ビジネスパーソンインタビュー
大人の悩みに、はるかぜちゃんが答えます!
怒りを“エンタメ化”しよう。はるかぜちゃんに「怒りをコントロールする方法」を相談した
新R25編集部
最近話題の「アンガーマネジメント」。
ついつい怒りをあらわにしてしまう人、怒りを我慢してしまう人…自身の「怒り」との向き合い方に悩むR25世代も多いのではないでしょうか。
そういう筆者も、仕事をしていてけっこうイラっとしてしまったりするんですよね…。
今回は、4歳でブログ、9歳でTwitterを開設し、現在に至るまでSNS上で数多の大人たちと論戦を繰り広げてきた春名風花さん(通称・はるかぜちゃん)に、「自分の怒りをコントロールする方法」を聞きました。
「昔はTwitterをしながらずっとイライラしていた」というはるかぜちゃんは、今年18歳。“大人の悩み”をどのように解決してくれるのでしょうか…?
〈聞き手=高城つかさ〉
高城
今日はぜひ…「はるかぜちゃん」と呼ばせてください!
はるかぜちゃん
もちろんです!(笑) よろしくお願いします!
大人のアンガーマネジメント相談①「ついつい怒りを我慢してしまう」
高城
さっそくなんですが、仕事をしていて「怒りを我慢してしまって苦しい」という悩みがありまして…
はるかぜちゃんでも、怒りを相手に言えないことってあるんでしょうか?
はるかぜちゃん
たくさんありますよ!
じつは僕、しゃべるのが苦手で、すっごく怒りを溜め込んじゃう人間だったんです(笑)。
Twitterを始めたのだって、本音を言えず苦しんでいた僕を見て、母が「言いたいことがあるなら全部書いてみたら?」と勧めてくれたのがきっかけで。
そんな背景が…人に歴史ありです
高城
はるかぜちゃんがSNSで本音をぶちまけるのは、リアルで言いたいことを言えない反動だったと。
はるかぜちゃん
ケンカするのって、体力使うじゃないですか。仕事だったらなおさらですよね。
イライラするたびに直接対決してたら、人間関係に影響が出ちゃってリスクもコストも大きい。だから、つい自分の内側で押し殺してしまってたんですよね。
高城
すごいわかる…。ちなみにそれ、いつごろの話ですか?
はるかぜちゃん
9歳ですね。
はるかぜちゃん年表どうなってんだ…
はるかぜちゃん
でも僕、「怒りを我慢している状態」ってものすごく不健全な状態だと思うんです。
内側ではどんどんストレスが溜まってしんどくなってしまっているわけで…それではマネジメントできているとは言えない。
「アンガーマネジメント=怒りを抑えること」みたいなイメージがあるかもしれないけど、そればっかりじゃ苦しくないですか?
高城
苦しいです…ぶちまけたい…
はるかぜちゃん
僕は、怒りが溜まって苦しかったらヘタに抑えようとしすぎず、吐き出していいと思ってるんです。
僕がTwitterにハマっていったのも、9歳の僕にとってTwitterが唯一「怒りをぶつけられる場所」だったから。相手に直接怒るのはかなりハードルが高いから、まずはとにかく吐き出せる場所を作らないと。
「怒りを上手に発散すること」だって、れっきとしたアンガーマネジメントのはずです。
大人のアンガーマネジメント相談②「怒りの伝え方がわからない」
高城
でも愚痴って、聞いてる側がしんどくなっちゃたりしませんか…?
決して楽しい内容ではないし…
上手な「怒りの発散方法」があったら教えてほしいです!
はるかぜちゃん
僕は「怒りのエンタメ化」を意識してます。
また役に立ちそうなフレーズが…!
高城
「怒りのエンタメ化」、具体的にどんなことをするんですか?
はるかぜちゃん
一定時間、振り切った「怒りモード」のキャラクターになりきるんです。
今は僕もTwitterのおかげで本音をさらすことに慣れて、まわりに愚痴を言えるようになったんですけど、毎回家族や友人に「今から小一時間怒りモードに入りますので、お付き合いいただけませんか!」とハイテンションで宣言してから愚痴を言うようにしていて。
高城
(アポイント方式だ…)
はるかぜちゃん
愚痴って聞く側も「いつ終わるかわからない」「真剣に聞かなきゃいけない」のがストレスだと思うんですけど、この方法なら相手も遊び半分で付き合えばいいから気が楽だし、自分もメリハリをつけられて気持ちを切り替えやすいんですよね。
18歳にしてこの分析力。はるかぜちゃん…恐ろしい子
高城
たしかに! これ、ものすごく実用的なアイデアなのでは…?
はるかぜちゃん
あと、「怒りのエンタメ化」が習慣化すると、「この“怒り”をどうやったら面白く発信できるか」と考えるクセが身につくので、少しずつ“怒り”自体を楽しめるようになってきます。
愚痴専用アカウントなんかはまさに「怒り」をエンタメ化して、面白がられたり共感されたりしているいい例なので、怒りのエンタメ化のいいトレーニングになるかもしれないですね(笑)。
高城
感情のまま怒るのではなく、コンテンツとして昇華するトレーニングか…よさそう!
エンタメ化が上手になったら、怒りを伝えたかった相手にも直接言えるようになるかもしれないですよね。
はるかぜちゃん
そうですね!
いかにも“めんどくさい彼女”みたいな雰囲気で「なんでわかってくれないの…?」とか重々しく言うより、職場でだって、「今から怒るから!」みたいな感じで言えたら、自分も頭の半分は冷静でいられるし。
ただ、当人に怒りを伝えるときには「事実だけを言う」という意識を強くもっておいたほうがいいかもいれないですね。
はるかぜちゃん
「怒り」を伝える以上、感情的になってしまって「不必要な攻撃」が混じりやすいので。
高城
…心当たりしかないです。
事実と感情、どうしたら切り離せるんでしょう…?
はるかぜちゃん
怒りを伝える「目的」を、自分のなかではっきりさせておくことかなあ。
たとえば、Twitterでアンチの人にからまれたとき、僕がすべきなのは「伝えるべきことを伝えること」。
書くべきことだけ書いたらあとは放置。倒すことが目的じゃないので、「会話」はしません。
もうどっちが大人かわかりません
高城
「相手を倒すのではなく、伝えるべき事実を伝える」…怒りを伝えたいときにめちゃくちゃ大事かもなあ。
大人のアンガーマネジメント相談③「年上の人へのモヤモヤ、どう伝えればいい?」
高城
あと、職場の先輩の言うことに納得ができないときとかもなかなかはっきり言えないんですけど(これも見られてるかな~…)、どうすればいいんでしょう?
はるかぜちゃん
それって、どうして言えないんですか?
高城
経験値は向こうのほうが上だろうから、こっちが間違ってるのかなとか、こっちに見えてないことが見えてたりするのかなって…
はるかぜちゃん
うーん…年齢が違うからこそ、伝えることに意義がある気がするんですけどね。
はるかぜちゃん
年齢が離れれば離れるほど、「正しい・正しくない」の違いより、「視点」の違いに価値が出てくるじゃないですか。
たとえば、僕も脳科学者の茂木健一郎さんとTwitterで議論させていただくことがありますけど、学校教育、恋愛観、働き方…どれをとっても相手が生きてきた時代と自分の生きている時代であり方って違うので、知識量とか経験量で比較できない部分が必ずあると思うんです。
むしろ貴重なやりとりなんじゃないかと。
高城
でも、年上の人に「それは違う」とか言われちゃったら、萎縮して一発KOされちゃいそうです…
はるかぜちゃん
それも「俺にとっては違う」でしかないから、意見に自信をなくす必要はないんじゃないですか?
「あなたたちの世代では許せない働き方かもしれないですけど、こっちはこっちでうまくやってますよ」みたいに、分かり合えないことがあったとしても、意見自体がダメってことはないと思うんですよね。
怒りを伝えれば、まわりにいい人が集まってくる!?
はるかぜちゃん
それに、相手の年齢とか立場は関係なく、怒ってる自分の意見を表明してれば、まわりにいい人が集まってきますよ。
怒りってはっきりとその人の価値観が出るから、価値観が似ている人たちが近づいてくるようになるんです。
高城
たしかに、「その人が何に怒るか」って、合う・合わないを判断するうえですごく大きいかも。
でも、「いい人」と思われたい自分もいるので、あんまり発信できないんですよね…
はるかぜちゃん
でも、怒りを発信しないで誰にでもいい顔をしていると、性格の合わない人も集まってきちゃいません?
高城
(グサッ)
完全におっしゃる通りです…普段本音を隠していると、価値観のあわない人ともそれなりに仲良くなっちゃって、全然乗り気じゃない飲み会の予定が入ったりします…
はるかぜちゃん
だから、他人に怒らない人ほど“合わない人間関係”が増えていって、ストレスが溜まっていくんです。
もちろん、傷つけたり攻撃をしたりするのはいけないこと。でも、まわりに迷惑をかけないよう、上手に怒りを発散できるようになれば、きっと自分のなかのストレスも、人間関係の悩みも少し解消されていくと思うんですよね。
なのでみなさんもぜひ、怒りを発散する「はるかぜ流アンガーマネジメント」、実践してみてください!
おみそれしました! ありがとうございました!
取材中、一度も姿勢を崩さず、丁寧に話をしてくれたたはるかぜちゃん。筆者も途中から相手が18歳だということを完全に忘れて、必死に相談に乗ってもらっていました。
アンガーマネジメントと聞くと「怒りを抑える方法」をイメージしていたのですが、怒りを上手にアウトプットする方法を学ぶほうが、もしかしたら根本的な解決策なのかも…。
みなさんもぜひ、怒りをエンタメ化する「はるかぜ流アンガーマネジメント」に挑戦してみてください!
〈取材・文=高城つかさ(@tonkotsumai)/編集=サノトモキ(@mlby_sns)/写真=森カズシゲ〉
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