ビジネスパーソンインタビュー
1年目のワークライフバランスとは?
“街の文脈”が大切!? けんすうが「SUUMO なぞって検索」を使って語る、若手が住むべき街
新R25編集部
多くの企業で内定式がおこなわれたとのニュースが流れています。
実際に働く現場でのイベントを通じて「働く」ことがリアルになったぶん、期待と同時に不安も抱いている内定者も多いのではないでしょうか?
「希望の配属先じゃなかったらどうしよう」「就職先の給料が安そう」「先輩社員たちの働き方がブラック」…。
新R25では、そんな悩みをビジネス賢者に相談し、キレイさっぱり解消してもらおうと、特集を行います!
その名も「さらば!就職ブルー」…!!
今回相談するのはこの人…!
今回は、掲載数No. 1の不動産情報サイト・SUUMOさんとのタイアップ企画として、新卒でリクルートに入社、複数サービスの立ち上げを経験したのち起業した起業家・けんすうさんに1年目のワークライフバランスについて相談。
働き方改革によって“多様な働き方”が叫ばれる昨今ですが、1年目から成果を出したいと思ったら、やっぱりオフの時間もがっつり仕事をすべき…?
「ラクに生きたい」「ツラいことは嫌い」と言いながらも、仕事で華々しい結果を残してきたけんすうさんなら、きっと優しい回答をくれるはず…!
【けんすう】1981年生まれ。19才で学生コミュニティ「ミルクカフェ」を立ち上げ、大学在学中にネット企業の社長に就任。2006年、リクルートに入社。2009年に退職し、nanapi代表取締役に就任。2018年にはアル株式会社を設立し、2019年1月にマンガ情報Webサービス「アル」をリリース
〈聞き手=宮内麻希(新R25編集部)〉
けんすうさんに優しい答えをもらうつもりが…?
宮内
今日は、「1年目のワークライフバランス」をテーマにけんすうさんにお話をお伺いしたいです。
早速ですが、仕事で成果を出したければ、やっぱりオフの時間も仕事につながることをしたり、熱中したりすべきなんでしょうか…
けんすうさん
そうですね。
本当に成果を出したいなら、オフの時間も仕事に関わるインプットをすべきですよね。
あれ…イメージと違っていきなりハードめなことを…
けんすうさん
リクルート時代、1年目から活躍していた人を思い出すと、みんな帰ってからも“趣味として”仕事や、仕事に関わることをしてるんですよ。
実は僕、リクルートの新卒採用とインターン合わせて5回落ちてるんです。どうしても入りたくて、就職留年までしてますから…
宮内
え、そうだったんですね。
けんすうさん
そのなかで優秀な同期たちと戦い続けるということに、危機感を感じてたんですよね。「頑張らないとやられるぞ」っていう。
成果を出すために本気でワークライフバランスを考えるなら、そりゃ“ワーク”に集中すべきですよね。
宮内
うっ…やっぱりそうなのか…
けんすうさん
そういえば、僕も自分でサービスを企画してリリースしてましたねえ。なつかしいな~。
宮内
あの、けんすうさん。
なんか今日は…意識が高いですね…
けんすうさん
ははは。そうなんです。実は意識高いんですよ僕(笑)。
笑顔は優しいのに言ってることは強めで混乱
ラクに成果を出すには“仕事で遊べるようになること”
けんすうさん
でも、そうやってオフも仕事を楽しんじゃうほうが、ワークライフバランスを保つうえで大事なんじゃないかと思うんですよ。
宮内
率直に言わせてもらいますね。
オフに仕事を楽しむって、そんなことムリですよ!!
けんすうさん
いやいや、誰でもできるオススメの方法があるんです…
本日の取材は、SUUMOくんも一緒です
けんすうさん
仕事で「キツイ」とか「うまくいかない」と思った部分をネタにして遊びに変えちゃえばいいんです。
絶対にキツイこともあるし、月曜の朝に「会社に行きたくない」と思うときもある。でもそれがつづくと、モチベーションが下がって成果も出づらくなってしまいますよね。
宮内
たしかに、だんだんやる気がなくなっていきますよね。
けんすうさん
なので、ラクに成果を出すには“仕事で遊べるようになること”が一番手っ取り早いんです。
宮内
どういうことですか?
けんすうさん
たとえば営業職で営業トークが苦手なら、頑張ってトークして、とくに理由はないのに「友達におごってもらう」ゲームみたいにするといいんじゃないですかね。
誕生日でもない日におごってもらうって、なかなか話術が必要なので。
けんすうさん
子供って、地震が起きたあとに「地震ごっこ」するらしいんですけど。
これって実は不謹慎なことではなくて、ツラかった経験を遊びに変えることで心理的負担を軽減させるメカニズムになっているらしくて。
http://www.js-cs.jp/wp-content/uploads/pdf/journal/19/cs2013_04.pdf※地震ごっことは…震災に見舞われた子供が、「地震が来た!」と言って机の下に隠れたり、お風呂で「津波だ!」と言って遊んだりするようになるという現象
宮内
仕事もそれと同じように、遊びに変えて心理的負担を減らせるってことか!
けんすうさん
そうすると、平日のストレスは下がって、仕事のスキルは上がるので超生きやすくなると思うんですよね。
ストレスって根本を取り除かないと意味がないので、気分転換しようとして「休日は仕事のことを忘れて遊ぼう」と思っても気分って転換されないんですよ。
宮内
それ、わかります。むしろ逆に月曜がツラくなるやつ…
けんすうさん
あと、社会人になりたてのころにプライベートを仕事に使うって、単純に気持ちいいんですよね。なんとなく、イケてる会社員っぽくて(笑)。
これが5年目とかになるともうそういうテンションもなくなるので、最初の3年ぐらいで仕事を遊びに変換するクセをつけちゃうのはおすすめですね。
みんな最初は頑張るものです
1年目は、住む場所にお金をかけたほうがいい
宮内
でも、たまには仕事以外のことでオフを充実させたいと思ったりしませんでしたか?
そういう経験こそ、仕事に生きてくるってよく言いますし…
けんすうさん
う~ん。
1年目でオフを充実させようとしても、収入も生活も大学時代とあまり変わらないので、結局そこまで幸福度は上がらないと思ってるんですよね。
秒速でマイルド論破されました
けんすうさん
それなら、住む場所にお金をかけたほうがいいですね。
宮内
そういえばけんすうさんは、新卒時代から電車を使わないで通勤できる距離に住んでたんですよね。
けんすうさん
そうそう。僕、新卒こそ無理をしても会社の近くに住むべきだと思ってるんですよ。
西イングランド大学の調査で、「1日の通勤時間が20分増えると、給料が19%減ったのと同程度のネガティブな影響が及ぶ」という結果が出たらしいんですけど、これってつまり、「通勤時間を短くすると、年収がアップするのと同じ幸福感を得られる」ってことじゃないですか?
けんすうさん
これ、誰でもできる「幸せ投資」ですよ。
宮内
たしかに…!
ちなみに、もし今けんすうさんが1年目だとしたらどんな場所に住みますか?
今回はぜひ、SUUMOさんが新社会人のみなさんに利用してもらいたいという「なぞって検索」を使って教えていただきたいんですが…
けんすうさん
あ、これ地図の上をなぞればいいんですか?
宮内
そうです! SUUMOアプリから物件検索→賃貸→東京都→なぞって検索の順に選択してください。
宮内
地図が表示されるので、気になる街をなぞってもらうと、付近の物件が出てきます。
けんすうさん
オフィスが渋谷なので…三茶かな~。
三茶って飲みに行く人がたくさんいる割に、わざわざ自分からは行かない場所だから気になってるんですよね。
「おお! 出てきた!」
けんすうさん
地図から検索できるのっていいですよね。
僕、1年目は秋葉原に住んでたんですけど、最初に物件を選ぶとき「近くにコンビニが4軒あります」って書いてあったんですよ。
これはいいなと思って即契約したら、4軒全部、パンが売りの某コンビニでして…
「僕、おにぎり派なんです…」
宮内
(笑)。
けんすうさん
自分で地図を見ながらチェックすれば、近くにどんなものがあるのかすぐわかりますよね~。
宮内
たしかに。いわゆる文字の「物件情報」じゃわからない部分が見えてきそうです。
けんすうさん
僕が住んでた家も、物件の情報的には「秋葉原」だったんです。
でも、実際には家のすぐ近くに「岩本町」っていう駅があって、すごく便利だった。
地図からであればそういう穴場も見つけられますよね。
“住む場所を選ぶ”とは、“自分がどういう人になりたいか”を選ぶこと
けんすうさん
あと、住む場所を選ぶときは“街の文脈”を意識するといいです。
宮内
文脈、ですか。
けんすうさん
『都市と野心』というエッセイのなかで、「都市にはそれぞれメッセージがある」って書かれていて。ニューヨークだと“どんどん稼げ”、ボストンだと“ハイクラスに生きろ”みたいな。
日本も同じで、秋葉原は“オタク”だし、渋谷だとみんなが使ってるスマートフォンが最新の機種だったりして、“最先端”な空気を感じられますよね。
宮内
文脈を意識するのって、どうして大事なんでしょう?
けんすうさん
住む場所を選ぶって、自分がどういうメッセージを感じて、どんな知識を得て、どういう人になりたいかを選ぶことと同じだと思うんですよね。
けんすうさん
2007年に会社(現nanapi。メディア企業)を立ち上げたとき、オフィスを高円寺にしたんです。
高円寺って“サブカル”が強いですし、会社の事業内容ともリンクしていたのでそのメッセージを感じたいと思ってたんですけど…
宮内
けど…?
けんすうさん
街全体が基本ゆったりしているので、働く雰囲気とは合わなかったんです。
それに、常連になると八百屋さんが野菜をタダでくれちゃったりして、どんどん働く気が失せていくんです(笑)。
「もちろんそこがいいところなんですけど!」
けんすうさん
僕が1年目で秋葉原を選んだのも、当時ビジネスやサービスが多く生まれていた場所だったから。
つまり、その街について詳しくなるとおトクな場所に住もうと思ったんですよね。
宮内
なるほど。自分が住みたい街を考えるときに、その視点はあまりなかったです…!
けんすうさん
だから「仕事を頑張りたい」と思ったら、会社に近いところというのは前提として、“働いてる街”がいいと思いますよ。
たとえば、渋谷、六本木、五反田あたりのオフィス街とかね。
けんすうさん
でもね、仕事以外の時間って、結局どんな過ごし方でもいいと思うんです。
大事なのは、オフの過ごし方も住む場所にも自分なりの目的を持ってみること。そうやって考えられる人が“成果の出る1年目”になるんじゃないですかね。
「自分の選択に“意味”や“目的”を持て!」と言われるとすこし窮屈になってしまうけれど、「自分がどういう人になりたいかイメージしてみる」と、なんだかすこし心が軽くなれる気がします。
あなたは、どんな街に住み、どんなビジネスパーソンになりたいですか?
SUUMOの「なぞって検索」で地図を眺めながら考える時間をつくってみるのはどうでしょう?
〈取材・文=宮内麻希(@haribo1126)/撮影=長谷英史(@hasehidephoto)〉
ビジネスパーソンインタビュー
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