ビジネスパーソンインタビュー
堀江貴文著『東京改造計画』より
これからの東京都は、“働かずに生きられる”世界一の「暇つぶし都市」になるべきだ
新R25編集部
本日発売される堀江貴文さんの著書『東京改造計画』。
7月に都知事選を控える東京都民に対して、37項目の「東京改造計画」が提言されています。
「大麻解禁」「東京都のオール民営化」などセンセーショナルな見出しが公開されたため、発売前にもかかわらずSNS上では多くの賛否の意見が集まりましたが…
新R25では特別に、その中身を一部抜粋して公開。
堀江さんの「正論」「極論」「暴論」のなかから、今回は「堀江さんが構想する“未来の東京のカタチ”」をご紹介します。
東京を世界一の「暇つぶし都市」に
僕は東京を世界一の「暇つぶし都市」にしたいのだ。
世のサラリーマンは実は暇人だ。おそらく半分くらいで十分だ。
新型コロナウイルス騒動のおかげで、会社勤めの人のほとんどは「定時出社・定時退社」する必要なんてまったくないことが証明されただろう。
テレワークに仕事のやり方を切り替えれば、朝から晩までパジャマ姿で働けるようになる。
普段から本質的な仕事をしている人は、朝の準備の時間や出勤時間がなくなり、今までより短い時間で今までと同じ成果を出せるようになった。
一方で今まで無駄な仕事をしていた人は、「あれ、オレってひょっとしていらないじゃん」と気づいたはずだ。
テレワークによって、実は会社には必要ないサボリーマンが半分くらいくすぶっている実態があぶり出されている。
会社に来て仕事をするフリをしているポンコツ社員は「妖精さん」と呼ばれる。
窓際にすら行けず、妖精として漂っている人のことだ。
「妖精さん」がポンコツであることは、彼らが物理的に会社に行くことでゴマかされてきた。
とりあえず机の前に座ってパソコンをいじっていれば、何かをやっているようには見えるからだ。
テレワーク化が進むと、「妖精さん」が実は職場にとって不要な存在であることがはっきり可視化される。
「Zoom」で会議を開いているのに、1人だけまったく発言しない人間がいる。
そういう人は、そもそも「Zoom」上のバーチャル会議にすら呼ばれなくなったりする。
テレワークではアウトプットでしか評価のしようがないから頑張っているフリをしても一切意味をなさない。
皆さんの周りにもコロナ以降、顔を見なくなった上司がいるはずだ。
役に立つアイデアをまったく出さず、タスクをこなしていない人間が、テレワーク化によってバレるのだ。
コロナがたとえ落ちついても、こういう人たちが帰る場所はない。退場してもらうほかない。
「妖精さん」はもう嫌々出勤するのをやめて、もっと心地よいところへ居場所を変えたほうがいい。
これは何も中年サラリーマンに限った話ではない。
僕らはもう暇なのだ。そしてこの流れは加速する。
しかし、これはポジティブなことだ。
世界中のホワイトカラーはもはや無駄な仕事はしなくていい。
誰でもできる無駄な仕事はAIがやる。人間は暇になって当たり前なのだ。
労働はもはやオワコンになり、遊びの時代が来る。
好きなことだけやって生きていこう。
限りなく生活コストを下げる
世界一の「暇つぶし都市」にするために東京で暮らす人の生活コストを下げていくべきだ。
全国の空き家は、すでに849万戸もある(2018年、総務省の調査)。
すべての住宅のうち、7戸に1戸が空き家という計算だ。野村総合研究所の予測によると、2033年には空き家が2150万戸に達するという。
持ち主不明の一軒家は、これからますます増える一方だ。
そうした空き家を有効活用するべきではないだろうか。
家賃が限りなくゼロで住める「都営シェアハウス」をあちこちに開設し、働かなくても遊んで暮らせる若者の居場所を作るのだ。
もちろんそこに高齢者が住んでもかまわない。
AIとロボットの技術が進めば進むほど、人間が汗水垂らして働かなくても機械が働いてくれるようになる。
そうなったとき、いかに充実した「暇つぶし」ができるかがポイントだ。
もはや衣食住のために働く必要はない。生きていくためのコストはいくらでも下げられる。
老いも若きもゲームやエンタメ、スポーツを楽しむ。
「仕事が遊び、仕事が暇つぶし」。そんな幸福度の高い生き方を実現するためのセーフティーネットを充実させる。
これから僕たちがやるべきことは「労働」ではない。「遊び」だ。
遊んで遊んで遊びまくる。何かにハマッて没入する。
その熱が周りを巻きこみ、結果として「ビジネス」にもなる。ユーチューバーなんかはその典型だ。
僕たちはもう、食うためだけの仕事はしなくていい。
都民限定の無料オンラインサロン
いつまでも楽しく、人生を遊び尽くすために都民に「無料オンラインサロン」を提供すべきだ。
僕はオンラインサロンHIUを主宰しており、現在1500人以上のメンバーがいる。会費は月額1万1000円だ。
分科会グループは30以上あり、ビジネス、勉強会から遊びまであらゆるテーマがゴチャ混ぜ状態で活動している。
メンバーはフェイスブックの会員制ページで情報交換する。僻地であろうが離島であろうが、どこにいてもオンライン上で活動できる。
「ホリエモン万博」という祭りやオフラインの会合も企画している。
オンラインサロンの加入者が1000人を超えると、不思議なことが起きる。
グループ内でシェアリング・エコノミーが成立し、実にさまざまな循環が生じるのだ。
たとえば「カンボジアで祭りをやりましょう」と呼びかければ、貿易会社や商社で仕事をしている人が1人か2人いたりして、その家族や友人知人を巻きこんでカンボジア祭りが本当に実現してしまう。
美容師のメンバーが1人いれば、プロに1000円カットしてもらえる。昔から小さな村で成立していたコミュニティを、テクノロジーの力によってネット上で簡単に生み出せる時代がやってきたのだ。
都税を納めている人は、東京都が運営する公営の無料オンラインサロンに加入できるようにすればいい。
フェイスブックのグループ機能を使えば、東京都から支出する予算なんて一円も必要ない。
都営のオンラインサロンができれば、都会で孤立した孤独な人にとって救いの場となる。
それぞれの興味や関心に合わせ、いくつかのグループで活動することができる。遠くに住んでいる人ともバーチャルで気軽に繋がれる。
オンラインサロンで出会った人と結婚することもあるだろう。
高齢者のボケ防止と健康寿命増進にもなる。いいことずくめだ。
インフラを新たに作る必要はない。
普段はオンライン上で繋がって、リアルにたまに会う。500円で借りられる町の集会場を使ったっていい。そこに人生ゲームやオセロなど、押し入れに眠っているボードゲームをもちこむ。動画やデザインの勉強会を開く。
たったこれだけのことでも、お金がかからない楽しい暮らしが実現できる。
多くの問題は「孤立」から来る。
コロナで会社や学校が休みになったとき、オンライン上にコミュニティをもたない人たちは孤立している。ストレスや鬱を引き起こすこともある。
そもそも生活保護を受けて暮らしている貧困層の多くは、情報格差の中で取り残された情報弱者だったりする。
生活保護を受けているのに、なぜか電話代が1カ月に3万円もかかっていたりするのだ。
ソフトバンクやドコモのような大手キャリアと契約せず、格安SIMとWi-Fiをうまく組み合わせれば、電話代が月3万円もかかるわけがない。
情報弱者には、知恵を使ってそこを節約しようという発想がないのだ。
安く生活する方法はいくらでもある。スマホ代など無駄な生活費をどんどん削る。
浮いたお金を使って、Netflix を観たりゲームをしたりしながら、ストレスフリーでハッピーな生活を送ればいい。
しかし、こういった発想も孤立してしまうと、なかなか自分では気づけない。
オンラインサロンを利用して普段から多種多様な人たちと交流し、精力的に活動する。
そうやって仲良くなった人たちと支え合い情報格差を埋めていく。
新型コロナウイルスの影響で多くの店や会社が休業する中、オンラインサロンの入会者は一気に伸びている。
僕のHIUだけでなく、芸人の西野亮廣君の「西野亮廣エンタメ研究所」や幻冬舎の箕輪厚介君の「箕輪編集室」も会員が増大しているそうだ。
メンバー同士の勉強会やオンライン飲み会も毎日のように開催されている。今後どうなるのか不安な中、オンラインのコミュニティが心の支えになっているのだ。
実際、会員数5万人を超える「西野亮廣エンタメ研究所」では、コロナの影響で仕事を失った人のために1カ月で100人の雇用を生み出すと宣言し、すぐに達成していた。
オンラインサロン内で、仕事をお願いしたい人と仕事がなくなってしまった人をマッチングさせたのだ。
オンラインサロンは遊び場として、精神的な拠り所として、そして支え合って生きていくセーフティーネットとして役割が増していくと思う。
新型コロナウイルスの影響で未来が急速に訪れようとしている。
無駄な出勤、無駄な会議、無駄な仕事。これらが一気になくなるかもしれない。
僕たちが一秒残らず人生を楽しみ切る世の中がやってくる。
東京はこの時代の流れをつかまなくてはいけない。
旧来のやり方を破壊し、アップデートしていかなくてはウィズコロナの時代に対応することはできない。
繰り返すが、今はチャンスだ。
僕が何年も前から言っている「好きなことだけで生きていく」時代がやってくるのだ。
しかし、東京はそのための準備がまったくできていない。
経済も教育も感染症対策も古いままだ。
新しい時代は自分たちの手で一気に作らなければならない。
今、東京が変わらなければこの国は終わる。
変わるべきときは、今なのだ。
思考停止の都民に告ぐ、ホリエモンの「東京改造計画」
『東京改造計画』僕は空気を読まない。
媚びない。
権力にもメディアにも都民にもいい顔をしない。
大いに批判され嫌われるであろう。
でも、それでいい。
誰かが強い意志をもって強い提言をしなければ東京は変わらない。
コロナ時代の新しい首都のカタチを皆さんと一緒に考えていきたい。
『東京改造計画』の前書きに書かれた堀江さんの言葉です。
コロナウイルスという「外圧」に晒されたボクたちは、変化を余儀なくされています。
その新しい変化の兆しとなる7月の都知事選挙の前に、「どんな東京に暮らしたいか?」ということを考えてみましょう。
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