ビジネスパーソンインタビュー
メンタリストDaiGo著『悩む力』より
この5つのポイントがあればダマされない。DaiGoが教える「怪しい情報から自分を守る方法」
新R25編集部
仕事は決断の連続です。
リーダーが決断をすることで、初めてチームや組織が前に進みます。
そんな重要な意思決定ですが、「これが正解だ」と、自信を持って答えを出すことは難しいですよね…。
メンタリストDaiGoさんは、質の高い情報を自ら選び抜かねばならない現代において、思考力を高めるトレーニングや「悩む力」をつける習慣が大切だと言います。
今回は、DaiGoさんが「もっとも重要視している」と語る究極の思考法を紹介する著書『悩む力ー天才にすら勝てる考え方「クリティカル・シンキング」』から、「悩んだときに合理的に考える方法」を抜粋してご紹介。
最新のエビデンスから導かれた、「自分の選択が正しかった」と思える思考法を身につけませんか?
悪質な情報の罠から自分を守る「クリティカル・シンキング」
情報量が日に日に増える現代。
私たちが1日に受け取る情報の量は江戸時代の人たちの1年分とも言われるほどです。
そんな時代においては、おかしな情報に振り回されないための危機管理能力と、自分にとって役に立つ情報を取捨選択する分析能力が欠かせません。
つまり、クリティカル・シンキングです。
クリティカル・シンキングとは「人の思考には偏りがあるものだ」という前提をふまえたうえで、あらゆる仮説を立て、根拠をデータで証明し、具体的なゴールに向かって最適解を探し続け、できる限り偏りのない主張を構築していく作業のこと。
かの天才投資家ウォーレン・バフェットも言うように、「どんなに大きな数が並んでいても、最後にゼロをかけたらすべてゼロ」です。
いかに成功を収めていても、ちょっと怪しい情報を信じただけでドン底に落ちかねないでしょう。
そんな悪質な情報の罠を避けて、本当に役立つ情報だけを選び抜くには、意識して日ごろからクリティカル・シンキングを実践するのがベスト。
怪しい情報を見抜くためのポイントを厳選してお伝えしていきます。
ダマされないポイント① 議論を単純化してみる
「この人、わざと話を難しくしているな...」
会話中にそう感じた経験はないでしょうか?
このようなパターンでは、相手がこちらを煙に巻こうとしているか、単純に中身がない人物なのか、どちらかであるケースがほとんどです。
もしそんな人物に出会ったときは「議論の単純化」を試しましょう。
やり方はシンプルで、次の3つの質問のどれかを投げかけるだけです。
悩む力1「ひと言で言うと、どういうことですか?」
2「重要なポイント3つに絞って教えてください」
3「ポイントをたとえると、どういうことですか?」
もしここで向こうが言いよどんだら、相手にも内容がよくわかっていないか、大事な情報を隠しているかのサイン。
どちらにしても危険性が高いので、深入りを避けるようにしています。
ダマされないポイント② 定義の一貫性チェック
もし怪しい相手に出くわしたら、ある程度まで話を進めたあとで、会話の序盤に出た大事な内容に関する質問をしてみてください。
「あ、そういえば、このプロジェクトで一番大事なことってなんでしたっけ?」
といった具合です。
思考に一貫性がない人はその場しのぎの言葉を連発するため、同じ質問を投げても少しずつ答えがズレはじめます。
いまいち信用できない人がいたら、試しに1週間や1カ月などの期間を空けて、同じ質問を投げかけてみてください。
少しでも答えが違うようであれば危険信号です。
これは嘘を見抜くときにも効果的で、浮気したとおぼしき相手には「そういえば3日前の飲み会は、最初にどこのお店に行ったんだっけ?」などと聞いてみましょう。
一貫性のない人はその場かぎりの嘘やつくり話が多いため、「もう忘れちゃった」と言ったり、「あれ? 前も言わなかったっけ?」などとアタフタした様子を見せるはずです。
ダマされないポイント③ ワンウェイチェック
「ワンウェイチェック」は「相手の主張は反対意見も考慮しているか?」を確かめる手法です。
ものごとを多角的にとらえる人は必ず反論を予想しながら結論を出すので、こちらの反論にビクともしません。
「そう思われるのも当然ですが、私はこう考えています」や「そのご意見には異なるデータがありまして」などと、即座に返してくるケースがほとんどです。
逆に言えば、反論を折り込んでいない発言をする人は、その時点で多角的にものごとをとらえていない可能性が大。
自己啓発セミナーなどでは「願えばうまくいく。強い気持ちを持ち続けよう」のような主張をよく耳にしますが、ここには「願ったのにうまくいかなかった人の事例」や「そもそも『強い気持ちを持ってうまくいく』根拠」などが折り込まれていないため、ワンウェイチェックには不合格です。
慣れないうちは的確な「反論」は難しいので、最初は次のポイントに注意してみてください。
悩む力・レアリー(Really)の質問
相手の発言が事実なのかを尋ねる質問。
「『願えばうまくいく』の具体例はありますか?」
「『願えばうまくいく』を証明する証拠はありますか?」
といったように、ひたすら発言の真実性を問うパターンです。
・ホワイソー(Why so?)の質問
相手の発言の根拠を尋ねる質問。
先の自己啓発セミナーの例で言えば、
「『願えばうまくいく』の根拠はなんですか?」
「そこにはどんなメカニズムがあるのですか?」
と聞くようなパターンです。
・ダウト(Doubt)の質問
相手の発言の不備や真逆の事例を持ち出す質問。
「願ったのにうまくいかなかった人がいるのはなぜですか? たとえばアウシュビッツに送り込まれた被害者は、自由になりたいと強く願ったはずですが?」
と聞くパターンです。
ここで大事なのは、序盤の段階から向こうの主張を否定しないところです。
「願えばうまくいく」と言ってきた相手に対して「そんなの間違いだろ」と言ってしまうと、こちらが向こうの誤りを証明する必要が出てきてしまいます。
主張の当否はさておき、まずは根拠や事実の確認から掘り下げるのが反論のコツです。
ダマされないポイント④ 信憑性チェック
うまい情報を持ちかけられたら、まずは話の信憑性をチェックするのは当然のこと。
その話はどこから出てきたのか?
話し手に別の意図はないか?
といったポイントを確認しておかなければ、本当に役立つ情報にはめぐりあえません。
信憑性チェックの際に押さえておきたいのは次の4つです。
悩む力(1)メインソースの信憑性をチェックする
・そもそものメインソースはあるのか?
・メインソースがあった場合は、どこで確認できるのか?
・情報の出どころは信頼できるものか?
・専門家と一般人のどちらを対象にした情報なのか?
(2)情報発信者の信憑性をチェックする
・話し手に信頼性はあるのか?
・その分野の専門家なのか?
・その分野を扱うだけの専門的な知識はあるのか?
(3)情報発信の目的をチェックする
・ここにはどのような動機があるのか?
(4)情報発信者の前提をチェックする
・過去にその人がどういう発言をしているか?
・その人にはどんな好みがあるか?
・その人は特定の偏見を持っていないだろうか?
・その人はどのような背景でものごとを語っているのか?
ダマされないポイント⑤ 代替案を探す
ここまでのポイントをすべて守ったとしても、やはり「うまい情報」には心がなびくのが人間です。
あなたがいまお金に困っていたり、人間関係で問題を抱えていたりと、厳しい状況に置かれている場合などは、冷静な判断ができなくなってしまうこともあるでしょう。
そんなときに試してほしいのが「代替案を探す」という習慣です。
「これをやろう」と決めたあとでもいったん立ち止まり、
「もっといいやり方があるんじゃないか?」
「もっといい選択があるんじゃないか?」
と少し考えてみるのです。
それだけでも私たちの脳内ではクリティカル・シンキングの機能が働き出し、よりよい選択ができるようになります。
今後、あなたが「この判断は間違いない」と思ったときは、試しに次の2つの方法で代替案を探してみてください。
悩む力(1)キャラクターを変える
「スティーブ・ジョブズだったらどう考えるだろう?」
「弟だったらどう考えるだろう?」
「会社スタッフだったらどう思うだろう?」
(2)リソースを変える
調べものや勉強をするときなどは、立場や考えが違う人の本を最低でも3〜4冊まとめて買ってみましょう。
「ググって終わり」はもったいない。自らの頭で思考すれば、ベストな結論に近づける
世の中にあふれる情報を「へえ、そうなんだ」と受動的に受け入れるのではなく、「なぜ? それはどういう意味? 自分はどうすべき?」とつねに疑問を持つこと。
「ググって終わり」ではなく、さまざまな角度から検討し、自らの頭で思考し続けること。
ぱっと見で説得力を感じたとしても、いったん距離を置いて検討してみること。
「これらの態度を維持できれば、あなたはつねにベストな結論に近づくことができる」
と、メンタリストDaiGoさんは言います。
悩んだときに試すことで合理的な解決策を出せる究極の思考法「クリティカル・シンキング」。
その使い方が丁寧に解説されたDaiGoさんの著書『悩む力』を、ぜひ読んでみてください!
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