ビジネスパーソンインタビュー
時代を生き抜く羅針盤『新・魔法のコンパス』より
自分へのバッシングは積極的に拡散しろ。ボクが実践する、逆境を“利用する”方法
新R25編集部
「僕たち人間は“知らないものを嫌う性質”を持っている」
現代の革命家・キングコングの西野さんはそう話します。しかし、「なんかよく分からないけど、怪しい」と蓋をしてしまったモノのなかに未来は眠っています。
今回は、激動の現代にあっても変わらない「お金」や「広告」のルールについて、自身の経験をもとにわかりやすく書かれた西野さんの著書『新・魔法のコンパス』のなかから、しなやかに時代を歩くための羅針盤となる4本の記事をお届けします。
「負け」の無い物語なんて売り物にならない
『西野亮廣エンタメ研究所』では毎日「入会者数」が出るんだけど、なんとも興味深いのが、絵本やビジネス書でコンスタントにヒットを飛ばしているときというのは、あまり入会者が伸びない。
数字が伸びるときというのは明確で、成功しようが失敗しようが「挑戦しているとき」だ。
なるほど、こっちのほうが『物語』として面白いわけだ。「一体どうなっちゃうの?」に人が集まっているわけだね。
これは連載漫画とまったく同じで、海賊王を目指すルフィが第1話から圧勝を続けてしまうと誰も『ワンピース』を読まなくなるわけじゃない?
勝ちがあって、負けがあって、リベンジがあって、『物語』になるわけで、読者の感情曲線をキチンと上下に振ってあげなきゃいけない。
皆、「負け」を避けたがるけど、「負け」のない物語なんて売り物にならない。これは、とっても大切なことなので、覚えておくといいと思うよ。
競合を減らしたければ、自分の活動へのバッシングを拡散しろ
「負け」を挟むことがいかに大切かご理解いただけたと思うので、ここからはもう少し踏み込んだ話をするね。
たとえばキミが今いるコミュニティーに限界を感じて、外に飛び出したら、もれなく「村八分」か「魔女狩り」か「理不尽なバッシング」に遭う。
ボクもそうだった。25歳のころにテレビ村を飛び出して、今日のような活動を始めたころにゃ、そりゃあもう、ありったけの石を投げつけられたよ。
「ひな壇に出ろや!」
「なんで、芸人が絵本なんか描いとんねん!」
「ビジネスにまで手を出したか!ヨゴレだな!」
ボクはもう村からいなくなったわけだから、わざわざボクに時間を割かなくてもいいのに、村からはそんな声が延々と届いてくる。
そんな、孤独な荒れ地開拓と、バッシングの日々を過ごしていたある日、ふと、あるコトに気がついた。
「あら? いつまでたっても競合が出てこないぞ」
ビジネスの世界では「レッドオーシャン(血で血を洗う競争の激しい領域)」「ブルーオーシャン(競合相手のいない領域)」という言い方をするんだけれど、ボクのいる場所が、いつまで経ってもブルーオーシャンなんだ。
じゃあ、そのブルーオーシャンに「魚がいないか?」というとそんなことはなくて、
自身4作目となる『えんとつ町のプペル』というメガヒット作品が出る前だったんだけど、絵本は確実に支持者を獲得していたし、ビジネスマン層からの支持も集め始めていて、講演依頼は日に日に増えていた。
『ひな壇』に出なくても、食える身体になっていた。
このブルーオーシャンには、たくさんの魚がいたんだけれど、世間はまだ気がついていない。
相変わらずバッシングを続けていて、世間的には、キングコング西野の身体からは血が流れている。
つまり、「あそこに行くと、自分もバッシングの対象になって、血を流す」と思われていたんだよね。
こうなったら、こっちのもの。
世間のバッシングを拡散して、ブルーオーシャンに行ったキングコング西野を、もっともっと八つ裂きにしちゃう。
八つ裂きにされている姿をメディアで流せば流すほど、こっちの海に来る人がいなくなる。
『荒れ地』と喩えたり、『海』と喩えたり、ややこしくて申し訳ないんだけど、もう一度『荒れ地』に話を戻すと、
村からのバッシングを拡散して、演出の血をひけらかして、競合の足を止めている間に、畑を耕し、水道を通し、電気を通し、ガスを通し、街を作る。
村の人達が気がついたころには、なんだか住みやすそうな街ができていて、さすがにバッシングは止む。
まもなく村から出てきた人達が、コチラの街に住もうとしたら、「もちろんオッケーですよ。その代わり、家賃を払ってくださいね」で一丁上がり。
風が吹けばヨットは進む
これからキミの人生には、「追い風」「向かい風」「無風」の3つの「風」が入れ替わり立ち替わりやってくる。
今のキミにも、いずれかの風が吹いていると思う。
そしてキミは、なるべく「追い風」が吹くことを願っていて、それが無理なら「無風」であることを願い、「向かい風」だけは避けたいと考えているんじゃないかな?
だけど、その順番で「風」を捉えていると、少しもったいない。何が「もったいない」のかを説明するために、先に具体例を挙げるね。
2015年の話だ。インスタグラムの後押しもあって、日本にも、いよいよ本格的にハロウィン祭りの波がきた。
あの夜の渋谷スクランブル交差点が大変な騒ぎになっている映像を、キミもニュースで一度は見たことがあるだろう?
まぁ、映像そのまま、現場もあの調子だったよ。
盛り上がるのは結構だけど、困ったことがあった。ハロウィンのオバケにふんした連中が排出する大量のゴミだ。
行政が「ゴミは持ち帰ってください!」と何度も呼び掛けたけど、まるで効果なし。ハロウィンの翌朝の渋谷には、投げ捨てられた大量のゴミが溢れ、その酷さは年々増していく。
そして迎えた2015年のハロウィン。状況でいうと、『向かい風』だよね。
渋谷の街を守りたい人達が皆、頭を悩ませていたので、渋谷区に、こんな提案をしてみた。
「『ゴミを出すな』と何度言ってもゴミを出されてしまうので、ハロウィン当日に『ゴミを出すな』と力で押しつけるのではなくて、ハロウィン翌朝に『ゴミがないと成立しないイベント』を企画しましょう」
ハロウィンのゴミを「オバケのカス」に見立てて、そのオバケのカスを掃除するのは、ご存知『ゴーストバスターズ』。
ハロウィン翌朝に、皆で、『ゴーストバスターズ』の仮装をして、ゴミを拾っちゃう作戦。
ダメもとで、『ゴーストバスターズ』に許可を取りにいったら、「喜んで!」の一言。なんと『ゴーストバスターズ』の公式ロゴを貸していただけることとなった。
このアイデアをツイッターに投稿したところ、500人のボランティアスタッフが数分で集まった。
『アンチ西野』達が「西野に手柄をあげさせるな! 西野達よりも先に渋谷に入って、渋谷を綺麗にして、邪魔してやろう!」というオマケつき。ありがとうアンチ西野。
集めたゴミは別の場所に移動させて、そのゴミを使って皆で巨大なオブジェを作る。ゴールを「オブジェ作り」に設定すると、『ゴミ拾い』が『材料集め』になり、皆、競ってゴミを集め始めたんだ。
結果、2015年のハロウィンの翌朝は、一年で一番渋谷が綺麗な日となった。
これから大切なことを話すから、よく聞いてね。
ヨットは『追い風』だと前に進むし、『向かい風』でも帆の傾け具合で前に進む。
一番やっかいなのは『無風』で、このとき、ヨットはピクリとも動かない。
2015年の渋谷は、帆を正しい角度に傾け、ハロウィンの夜に吹いた『向かい風』を利用して、前に進んだ。
キミの人生もそうだ。
今、どの角度から風が吹いている?
もし『向かい風』が吹いているのなら、そいつはキミの身体を大きく前に進めてくれるエネルギーとなるから、その風は避けずに、正しい帆の角度を探るといい。
キミが本当に避けなきゃいけないのは『無風』だ。
定位置にいるようだけど、実際のところはジリジリと後退している。だって、周りが前に進んでいるんだもん。
嫌なことがあったときに、このヨットの話を思い出してみて。
少しだけ光が見えると思う。
西野さんの経験が詰まった『新・魔法のコンパス』で“時代の歩き方”を学ぼう
「発見だらけ。おそるべき具体性。なにより、今日からなんかやってみようという活力がみなぎった(又吉直樹)」
昨日までの常識が、今日非常識になる。
そんな激動の現代における「時代の歩き方」について西野亮廣さんが書いた『新・魔法のコンパス』。
逆境の乗り越え方からお金の稼ぎ方まで教えてくれる、挑戦するあなたへぴったりの一冊です!
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