奪われない。
家や車や宝石なんかより、もっと価値のある、不朽の財産だ。
人は苦境に直面して、自分自身を捨ててしまう誘惑にかられることもあるだろう。
だが、捨ててしまったら、肌感覚に喪失感と後悔が入れ墨のように深く刻まれる。
そんな人生を、僕は送りたくなかった。
引き換えに、収監されたとしてもだ。
長い裁判で、人間関係や財産など、いろんなものを奪われた。
だけど自分を捨てることだけは、踏みとどまれた。
それだけで僕は、勝利した気持ちだった。
大人には、ならなくてもいい。
「いいものはいい、嫌なものは嫌だ!」という肌感覚に従おう。
従えなかった後悔は、お金や成功では、決して取り戻せない。
抵抗していれば、たくさん叱られるだろうし、批判もされる。
ぜんぶ無視だ。
言う側は、いずれ飽きる。
他人は、あなたが大人になれるかどうかなんて、興味ないのだ。
子どもの感性のまま、自分が自分であることを、貫いてほしい。
「没頭」が多くの出会いを生む。
これまで学生時代、経営者時代を通して親や教師、年長の大人の教えに従ったことは、一度もない。
僕が従っていた相手は、何かにのめりこんでいく自分自身だった。
のめりこみ、没頭しまくる。
気がついたら何時間も、何日も経っていることは、しょっちゅうだ。
没頭が、僕を多くの遊びやビジネスとの出会いに導いた。
お金や学び、そして生きていく楽しさを教えてくれたのは、家庭や学校ではない。
没頭体験がすべてだ。
自分は特に優れた才能や能力を持っているとは思わないけれど、没頭力だけは、誰より抜きん出ているかもしれない。
多くの人たちは、自分の行く道を見失っている。
意識的に、動き出せばいいのだが、何をしたいのか、何を求めているのか、本心の見きわめが不足のまま動き出しても、動き出した「気分」のまま留まってしまう。
「気分」では、没頭が足りないのだ。
だから何も、実にならない。
自分への問いかけを終えて動き出せば、必ず実になるまで、没頭できる。
「こんなのできっこない」と、自分に行動のブレーキをかけているのは、一番よくない。
親や学校に根拠のない常識を押しつけられ、長い時間かけて「そんなことをしてはいけない」というブレーキを、頭に刷りこまれてきた。
没頭できない体質は、半分はあなた自身のせいではない。
半分以上、日本社会の教育制度が深く関わっている。
そんなものに縛られる利点は、一切ないのだ。
情報を浴び、思考を続け、やりたいことを見つけたら、あとは没頭すればいい。
逆に言えば、没頭することにブレーキをかける人ばかりなのだから、「ハマる」ことを実践しただけで、才能なんかなくても飛び抜けた成果を得られる。
自分の決めたルールで動くと、没頭できる。
自分を没頭に追いこむ、いい方法がある。
「自分の決めたルールで動く」ことだ。
趣味でも恋愛でも、ビジネスでも、自分でプランを立て、実行する。
他人はいろいろ意見を言ってくるかもしれないが、すべて無視だ。
「自分ルール」を定めて、そのとおりに、気持ちのままに動いていこう。
自分のルールで動いていると、工夫の喜びや達成感が湧いてくる。
思いがけない縁や、新しい展開も引き寄せるのだ。
常識とか世間体に、とらわれることなんかない。
3歳児の気持ちで、好きなことだけに没頭すれば、必ず支えてくれる人が現れる。
僕自身、主宰しているオンラインサロンをはじめ、世界各地で行っていた祭りや万博イベント、レストランのプロデュース、アーティスト・役者業、こうして本を書いている作家業など、多くのビジネスはすべて、没頭から生まれた。
楽しいから、やる。
好きだから、やる。
自分で決めたから、やる!
そうやって始めた物事は、どういうわけか面白い人脈や、大きなお金を引き寄せる。
そして平凡な日常から、刺激に満ちた世界へ連れて行ってくれるのだ。
他人の言うことを聞いて、ブレーキをかけているようではいけない。
事故を起こさない安全運転で行けるかもしれないが、行き先は誰かによって決められてしまう。
他人の描いた地図に沿って行くのではなく、自分で地図を描いて行く冒険の方が、楽しいに決まっているじゃないか?
あれこれ周りを気にしないで、やりたいことに没頭しよう!
非常識を貫いたほうが、速く成長できる
『非常識に生きる』自由に生きている人に対して「もっと常識をわきまえなさい」と、人は言う。
しかし、その常識を守っていればいいことがあるのか?
守らず“非常識”に振舞うことは間違っているのか?
答えはどちらも「ノー」であり、自分のやりたいことを見つけ出し、大きなチャンスをつかむには、知識とか人脈とか運ではなく、非常識への踏み出しが大事である。
“常識に囚われない生き方”について書いた堀江さんの著書『非常識に生きる』。
「一歩踏み出す勇気がほしい」というビジネスパーソンの背中を押してくれるはずです。
ビジネスパーソンインタビュー
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