ビジネスパーソンインタビュー
独自の仕事論を持つ2人が熱弁
「仕組みが回ると、ハンパなく気持ちいい」倉持由香×中田敦彦が語る“これから稼げる働き方”
新R25編集部
事務所の床で寝る、漫画喫茶で生活する…などの不遇の時代を経て、SNSで自らを「尻職人」とブランディングしてブレイク。憧れのタワマンへの引っ越しを果たした、グラビアアイドル・倉持由香さん。
『新R25』ではこれまで3度インタビューに登場していただき、その仕事論が大きく話題化しました。
そんな倉持さんが、オリエンタルラジオ・中田敦彦さんと対談!
お笑い芸人として早くから脚光を浴びつつ、音楽グループ「RADIO FISH」として紅白歌合戦に出演したり、アパレルブランド「幸福洗脳」を立ち上げたりするなど、多岐にわたる活動を続ける中田さん…。
異なる業種で活躍するお2人の仕事観とは?
それぞれ『グラビアアイドルの仕事論』『労働2.0』という著書を発売したタイミングで「ジセダイの『働き方』」をテーマに行われた、笑いの絶えないトークイベントの様子をお届けします!
【中田敦彦(なかた・あつひこ)】写真左。1982年9月27日生まれ。お笑いコンビ・オリエンタルラジオのボケ・ネタ作り担当。最近はビジネス方面に力を入れ、著書に『天才の証明』(日経BP社)、『僕たちはどう伝えるか』(宝島社)など。2019年3月には『労働2.0』(PHP研究所)を上梓 / 【倉持由香(くらもち・ゆか)】写真右。1991年生まれ。グラビアアイドル、タレント。事務所に住み込みで寝袋で寝たという悔しい時代をバネに、SNS上で「グラドル自画撮り部」を立ち上げ、自らに「尻職人」とキャッチコピーを付ける。2019年4月には『グラビアアイドルの仕事論』(星海社)を上梓
中田さん
よろしくお願いします! 中田です。
今回発売された『グラビアアイドルの仕事論』ですけど、まず、表紙のタイトスカートと尻の相性が良すぎますね。
この表紙も相当計算された「尻」だと思うんですけど、どういう意図があるんですか?
倉持さん
これ、AbemaTVの楽屋で撮ったんですよ。「自分のなかのおじさん」をフル活用して想像を働かせてます。
私、グラビアの撮影のときも、おじさんの視点で考えてるんですよ。こういうパンチラ好きだろうな~とか。
中田さん
パンチラって、男性も自己分析ができてないと思うんです。どうしてあんなに見たいのかわからないまま死んでいく。何なんでしょうね…
倉持さん的な“見せる技”とかあるんですか?
倉持さん
定番なのが、ミニスカートで体育座りして、三角の純白のデルタ地帯が見える形ですかね。
中田さん
純白!いつのまに我々の脳内に埋め込まれたチップなのかわからないんですけど、白がエロいんですよね。
…ごめんなさい、今日こういう話で大丈夫ですか?(笑)
ゼッタイ違うでしょうね
コンプレックスから生まれた肩書が武器になった。「尻職人」と「モテクリエイター」は双璧!?
中田さん
倉持さんは「尻職人」という肩書きで活動してますが、この肩書きは、いつ作ったんですか?
倉持さん
5~6年前です。それまでの9年くらいずっとくすぶってて、悩んでたときに、カメラマンさんから「その大きなお尻を武器にしたほうがいいよ! 出さなかったらただのムダ尻だよ!」って言われて(笑)。
中田さん
「ムダ尻」って(笑)。
倉持さん
おっきいお尻がずっとコンプレックスだったんです。グラビア撮影のときも、なるべく大きく見えないようにしてました。胸を出そうとしてみたりとか。
でも、カメラマンさんに言われて頑張って尻を出しはじめたんです。最初は毎日ツイッターで5分に1回くらい尻を載せてましたね。
中田さん
出しすぎじゃない?鳩時計より出してますよ(笑)。
鳩時計でも1時間に1回ですから…
中田さん
「尻にニーズがある」っていうのは自分ではわからなかったんですか?
倉持さん
わからなかったです。むしろ前にいた事務所では、「下半身デブ」「尻が大きくてみっともない」って言われてたので(笑)。
中田さん
前の事務所は罪深いですね! 「尻職人」なんて、尻派の僕にとってはいちばん素敵な3文字ですよ。
ゆうこすさんが「モテクリエイター」ってやってますけど、あの肩書きと同じぐらいすごい。ぼくから見れば、「尻職人」と「モテクリエイター」は双璧です(笑)。
尻がウケたら、追随者も出てくる…「グラビアアイドルの働き方」
中田さん
倉持さん、今回の本のなかで「グラビアアイドルの働き方」についてかなり赤裸々に書いてますよね。
グラビアの表紙をやってもそんなにギャラがもらえないとか。
倉持さん
本当に大変な思いをして某グラビア誌の表紙になってもノーギャラっていう。
中田さん
厳しいですね。
倉持さん
表紙になるのもめちゃくちゃキツくて。いろんな雑誌に出てる有名な子ならすぐになれたりするんですけど、わたしの場合は全然なれなくて、人気雑誌の表紙まで14年かかりました。
中田さん
苦節14年!?
「“おみそ汁飲み放題”の漫喫で、乾燥ワカメをたくさん入れて、ワカメ食べて生きてたんですよ!」と売れなかった苦労時代の思い出を語る倉持さん
中田さん
毎日毎日SNSに尻を載せるって本当に無理ゲーに見えるんですけど。
倉持さん
そうですね。でもSNSに尻を載せつづけたことで、3000人くらいだったフォロワー数が38万人になりました。
中田さん
すごいな。38万人が尻についていってるわけですもんね。
でもそうなると「尻が売れるんだ!」ってまわりが気づくから、尻推しの同業者って増えませんでした?
倉持さん
めちゃくちゃ増えました。
中田さん
ですよね。「そっちのラインがあるのか!」って追随者が増えてくるわけじゃないですか。
追随を許さないためには、“ひとつ段違いの尻を出す”工夫が必要だったと思うんですけど、「倉持由香が持つ、ほかの尻職人未満との違い」って何かあるんですか?
倉持さん
「それでもとにかく続ける」ですね。誰よりも載せること。
私は、「数は説得力」だと思っていて。雨の日も風の日も尻を載せつづけましたね。
雨にも負けず、風にも負けず、尻を出した人
倉持さん
あとは、尻から派生した他ジャンルのお仕事をちゃんとやって稼ぐ。
バラエティ番組、イベント、競馬、ゲーム、麻雀とか。AbemaTVの麻雀の番組で優勝して100万円稼いだりしてましたね。
中田さん
尻って派生するんだ(笑)。
倉持さん
するんです(笑)。むしろそうやって、何でも趣味から仕事につなげないとダメなんですよ。
中田さん
ああー、そこはお笑いともすごく似てますね。お笑い芸人もネタでデビューするんですけど、ネタだけでずっと勝ちつづけるってマジでキツいんです。
一度「こういうネタなんだ」って知られちゃったら、もう次の新鮮な人のほうが見たくなる。
だから、ぼくも形をいろいろ変えていくんです。
“GAFA”を使って、みんなが稼げるようになる
倉持さん
『労働2.0』では、そういうビジネス的な視点がわかりやすく書かれてましたね。
中田さん
ビジネスを始めるって絶対的にハードルが高そうだし、「ビジネススクールとかに通ってないとできないだろ」って思うじゃないですか。
でもそうじゃない。ビジネスは素人でもできるんです。まさにいま、実際にぼくがビジネスを始めたところなんですよ。その実体験から書いてます。
中田さん
いまってチャンスなんですよ。メルカリで当たり前のようにみんなが物を売ってるじゃないですか。工夫次第ですぐにお金がつくれるんです。
「GAFA(ガーファ)」っていう言葉があって、Google、Amazon、Facebook、Appleが、いま世界を牛耳ってる。でも、GAFAさえ使えば、みんながお金を稼げるようになるんです。
倉持さん
へぇ~! そうなんですか!
中田さん
Kindleで本を出せるし、Amazonで物を売れる。
それをFacebookで拡散して、PRをGoogleの子会社のYouTubeでやるんです。今まではそういうことって、出版社やテレビ局しかできなかった。それがテクノロジーで個人に分権化されているんです。
ぼく的には、すごく楽しい時代ですね。
中田さん
いま、YouTubeチャンネル「中田敦彦のYouTube大学」がすごくノッていて、ぼくの収益の半分以上はタレント業じゃないところでつくってるんですよ。
「中田敦彦のYouTube大学」。歴史上の偉人を紹介する「中田偉人伝」や、世界史をわかりやすく解説する動画が人気です
倉持さん
中田さんのYouTube、すごく勉強になります。
中田さん
ほんとですか! うれしいですね!
倉持さん
わたし小・中・高とあまり学校に行っていなかったので、歴史がとくに苦手で。
センター模試で日本史3点、世界史8点だったんですよ。
中田さん
逆にそれでよく受けに行きましたね(笑)。その装備で戦場に行ったことを褒めたいですよ。
「中田敦彦のYouTube大学」は今年の4月末くらいから本格的にはじめたんです。それで5月の登録者増加数が日本一になったんですよ。これすごいですよね?
倉持さん
すごい!
中田さん
ぼく、遊びの一環で「幸福洗脳」っていうTシャツを売っていて。
ラジオでガンガンPRして売ってたんですけど、あるときラジオ番組の出演が終わったんですよ。「これじゃあPRできない、どうしよう」って思ったんです。
だけどそうじゃない。「誰でも発信できるメディアがあるよな」と思いついて、YouTubeをやりはじめたんです。
倉持さん
物販のPRのためにはじめたんですね。
中田さん
メンタリストのDaiGoさんって、いまはそんなにテレビに出てない印象があるけど、YouTubeのチャンネル登録者数が90万人いるんです。それで、本がめちゃくちゃ売れてるらしくて。
「すごい! DaiGoさんをパクろう!」と思って、DaiGoさんとまったく同じタイトルの動画を上げました。
倉持さん
すごいパクり方しますね(笑)。
YouTubeのコメント欄は、9割シカト。貴重なのは1割の“ちょっとした指摘”
中田さん
それで「人に嫌われる話し方を教えまーす!」って内容の動画上げたら、コメント欄に「おまえだよ」って(笑)。そいつはミュートしましたけどね。
中田さん
倉持さん、自分に関する動画のYouTubeのコメント欄って見てますか?
倉持さん
こわいけど見ます(笑)。
中田さん
コメント欄って大体、「絶賛」と「罵詈雑言」で9割なんですよ。それぞれ大体45%ずつになってる。罵詈雑言は、「死ね」とか「消えろ」とかね。絶賛は「最高です」とか「一生ついていきます」みたいな。
実は、この9割はシカトしていいんです。
残り1割の、ちょっとした指摘。これがすごくためになる。これを活かすんです。
倉持さん
なるほど。
中田さん
でも、長文を上げてくるやつは大体おかしいのでシカトです(笑)。
倉持さん
あるある(笑)。
中田さん
いい指摘は大体短いんですよ。「場所どこ?」とか「音悪くない?」とか。
そういうのが来たら、「あ、場所が気になるんだな」「音質気になるのか」って改善するんです。
どんどんアップデートして、それで再生回数も伸びたんです。YouTubeの収益も上がっていったので、すごくチャンスだなと思います。
オンラインサロンは詐欺じゃない! 副業のなかに組み込んでみよう
中田さん
ぼくオンラインサロンっていう月額制のファンクラブみたいなものをやっているんですよ。
倉持さん
本に書かれてましたよね。
サロン、けっこうみなさんやっているな~!とは思っていて。
中田さん
要するに、サブスクリプション(期間に応じて料金を支払うビジネスモデル)の形が取れるんです。
マイクロソフトってパソコンはあるけど、スマホがないじゃないですか。だから一度落ち込んだんですけど、持ち直せたのは「Office」をサブスク化したからなんです。
倉持さん
企業の戦略でもサブスクが大きいんですね…
中田さんの話し方がうまいから、「わたしもやっちゃおうかな!」ってなってしまう(笑)。
中田さん
絶対やったほうがいいですよ。
「写真集をつくるので、オンラインサロンのメンバー限定で撮影に立ち会えるようにします!」って、ファンを集める。で、撮影のようすをYouTubeで流します。カメラ好きのファンに撮ってもらった写真を、写真集に掲載してもいい。それをKindleで売るんですよ。
単に何かモノを売るだけじゃなくて、サブスクと物販とかを組み合わせて、グワーッて勢いよく回転させる。
倉持さん
すごい。
中田さん
それをどんどん回転させていって、本業の10倍稼げるようになってきたら「お疲れ様でした!!」って事務所から独立すればいいんです。
「また何かあったら言ってください!!」って。(会場爆笑)
倉持さん
強すぎますね…!
仕組みが回ったときの気持ちよさがハンパじゃないでしょうね。
中田さん
半端じゃないです。
もう“倒幕”が迫ってるんですよ!会場のみなさんもいまは会社に牛耳られて副業禁止だって言われてるかもしれないけど、副業してるってわからないでしょ?
「お前、メルカリでモノ売ってるな」って怒られたことあります?
倉持さん
まずバレないですもんね。
中田さん
バレないバレない!
これ、ぼくがタレントだからできるんだろうって思ってる人もいると思うんですけど、そうじゃないんですよ。むしろタレントこそ歯車なので。
倉持さん
わたしもやりたいです!
中田さん
みなさんも、気になったらぜひ、ぼくのオンラインサロンに。(会場爆笑)
倉持さん
あはははは! オンラインサロン入らなきゃ!(笑)
中田さん
間違ったこと言ってないよ!これは詐欺じゃない! みんなやってることなの。(会場爆笑)
――ということで見事な勧誘があったところで締めさせていただきます。お二方、ありがとうございました!
(会場拍手)
〈取材・文=金藤良秀(@kinto_stnj)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=池田博美(@hiromi_ike)〉
会場=本屋B&B
倉持由香さん新刊『グラビアアイドルの仕事論』(星海社)
グラビアアイドル史上初のビジネス書発売!
「#グラドル自画撮り部」部長・倉持由香さんが編み出した、“すべての職業”をアップデートする実践的お仕事理論。
新R25の記事で彼女の仕事論に触れた方は、ぜひチェックしてみてください。
中田敦彦さん新刊『労働2.0』(PHP研究所)
一つの職種、一つの会社、一つの場所にとらわれないこと。一つの場に「雇われる」だけでなく、「雇う」視点も取り入れ、随時変化と進化をしながら「やりたいこと」を実現させて、食べていくこと。そんな新時代の働き方を、私は「労働2.0」と名付けたいと思います――。
変化をつづける異端の芸人・中田敦彦さんのビジネス観は、こちらの本で学べます!
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