ビジネスパーソンインタビュー

「好感度なんて、低いほうがいいんですよ」波瀾万丈のてんちむが“それでも応援される”理由

「10年前の武勇伝語ってる人になりたくない」

「好感度なんて、低いほうがいいんですよ」波瀾万丈のてんちむが“それでも応援される”理由

新R25編集部

2021/06/13

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YouTubeも含め、さまざまな場所で人気タレントが続々と生まれる昨今。

そんななかでも、多くの人の心をつかみつづける方っていますよね。

今回お話を伺ったのは、てんちむさん。

てれび戦士、ギャルモデル、トップYouTuberとしての躍進…。しかし2020年9月には、4億円の負債を背負いワンルームのアパートへと引越すなど、波瀾万丈な半生に注目が集まっています

現在はショークラブ「バーレスク東京」と銀座のクラブ「Nanae」で勤務を開始し、YouTuberとの3足のわらじを履きながら、前向きに行動していく彼女。

どの時代でも応援されつづけるてんちむさんに、“応援される秘訣”をききました…!

〈聞き手=いしかわゆき〉

【てんちむ】1993年生まれ。6歳で芸能界へ。2004年から『天才てれびくんMAX』(NHK教育)にレギュラー出演。その後、ギャルファッション誌を中心にモデルとして活躍。2010年、12歳から14歳までつけていた日記を書籍化した『中学生失格』が17万部を超えるベストセラーに。 2016年、YouTubeチャンネル「てんちむCH/ tenchim」を開設し、チャンネル登録者数は160万人(2021年6月時点)。現在はショークラブ「バーレスク東京」と銀座のクラブ「Nanae」で勤務中

「好感度高い人って大変だろうなって思います」

いしかわ

改めて、約4億円の完済、本当にお疲れさまでした…

てんちむさん

がむしゃらでしたね…

炎上して大きい額を支払うとなったときに、そもそもてんちむとしての活動を続けるべきかから考えました。でも、プライドを捨ててイチから頑張ろうって思ったんです。

いしかわ

てんちむさんが復帰されたとき、ヒカルさんやシバターさんを始め、多くのYouTuberと“応援コラボ”をしていたことが印象的でした。

ピンチに陥ったときにこそ、人間性ってすごく出ると思うんですけど、てんちむさんが応援される秘密って何なんでしょう?

てんちむさん

なんで応援されるかって…なんでだろう…

なんで!?(笑)

「むしろ私が知りたい!」

いしかわ

ご自身で「好感度」について意識していることはないですか?

てんちむさん

むしろ、好感度下げたいんですよね(笑)。好感度って低いほうが生きやすいと思うんです

いしかわ

そうなんですか?

てんちむさん

仮面を着けながらやって、みんなのイメージと自分がズレると、ちょっとでも素が出たときに、「えっ!?」って言われちゃう。世の中だいたいそうなんですよ

だから私、好かれようと思って生きてないです

好感度高い人って、絶対面倒くさいと思うんですよね気にしなくちゃいけないことも多そうだし…

ちょっとわかるかも…

いしかわ

てんちむさんはYouTubeでかなり自分のことをオープンにしてますよね。

てんちむさん

YouTubeって、当初は「見た目に対するアンチコメント」がすごく多かったんですよ。

人間って、なんでも言っていいとなったら「見た目」のことを言いたくなるんだと思うんですよね。何をやってても「ブス」みたいな…

だったらもうドすっぴんで出て、「私ブスです!」ってテンションでいけば内容を見てくれるんじゃないかと思ったんですよね。

いしかわ

そういう流れで…!?

てんちむさん

急にファンの人が増えたなって実感したのは、すっぴんで喋る動画を出したり、あんまり話したくないことを赤裸々に話したりするようになってからですね。

あとはなんだろう…

天狗になってないから!?(笑)

いしかわ

てんちむさんが「天狗にならない」のはなぜなんですか?

てんちむさん

うーん…逆にギャルモデルのとき、「天狗になったほうがいいよ!」って言われてたんですよ。

ギャルなのに腰が低いから、もっと堂々としたほうがいいって。

でも、それで天狗になってみたらすごくしんどかった。自分の性格が悪くなったように感じたから。天狗になるのって、けっこう精神的にはしんどいことだと思いますよ。

いしかわ

なるほど…

てんちむさん

天狗になるって、たぶん“人間よりも数字とか肩書きを大事にしちゃう”ことだと思うんですけど、私、結局数字よりも人のほうが好きなんですよ。

「チャンネル登録者数すごいから、もう○○はしてくれないでしょ?」とかよく言われますけど、あんまりそんなこと考えてないですね…(笑)。

いい人だ…「自分の好きな自分でいる」のが支持されるポイントなのかもしれない

「仕事の経験は感情の経験になる」てんちむがトリプルワークをして気付いたこと

いしかわ

復帰してからは、ショークラブ「バーレスク東京」と銀座のクラブ「Nanae」で勤務されていますが、それはなぜですか?

てんちむさん

やっぱり、できるだけ早くお金を返したかったんです。それで、自分が心からやりたいと思う仕事なら、どんどん増やしてみようと思って…

バーレスクで働いてる女の子たちはキラキラしていて、堂々としていて、自信を持っていて。

「ここで働きたい!」と思わせてくれるような現場だったので、ここに決めました。

いしかわ

冷静に、トリプルワークって普通の会社員でもなかなかないんですけど、かなり大変なんじゃ…?

てんちむさん

たしかに、精神的にしんどいときもあって、クラブで個室を空けてもらって、20分だけワーッと泣いて席に戻ったり…

でも、炎上したにも関わらず応援してくださってる方を裏切ることになってしまうから、自分が投げやりにならないって決めてます。

あと、複数の仕事を頑張ってて気付いたことがあるんですけど…

てんちむさん

仕事の経験って感情の経験になるんですよね。

いろんな状況を経験して、自分自身のことをよく知ることができる自分のキャパとか、向いてる仕事もどんどんわかってくる

だから、人より多く何種類も仕事をすることって、メリットがあるなと思いました。

いしかわ

なるほど…複数の仕事をすることで見えてくるものがあるんですね。

「10年前の武勇伝語りたくない」てんちむが“頑張る”モチベーション

いしかわ

てんちむさんって、波瀾万丈だけど絶対にキャリアを諦めずに、いろんなことにチャレンジしつづけるじゃないですか。

そういうモチベーションってどこからくるんでしょうか?

てんちむさん

私…「10年前の武勇伝を語ってる人ってダサい」ってすごく思ってるんですよ。

そういうふうにはなりたくない。「今が一番輝いてる!」っていう状態でいられるようにしたいんですよ。

てんちむさん

そのために、私は「肩書き」を捨ててるんです

『天てれ』とか「元子役」とかの「肩書き」に依存しないことが大事だと思ってるんで、“てんかりん”から“てんちむ”になったときにもリセットしてるんです

“てんちむ”のときは、自分からはあんまり過去の話はしないですね。

いしかわ

そういう理由だったんですね…!

てんちむさん

肩書きを捨てても、自分のなかにちゃんと経験は培われている。だから、今の自分が語れる武勇伝だけに依存したくない。

常に今を更新してたい感覚があるんですよね。

「あと…」

てんちむさん

ちょっと極論ですけど…「100年後に自分のことを知ってる人なんて誰もいないだろうな」とよく考えるんですよ。

そう考えたら、ちょっとキャリアで失敗しても、また頑張ればいいやって思えるんです。

最終的に「楽しい人生だった!」って思って死ねればいいやって感じ。

いしかわ

気楽に考えるからこそ、キャリアに前向きになれるという…

てんちむさん

もともと私は頑張れないタイプの人間なんで(笑)。高いマンションを契約して、お金を払うためにYouTubeを頑張る…というやり方でブーストをかけていたときもあるんです。

でも、そういうモチベーションの上げ方をしていると、頑張ることがしんどくなる。

てんちむさん

物件探しで“妥協できない条件”を考えるみたいに、“やりたいこと・やりたくないこと”を整理してみたら、ムリにモチベーションを上げなくても、チャレンジがしやすくなったなって思ってます。

いしかわ

モチベーション上げなきゃ! と思いがちですけど、無理に上げなくていいんだなぁと思うとすごくラクになります…

てんちむさん

仕事を頑張りたい人は、ムリにモチベーションを上げる方法を探すんじゃなくて、自然と「頑張れる条件」を考えるのが一番いいんじゃないですかね。

好かれようと思って生きないこと

自分の武勇伝に依存しないこと

ムリにモチベーションを上げないこと

ありのままの自分で認められるのが一番なはずなのに、気付けばいいところを見せようと頑張っている人は多いのかもしれません。

てんちむさんが教えてくれた内容は、正直な自分で結果を出してきた彼女だからこそ、説得力がものすごかったです…。

「自分の好きな自分」でいたいから頑張れる。まわりの評価にしばられるのではなく、改めて自分の心に素直に従ってみようと思わせてくれるインタビューでした。

〈取材・文=いしかわゆき(@milkprincess17)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=森カズシゲ〉

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てんちむさんも審査員として出演。「参加者を見て“頑張ろう!”って思えます。すべての人に見てほしい!」とのことなので、仕事を頑張るビジネスパーソンの皆さん、ぜひご覧ください!

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