ビジネスパーソンインタビュー
寺田有希著『対峙力』より
まずは自分の「外見」と「声質」を分析せよ。どんな人にも物怖じしなくなる“4つの習慣”
新R25編集部
初対面、会議、プレゼン、面接など、目上の人や大勢の人の前だと緊張してうまく話ができないと感じたことはありませんか?
働き方や生き方が多様化しているこれからの時代では、「どんな相手にも物怖じせず、フラットに接する力」、いわば「対峙力」が、人との関わりのなかでチャンスを掴むためのカギになります。
そんな「対峙力」を使い、どんな人にも物怖じせずにコミュニケーションをとっているのが、堀江貴文さんのYouTubeチャンネル「ホリエモンチャンネル」のMCをはじめ、女優、タレントとして幅広く活躍している寺田有希さん。
自身の著書『対峙力 誰にでも堂々と振る舞えるコミュニケーション術』のなかで、「実は根は人見知りで小心者。しかし、工夫を重ねることでコミュニケーションの自信と勇気を手に入れた」と話しています。
どんな相手とも物怖じせずにやり取りするにはどうしたらいいのか。ノウハウが詰まった同書から抜粋してお届けします!
「対峙力」を高めるには、自分と向き合おう
「対峙」という言葉の意味を辞書で引いてみると、「2つの勢力が向かい合って立つこと」とあります。
ここには、両者の力が拮抗している=対等の勢力であるという意味が含まれます。
「対峙」の対義語は、「回避、逃避」です。
逃げない。媚びへつらわない。萎縮しない。相手を認め、自分のことも認めてもらって話すこと。
それが「対峙力」だと思います。
相手と対等な立場に立って、本気で向かい合っている。
それが、周りから「対峙力がある」と言われる状態なんです。
人と対等に向き合っていくためには、まず自分自身と向き合うことが必要です。
物怖じしなくなる習慣①「外見」と「声」を分析する
会ったときに最初に目に入り、第一印象を決めるのは結局、外見。
まずはそこから人となりを想像してしまうのが、人の心理として普通のことだと思います。
年齢も性別も問わず、どんな人も、「自分は人にどんな印象を与えるのか」を研究していくことをおすすめします。
けれど、自分の見た目の印象に向き合うということは、コンプレックスに直面するということにもつながります。
特に骨格や声質などの要素は生まれつきのもので、まず変えることができませんよね。
それなら、変えられないものは「自分の武器」として活かしたほうがいいんです。
自分の見た目や声を理解している人は、「周りは自分にこういう印象を抱くはずだ」 とある程度、想像がつきます。
だからこそ、それを活かす努力もできると思うんです。
チビで肩幅が狭い私は「舞台上で威厳がないように見られてしまう」と自分自身にもたれるイメージを想像できます。
そこで、威厳を出せるように、手をすごく大きく広げたり、胸を張ったり、工夫ができる。
すると舞台から降りたとき、対面した人から「身長がもっと高い人なのかと思っていました」と驚かれることがよくあります。
特徴を理解できていれば、工夫次第で印象を変えることもできるんですよね。
たとえば身長が高くて威圧感があると思われそうな人は、優しく聞こえる話し方を研究してみたり、声がこもって話が伝わりづらい人は、伝わりやすいようにゆっくりと話してみたり。
そもそもコンプレックスって、隠そうとすればするほど逆に目立ってしまうものだと思いませんか?
堂々と見せていれば「そういうものなんだな」と相手の意識から流されていたり、
むしろ羨ましいとさえ思われていることも多いのに、下手に隠そうとするからこそ、 「どこが嫌なんだろう?」と逆に目立ってしまう。
だから、活かす方向で考えていったほうが絶対にいいと思うんです。
そのためにも、まずは自分が与える印象と向き合い、外見と声を分析していきましょう。
自分の嫌な部分と真正面から対峙して、うまく付き合っていくことができれば、武器になります。
自分の弱点だと思っていた部分を、自信に変えていくことができるんです。
物怖じしなくなる習慣②周りの評価に自分のキャラを近づける
憧れの人に近づこうと努力しているのに、なかなか評価してもらえない。
そんな状況にモヤモヤしていませんか? その経験が私にもあります。
ただ、いまでは「憧れの人」よりも「人から褒められるキャラクター」に自分自身を近づけるようになりました。
私はもともと、クールな雰囲気をもつ女優になりたくて。でも実際はチビだし童顔だし、その理想とはかけ離れていて。理想と現実との差を感じれば感じるほど、「全然違うじゃん…」と、自分のことが嫌になってしまったのを覚えています。
すると、さらに憧れって強くなって、「なんで私はチビで童顔なんだ!」と、自分を否定してしまうんですよね。
「笑顔が素敵だよ」「小さくてかわいいね」と周りの人たちはせっかく褒めてくれているのに、それを素直に受け止められず、自分を否定し続ける日々でした。
ただ、どんなに努力したところで私は私。憧れの人に100%なれるわけなんかありません。
先ほど述べた通り、特に外見や声などの生まれ持ったものは変えることもできません。
それなら、「もうしょうがないな」って、あるとき憧れを目指すことを諦めたんです。
そうすると、自分らしく気楽に戦える機会が増えたんですよね。
そして、褒めてくれる人たちに、素直に感謝できるようになったんです。
見た目やキャラクターって、ないものねだりなことが多いですよね。
人と自分を比べるほどに、人が持っているものを羨ましく思ってしまう。
でも裏を返せば、その人は自分が持っているものを羨ましく思っているかもしれない。
だとしたら、周りが褒めてくれることって、いままで短所だと思ってしまっていた、 自分の長所なのかもしれないって。そう思うようになりました。
いまでは、人が褒めてくれた「笑顔が素敵」や「小さくてかわいい」を武器にするこ とでより強く、より自分らしく戦えるようになったんです。
褒められた言葉は事実としてありがたく受け入れて、感謝の言葉で返すようにしています。
もし自分ではいいと思えないところを褒められたとしても、「本当に!? 気づいてなかったから、言ってくれてありがとう!」と返していく。
仮に社交辞令だったとしても、「でも、本当は〇〇なんですよ」「自分のこういうところ嫌いなんですよ」と返すよりずっと場の雰囲気が明るくなるし、お互いに気分がよくなるからです。
褒めてもらったことを認める習慣を持つと、自信がついてきます。
物怖じしなくなる習慣③笑顔を心がける
人に笑顔を向ける回数を意識して増やすだけで、周りの空気は確実に変わっていきます。
その場がどんどん明るくなって、いろいろなことがうまく回り出し、自信を持つことにつながるんです。
それをぜひ、体感してみてほしいです。
ですが、緊張する場面でいきなり笑えと言われても難しいですよね。
だからこそ、普段からあらゆる場面で「意識して」笑顔をつくっておくことをおすすめします。
無理やり笑えとか、鏡の前で笑顔の練習をしろ、と言いたいわけではありません。
笑顔でいる自分に、慣れてほしいなと思うのです。 仕事場で。プライベートで。
自分が「あ、いま無表情だな」と思ったとき、勇気を出して、60%でもいいから笑顔をつくってみるようにしてください。
そうすれば、空気が柔らかくなります。
だんだんみんなが笑顔になってくれて、またそれにつられて自分も自然に笑顔になれることがわかるはずです。
物怖じしなくなる習慣④「切り替えスイッチ」をたくさん持つ
「仕事とプライベートをうまく切り替えられない」と悩む人はたくさんいるはず。
超不器用人間な私も、いきなり仕事モードになることはできません。
だから、「仕事モードになれるスイッチ」を思い切り入れています。
私にとってのスイッチは「メイク」と「衣装」です。
というのも、15歳から芸能活動をしていて、現場にはすっぴんボサボサの状態で行き、そこからメイクをして衣装を着たら、「これから仕事が始まるんだ」と思う感覚が自然と身についているから。
いまでも、メイクしたり衣装を着たりすると、スイッチが入って「私、できる気がする!今日も仕事をがんばろう!」と、戦闘モードになれるんですよね。
私は小心者の人見知りなんで、このスイッチがなければとうてい人と向き合ったりすることなんてできません(笑)。
女性だったら似合うメイクをしてみたり、ヒールのある靴を履いてみたり。お気に入りのアクセサリーや、リップなんかでもいいかもしれません。
男性でもネクタイを締めたり、髪にワックスをつけたりと、自分なりのスイッチを何かしらつくれるはずです。
「この自分ならがんばれる!」という、自分が好きになれる自分をスイッチにすることが重要です。
そうすれば自信を持てて、仕事モードに入りやすくなります。
コミュニケーションの工夫が満載! 勇気をもらえる一冊
『対峙力』は、10年近くフリーランス女優として活動する中で培った、「人・仕事・自分・夢」と対峙する方法について、ジャンル別に詳しく紹介されています。
寺田さんの体験談とともに綴られるメッセージは、勇気をもらえるものばかり。今日から実践できるヒントが満載の一冊です。
コミュニケーションに悩んでいる人はぜひ手に取ってみてください!
ビジネスパーソンインタビュー
またスゴいことを始めた前澤さんに「スケールの大きい人になる方法」を聞いたら、重たい宿題を出されてしまいました
新R25編集部
【不満も希望もないから燃えられない…】“悟っちゃってる”Z世代の悩みに共感する箕輪厚介さんが「幸せになる3つの方法」を伝授してくれた
新R25編集部
「実家のお店がなくなるのは悲しい… 家業を継ぐか迷ってます」実家のスーパーを全国区にした大山皓生さんに相談したら、感動的なアドバイスをいただきました
新R25編集部
「俯瞰するって、むしろ大人ではない」“エンタメ鑑賞タスク化してる問題”に佐渡島庸平が一石
新R25編集部
社内にたった一人で“違和感”を口にできるか?「BPaaS」推進するkubell桐谷豪が語るコミットの本質
新R25編集部
【仕事なくなる?そんなにすごい?】“AIがずっとしっくりこない”悩みへのけんすうさんの回答が超ハラオチ
新R25編集部