ビジネスパーソンインタビュー

ゆうこすと振り返る経歴。「モテ」ばかり考えてきた彼女が、唯一無二の存在になるまで

「私はこの世の全てのぶりっ子を肯定する」

ゆうこすと振り返る経歴。「モテ」ばかり考えてきた彼女が、唯一無二の存在になるまで

新R25編集部

2019/02/22

X
FacebookLINE

この記事をシェア

リンクのコピー

若い女性を中心に人気を集める「モテクリエイター」のゆうこす(菅本裕子)

かつてはアイドルとして、そして今は精力的に発信を続けるインフルエンサーとして活躍する彼女は、いかにして「ゆうこす」という唯一無二の存在になったのか?

高校時代など昔のお話や、ひきこもり時代の話、執筆された『SNSで夢を叶える』(KADOKAWA)という本に込めた想いなど、ご自身の経歴を振り返っていただきました。

〈聞き手:いしかわゆき(新R25編集部)〉

ゆうこすのプロフィールと経歴

本名:菅本 裕子(すがもと ゆうこ)

生年月日:1994年5月20日

年齢:24歳(2019年2月時点)

職業:モテクリエイター

出身地:福岡県北九州市

血液型:B型

身長:160cm

ー 経歴 ー

2011年4月福岡県立八幡高等学校入学

2011年 8月 HKT48の1期生としてデビュー

2012年 8月HKT48を脱退。料理の専門学校へ進学

2014年 調理師免許と食育インストラクターの資格を取得。お料理アイドルとして活動を開始

2015年 講談社主催のオーディション「ミスiD 2016」で準グランプリを受賞。「ネオぶりっ子」と称され話題に

2016年InstagramなどのSNSで発信をスタート。個人事務所「KOS」を設立

2016年11月YouTubeチャンネル「ゆうこすモテちゃんねる」を開設

2017年 9月『SNSで夢を叶える ニートだった私の人生を変えた発信力の育て方』(KADOKAWA)を発売

2018年 1月事務所所属タレントオーディション「やりたい事をやって生きたいの」でプロデュース業を開始

出身高校は偏差値65! 当時から「モテ」しか考えていなかった

いしかわ

ゆうこすは高校時代はどんな子だったんですか?

ゆうこす

まず、入った高校が進学校だったんですよ。偏差値65くらいの!(笑)

中学のときは学校をサボり気味だったのに、どうしても頭の良かった好きな人と同じ高校に行きたくて…。受験2ヶ月前というギリギリの期間で勉強して、受かったんです。

いしかわ

恐るべし、恋のパワー…

ゆうこす

でも、短期間で詰め込んだので、まったく勉強についていけなくて(笑)。

勉強よりも「今日はふわっと香るヘアコロンつけていこ~!」とか「授業中は乾燥するからミスト持っていかなきゃ~!」とか、そういうことばっかり考えていました。

いしかわ

せっかく頑張って入ったのに…!

ゆうこす

とにかくモテたかったんです。

男女問わず「可愛いね」と言われたい、という思いが強かったと思います。「モテ部」とかあったらいいのになあ、なんて思っていました。

いしかわ

高校時代から「モテ」を中心に世界が回っていたんですね。

そのときから、SNSを活用していたんですか?

ゆうこす

いえ、勉強に忙しい学校だったので、特にSNSは使っていなかったし、そもそもよくわかっていませんでしたね。ただ、当時大好きだった「AKB48」が、SNSに足を踏み入れるきっかけになりました。

握手会に一人で行くのが不安だったのでAmebaを始めて、そこで知り合った人と握手会に参加したんですよ。

ゆうこす

それまでは学校にAKB好きの人がいなかったので、「同じ趣味の人と語れるって楽しいなあ」と、そこではじめてSNSの魅力を知りました。

いしかわ

高校時代はごく普通の女の子だったんですね…!

ゆうこす

そうなんです。当時は一目惚れした男の子の影響で、「銀杏BOYZ」というロックバンドをずっと聴いていましたし(笑)。

好きなものに忠実に生きていましたね!

HKT48を脱退したあと、引きこもっていたゆうこすを救ったのは「SNS」

普通の高校生だったゆうこすでしたが、オーディションを受けたことをきっかけに、大好きなAKB48の姉妹グループである「HKT48」の1期生としてデビュー。

約1年間活動したのち、総選挙でのプレッシャーや自分自身が消費されていくことに耐えられず、「向いていない」とアイドルを引退します。

しかし、スキャンダルなどが騒がれているタイミングで辞めてしまったことで、世間ではさまざまな憶測が飛び交い、ゆうこすには心ない言葉が浴びせられました。

いしかわ

HKT48を脱退したあと、どうして大騒動になってしまったんでしょう…?

ゆうこす

アイドルを辞めたとき、デマ情報をネット上に流されまして…。

本当に何もやっていなかったので、それをニュースとして取り上げていたテレビ番組に「本人ですが、どこ情報でしょうか?」と問い合わせたら「Yahoo!知恵袋で見ました」と言われて…!

Yahoo知恵袋…!?

ゆうこす

全身から力が抜けていきましたね(笑)。今だったらきっとそれはいいツイートネタになりますが、当時はまだ17歳で炎上経験もありませんでした。

だから、見ず知らずのことで多くの人に批判されて、とても怖くなってしまって。「すれ違う人みんなが私の悪口を言っている」と外に出るのが辛くなってしまったんです。

いしかわ

17歳でそれはキツすぎますね…。

そこからどのようにして立ち上がっていったのでしょう?

ゆうこす

きっかけをくれたのはSNSでした。あまりに叩かれすぎて誰も信用できなくなったとき、味方がほしくなったんですよ。

それで、「どうやったら自分の味方を集められるんだろう?」と考えて、SNSで発信を始めました。

そこからどんどん味方が集まっていくなかで、自分が本当にワクワクすることを見つけられたのが、立ち上がれた一番のポイントなのかなと思います。

モテクリエイターは、女の子の「モテたい」を全力で肯定する仕事

2015年、ゆうこすは講談社が主催のオーディション「ミスiD 2016」に出場し、準グランプリを受賞。「ネオぶりっ子」と称され話題となりました。

そこから自身をモテクリエイターと名乗り、YouTubeチャンネル「ゆうこすモテちゃんねる」などを開設。精力的に発信活動を始めます。

いしかわ

ゆうこすの「モテクリエイター」という肩書きはどのように生まれたんですか?

ゆうこす

実は、HKT脱退後は調理師免許を取ってお料理アイドルをやっていた時期もあるのですが、それもぶっちゃけ「モテたい」という思いだけでやっていました(笑)。

振り返ると、アイドルのオーディションを受けた理由や調理師免許を取った理由、コスメや服を買うときの理由…すべての理由が「モテたい」でしたね。

いしかわ

人生のすべての選択肢がモテにつながっていたんですね。

ゆうこす

そうなんです。でも、実際にモテクリエイターを名乗りだしたのは2016年の「ミスiD」がきっかけでしたね。

そこで改めて思ったのは、「ミスiD」や「元アイドル」という肩書きは本当にすごいことだけど、ほかにも同じ肩書きの人はいるし、それに甘えてるだけではダメなんだなぁと。

唯一無二の肩書きを得て、唯一無二の届け方をしていかないといけないな、と思ったんです。

ゆうこす

そうやって自分らしい発信をしていくうちに、いつの間にか「クリエイター」と呼ばれるようになったので、自分でもそう名乗るようになりました!

いしかわ

なるほど。モテクリエイターというのは、具体的にどのようなことをしているんですか?

ゆうこす

女の子の「モテたい」という気持ちを全力で肯定して、モテる方法をメイクやファッションで表現し、キャッチーな動画や写真に落とし込んで発信する仕事です!

中高生の頃って、どうしても「可愛いって言われたい」「モテたい」と思うだけで、まわりの人から嫌われがちなんですよね。別に誰に迷惑をかけたわけでもないのに!

いしかわ

たしかに、世間での「ぶりっ子」のイメージってあまり良くないですよね…

ゆうこす

そうなんです。

だから、私と同じように「モテたい!」と思いながらも表に出せなかったり、「モテたいって悪いこと? 」って思っている女の子を集めて、「ぶりっ子って最高だ!」ということを発信していきたいなと思っています。

いしかわ

あえて口には出さないけど、心の底では「モテたい」と思っている人は多い気がします。

それを代弁してくれたからこそ、ゆうこすは多くの女性からの支持を得ているんだと思います。

発信で大切にしてるのは「誰に届けたいのか」。より共感してもらうためのこだわり

いしかわ

ゆうこすって、本当に毎日すごい勢いで発信をしていますよね。

発信をするときに1番気をつけていることってなんですか?

ゆうこす

「情報」「共感」「熱量」はもちろん、「この投稿を、誰に届けたいのか」を1番大切にしています。その人は、何歳で、今こんな感情で、こういうことが好きで、ファッションはこんな感じで、こんなところにいて…とかなり具体的にイメージをします。

そうすることで、より共感ポイントの多い投稿になっていればいいなと思います。

いしかわ

特に反響が大きかった投稿はありますか?

@yukos0520がシェア

ゆうこす

ゆうこすのファン層が大好きなコスメブランド「ジルスチュアート」の新作リップが発売されてすぐに、リップ全色をデートに絡めてレビューしたものですね。

発売されてまだ間もなく、誰も投稿していない状況だったので多くの人が見に来てくれて。単調な文ではなく、私の言葉で投稿していたので、反応率も高かったです。

SNS疲れを防ぐには、1つの場所に固執しないことが大事

いしかわ

それだけこだわって発信をしていると、「SNS疲れ」になったりはしないんですか?

ゆうこす

もちろん、疲れてしまうときもありますよ。だけど、居心地の良い環境を作る努力は必要だな、と思います。

普通に生きているだけだと、本音で話せて自分のことを応援してくれる人が多くいる環境ってなかなかできないじゃないですか。

ゆうこす

でもSNSだと、自分の好きなコミュニティに入ったりすれば、カンタンに価値感が近い人と交流できますよね。

ただ、SNSによってそれぞれ特性があるので、自分に合ったSNSで居場所を作るのが大事なのかなぁと思います。1つの場所だけに固執するとどうしても疲れてしまうので。

いしかわ

たしかに、自分の居場所は複数あると良いと言われていますよね。

ゆうこす

私は一時期、批判がツラくてYouTubeに動画をあげられなくなってしまったんですが、それはYouTube特有の匿名性の高さが原因だったのかな、と思います。

YouTubeはアンチコメントがつきやすいので、それに心を痛めて活動を休止してしまう人も多いんです。

でも、そんなときにSHOWROOMを始めて、「本当に私のことが好きな人しか来ない環境ってこんなにも元気をもらえるんだな」と実感しました。だから1つのSNSがツラくなったら、ほかのものを試してみるといいと思います。

『SNSで夢を叶える』という本で伝えたいことと、ゆうこすのこれから

いしかわ

ゆうこすは現在活動の幅を広げているそうですが、どんなことをやっているんですか?

ゆうこす

今やっているのは…

オリジナルスキンケアブランド「youange」

旅×ファッション×LIVE サービス「TaVision」

ライバー育成事業 「KOSライバー部」

飲食店経営

自分のYouTube、インスタ、などのSNS

イベント

本の執筆

などですね!

モテを軸にすると、やりたいことがいろいろ生まれてくるので、どんどん挑戦しています。

いしかわ

発信をベースに、ここまで仕事が広がるんですね。

本の執筆といえば、ゆうこすの著書『SNSで夢を叶える』もたくさんの人に読まれていますよね。ほかの“発信本”とは違うポイントはなんですか?

ゆうこす

書かれていることすべて、実際に私が経験した話であるということです。世の中に“発信本”はたくさんあると思うのですが、実際にフォロワーが多くて、毎日多くのSNSを全部使って発信している人が書いてる本ってなかなかないんですよ!(笑)

私のリアルな経験談がたくさん書いてあるからこそ、多くの人に共感してもらえたのかな、と思っています。

いしかわ

リアルだからこそ、再現性も高そうですね。どんなことを意識して書かれたんですか?

ゆうこす

「ああ~わかるわかる!」っていう共感と「へえ~そうなんだ!」という発見のバランスですね。

わからなさすぎても読んでいて疲れるし、わかることだけでも参考にならないじゃないですか。だから「共感できるし参考になる」のバランスを考えながら書きました。

いしかわ

両方大事ですよね…!

ゆうこす

「ゆうこすだから夢を叶えられたんじゃないの?」と言われたりもしますけど、そんなことないんですよ。今「やりたい事をやって生きたいの」という企画で、新人の子をプロデュースしているんですけど、ぐんぐん伸びてます。

「ゆうこすだから」じゃない。しっかりと届けたいものを熱量を持って届ければ、誰だって夢を叶えられるんですよ。

いしかわ

ゆうこすが言うと説得力がすごいです…。ありがとうございました!

紆余曲折あった、ゆうこすの経歴。アイドルや調理師免許取得などさまざまなことに取り組みながら、常にベースとしてあったのは「モテたい」という強い思い。

そんなゆうこすの人生の一貫したストーリーが、彼女に共感が集まる理由の1つなのかもしれません。

プロデュース業など、「モテ」を軸にますます活躍していくモテクリエイターの元から、今後どんなスターが誕生していくのか、楽しみです。

〈取材・文=いしかわゆき(@milkprincess17)/撮影=森カズシゲ〉

ビジネスパーソンインタビュー

【兼務で忙しい人へ】仕事を断らないサイバーエージェント専務が実践している「マルチタスクの極意」

【兼務で忙しい人へ】仕事を断らないサイバーエージェント専務が実践している「マルチタスクの極意」

新R25編集部

新会社設立!「GMO インターネットグループ」が新時代をリードする“AIとロボット”事業に進出

新会社設立!「GMO インターネットグループ」が新時代をリードする“AIとロボット”事業に進出

新R25編集部

「会社員は出産後のキャリアアップが見えない…」女性のキャリアの“根深い課題”を有識者2人に相談しました【金井芽衣×石倉秀明】

「会社員は出産後のキャリアアップが見えない…」女性のキャリアの“根深い課題”を有識者2人に相談しました【金井芽衣×石倉秀明】

新R25編集部

「薄っぺらい人間から脱却する方法」をReHacQ高橋Pに相談したら「本気“風”で仕事する恐ろしさ」を教わった

「薄っぺらい人間から脱却する方法」をReHacQ高橋Pに相談したら「本気“風”で仕事する恐ろしさ」を教わった

新R25編集部

「ずっとうっすらお金がない」悩みをプロ奢さんに相談したら「ないのは金じゃない」と覆された

「ずっとうっすらお金がない」悩みをプロ奢さんに相談したら「ないのは金じゃない」と覆された

新R25編集部

「好きなことにこだわってはダメ」"好き"を仕事にできずに苦しむ会社員に、自己理解の専門家・八木仁平さんがアツいアドバイス

「好きなことにこだわってはダメ」"好き"を仕事にできずに苦しむ会社員に、自己理解の専門家・八木仁平さんがアツいアドバイス

新R25編集部