ビジネスパーソンインタビュー
平塚 知真子著『Google式10Xリモート仕事術』より
デザインに迷ったら“AI”におまかせ。無料で使えるGoogleスライド“裏技3選”
新R25編集部
多くのビジネスパーソンは、毎日Googleのサービスを使っているでしょう。
Gmailはもちろんスプレッドシートやドキュメント、スライドなど、ビジネスを進める基礎ツールとして活用しています。
しかし、これらのGoogleのサービスをすべて使いこなせているか?と聞かれて、自信を持って回答できる方は少ないはず。
実はGoogleにはこれらのサービス以外にも、会議を円滑にすすめるためのツールや、タスク管理にうってつけなメモツールもあります。
そんなGoogleのツールを使いこなすための指南書となるのが、昨年11月に発売してから現在第4刷まで決定している『Google式10Xリモート仕事術』です。
Google認定パートナーの平塚知真子さんは、同書のなかで「ツールを使いこなせば、リモートワークでも劇的に生産性が向上する」と語っています。
今回は同書より、Googleサービスを使いこなすためのノウハウを複数記事でご紹介します。
「あなたはまだホントのGoogleを知らない」
「なんとオーバーな。Googleの使い方なら知ってるよ」と言うあなたに、ホントのGoogleの使い方を紹介しましょう。
お手元にデバイス(パソコン、タブレット、スマホ)を用意しながら、本書を片手に体感してみてください。
体感するアプリは、プレゼンテーションアプリ(プレゼンアプリ)です。
ビジネスでは、顧客や他部署へのプレゼンが必ずあります。
プレゼンソフトといえば、MicrosoftのPowerPoint(パワーポイント)や、AppleのKeynote(キーノート)などがありますが、Googleのプレゼンアプリは、「Googleスライド」といいます。
プレゼン資料で使われる1枚の紙は「スライド」といいますから、イメージしやすいでしょう。
今お使いのプレゼンアプリと比較しながら、体感しましょう。
①初動を短縮する
あなたはいつもPowerPoint、Keynoteなどのプレゼンアプリをどうやって立ち上げていますか。
通常は、あらかじめPCにインストールしたプレゼンアプリアイコンを、デスクトップやメニューからクリックして起動させます。
そして「新規作成」をクリックして最初の1枚が現れる。
ここまで「2アクション」です。
この場合、基本的にソフトがインストールされたデバイスでしか作業ができません。
一方、Googleスライドは、どうでしょう。
ウェブページを閲覧するアプリを「ブラウザ」と呼びますが、Googleの提供するブラウザがGoogleChrome(クローム)です。
次の【図1】のとおり、このChromeの画面上にある、通常URLが表示されている「アドレスバー」に直接「slide.new」と入力してみましょう。
【図1】Googleスライドの新規作成画面にアクセスする
すると、【図2】のとおり、Googleスライドの白紙の新規文書がいきなり表示されます(スタート画面は省略される)。
ブラウザを使うことで、どのデバイスからでも無料で使えるのです。
しかも「1アクション」で使えます。
【図2】Googleスライドにタイトル、ファイル名を追加する
いつもとはまったく違うスタート画面で、ちょっとびっくりしますが、Googleでは「ブラウザ」でアプリを使うのです。
これは、データがあなたのパソコンに残らない、残させないからできること。
自身のパソコンに保存することを「ローカル保存」といいますが、Googleの場合は「クラウド保存」、つまりGoogleのサーバに自動保存されるのです。
なぜウェブページを閲覧する際に使う「ブラウザ」でアプリが使えるのか。
デバイスにインストールされたソフトではなく、ネットを経由してGoogleのサーバで管理されたソフトを使うからです。
GoogleマップやGmailもそうです。
手元のデバイスは、サーバにある情報を表示させる、いわば「モニター」にすぎません。
そのメリットはいったい何でしょう。
いつでも、どこからでもアクセスできることです。
パソコン、タブレット、スマホ、Windows、Mac、その他どんなデバイスでも、いつでも、どこからでも、同じデータに安全にアクセスできる。
データをお金にたとえるなら、自分のパソコンにだけに保存するのが「タンス預金」。
クラウドに保存するのが「銀行預金」。
銀行預金なら預金口座のある銀行だけでなく、全国にあるATMから安全にお金が引き出せます。
ファイルは新規作成したら、必ず「名前」をつけましょう。
Googleアプリのファイル名は画面の左上に「無題の〇〇」と表示されています。
ここをクリックするだけですぐに入力できます。
後で見たときにすぐに思い出せる名前がおすすめです。
②スライド挿入する裏技
スライドの「表紙」をつくってみましょう。
文字だけの表紙も悪くないですが、表紙はプレゼン資料の顔。
ここでは、表紙に画像を挿入してみましょう。
これまでMicrosoftのWordやExcel、PowerPointなどに画像を挿入するには、手元のデバイスに画像やグラフをいったん[保存]し、[挿入]していました。
これは、デバイス上にソフトがインストールされていたからです。
一方、Googleなら、この手間がすべて省けます。
クラウドでアプリが稼働しているので、端末からわざわざアップロードする必要がありません。
クラウドにあるGoogleの「検索」で見つけた画像(またはYouTube動画)をスライドにダイレクトに挿入できます。
つまり、Googleスライド、Google検索、YouTubeというアプリに「ITの段差」はまったく存在しないのです。
このGoogleならではのシームレスな流れを体感してみましょう。
何かを「追加」したいと思ったら、Googleのアプリならすべて共通操作になりますので、覚えておいてください。
まず、【図3】のとおり、「メニューバー」から[挿入]をクリックします。
【図3】Googleスライドに何か追加したいときは、メニューバーの[挿入]から
すると、Googleスライドに追加できるものがプルダウンメニューですべて表示されます【図4】。
【図4】Googleスライドは同じ画面でGoogle画像検索ができる
画像やテキストボックス、音声、動画、図形、表、グラフなどいろいろな要素を、スライドに追加できることがわかりますね。
たとえば、この[挿入]のプルダウンメニューにあるグラフですが、Googleの場合、従来のように「グラフを画像ファイルに変換してから挿入」するのではなく、表計算ソフトであるGoogleスプレッドシートで作成したグラフそのものに[リンク]することができます。
つまり、「データ連携」したまま挿入することができるのです。
だから、スプレッドシート上のグラフが変更されれば、Googleスライドのデータもすぐに同期・更新されるのです。
これからはデータに更新があるたびに、いちいち差し替える作業が必要なくなります。
ここでは[画像(写真)]を挿入してみましょう。
【図4】にあるとおり、[挿入]から[画像]を選択すると、さらに隠れていたメニューが表示されます。
上から2つ目の[ウェブを検索]をクリックすると、同じ画面上にGoogle画像検索が表示されます(これは他社ツールでは実現不可能)。
タブを切り替える手間がいらないので、同じスライド上で検索から挿入まで実行できてしまいます。
プレゼン資料に使う画像探しは意外と手間がかかる作業ですが、これにより作業がスピードアップします。
追加したい画像のイメージをキーワード検索してみましょう。
ここでは「山」と入力してみます。
エンターキーで検索スタート。
後は、表示された検索結果から好きなものをクリックで選択して(【図5】では上から2つ目の画像)、画面右下の[挿入]をクリックするだけ。
【図5】検索結果の画像はクリックでGoogleスライドに直接挿入
なお、このGoogleスライド上で行う画像検索では、GoogleのAIが「再利用可能」と判断した画像のみが表示されるようになっています。
著作権にも配慮されているので安心です。
③AIにデザインをお任せする
さて、表紙のタイトルを入力し、面白そうな画像も挿入できました。
ただ、デザインにちょっと悩むときもありますよね。
テキストボックスの位置を変える、文字の大きさや色を変える、画像のサイズを調整してバランスを取るなど。
この作業も、GoogleのAIがあなたに代わってやってくれ、ほんの一瞬で見栄えのいい表紙を作成してくれます。
[データ探索]は、右図のボタン、またはアイコンだけの状態で縮小表示され、画面右下に見つかるはずです(【図5】緑の枠)。
[データ探索]をクリックすると、画面右側に複数のデザイン案がたちまち表示されます(【図6】)。
【図6】[データ検索]でAIがレイアウトしてくれる
気に入ったデザインがあれば、クリックで選択。
すぐにGoogleスライドに適用されます。
このように、Googleを体感しているだけですが、あなたはすでに最先端のAI機能を使えていることになります。
Googleで効率化
誰もが一度はGoogleを使ったことがあると思います。
ですが、今回紹介した方法の中でも、“便利なのに知らなかった知識”があったのではないでしょうか。
同書では、そんな誰もが知らないGoogleの底知れぬ実用法がたくさん紹介されています。
IT化が進む今だからこそ、ぜひ同書を手にとってGoogleをフル活用してみてはいかがでしょうか。
あなたの生活にイノベーションが起こるはずです。
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