

守屋実著『起業は意志が10割』より
“不便”があふれる今こそ好機到来。起業のプロが「コロナ禍こそ事業を創起すべき」と言う理由
新R25編集部
2020年、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、日常が一変しました。
先行きが不透明になったことで新たなチャレンジに慎重になる人もいるなか、これまでラクスル・ケアプロなど50以上の新規事業を手掛けてきた新規事業家・守屋実さんは、「既成の価値観が覆る今こそ、“新たな事業の力”が必要だ」と言います。
守屋さんが先が見えにくい現代において「商機あふれる時代」と言う理由とは、一体なんなのでしょうか...?
著書『起業は意志が10割』より、大きな変革が求められる時代の「起業のポイント」を抜粋してお届けします。

ウィズ・コロナは「商機」と「勝機」が大量発生するチャンスの時代
新型コロナウイルス感染症の蔓延で、全世界全世代同時多発的に「不」が起きた。
「不」というのは、不便であり不足であり、不利益であり...すべてにおけるマイナスの圧力のことを意味する。
今の時代に生まれ、「なんて運が悪いんだ!」と嘆く人もいるかもしれないが、僕はそうは思わない。
僕はむしろ、今、商機と勝機が大量発生する時代が到来したと考えている。
ウィズ・コロナの時代においては、誰もが商機と勝機の波に乗る可能性を持っている。
語弊を恐れずにいうならば、むしろ今は「チャンスの時代」だといえるのだ。

外食産業の進化を物語る「おうちごはんビジネス」の普及
外食産業の窮地は続いている。
一斉休業の時期よりはマシな状態になったかもしれないが、気軽に外で食事をする人は明らかに減った。
しかし、そこで思考停止してはいけない。
「不」が生まれたということは、必ずそこに商機と勝機が発生する。
つまり、新規事業が求められるようになるのだ。
飲食業界を襲った不況の問題において忘れてはいけないのは、新型コロナウイルス蔓延下だからといって人間の胃袋の数が減るわけではないということだ。
ビフォー・コロナの時代もウィズ・コロナの時代であっても、人間の胃袋の数は同じ。
みんな同じように、腹も減る。
窮地にあることは事実だが、食の市場がゼロになるわけではない。
外食をしていたのが、自宅での食事に移行しただけである。
そして、ここに「不」が発生した。
日頃外食をしていた人が、自宅でしか食事をしなくなれば、必ずストレスが溜まったり不便が生じたりと「不」を感じるようになる。
だからこそ、たくさんの「おうちごはんビジネス」が生まれたのである。
これは、外食産業の新たな進化、ともいえる。

コロナウイルスの蔓延により、大きな進化圧を受けた2つの業界
これからも、不況による経営悪化や倒産など重苦しいニュースが流れる時期が続くかもしれない。
しかしながらその一方で、全世界的に「不」の解決競争が巻き起こる。
多様な新規事業が乱立する有望な領域も存在すると考えている。
① 「既得秩序のほころび」が生じた業界
そのひとつが、「既得秩序のほころび」が生じた業界だ。
既得秩序とは、既得権益が強く、「不」の解消が進まない業界のことだ。
コロナ禍において、この既得秩序のほころびが大きく生じているのが、医療、教育、行政の分野だ。
なぜ、これらの業界に大きなほころびが生じたのか。
それは、これまでほとんど「動いてこなかった」ゆえに、コロナの影響がより大きな「進化圧」としてのしかかったからである。
考えてみてほしい。
これまで散々切磋琢磨してきた領域は、「強い」企業が跋扈(ばっこ)するレッドオーシャンである。
しかし、これまでフリーズしていた領域は手つかずのブルーオーシャンだ。
動かなかったのには動かなかった理由がある。
その理由が「既得秩序」だ。
しかし、今、この秩序にほころびが生まれ、商機と勝機を秘めたフィールドが広がった。
動かなかったものを動かすよりも、動き始めたものを動かすほうがはるかに楽だ。
「既得秩序のほころび」の領域に飛び込む時機がきている。
② 「瞬間蒸発」が生じた業界
もうひとつ、大きな進化圧を受けたのは「瞬間蒸発」が生じた業界だ。
ビジネスでの瞬間蒸発とは、一瞬にして顧客がいなくなったということを意味する。
具体的に「瞬間蒸発」により事業が逼迫したのは、たとえば、飲食、観光、イベントの業界だ。
とはいえ、これらの業界へのニーズが消えたわけではない。
前述した通り、人の胃袋がある限り飲食業界のニーズは残り続ける。
これは、旅行業でもイベント業でも同じことがいえる。
いや、むしろ制限される不満で、これまで以上に「旅行したい」「イベントに参加したい」という思いは強まっているかもしれない。
「瞬間蒸発」した領域は、起業による課題解決が待たれている業界であるともいえるのだ。
だからこそ、その「不」を解決する新規事業が喉から手が出るほど求められることになる。

あなたがどうしても解決したい「不」にパワーを注ごう
ウィズ・コロナにおけるさまざまな「不」に、あなたはどう対峙するだろうか。
当然のことながら、現在存在する商品・サービスのほとんどがビフォー・コロナ時代の産物だ。
パソコンでオンラインミーティングをしていても、相手と目が合うことはなく、資料を投影すれば毎回「今、見えていますか?」と質問する。
マイク付きイヤホンは、いい音で音楽を聴くには適しているが、雑音をカットして打ち合わせするには不向きである。
これはそもそも、今ほど盛んにオンラインミーティングがおこなわれていなかった時代に作られた商品だからだ。
新たな生活となり、既存の商品やサービスに対して、不便なことや無駄なことが山積状態だ。
この状況を「いやだな」「不便だな」「元に戻ればいいのに」と愚痴をいっているだけでいいのだろうか。
あなたがどうしても解決したいと思う「不」にパワーを注げば、自分の問題も解決でき、誰かの役にも立ち、ビジネスとしての勝機も見出すことができる。
そんな「不」の解決にトライするのがこれからの新規事業である。
僕らは新型コロナウイルス感染症によって、あらゆることに大きな変革が求められた。
対面からリモートになり、アナログからデジタルとなった。
僕らは大きな時代の転換点に立っている。
起業にとっては、困難な時代であると同時に、大いなる可能性を秘めた時代だ。
売却や買収という引き算足し算ではなく、ゼロからイチを生むことが求められる。
「業を起こす」という本質的な起業の意味を果たす、「意志の時代」の幕開けである。
あなたの創起した事業が、多くの人の生活を一変させるかもしれない。
多くの人の、そして我が国の救いになるかもしれない。
そんな起業の大いなる可能性を信じ、本書を開いてほしい。
『起業は意志が10割』は、起業のプロによる新規事業のバイブル
「信念を持って課題解決に挑む人が混沌の中で未来を拓く」
そんな力強いメッセージから始まる守屋さんの著書『起業は意志が10割』では、起業のプロだからこそわかる、実践的な「起業・新規事業の成功法」が紹介されています。
これから起業を考えている方はもちろん、企業で新規事業を興そうとしている方にとってのバイブルになる一冊です。

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